今年は序盤で体調くずしたのと、どんどん年を取るせいで、日本語を社会人として使う機会がウイスキーをのぞいてほとんどないなかで、みたものの日本語の感想をあげる作業がどんどん時間がかかるようになってしまいました。
3)追加で、ツイートで上げた感想を頼りに、ここに一気にまとめたいと思います。
今年は序盤で体調くずしたのと、どんどん年を取るせいで、日本語を社会人として使う機会がウイスキーをのぞいてほとんどないなかで、みたものの日本語の感想をあげる作業がどんどん時間がかかるようになってしまいました。
3)追加で、ツイートで上げた感想を頼りに、ここに一気にまとめたいと思います。
直接フリンジとは関係ないのですが、フリンジがきっかけで長い時を経て、結果的にこんなことになったので、忘備録。
2)郵便物は誰宛でも書留で!あと、送るタイミングを考えましょう
毎年この時期、いやらしいレベルで「オレが絶賛したものは、エディンバラフリンジをほぼほぼ制する」証明書とか免許とかもらいたいと繰り返しつぶやいていますが、そんなオレの目利き能力がもたらす効能といえば、大抵の場合、ドンハマりした演者さん(注:そんなに多くない)がハネちゃうとっくの前に、推し活動を開始してる、ってことなんですね。ちっちゃいプレゼントとかちょこちょこあげちゃう。
推しからは、あげてもいい許可を事前にもらいます。じゃないと、向こうはオレを知らないんだから怖いだろうにと、思っちゃって。または、最適な送付先を聞いて送っちゃう。役者業の場合はここ、制作の場合はここ、ライブのブッキングはここ、というようにエージェントに複数登録してることが多くて、どれが一番いいのかわからんから。
そんなわけで、オレが推して推して推しまくっている演者さんの1人は、スコットランド出身のせいか、フリンジを制したあとも、短期間でショーやったり、フリンジでお芝居やったり、たまーにではありますが、コメディ・クラブのミックス・ビルに出たり、なんてことをやっててくれたんですね。なので、ギャーギャー騒ぐことが比較的できてたってのがあります。で、里帰りをしたときに、演者さんの超推しバンドの日本限定版をたまたま見つけて買ってて、それを次の機会に手渡そうと、のんきに構えていたんですよ。
そしたらですね、その演者さんが執筆&主演したドラマ・シリーズが、満を持して4月に配信開始になると同時に、驚愕で前代未聞のビッグバン・レベルの爆発人気をおこしてしまってですね。その結果、とてもじゃないけど、もはやエディンバラのフリンジなんかに生身でふらっと来れるわけがない、って状況になっちゃったんです。
せっかく買ったのに!!
とはいえ、持ち続けても意味がない。渡すのがオレの幸せ&目的なので、演者さんに相談して、送ることに。で、一番都合のいいエージェントの住所を教えてもらい、送ります。「バタバタしてて、事務所に行くまでには時間がかかるけど、フェッチしたら連絡するね!(推しバンドの限定品なので→)超楽しみ!!」と言われたけども、演者さんはメディアとアワードのひっぱりだこなので時間がかかるのは当たり前、受け取ったとしても忙しくて返事もできるわけもない、と気にしないでいるなか、8月はとあるおやつの時間。携帯みると、その演者さんから
「送ってもらってるよね?(汗)まだ届いてないんだけど・・・」
とメッセージが。
ええええええええええええ・・・ とどいてないの!?@?!@?!えええええええ
1stClassで送ったんですよ。書留にすると不在のときにピックアップで面倒かけちゃうから。しかも1st Classって書留の48時間内より値段は高いんですよ。4£くらいしてるの!
あと2nd Classならまだしも、1st Classで郵送したものが紛失したこと延べ34年間イギリスで一回もないんですよ。遅れて1週間とかは、ある。でもどっかいっちゃうってことは、ない。
オンラインで購入したスタンプの詳細を見てもらったが、宛名と送り先は一字たりとも間違っておらない。演者さんも担当さんは何度も事務所内を確認したが、届いてない。もちろん、オレの家に返送されてきてもない。
なにを、どうやったら、荷物が消えちゃえるのだろうって考えました。
で、よく考えたらですね、オレが郵送したときって、日本を除く世界中が演者さんの事実をもとにしたドラマシリーズの、元ネタを探しまくっている5月半ばだった。誰あの女?って噂がとびかってて、余計な詮索しないでくださいって制作側がめっちゃ呼びかけてるときだった。
郵送の過程にはあまり責任の大きくない人達も多くかかわってるわけで。よりにもよって、あの!世間のかなり多くが血眼で実在の人物を探しているさなかに、エディンバラからの荷物で、書留もしてなくて、演者さんの名前と事務所宛の小包を見たら、「なにこれゴシップの予感」ってとられちゃう可能性あるんじゃないか、と思いました・・・お絵描きと限定版しか入ってないよ(号泣)
証拠もないし、何しろ、書留にしてないから、どうしようもないんだけど。
演者さんには、何回もごめんねーごめんねーって謝られて。一切悪くないのに。もしもこの予想が当たってたら、オレの郵送物ですらこんなことになってるんだから、演者さんが様々にこうむってる迷惑レベルって想像を絶する酷さなんじゃないかと思う。
なくなったものは仕方ありません。限定版もっかい探して買って送ることに。ちくしょーオレは負けない。
みなさん、ものを送るときは書留にしましょう。1st Classはもはや1st classでもなんでもなくなってしまいましたよ・・・オレの世代だと、1st classへの根拠なき信頼が若い世代よりも大きいのかも。
今年は通年に比べ、記録したいイベントフルな出来事がいくつかあったので、忘備録ポスティングです。
1)体調が悪過ぎて、鑑賞中にぶっ倒れる
年を取ったことをわすれがちになるんですが、
ちゃんと食べて休まないと、ダメ!!
今年はフリンジ開始週、結構重要な仕事で出張後、体調を壊しちゃったんですよね。
しかし8月は稼ぎ時。目が開いてるときは仕事かフリンジがらみか、のどちらかしか選択肢がないんですよ。なので休養らしき休養どころか、マックス以上に忙しい状況のなか、ビンジ・レベルは中レベルの8月4日(日)を迎えてしまいます。
午前中は仕事ですでに15K歩くらい歩いていて、終わって速攻で1本目(エレノア・モートン)。お昼食べることもなく(同行者がすでにおっきいブランチ食ってた)ラテ&ビールで次のショー待ち(スティーヴィー・マーティン)。この後もごはんを食べるほどの待ち時間がなく、ビールを飲んで3本目(キエラン・ホジソン)。夕方6時半近く、おなかが減りすぎて死にそうななか、ついに店にはいってごはんをたべれるくらいの時間が! と近所のよくいくピザ屋へ入り、はらぺこの状態で欲張ってチーズたっぷりの上にさらにモツァレラが丸ごと1個乗ってるプロシュートピザを、ビールで流し込みながら、ごちそうさま。
胃袋がキリキリってきたのが、次のショー前(コレ)に並んでいるとき。この時点では、食べ過ぎておなかいたい、っていう感覚で。後頭部で不安がよぎるなか、開場時間。そして全然前の方で並んでなかったのに、なぜか案内される順番と席のレイアウト上、下手よりの一番前に座ることになってしまいます。
ショーが始まりは、まだコントを楽しんで笑ってられたのですが、半分くらいしたところで、イブクロのアップセッティングがギアアップ。吐き気とおなかのぐるぐるに耐えながら、オレの脳裏に浮かんだのは、あの11年前に起きた悪夢。11年前は演者のお父さん(国民的有名人)のほぼ隣でショーを観ることから起こった悲劇と罪悪感ですが、今回は別の意味で絶対に!!!Make the Sceneを避けたかったのです。というのも、
10年くらい前にメンバーさんの1人のソロ・プロジェクトだけにめっちゃハマった(→この芸人さんに認識されるレベル)のに、スケッチコメディのほうにはそれほどハマってない・・・ってことが、本人にうっすらばれてる気がしてならない。さらにこのスケッチグループを盲目的にべた褒めするレビュワーさん大嫌いっていいまくってるし、最後にフリンジ来たのは6年前なんだけど6年前観に行ってないしまるでさわいでない。(注:SNSが相互フォローになっています。でも読まれるわけないと言いたい放題言ってきました)というわけで、もう総計10年くらい本人に話しかけてないから覚えられてることもないんだが、途中で退場なんてことやったらさすがに「あ、あいつだ!」って思い出されてひんしゅく100%
って、なるんじゃないか、と。なので今回は、たとえどんなにヤバくても、
退場だけはできない。
我慢しなければ。
と、「ダメ!退場」の言葉を呪文のように繰り返しているうちにですね、まるで記憶がぶっ飛びまして。生まれて初めて、記憶がないんです。気が付いたら、同行者に支えられ演者さん方に「大丈夫?!?!意識もどった!!!よかった!!!」と大声で呼びかけられており、「もうほとんど終わりだから大丈夫だよ!大したことやらないから気にしない気にしない!!!はい!みんな拍手! よかったよかった!」
と。
演者さんたちに呼んでもらったPleasanceのFirst Aidチームに支えられながらお客さんの拍手で(同行者とともに)退場いたしました。
演者の出入口のところで仰向きになってたのですが、両手の指と足の指が麻痺っぽくなってて、FirstAidの方にいわれるように動かしたいのに、上手に動かないんですよ。コワすぎる!! でも、にっこり笑ったり、視線も合わせることができたので、「まずは、大丈夫だ」と。だんだんふつうにしゃべることができるようになり、同行者とFirst Aidの人とお話しながら、足と手の指をぎゅっとしてはなす、ができるまで繰り返し繰り返しトライしました。たぶん15分くらい?で、しっかりしびれがとれていて、普通にぎゅっとしてはなすができるように。めちゃくちゃほっとしました。ただ、体力的に、立ち上がって歩ける、ってほどまでではなく、しばらく折り畳み椅子のある場所で座っていると、ショーが終わりまして。
わざとじゃないからしょうがないとはいえ、自己管理悪すぎ(汗)。ほんとに申し訳なく平謝りした結果、オレですってバレました。才能のある芸人さんはお人柄みんないい人ばっかり!なんですよ。なんで残りを見れるようにってコンプチケット手配していただいて、ありがとうございます。
スケッチショーは、ほんとに面白かったですよ。ほんとにおもしろかったんです。3人のスケッチグループとしてはもう14年?15年くらいで、今年で3人の活動としては最後のショーになりそうだから、その最後の最後のやつを見れて感慨深かったし。
こうやっていくつのスケッチコメディグループの有終の美を見てきたことか・・・(感涙)
いや、しつこいけど、本当に世間はワタクシのいうことを信用したほうがいいと思うって。
ツイートスレッドでおすすめしたものは16作品ですが、その中で3作品はノミネートになってて、1作品が受賞作ですから。
というわけで、以下まとめ。
Amy Gledhill: Make Me Look Fit on the Poster → WINNER 🎊🎊🎊
感想はhttp://www.gojohnnygogogo2.com/2024/08/edinburgh-fringe-2024-2024-amy-gledhill.html
先日チャリティーショーの後に(出口でさらに募金を募るためバケツ的なものを持って立ってたので)、もうちょっとで愛の告白が口から出そうになるくらい、大好き!!!です。
Catherine Bohart: Again, With Feelings
以前もノミネートされてるせいで、わざわざ受賞しなくても・・・?という枠ではあるかと思います。エイカスター・ルートを狙って欲しいかも(ノミネートの回数最多で受賞したことない、ってやつ)
Chris Cantrill: Easily Swayed
エイミーと一緒に組んでDelightful Sausageをやっていて、今回ソロ(スタンダップ)で(相方と共に)ノミネート。すいません、見てるんですが、まだ感想追いついてない。(すいません)
Josh Glanc: Family Man
めちゃくちゃ!面白いです。今回見たくても時間が上手に合わなくて(おやつの時間にやってたので)みれなくて、のああああああ!と思っている芸人さんの1人です。ちなみに前回見た時の絶賛の感想はこちら
http://www.gojohnnygogogo2.com/2022/08/edinburgh-fringe-2022-2022-nic-sampsons.html
Natalie Palamides: WEER
クイーーーーーーーン!制す! The Listでアワードとってしまったのと、もうすでにtraverse theatreのでっかい方を序盤の段階で全日程ソールドアウトにしてるくらいの人気と知名度なので、賞はエイミーが一番よかったんだと思う!!!
ナタリーのショーのオレの感想は
http://www.gojohnnygogogo2.com/2024/08/edinburgh-fringe-2024-2024-natalie.html
Reuben Kaye: Live and Intimidating
この人だけ、ノーマークだった。オーストラリアのシンガー&コメディアンで
’Reuben Kaye and his band are back with the UK debut of his award-nominated show Live and Intimidating! The obscenely intelligent, rib-crackingly funny Reuben Kaye returns to the Edinburgh Fringe in an explosion of high camp and filthy humour. With musical direction by Shanon Whitelock and original compositions, this Swarovski-studded revolt is what happens when you tell your children they can be anything.’
だそうです。
Sarah Keyworth:
My Eyes Are Up Here
2018年くらいからメキメキと出てきた感があるのですが、近年はもっぱらテレビ(パネルしょー的なもんとか)でご活躍というイメージで。見たことないんですが、気がついたら、大きめの会場を埋めちゃうくらい人気者になってたので、そのまま、みたいモチベがあまり湧かないまま、今に至ってしまいました。フリンジでもMonkey Barrelの3でMBでは一番おっきいと思う。エキストラショーはPleasance Grandだったし。今後きちんと注目しておきたいと思います。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/colin-hoult-colin
ペリエ賞と呼ばれていた頃、さらにはパンデミック前に比べ、本家のエディンバラコメディアワードの他にアワードが増えてきましたね。最近経済困難でアワード自体がなくなるかも!なんていう不安もあったことも手伝っていると思われます・・・
というわけで、ライブコメディをオンラインライブストリーミングで配信できるようにした立役者のNext Up ComedyがBiggest Comedyアワードを作ったらしく、そのアワード受賞をしてました。
、リッキー・ジャーヴェイスの「アフター・ライフ」でアナ・マンやってるコリン・ホルトっぽさが出てる役で出演してますので、ネトフリで見てらっしゃる方もちらほらいらっしゃるかと思うので、どうぞよろしく思い出してください。
そんなわけで(?)コリン・ホルトといえば、女優アナ・マンのキャラで有名すぎなのですが、今回はコリン・ホルトがコリン・ホルトとしてスタンダップする、っていうあまり頻繁に見れないタイプのものであり、個人的に今まで見たことなかったので、見に行きました。
すごく、よかったです。
「コリン」って自分の家族の物語で、母親から兄弟から自分のこと、そしてさらには、自分の子供たちのお話なのですが、表現スキルありすぎて、まるでドラマとかを見てるような1時間でした。前回のアナ・マンのショーも含めて、コリン・ホルトはADHDだってことがこんなに年取って(40過ぎて)わかって、いろんな意味で人生で抱えていた数々の問題イベントが納得いくっていう話をサイドラインに置いときながら、よく思い起こしてみれば、兄弟も子供もみんなコリン・ホルトみたいだよね、と。よく考えたら、一番小難しくて理解し難かった父親が、実は唯一の「普通」の人だったんじゃねーか、って話なんですよ。久しぶりに「クラブコミック」金字塔を見た感じ。BBC2とかでシリーズになりそう。と思いました。
Delightful Sausageも観たし、2年前のソロデビューも後追いで観たしで、ここ1年くらいは大好きな芸人さんです。Amy Gledhill。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/amy-gledhill-make-me-look-fit-on-the-poster
(オレ的には今年はエイミーかナタリーが賞を取ればいいとと思っている。この二つは飛びぬけて好きだから)
ボディランゲージを含む表現が素晴らしいんです。そして他と一線を画すのは、最終的なメッセージがワンダフォーなポジティヴ・トーンなところなんですよ。レジリエンスとか、諦めとかそういうんじゃなくて。
以下、結構ネタバレになっちゃうんで、見る予定の人は絶対に読まないでください
今回は「寝る前に二つ毎日よみがえる記憶がある」って基本二部構成。(1つは、その2つの記憶から波線(漢字?)してクラスタみたいに語られていく。狙ってた体育の先生に近寄るために、彼が子供たちと一緒に行ったGo Ape(アスレチック場のアップグレードしたみたいなところ。結構ハード)について行って、スタート地点にも立てないうちにギブすることになった話、man of my lifeに出会ったと思ったのに(出会ったと思った理由が「チップスの上にバターをのせるオプションがなぜないんだ」とつぶやいたから*)あるとき、「もし自分がホニャララだったとしても、まだ私のこと好き?」ゲームで、「もしも●●(ダーツの選手の名前、うっかり忘れた)と同じ髪の毛でもまだ私のこと好き?」って聞いたら「。。。のー」って言われて、別れる以外の選択がなかった、とシングルになった・・・後の、自由の素晴らしさを謳歌しまくってて、現在家のドアを閉めた瞬間まっぱになるのが早すぎて、お隣の女の子にえらい迷惑をかけた話や、Nothern News というポッドキャストをやっているのだけど、やってるスタジオの隣にOff Menuも収録中で、エイカスターがちっちゃい子を連れてきて、「この子ちょっとだけ面倒見てて」って頼まれたんだけど、どうもアメリカから来てるイギリスをよく知らないとってもちっちゃい子だったので、イギリスにはね、大抵どこのサービスステーションにもあるToby Carveryを激推しして、その魅力を得得と語り、何と言っても魅力はビュッフェで、なんでもいくらでも食べれるところ!!!と力一杯語ったら、あとで、その子がStranger Thingsのフィンヴォルフハルトだって聞かされた・・・でこれが、二つ目の「寝る前に毎日蘇る(恐ろしい)記憶」w。
これらをすごいダイナミックに身振り手振りで話してくれるんですが、素晴らしいテンポの良さと面白さなんですよね。で、これらってのが奥の方で、「セルフ・エスティーム」「自分をどれだけ好きでいられるか」的なテーマで繋がっていて、後半マンチェスター行きの電車の中の話(通路を歩いていて、サイズの大きい容姿について揶揄われるようなセクシャルハラスメントをされる)へと伸びていくんですね。その事件があったとき、彼女は何もできない、何も言い返せずに、そのまま自分の席に戻るんですが、なんとかセルフエスティームを持ち直して、車内スタッフさんにレポートするんですよ。自分に自信がない、セルフエスティームが低いと自分への価値も低く、自分こそが自分を大事にして愛さなきゃいけないのに、自分が真っ先に自分を蔑ろにしてしまう。こういうことが起きても自分を守れずにいることがある。だけど、しっかりセルフエスティーム持とうよ。いいところを見つけよう。自分をサポートしてくれる人たちのいうことをちゃんと聞こう。
すごく頑張るエネルギーと強さをもらえるショーでした。多分それでノミネートもされた苦いないと思います。本当に素晴らしいので、ぜひ見てください。
*前のBFがニック・ヘルムさんだったということを知っているとより一層お楽しみいただけます
https://tickets.edfringe.com/whats-on/ashley-gavin-my-therapist-is-dying
最近、ライブ活動をきっちしりしてたグラスルーツ系のライブシーンで活躍するの芸人さんらがTikTokにあげて地元を超えた認知度をあげるっての、激増しましたよね。
Netflix is a Joke, Hulu, Comedy Central等にも登場しておるほどエスタブリッシュされてる芸人さんではりますが、国を超えての認知度は、やっぱり何回かTikTokで話題になったことも大きいようです。とはいえ、TikTokを情報ソースとしていないので、TikTokでヴァイラルになってるのが主な理由だと、まるでレーダーが働かないのですが(汗)
では、どうやってレーダーがピピンと立って観に行ったのかといえば、Sheeps(後日説明)の開場を待って並んでいるときに、写真とまるっきり同じ様相の、キャップを後ろ向きにかぶってダボっとしたTシャツとジーンズ姿の彼女と、心センシティヴが全面にでてる子たちが彼女と話したくていそいそ並んでおり、なかには感極まってプチ泣いてるみたいな子の姿まで見ちゃったんですよ。その間そばで同行者が「あれー??だれだっけあれー? アメリカのほらあの人!」って、全力で記憶の中とグーグルを駆け回っていたんですね。
評判のよさもさることながら、あのお客さんとのやりとりをしている姿が一番見たいと思った決め手かな、と思います。
【ショーの内容は】
子供を理解することを心理カウンセリングへつれていってやり過ごすタイプで、ショービジネスとか、ゲイとか異次元の論外すぎる世界に住んでいる母親と、なんでもおおらかに包み込むタイプの父親のもとに生まれたアシュリーなんだけど、その父親を11歳のときに亡くしまうんですね。この世に誰も無条件に味方になってくれる人がいないなか、(4歳だったかな?)からずっと週に2回通い続けている心理カウンセラーの存在が、気が付いたら自分のことを一番よく知っている人間になっていて、実は自分のメンタルの支えになっていたことに、その心理カウンセラーにある日「ガン(だったかな?)で余命1年なので、カウンセリングもあと1年で終わります」って言われて、壮絶ショックを受けて気づく・・・
というお話で。お話自体は結構重いのですが、異常に表現(言葉の選び方)とクラウドワークによる笑いのクオリティが高いのですよ。たとえばなんですけど、子供のころの話をしているときに、'Sexy Child' って口走って、客の反応をチェックして、「いやいや、この話はあんたたちが思ってるのと違うから」って、「客の想像している」ネタ「ひどいねあんたたち」というレイヤーで本線のストーリーと別のピードーネタをやってのけちゃう。この客のスペースの操り方って、(別に影響を受けてるとは思ってないけど)スチュワート・リーとかがやる種類を彷彿とさせました。
副業時代の職業が大学でコンピュータ―サイエンスの講師で、生徒たち相手にパフォーマンスしてるのとかわんないという感覚だったらしいです。ショーのあとの、お客さんたちとの和気あいあいな雰囲気も含めて、とてもよかったです。
去年から3人くらいの友人(全然別々のソース)に激しく布教され続けていたにもかかわらず、去年フリンジで見逃し、その後、UKツアーで巡回して回ってた時も、チケットを買っていたのに見逃し(マンチェスターに行かねばならなかった)さらには、期間限定のオンラインストリーミングも見事に見過ごし(普通に忘れた)、絶対に観る気がなかったんだろう、と責め立てられてもおかしくない状況下に置かれて迎えた2024年8月。またしてもお昼休み時間のショーで、昨年と同じ悲運の繰り返しになりそうだったのを、なんとか開演時間よりも15分前に会場に近いところで仕事が終わる!っていうタイミングを見つけていってこれました。
ついに。
もう見る気がなかったなんて、誰にも言わせない!!!
https://tickets.edfringe.com/whats-on/phil-ellis-come-on-and-take-the-rest-of-me
フィル・エリスは10年くらい前にフリンジで(親の間で)人気を博した?キッズショーでオレのなかでは記憶が強くて。このキッズショーがまるで子供フレンドリーじゃないんですよ。ものすごいキッズにいぢわるで、ものすごい面白かったの。あまりに面白くてBBC3かなんかで番組になったくらい。YOUTUBEにあるかな。あ、vimeoにちょっとだけあった
今年1日だけのリバイバルをやってたみたい
https://tickets.edfringe.com/whats-on/funz-and-gamez-returnz
一回もソロショーを観たことないし、とくに話題になった昨年のやつも見てないので、比較もできないまま、今回だけのショーの内容と感想を述べますと、ですね。42歳だったかな?で、ご離婚なさったかで、一人暮らしを再開することになり、いわゆるワンルームに住み始めたんですって。ワンルームでの生活を通したエリス的角度からのミニマリズムの謳歌ってのが一つの軸にネタが進行する一方、自分の話を展開するだけじゃない、「みんなのエンターテイメント」としてのショー、みたいなもう一つの軸があるんですね。音楽とか踊りとかDJとかラップとか唐突にインサートしてきます。まるでまとまり感がないようで、サイドキック(トムという80年代のホスピタルラジオDJみたいなノリの男の子)がサウンドボードを使ってノリなのか緻密に練られたタイミングなのかわからんけど、ちょいちょい効果音とサウンドバイトを出しまくってて、それが上手に2つの軸に統一感と一貫性をもたらしてくれてるのが、クオリティだったかと思います。これサイドキックの子のキャラも大きく貢献してる気がします。
ちなみに開園時にエリスが出てくるもんかと(当たり前のように)期待してたら、TOMが袖から堂々登場して、前フリ始めるんで、最初「あれ?!会場間違えた?!」と焦りましたが、大丈夫でした・・・
やっぱりですね、去年だか一昨年だかにぼそっとつぶやいたことの繰り返しだけど、この芸人さんって、クレジットがco-workになってしまうタイプの作品よりは、ひとのアドバイスやアイディアは参考程度でいいクレジットがsolo workのほうが、きちんとただしくぶっ飛んで具現化できると思うんですよ・・・(ものごっついい人すぎだから、自分のことはさておき人の意見を取り入れすぎちゃうんじゃないかと)
というわけで、今回のは、基本的にベケティアンなやつです
https://tickets.edfringe.com/whats-on/joz-norris-you-wait-time-passes-work-in-progress
「一世一代のライフワークがついに完成したんで、みんなの前で発表するよ!」っていう前振りでいつまでたっても完成作品の発表をいろんな形で引っ張り続けるってやつ。パターンとしては(内容は別ものだけど)2019年に大絶賛したMr Fruitsaladの1時間と同じ系統。http://www.gojohnnygogogo2.com/2019/08/edinburgh-fringe-2019-choice-award-joz.html
今今発表しますよ、ってときにエージェントから電話がかかってきたり、アーティストの自分を理解してくれない奥さん(→実際はパートナーはいるけど結婚はしてないのでフィクション)から電話がかかってきたり、発表の直前に思いがこみ上げすぎて、今までの苦労と思いを語らずにはいられなくなったり・・・と、いわゆるお約束なんですけど、観客に「絶対そうだろ」と期待されてるクラシックお約束なので、脈略のないぶっ飛んだ言動しても(パンツ一丁で客席で飛び跳ねるとか)ハマるんですよね。その脈略のないウィヤドーさがジョズくんらしさ、であるので、上手にハンドリングができてます。
で、結局完成作品のお披露目はあるのか、なのですが・・・ありますw その作品発表の内容はもっとさらに質素でもいいのかな?とは思ったりしたのだけど、その辺はWiPなので、ポリッシュしてくんじゃないのかな。何より気に入ったのは、完成作品自体が大きなオチになっていないところなんですよ。斬新だと思います。焦点(とオチ)が一生涯のライフワークを完成させた後のアーティストにシフトするので、作品自体の面白さとかは、むしろ笑いには大きく左右されないところがいいです。
来年本番バージョンがやってくるらしいので、見て感想をアップしたいと思ってます。ロンドンでも10月かにWIPをやるらしいので、興味のある方はぜひ。
https://www.pleasance.co.uk/event/joz-norris-you-wait-time-passes-work-progress
このショーは今年のフリンジ開催序盤で、コメディといえばのいつもの友達らから「ハナ・プラットお勧め!」「ハナ・プラット見とけよ!」とつつかれており、どこかで観ときたいなーと思っているうちに、次から次へと高評価レビューが止まらないことになっていて、これみとかないとダメなやつだ、と焦り、チケットあるうちに抑えて観に行きました。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/hannah-platt-defence-mechanism
この前のポスティングでホレイシオ君がガッツリGenZバイブって言ってますが、ホレイシオ君よりおそらく2-3歳下*のハナ・プラットちゃんは一転、ミレニアムのバイブを基盤に彼女のコメディスタイルとしてしっかり昇華できてて、なるほど、これは話題になるし、高評価のレビューもバシバシたたき出してる、と思いました。
かつてボー・バーナムの「Eighth Grade」を観たせいもあって、彼女の言う、「24時間監視されてるような状況で生きている、自意識過剰なのはわかってて、誰も自分なんか目に入ってないのがわかっていても、いつも誰かに笑われているんじゃ、見られたくないところを見られてるんじゃ、誰かに蔑まされているんじゃ、ってトラウマから抜け出せずに、頭おかしくなりそうになりながら生きてる」ってのが、すごい、リアルにわかるんですよ。いろんなメンタルの悩みを抱えて、ステージでカミングアウトする芸人さんが増え、なかにはトレンドも手伝って商売的な利点も手伝って・・・という一方、彼女の場合は、本当に純粋にココロの底から、その恐怖やトラウマから逃げるのが、逆手をとってみんなの前でマイクを持つこと、って思って言ってる。それがちゃんと伝わるんですよ(大人は騙されませんからね・・・)彼女の観点からの世界は、たとえネタがクラシックでも新たな落としどころを生みだしていきます。
マンチェスターのトラムでいわゆる不良キッズたちと乗り合わせたときのエピソードとか、苦手なソーシャルをしないといけないときの話とか、彼女のような子の処世術ですね、どうやってサバイブするか。母親がこういう自分をわかってくれない、家族の中にフィットインできてない、的な話に移行してからも、亡くなった(生まれも育ちも典型的な北イングランドのワーキングクラスのゴリゴリな)(フリンジ人気のトピック)死んだおやじの話じゃないと、釘さしながら、さらっと父親が生前描いてたわんこのスケッチにふれつつ、上手に決して涙を誘わない笑いへと最後に回収するなど。
ほぼ確実に新人賞ノミネートにはなると思います。これ、ならなかったらおかしいんじゃないかな。ではよろしくお願いします。
*ショーのなかで、たしか24歳っていってて2018年スクール時代って言ってたのと、ほんとに幼くみえるんですよ。とてもちっちゃいし、アニメに出てきそうなスクールガールみたいに見える。なんだけど、友人の話によると「いや!9年くらいはサーキットにいるはずだからもっと年は上のはず!」なんですよ。たしかに24-9=15歳くらいからコメディクラブでキャリアスタートってありえ・・・ない話ではないかもだけど、もしかしたらもうちょっと年齢は上かもしれません。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/horatio-gould-return-of-the-space-cowboy
去年非常に良かったと思っているので、今年もチェックしとこうと思って観に行きました。やっぱりホレイシオ君は26−7歳にしてはスキル異常に高いと思うのよ。
(って言っておいて、Sean Hughesがペリエを獲った時も26歳だったですが…)
ご本人「ミレニアムとGenZの狭間くらいの世代」って言ってるけど、自信を持ってオレはいう。彼が放っているのはGenZバイブです。ミレニアムにあるレベルのピリピリ構えとかプレッシャーが欠落しているというかw 頑張って頑張ってきたSNS前の世代、そして(違う方向で)頑張って頑張ってきたSNS後のミレニアムの世代を見てきて、イタイものばっかりで、こーなりたくないよってものばっかりでモチベバイブがないっていうのかなw it is what it isなんですよ。期待通りに行かなかったり、いやなことあっても(こんな世の中)しょーがないよね、っていうスタンス。その視線からの世情論は(オレには娘がいるせいで)非常に共感できるし面白いです。
興味深かったのは、クラウドワークを頑張る姿勢になっていたことです。興味深いと思ったのは、http://www.gojohnnygogogo2.com/2024/04/tiktokfin-vs-internet.html で喋ってた客席をいぢることやりたくねーって言ってから、ってのがあるんだけど、どうせやるならおちょくり程度の客とのやり取りではなく、きちんと絡もう、っていうことだったのかな? クラウドワークのスキルを上げたいからフリンジ期間でたっぷり経験積んどこう、っていうのと、ショーとか作り込みをしっかりしときたかったけど、フリンジ始まってもなんか上手にモチベが上がらずできてないので客と絡める時間がいっぱいあるってのと、一番はだらっとダベってるポッドキャストの延長というか、またーりみんなとだべる空間をみんなで楽しむのも目的、っていうのかな。そういうノリなのが、プロフェッショナルに(有料で)やれちゃってるのが新しいし、好印象だったんですよ。
オレが行った時、たまたま若い男の子のお客さんでFilm Studiesだったかな?(とにかくメディア)をやってる学生さんがいて、その子のコースプロジェクトだかの構想案を語り出すんですけど、それが地下鉄サリン事件とルーシー・ブラックマン事件を掛け合わせて繰り広げる、(事件二つについて知ってるものは)どうしてそうなるのかわけのわからん一大スペクタクルSFドラマで、ホレイシオ君もどうやっていぢったらいいか困っちゃったんだと思う。素人君だから説明がとても下手だし。なんかよくわからんまま、終わっちゃいましたよ。
よっぽど、うちの父親丸の内線1本遅いのだったか早いのに乗ったせいで巻き込まれなくて済んだって話をしようかと思ったけど、関わるのもどうかと思って、何も言わなかったです。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/zoe-coombs-marr-every-single-thing-in-my-whole-entire-life
10数年、女子コメディ&ゲイコメディシーンのフロントラインで戦い、今のような改善された環境に貢献してくれたゾーイさん。
この世界によくありがち(?)になってしまっているautism (ここ最近特に次から次へと、特にシス男性が、ニューロ系の問題をカミングアウトした結果、ニューロダイバーシティが、悪い言い方するとトレンド化しちゃってる)で、昔から道端のゲロに興味があり、写真にとってコレクションしてる、ってかなりゲロい話から始まります。
で、ちょっとここ数年あんまりメンタルにいいポジションにいなかったゾーイさんは、(みんなの大好き)心の整理にと始めたエクセルスプレッドシートとEvernote(だったと思う)を使って、自分の人生のエピソードを全部!リスト化することにドンはまってしまった。ゾーイさんは(客から見たら)気絶しそうに膨大なリストをスクリーンシェアして、お客さんにお題をピックアップしてもらい、そのエピソードを語る、というものなんです。
だから毎日語るネタは同じじゃないはずです。60分のショーとして括りを作りつつも、実際は小ネタ見せなのが、すごいクレバーだと思います。また、本当に感銘を受けたのが、このこっちがちょっと引いちゃうようなレベルのエクセルスプレッドシート量を作り見せることで、ビジュアルのみでAutismを美しく表現しているところです。最後には、このスプレッドシートを点と線に変換し、彼女のEvery Single Thing in My Whole Entire Lifeのアウトラインを冒頭のゲロ画像とオーバーラップさせるんです。見事なメタフォーだし、アートですってこれ。
アートですって。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/paul-williams-mamiya-7
1年おきぶり。
Paul Williamsは本当に、毒性のあるコメディとかものすごいクサクサなクセのある笑いとか、鬱になるような重さのあるコメディとか、ってのが全般的に苦手だけどクオリティの高いコメディが好きという方にもおすすめできる。ほんとに、ほんとに、ほんとに観た後にわんだふぉーな気持ちになります。笑いがレベル越えのチャームなんですよ。
昔からフィクションとリアルの境界線がよく見えない、知らないうちにフィクションがふんだんに盛り込まれている物語に引き込まれるようなタイプのショーが大好きで、Paul Williamsはまさにそのタイプです。今回は、オンラインでMamiya7の中古を買った、っていうところから始まる物語なんですね。そのMamiya7の中にフィルムが入っていた、と。で、フィルムを焼いたら、飛行機の車輪をフォーカスした着陸近いときの写真と 持ち主が自分の影を被写体にしているショットがでてきて、このフィルムを通して元の持ち主に対してファンタジーを膨らませていくんですよ。んで、その写真をプロファイリングして場所を確定させ、現場に旅に出ちゃうんです。その旅日記を音楽をかませながら繰り広げていきます。後半から最後のクライマックスにかけてのたたみかける文字遊びがくだらなすぎるオチになっていて、壮大にふくれあがったロマンティックファンタジーのバルーンがシューっとしぼむまで、本当に堪能できます。
(注:リアルライフでは素晴らしい奥さんがいらっしゃいます)
歌声も透明感があって素晴らしいんです。エイカスター氏が大絶賛で押しまくった7年くらい前から音楽(この界隈限定)で知名度が上がってると思います。
観れる機会がありましたら、ぜひ!
なんでなんだろー、って思うんですよ。はえあるエディンバラフリンジでアワードも取ってて(2019)ここ7−8年はレベル超えの傑作しか作ってないですよ。どのコンテンツも。SNSでもヴァイラルになるのもあるのに。なぜ・・・
https://tickets.edfringe.com/whats-on/jordan-brookes-fontanelle
昨年のWiP観てます。
http://www.gojohnnygogogo2.com/2023/08/edinburgh-fringe-2021-2023-wipjordan.html
このあと、今年の4月かな?にWiPもっかい見てます。過去作と同じヘヴィーなトーンと同じ路線だったら最初のWiPより軽くて、あまり深いこと考えなくていい仕上げにしていて、その意味では新鮮だけど、ちょっと物足りない?という印象だったんですね。ジョーダンさん曰く、絶望的にならないよう意図的に軽くした、とのことですが。
で、今回の最終形態、です。
わかいときは夢や希望にあふれ、「オレって、もしかしてオレって選ばれしもの・・・?!」って志高く生きてきましたが、気が付いたら38歳。自分は選ばれしものかと期待するうちに、選ぶの忘れちゃったよ。
ところで、サウザンプトンで観たタイタニックがあまりに酷かった。だから、自分でタイタニックのミュージカルやっちゃおうかと思う。
と、同じようなレイヤーのセットアップである一方、
最初のWiPのときのようなミュージカル上演中と(自分の出番以外はオフステージで)客とだべってる、という設定ではなく、唐突に始まるミュージカルシーンでガッツリ衣装着た演者が6人集合してジョーダンさんと一緒に歌って踊りだし、曲が終わるとサーっと袖にはけていくというw
タイタニックをネタにしたメタフォーがミレニアムの世代からもっと絞られて、(この世代の)シス男性にフォーカスされていたのも、それだけ落とし込みを研ぎ澄ますことができる英断だったと思います。というのもシス男性が長いこと作り上げてきた「男」のイメージのせいで、苛まされているじゃない? そのせいで一番の快楽と言われている男性のGスポットがあるといわれているお尻の穴の奥への探訪をためらってるんじゃない?
みんななんで、探訪したことないの? (オレはしたよ!だから言うんだ!)それっておそらくそんなことしたらゲイだと思われたらどうしよう、っていう心理でしょ?ほうらね! 今こそ!(toxic masculinity から自分を救うために)お尻にディルドーを!!!
っていう展開なんですよ(→ミュージカルもエネルギッシュにそういう方向になっていく)
ディルドーがちん〇の形じゃなくてまん〇の形だったら解決するんじゃないの?!って3Dプリンターで作ったのがハイライトの1つなんですけど、ショー中にどのように使うかまるで考えず、思い付きで作ったものの、今までのWiPを全部書き換えてフィーチャーしないと話にならないくらいお金がむちゃくちゃかかっちゃった・・・ってので、いろいろ、なるほどと思いました・・・
とにかく結果的に7人くらいでミュージカルやるんで、すごい迫力です。なんじゃこりゃw
同行者がオンラインコメディで彼女が面白いと認知していて、一回行ってみようということで、行ってきました。 写真わざわざこんな顔にせんでも、っていうくらい本人はめちゃくちゃ整った美人さんです。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/stevie-martin-clout
オンラインコメディって彼女の場合はTikTokとかreelとかのガチのフラッシュ・コメディです。オレはTikTokは中毒性が高いので、あまり触らないようにしています。ほぼbiteで面白ければヴァイラルになる。前振りも後片づけもいらん。ってやつですね。
けれども、TikTok上での瞬間だけの笑いはビューイング数をもたらしてくれる以外、何も(お金を)もたらしてくれん。ぬくぬくと居心地よいゾーンから抜け出しライブコメディをやろうじゃないか→お金をジェネレイトする方向へ行こうじゃないか。
・・・といって始めたのが2019年なんで、みんなドンひかないで!!! 大丈夫だから!!! 前にもライブコメディやったことあるから安心してーーーーー!!!
っていうやつでした。フラッシュコメディにA story of my lifeを盛り込んでいきさつを説明しながら進行。SNS世代のSNS笑いをライブ・ショーに変換させるのをロジカルに線をつなげてやっていて、よくまとまってましたよ。
これ見てたぶんStevie Martinのやり方がTik Tok とかで笑いと人気を積み重ねてきた子たちにとっての一番コンベンショナルな戦法なんだろうな、と。苦戦してる他の子たちの教科書になればいいと思いました。そこから自分バージョンに色付けてけばいいと思うし。
そういう、しっかりしたものだったので未来の笑いを見据えるうえでの参考ということも含めてお勧めしたいかと思います。
ライブの感想はあげたとないけど、カンボーと仲間達のせいでここでのメンション率は高いと思います。が!ここでのメンションとかどーでも良いくらい、オーストラリアでは知名度が高いはずです。むしろカンボーがハネるうんと前にライブコメディシーンでハネてましたし、オーストラリアのお笑いクイズ番組っぽいやつ(→何しろ切り抜きしか見てないので確信が持てん)に出てたり、オーストラリアの人気ドラマシリーズ(らしい)Fiskでレギュラー出演してましたし。(→ネトフリでも見れるはず)
今度オーストラリアのTaskmasterも出るし。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/aaron-chen-funny-garden
アーロンがフリンジに来たのって最後たしか2019年だったし(→観れてない)その後まさかのコロナ。コその後ナマの機会もなく、今に至ります。
そんなわけで、すでにファンベースもしっかりできてるし、なんの気の衒いもなくたらーっと笑ってるだけであっという間に時が過ぎる60分で、いろんなこと細々深く考えなくていいやつです。あとアジアンあるあるに頼らないというか、その感覚がいい意味でまるでないのが非常にいいです。だって生まれも育ちもシドニーなのに、ねえ。今回も1年くらいNYに引っ越してアメリカで活動中なんですが、冒頭で「オレみたいなコンビネーションの人間(アクセントがオーストラリアで容姿がアジア人)がNYにいるっていう状況がかなりレア」っていうのくらいかな?
あとは、奥さん(1年半くらい前かな?に結婚した。奥さんとてもチャーミング)との結婚生活の細々したこととか、autismの診断テストの過程と診断結果は違う、だったけど、診断医には「会話してる限りではそう」って答えが返ってきたとか、いろいろゆるーく喋ってみんなでいっぱい笑って60分。
フリンジでいっぱいWiPをやってることにびっくりしてて、WiPって何よ、って突っ込んでました。WiPって、ライブコメディ自体いつもWiPじゃん、って。今この瞬間もWiPよ。コメディーってガーデニングと同じなんだからさ(故にタイトルがFunny Garden)って。ストンって腑に落ちました。
タイトルで売り文句かかないと誰も注目してくれないと思って超長いタイトルをつけちゃいました。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/rachel-kaly-hospital-hour
今年がフリンジデビューだと思いますが、アメリカでは国中こまごますでに回っていて、ソールドアウトの新鋭芸人さんだという認識です。
ちょっと前までJoe PeraとConnor O'Malleyのツアーの前座してた&オマーリーが推している、という経緯で、オレ的には見ないといけないやつになりました。
(ここでは一度も話したことないですが、オレはJoe PeraというかConnor O'Malleyの遅ればせながらの大ファンです。(ここ3ー4年くらい?)オンラインコンテンツ案件は根こそいでるくらいファンです)
お話は、精神的に病んじゃってるっていうStory of my life (so far)。主に、いいお父さんに恵まれなかったためにけっこう壮絶なメンタル虐待にあっているんですよ。「お前のせいで」と言われ続けていて。でもその落とし込みが絶対にTragedy pornにならないようになっているのが評価高い理由かな、と思いました。例えば、初潮の日が、サダムフセインが処刑された日で、父親に処刑の生放送を観させられ、しかも椅子がテレビの前に一つだけ用意されてて、父親がそこに座り、彼女がその脇で立ったまま処刑シーンを観させられた、みたいな。壮絶なんだけど、シュールさが勝っちゃう。最初にゲイをカミングアウトしたのが産婦人科医に検査されたとき、とか。他にも、お父さんに久々に連絡あったかと思いきや「オレのCD返せ」(しかも9歳のとき)で、ものすごい悪者扱いされるとか。
最後はお客さんとみんなで、ネタで話してくれたことを入れ込みながら、お父さんへメールの返信を書き上げて終わります。ほんと、観終わったあとに、芸人さんを心配しなきゃいけないほどどんよりしなくていいのが、よかったと思っています。
ただ、今これを書いてる時点で、全期間やる予定を切り上げて8月12日で終わりにしちゃう、って知りました。比較的健康な演者さんでもメンタルやられてるのに、デビュー年でオフィシャルで病んでる人には本当に大変だと思います。また観に行きたいです。あと、Digman!タイトルに入れてるのに、観たこともなかったので、観たいと思います。この感想をアップするのに、軽く他のネタもリサーチしたけど、コンスタントに新しいネタを作れる芸人さんという印象です。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/eleanor-morton-haunted-house
エレノア・モートンは地元エディンバラ(リース生まれ)ということで、ボソボソずっと観ています。キャラクターコメディもよくやっていて、そのなかでも、ハネまくったスコットランドガイドのクレイグは、たまにライブもやってくれるので、速攻でチケットとって行くくらい大大大好きです。そのくせ、いままでほとんどブログでとりあげてないみたいなのは、たぶん笑いがダブルスタンダード、ーローカル人とローカルじゃない人用の2重構成ー、であり、自分が前者のため、後者の場合があんまり推し量れないため、だったりします。あと、見ているのは、ほとんどのケースでフリンジじゃないときなので、オレのフリンジじゃないときの、感想をアップするモチベが低いせいもあります・・・
そんななか、今回観たやつは、モートンがモートンとしてゴーストについて繰り広げる1時間のショーは、本当に素晴らしかったのと、いろんな意味でthink outside the boxであり、見事に1つのショーに紡いでいたので、ぜひプロパーに布教したいと思いました!
以下はショーの展開となぜ素晴らしいと思ったのかの箇条書きです。
あと、リース出身ですからね。モートンのことは、絶対に怒らせないほうが、いいよ。
圧倒的エネルギーと才能のスプリンクラーですよ。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/natalie-palamides-weer
Traverse Festivalとしても括られるのか。そりゃそうか。
https://www.traverse.co.uk/whats-on/event/natalie-palamides-weer-festival-24
ナタリー・パラミディスといえば、
ネトフリのNateに始まり、SOHO THEATRE LIVE (AMAZON PRIME経由)のLaidに加え、演者ではなくクリエイター&演出側として昨年コメディアワードのノミネートもされたAmazing Banana Brothers のナタリー・パラミィディスです。オレは、彼女は確実に英語圏で、クラウン・コメディを演劇的なステータスに持ち上げてきていると思う。彼女の作品はそれまで比較的それぞれナワバリを持っていたコメディとクラウニングと芝居をつなげ、その先へ向かっているんじゃないか、と思います。
上記3作品を見ていて、ナタリーのクラウンコメディのスタイルって、オーディエンスへの期待と要求がかなり大きい印象にあるせいで、彼女が選んだ会場がTraverse Theatreということに、ちょっと驚いてました。カチカチした劇場ではないけど、劇場目的で作られた施設スペースではあるので、舞台と客席の距離感を含めて、インパクトとかどうなるんだろう、と。でも並んでいる時に「please beware that this shows contains strong language and nudity」みたいなアナウンスがあって「あ、やっぱりところかまわずなのねw」と思いましたけども。
また、さすがに2024年にもなれば、お客さんは「いい評判をきいたから見にきてみた」を超えて、彼女のスタイルにワクワクの期待をして集まってきている状況でした。むしろ開演直後は、お客さんによってはノリが良すぎて、参加系のヤジを飛ばしちゃって、どんより不安雲がうっすら(オレの中で)湧くほどに。もちろんそんな心配は不要を超えて失礼でしたけども。
以下、ちょっとネタバレも入っちゃうけど、内容と感想です。
【お話】
1996年ー1999年が年代設定ですが、90年代のロマコメ映画がテーマカラーです。マークとクリスティンの物語。特定してパロっているのではないのですが、バイブとしてはあの時代売れに売れた英米ロマコメを彷彿とさせるマッシュアップ。舞台はNYだけどノッティンヒルがあるとかw
なんで96−99年にしてるかというと、舞台中央に1999って書いてあって、フラッシュバックシーンがたくさん出てくるたびに、6と9をひっくり返せばいいのと、当然ハードなセックスシーンがあるのでwそれでも非常に便利だから、っていうことなんだと思います。
1999年のニューイヤーズイヴパーティで、2人が大喧嘩しているところから始まります。パーティは、よく人気のない森林みたいなところで若者がパーティやってるやつ、ああいうやつです。クリスティンが「もう帰る!」マークが「何馬鹿なこと言ってんだよ!もうすぐニューイヤーじゃないか!そんなに泥酔して運転なんかできるわけないじゃんか!」と車のキーを奪い合いながら舞台袖から登場。
もちろんクリスティンもマークも同時にナタリーが演じています。向かって左側は衣装からカツラからメークから全部マークで、向かって右側は全部の全部クリスティン。くるくると反転しながら片っぽだけを客側に見せて、壮絶にテンポ良く同時二役をやりのけ始めます。
すったん揉んだで鍵を奪い合い、その時側近に座っていたお客さんにパーティ会場でマークとイチャイチャしていた女性になってもらいながら、結果的にクリスティンが鍵をゲット、ボロボロに泣きながら車に乗って夜中の森林を突っ走ります。と、次の瞬間、(舞台袖から紐にぶら下がって)飛んできたのはデカすぎる鹿。避ける暇もなく、車はその鹿に衝突。鹿は首ごとぶっ飛び、首無しの鹿が投げ倒され、ツノがクリスティンの胸にブッ刺さり、彼女は瀕死の状態の中、マークを求め叫ぶのです。マークはその声を頼りにクリスティンを探します。それぞれの胸のうちがナレーションで流れるなか、出会ったばっかりの1996年の回想シーンへと話は移っていきます。ロマコメならではの’出会って一瞬で惹かれ合うものの、クリスティンにはすでにボーイフレンドどころかフィアンセがいたり、マークが職を失った影響で関係が悪くなったり、浮気の疑惑も出てきたり。1999年に突入する頃には喧嘩をしない日がないくらい喧嘩をしていて・・・
マジで。もう。ハコのサイズと形態が変わったと言って、今までやってたことのやり方を変えるのではなく、単純に会場のサイズに比例して、やることのサイズがデカくなっただけででした・・・ 巨大な鹿のプロップが舞台袖から紐使って飛んできた後も、やわらかいとはいえ、子供が球蹴りに使うボールを客に向かって蹴り飛ばし、そのボールが不運にもお客さんの顔面を直撃しちゃって平謝りとか、使用済みのプロップがそのままステージに散乱して、どこに何があるかわからんとか、(一回掃除のシーンに見立てて、箒ではいて安全に動くスペースを作りましたけども)、(別シーンでつけたビジュアル効果目的のメイクを落とすため)シャワーシーンも2回くらいあるし。
両脇からの客席エリアへの移動も使われないわけはなく、元フィアンセ役や、パーティのダンスシーンでの友人役のリクルートなどで役立ってました。物語を続行しながらなので、ナタリーがピックアップしたお客さんが自動的にその役になります。以前と違って戸惑いが客側にないので、登壇させられ、パーティ踊りを踊らせる羽目になったり勝手にカップルにさせられたりしてもノリノリでしたけども。(浮気疑惑の際の)留守電の声役も3−4人マイク向けられてましたけど、みんな返しがうまかった。
後半最後の方、いちいち隠してらんねぇレベルでカオスになっていくので、上演時間の3分の1くらいは上半身まっぱだったと思いますw。マークとクリスティンのセックスシーンが素晴らしかったですね。Nateでのちん○プロップがここでも登場し(マークとネイトのちん○同じなんだろうなwとか)クリスティンになってる時に、うっすら、ぷらぷらーんって見えるんですよ。すいません、めちゃくちゃ笑えるんですよ。鹿とぶつかって交通事故ったクリスティンが瀕死の状態でマークと求めあうとか、(回想シーンで)喧嘩しあって嫌いと思いながらも、体的に相手を求め合う自分達がいるとか、ロマンス映画で「美徳」みたいに描かれてきた「やるせなさ」みたいなやつを、ものごっつ真剣に展開していく中で、うっすら、ちん○ぶらぶらーん。なんですよ。完全にナタリーのピステイクかと思います。
過去作に共通するヘヴィさはなかったんだけど、それでも彼女がいつも提示してくるジェンダー&セクシャリティのテーマは一貫して今回もあったですね。もう一回見たいから5つ星です。みなさんも見る機会があったらぜひ見てください。
Fin vs the Internetは、Fin TaylorさんとVittorio AngeloneさんとHoratio Gouldさんの3人によって作られている1エピソード10分くらいのシリーズです。
YOUTUBEの再生回数は5桁くらいしかいかないのですが、TikTokとインスタではすんごいハネてて、うん十万うん百万回とか平気で回っています。
表に立つのは、この3人の中では一番キャリアが長くて売れてるフィン・テイラーさん(ゆえにFin vs the Internet)。
でもVittorioさんは2022年にお芝居の構成内容に沿って展開するショーが1hショーのデビューだったにも関わらず、高評価を叩き出し、その後も上手にSNSを使いこなし続けてるみたいなので、若い人たちの間では、認知度高いと思います(多分)。
【シリーズの前提】
フィン・テイラーさんは、Mock the Week 等のパネル・ショーやBBCのご長寿スタンダップショーケース番組Live at the Apolloなどのテレビ出演を数々こなし、知名度あるはずなのに、自分のYOUTUBEチャンネルはハネないし、シアター・レベルのハコはおろか、中サイズレベルのハコもチケットが思うように売れず。一方、インフルエンサーやティックトッカー、リアリティTV出身者たちは、(ライブステージの経験もないのに)ライブイベントをやる、となったら、あっという間に大きな劇場やアリーナサイズのハコを瞬間にソールドアウトにしちゃって、ウハウハできる。
いんたーねっと、でヴァイラルになりたい。なるにはどうしたらいいの。
というわけで、今流行りのソーシャル・メディア成功者たちにインタビューして、ノウハウを取得しようと思います。
という名目の、Between Two Ferns みたいなやつ。 です。
【Fin vs The Internetの制作ノート】
3人はこのシリーズ制作において、Ali G の制作過程をモデルとしていると語っています。(ソースはPatreonで上げてるご本人たち談)
(念のため、Ali Gはサーシャ・バロン・コーエンのTVブレイク・キャラです。25年かそれ以上前の話をしています)
Ali Gとしての冠番組をもらう前から別番組のコーナー枠でやってたインタビュー・コーナーの尺は5分−10分くらい。インタビュー相手の反応で、これだ!というのを抽出するために、ものすごい長回しをする。この手法を使って、「ダメの白人イギリス男」代表キャラとして、インターネットを賑わす今どきなみなさんとチャットし、「これだ!」を抽出しちゃいましょう。
Fin Taylorさんといえば、ずっと本人の「政治的に左なのに左で頑張ろうとしても何一つ機能しない世の中で、どうしたらいいかわからんポリティカル・ホームレス」的ポジションを武器にものすごいエッジでクレバーな社会&政治風刺を繰り広げていた芸人さんで、例を出せば
→ http://www.gojohnnygogogo2.com/2017/08/edinburgh-fringe-2017-fin-taylor-lefty.html
翌年は、エディンバラのコメディ・アワードにもノミネートされた(オレ的にはこれで彼は2018年のキング・オブ・コメディになると思っていた→ならなかった)
→ http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/08/edinburgh-fringe-2018me-too-fin-taylor.html
この路線で露出しても、全然、チケット販売に繋がらない。人気も認知度もミャーミャー。・・・からの、ヴァージョン・アップとしてオンラインシリーズ上に爆誕したキャラが、進化系ではなく、退化系フィン・テイラー。
もう知らんがな、(生まれも育ちも白人のイギリス男の)本能の赴くまま、頭に浮かんだこと全部ベラベラ口に出しますけど、何か? と、これ言ったらどうなるかとか考えずに(注:という設定で台本書いてる、という意味です)、いんたーねっと成功者たちと繰り広げるやりとりを延々と録画し、そこから抽出したバイラル要素を切り貼りしまくって作る5−10分になります。
たしかフィンテイラーさんの奥さんのインプットで(注:2024年4月現在二児の父)やりはじめたインスタとTikTokで、激ヤバに失礼だったり下品なことをおくげもなく、取材相手にぶちまけているクリップをあげていくうちに、前述のレベルでクリップが回るようになっていってます。とはいえ、最初のきっかけは、このシリーズをやりはじめたころに、なぜかアメフトのアの字も知らんし興味もないのに、ゲストとして呼ばれたGood Morning Football (注:American Football)からのクリップ。上記のキャラが最善の形で笑いを生み出したのですね。そこからこのシリーズに流れ新しいファンできていったのはあったと思います。
【考察】
退化系のフィンさんは「頭に浮かんだこと全部ベラベラ口に出します」。なぜこのバージョンになったのかは、以下のように推測できるし、理解できるんです。
1)Political Homelessの苦悩キャラはBBC Radio4、どんなに背伸びしてもBBC2層に響くだけの(所詮は)ニッチ・キャラ。Taskmasterマジックでもない限り、売れないのです。しかもその層って人生もとっくにUターン組(オレ?)が結構なシェア率を占める。ここにしがみついても先がない。
2)Fin Taylorさんはギリかもだけど、VittorioさんとHoratioさんの属する(元々のミドルクラス&大卒&ワーキング・クラスのブルジョア化の結果生まれたミドルクラス)の世代って、政治経済社会といろいろわかってても、どの方面においても諦めと絶望しかなく、白人の男性に関してはジェンダー―と人種問題に翻弄されまくり、いっぱいいっぱいななか、自分なりに折り合いを模索していて。ここに響くのは、アルター・エゴ的なRighty Loosey gooseyなキャラなんでしょうよね。気合入ってると、うざいしださいしで、若いのはついてこないです。
3)からの、言っちゃいけない言葉や内容をノーコンテクストでランダムに飛ばしちゃう。う○こ、とか、ち○こ、とか、ケツ、とか、フェラ動作とかワンキング動作とか。こーゆーやつ言い合ってやりあってゲラゲラ笑ってる若者は子供だけじゃなくて結構なシェア率です。唐突なのと馬鹿馬鹿しいのの掛け合わせで人が笑うってある。これやっちゃおう(だって超ピステイクじゃん)これは(2)で話している層だけじゃなくて、もっと広い層って気はしますけど…。
実際この戦略でSNSも成功し、ツアーは大き目のハコもソールドアウトになるし、と結果を出してますから、彼らにとって方向性は合っているのでしょう。
とはいえ、オレのような笑いの趣味からすると、ホームランを打つ打率が低い。キャラクターやパーソナって一個人をフィクションで作り上げるもんですから、ものすごい緻密に、ものすごい掘り下げて作っていかないと、ちょっとした言動がブレたり、ぬるくなる確率が高くなる。退化バージョンのフィン・テイラーは、ランダム性の高いRighty Loosey gooseyなキャラだから、上記の副作用が出る確率高くなっちゃうンじゃないかな、と。
あと、取材相手が芸人さんじゃないし、インフルエンサーとかリアリティTVスターって善良でセンシティヴな人多いから、平場のトーク回し、そんじょそこらの才能と経験じゃ…ってところあると思います。
3人とも、(そこそこ結構なシェア率を占める)前述のアルター・エゴは持ち合わせてはいるけど、それに支配されているタイプではないので、振り切らないといけない時に、無意識下による微々たるためらいが出ちゃうのかなぁ。とか。とくに、アメフト番組のゲストとなったときのフィン・テイラーさんと比較すると。。。あれは本当にテイラーさん自身の延長戦で、アメリカのアメフト界に何思われたって失うものはなにもないですから、怖いものなしで振り切れるし。と合点がいっちゃうんですよね。あくまでオレの中でですけど。
【で、最近】
3人がPatreon会員の質問に答えるさながら、笑いについて再び談話している回があったのですが、そこで「ああいうことやってウケてる芸人いるけど、アレやりたくねえな」っていうのをそれぞれ話していて。最初は、こうしたポリシーがこのシリーズのバックボーンにもなっているんだな、と思ってたのですが、
「前に座ってる客とかをいぢるのはやりたくない」(→これはよくある話なのでともかく)
「オレたちミドルクラスだしオレたちの笑いを見に来るのも結局ミドルクラスなんだから、ミドルクラスがのぞきたいワーキングクラスを見せるワーキングクラス側に寄り添ったコメディやりたくねえ」(→あら、これあの人(たち)のこと言ってる)
「(ステージ転ぶとかステージから落ちそうになるとかプロップ系で不具合があるとかetc)ステージアクシデントをネタとして盛り込むのやりたくねえ」(→あたたたたた! 耳が、耳が痛い)
ちなみに、ヴィットリオさんは、「アイルランド」「ベルファスト」「ロンドン移住民」「バックグラウンドはイタリアからの移民」っていうカード一切使いたがらない。(→ギリ北アイルランド紛争停戦後ベイビーで、(経験的に)知らない世代に入っちゃうせいかな?) そして、ホレイシオさんはお父さんはガッツリ系のワーキングクラスのバックグラウンド(→2023年のエディンバラフリンジのショーで言ってた)
たぶん、お父さんお母さん教師で職場がプライベートスクールだったせいでプライベートスクールにずーーーーーっと通ってたっつうレベルの、ガチのガッツリ!白人イングリッシュ・ミドルクラスってフィン・テイラーさんだけ。
この彼らの「これやりたくない」をきいてるうちに、あまりにもあれもやりたくないこれもやりたくないに溢れかえってて。彼らはパンクというよりは、英国コメディ業界の現状をまえに中二病にかかっちゃったのかしら・・・(汗)? とか思ったりしてます。
そんなわけで、ドーンとハネる時が来ると思うんで、引き続きウォッチャーは続けてたいなーと。応援してます。
気がつけば今年でバスデンさんのファンになって15周年。と気がつき、最近全然バスデン情報をアップしていなかったことを思い出しました。最後にバスデン情報を上げたのが、1年前だったことが発覚して、これはファンとしてヤバいのではないか、と思い、アップすることにしました。
1)ウエストエンド上演作の「Accidental Death of Anarchist」がオリヴィエ賞のNoël Coward award for best new entertainment or comedy playにノミネートされました。
賞自体は取ってない。Stranger Things: The First Shadow by Kate Trefry – at the Phoenix Theatre (WINNER)って書いてある。
オレ的角度からの、バスデン・アダプテーションのAccidental Death of Anarchistについてはこちら。
http://www.gojohnnygogogo2.com/2022/11/basdenaccidental-death-of-anarchist3.html
2)Here We Goのシリーズ2がオンエア。非常に評判も良く終了。
続きはあるのか?
(全然作れると思うから多分ある気がする)
オレ的角度からのHere We Go についてはこちらのなかに
http://www.gojohnnygogogo2.com/2022/02/the-witchfinder-white-lotus-s2-south.html
このシリーズのパイロット版についてはこちらのなかに
http://www.gojohnnygogogo2.com/2021/02/20211ukpandemonium-back-s2-pls-like-s3.html
3)Tim Keyのポエトリープログラム(BBC Radio4のシリーズ)新シリーズ配信
今までLate Night Poetry Programmeだったんですが、夕ご飯の時間の1830分にくりあがっちゃったので、Late Night がなくなってTim Key Poetry Programmeになりましたが、シーズン6って言っていいんだと思います。同じ設定でバスデンさんが出てます。
https://www.bbc.co.uk/programmes/b03pn5pl
毎回、いいゲストをブッキングしてるんですが、Tim Keyのソーシャルネットワークが素晴らしいので、旬な芸人さん方を取り入れるのも素晴らしいシリーズです。今全シーズン聴ける状態だと思うので、ぜひ未聴の方は、どうぞ。
4)BBCの人気コメディ・ドラマ「ゴースト」でカメオ出演という名のちょい役。
ゴーストは最終シーズンの最終話。すみません。非常にやばいのですが、このシリーズまるで見てなくて、見なきゃいけないのに、最終シーズンの最終話に出てたって教えていただいて、そこだけ見たとかいう酷いことをやっています。本当にすみません。
5)BBCの人気コメディ・ドラマ「マンディ」でベネフィット・アドバイザー役でご協力。
最近新シーズンが配信されたので、3話くらい顔出しをなさっている。トレーラーにも顔出しをなさっている。
以上よろしくお願いします。
オレが叫んでもこの高すぎる温度では誰も避けていきそうなので、以下でエントリー記事書きました。ガッドさんがスコッツのおかげで、ひとさまに触れる用に開設している、スコットランド関連情報をたまにのっけるnote.comで、文法の間違いとかめちゃくちゃ気を使ったやつです。
https://note.com/scot_geek/n/n10f83a2e4815
イギリス&アイルランドとアメリカで1位なのに、日本で10位内にも入ってないどころかトレンドにも入れてないの。日本市場って、マジでどのジャンルもめちゃくちゃ大変。泣きたい。
猫被ったほうでは書いてないことで、1つだけここで追加したいと思ったことがあります。
オレ、芝居は2回観ましたが、1回目で受けたときの重い衝撃と、このシリーズで受けた衝撃がかなり同じバイブです。なんでかってと、初期の上演のほうが、あのモンキーとの関連性を伝えるジャブをパスパス打ってたと思う。だからモンキーを知ってる客は終わったあと客席から立てなかったし、オレもモンキーが一番重いと思っちゃいかん、みたいなことを言ってた。4月11日の夕方から一気見して、まだ、後遺症です。ココロ痛いのから抜けれない。
ガッドさん自体は、大丈夫だから心配しないでねーってファンに念押しポスティングしてるけど、いや、ガッドさんはオーバーカムかもしれんけど、オレたちが再びメンタルやられてるから!
忘備録としてガッドさんがお気に入りのレビューだったDen of Geek の記事(ネタバレあり)
https://www.denofgeek.com/tv/netflixs-baby-reindeer-totally-transforms-in-its-stunning-episode-4/
わかってるよねな、ベネットさんの5つ星レビュー
https://www.chortle.co.uk/review/2024/04/11/55388/baby_reindeer
Digital Spy もまあまあ良かったと思う(書いた人はツイート時にマスターピースって言ってたから)
https://www.digitalspy.com/tv/a60450359/baby-reindeer-martha-true-story/
インタビュー記事
Vanity Fair
https://www.vanityfair.com/hollywood/baby-reindeer-netflix-richard-gadd
Gay Times
https://www.gaytimes.co.uk/originals/netflix-baby-reindeer-richard-gadd-nava-mau-interview/
Independent
attitude
カンボーの過去の記事はこちら。
http://www.gojohnnygogogo2.com/search/label/Sam%20Campbell
ついにエージェンシーが立ち上げたウエブサイトからお近くで行われるキラキラ☆ライブ情報をゲットしてください。今まで、彼の笑いを1時間ナマで見る機会がなかったコメディファンの方々も、見るチャンスが続々増えてきました。メーリングリストに登録も、アリだよ!
https://www.samcampbelltour.com/
TaskmasterUK効果てきめんのため、イギリスの追加公演日程はどこもおっきな劇場になっちゃってるのはわかるしあのハネっぷりでは当たり前でしょうだし、オーストラリアは生まれ故郷なんだからもっと前からもっとちやほやしてるべき・・・と思っているのですが、LAとNYの会場は、ガチのファンでも、ちょっこし心配になるデカさです。
Taskmaster UKってアメリカでも視聴率あるんですか(恐)?あんなになんでもかんでもアメリカ版リメイクを作る国で、UKものがそのまま大衆に受け入れられてる気がまるでしないよ。
エージェントは、エイカスター氏をモデルにして米市場拡大してる気がするんですが、エイカスター氏がアメリカで今の規模に達するまでNetflixでの4部作デビューとTaskmasterUKから1-2年経ってるのを備考しておきたいよ。コツコツ☆ビルズアップだった気がするよ。
過去作のアメリカでのハコのサイズを考えると、周りのお祭り騒ぎの勢いでリープを強制しちゃってるみたいで、本人のメンタル心配・・・。どうかオレの不安は大きな間違いであると信じたいです。マジで。
【新作 Wobservationsの感想】
わてくしは、世の中に素晴らしい傑作コメディを見つけ、いろんな1時間ものの(スタンダップを含む)ライブコメディショーを最高、最高、最高。と褒めた倒してきて、ある一定の才能に関しては、長期間にわたって崇めてきました。
そんなドンハマりした芸人さんの笑いのなかで、たぶん、この芸人さんの笑いだけ種類違うな、と思っている点が2点あります。
1つ目は、笑いに生活感がないこと。Tales of my life (それがフィクションにまたがっていても)じゃないんです。近い友人や知り合い、家族がネタにならない。訪れた場所とそこで見聞きした人は着想になることはあるけど、具体性が、ない。Never Mind the Buzzcocksに出たときに「歌音楽に興味ない。「あー君と別れてうんちゃらー」とか、お前の気持ちなんか知るかよ。どーでもいいわ」的なことを言ってたんですよね(→音楽とカンボーがあまりにも縁遠いのになぜ出演、みたいないぢりあって)彼の笑いのスタイルとつながってる気がします。
その結果、プライマリーもセカンダリーもエンドポイントが究極の「笑い」だけになる。「笑いを通して」「笑いの先に」あるのは「笑い」だけ。共感や共有からのつかみやオチをびっくりするくらい作らない。60分、清くパンクに「笑い」だけで突っ走る。でも、ただのギャグのアッセンブルになってるんじゃなくて、シアトリカルでインタラクティヴなテクニックをいくつもsubtleに使いこなしてるんですよ。2回観ると、いかにどれもこれもが緻密に構築されたショーの一部だったかがわかる。初めてみたときも同じこと書いたけど、Harry Hillと似てる種なんだけど、違いはシアトリカルのsubtleさとそこに差し込まれる毒の強烈さですかね。
2つ目は、(1つ目の関連しているのですが)カンボーの基盤が、我々の住む世界じゃないんってことなんですよね。(例えばAunty Donnaとかもね)、この種類のぶっ飛びナンセンスの「ヘン」コメディでも、我々の住む世界って見せかけといていつのまにか芸人さんの世界に誘われ、ライドする。基盤を我々の住む世界からスタート、または入れ込むことが多いと思うんです。
一方、カンボーのショーは、(どうやったら説明できるかすごい考えたんですが)、 ショー自体が、映画「マルコビッチの穴」でいうところの「マルコビッチの穴」って言ったらわかってもらえるでしょうか。会場入ったときからすでに「マルコビッチの穴」に出てきたあの「穴」のある部屋で、始まったらみんなその中入っていく。1時間後に吐き出される。
ということを考えていると、タイトルがオブザベーションをもじったWobservationsってのが、本当に的を得てるバングオンなタイトルだな、と思いました。アメリカでいい距離感で見たかったら80ドル?とかするみたいだけど・・・ぜひ。
【これまでの(ファン的角度からの)お話】
ニック・ヘルムさんについてはこちら。その場限り的な空前絶後のパフォーマンスが得意なので、詳細を記録しときたいという理由からショーの一部始終を書いちゃってるものもあります(こことかこことか)。2017年,2019年,2022年は鬱三部作と言われていて(*1)、そのうち2022年の作品の感想をまともに書いていないまま今に至ってしまっております。
https://www.nick-helm.co.uk/#live
2024年3月26日からツアーが始まりました。が、チケットは完売していないようです。(今日のグラスゴーもチケットあるらしいよ!)テレビ出演、人気(コメディ)ドラマ出演も多く、知名度は高いはずなんですが、ライブへ客は流れづらい印象。常々書いてましたが、(コメディ)ドラマの役柄イメージとライブパフォーマンスのパーソナとの間に、一見すると果てしないギャップがあるように見えるからなんじゃないかというのが、オレの見解です。表現方法が違うだけで、基盤は同じなんだけどね。それが見えるリテラシーを大衆に求めるもんでもない。というわけで、劇場サイズはでかくても300くらい+完売なかなかしない。
とはいえ、ファン的には、布教活動に勤しむモチベが維持されるし、10年以上前と変わらぬ距離でライブ観れるのは、めっちゃありがたいというのは否めないですが…
【今回の作品について】
過去3作が「気が付かず鬱」(2017年)、「鬱と自分」(2019年)「パンデミックを潜り抜けた鬱病者(自分)のケーススタディ」(2022年)的なテーマで。今回のテーマはどうしようかなーと思っていた昨今、抗うつ剤をいろいろ試しても鳴かず飛ばずな効果なんで、医者に相談に行ったら、じつは鬱というよりはbipolar(双極性障害?)だって診断されちゃった。
ええええええ!
「でも先生、オレ「躁」のときの認識がないんですけど・・・?」
「bipolarの種類もいろいろあって、患者さんの場合は躁が💩レベルしかない(→鬱のときとあんまかわらない)」
「・・・・・・」
そんなわけで、bipolarの処方をもらい始めたのだけど、ずいぶん調子がいいらしいんですよ(*2)。観客のみなさんと、心の底から最高に遊べるfun timeを作ろう!って気分になり、今回のショーが誕生です。
ショー自体の長さは「60分」。なんですが、エディンバラのフリンジやそれをそのまま転送できるSOHO THEATRE的なところじゃないかぎり、芸人さんは90-120分の任務を課せられるんですよね。対処法としては、1)前座を1-2人入れちゃう 2)自分で全部時間埋めちゃう 3)(劇場サイズのデカいところでやる大物さんにはよくあるケース)始めからショー自体の長さを45分x2(15-20分インターバル)で構成しちゃう。で、ヘルムさんは迷いもせず(2)なんですよ。なんでかってと、crowdworkの天才だから(*3)。本編ほどに綿密に準備もせず、クオリティを落とさず、量を増し増しにできるんじゃないかと思います。
よって、最初の40分(実際には60分に伸びてた)は「ショーまだ始まってない」と定期的になんどもなんども断りを入れつつ、Super Fun Good Time Showの導入口的な話。薬は効いてていいんだけど、イカないんだこれが! いや、大丈夫、勃起はする!めっちゃ!硬くなる!めっちゃ!めっちゃ!!めっちゃ!!!硬くなる!!! (前に座る男性客指して)大丈夫!ハードファンをがっかりさせるようななよったちんこじゃない!安心して!めっちゃ!めっちゃ!めっちゃ!!!硬くなる!!!だけど、どうにもイカない!!!
からの、「自分90sがティーンエイジャーだったからCOMEって言葉に汚れを感じる世代なんだけど、どうみんな?COMEってなんて言ってる?言ってた?」と、どこに座ってても直撃&つっこまれる、ヘルムさんおなじみの展開に。しかも下ネタ全開。この「ニックヘルムのショーに来たら、どの席座っても安全な場所はない」って緊迫感(?)が最近緩かったんで(*4)ああ、たしかにお薬効いてるのかしら、とほっこり。
多分ネタなんだろうけど、「お前らノリが悪すぎ!おまえもおまえもおまえもCxxxばっかり!!」とか。トイレに立つなどの大きな動きをするお客さんだけじゃなく、、顔にてェあてて感慨深そうに見てた(かなり後方の)お客さんにいきなり突っ込み始めたり。
「ショーは始まってない!!!」とものすごい頻繁に言い張り続けるものの、これらのティーン時代・思春期時代の下ネタ、そしてヘルムさんがいぢってるお客さんたちが、きちんと「ショー」自体(→結局80分くらいの長さに)のなかでストーリーとしてつながりを持ち、高クオリティのメタジョークとなり、またいぢられたお客さんたちはのちに舞台に立たせられ、ネタの落としどころとして役立ち、大活躍していくんですよね。ヘルム氏、4人舞台に立たせられ、客席内でも(前方後方関係なく)3人くらいと一体となって一番のメインネタを作り上げていくってね。神業スキルだな、と思います。ご本人社交性がないんで・・・って言ってますけど、それとこれは別なんですよね。
お客さんたちは素人さんですから使いづらいことも結構多いと思います。でもヘルムさんのすごいところは、素人さんどんなボールも貶してスマッシュ決めるんですよ。スマッシュ決めてかつコントロール下に維持する。今回はフェスティバルでもない平日は水曜日の地元客ばっかりだったので、よっぱらいやスタグナイトのヤバいやつはいなかったけど。
というわけで、20時に始まったショーは15分のトイレ休憩をはさみ、22時35分に終わりました。めちゃくちゃ!疲れたけど最高でした。
(*1)2017年は本人やってるときにまるで気が付いてなかったけど、周囲から「どんよりモードにもほどがある」って言われて認識したらしいです。オレはじつはWiPしかみてないのと、本人が気づく前の者だったに違いないので、「鬱」の印象があんまりないんですよね。ただすげえ暗黒世界の究極のエロ芸術コメディで、感動した記憶が今も残ってます。
(*2)前作も鬱病の薬をもらってよくなったーよくなったーっていってたんだけど、今度はもっと実感してるみたい。
(*3)crowdworkっていうと一番前に座るお客さんを中心に「なまえは?」「どこからきたの?」「職業は?」「そこカップル?」みたいなやりとりでウォームアップというか、場をつないでいく、みたいのが典型的ですが、ヘルムさんのは、もうその域とレベルを完全に超えていて、ナタリー・パラミディスが大絶賛されてる系のクラウニング・スキルです。実際以前ヘルムさんどこかの媒体でクラウニングのレッスンを数カ月受けたって言ってたと思う。ただ数カ月のレッスンからの実践の繰り返しでこの達人レベルに至っているのは、天性の才能があってこそ、と思わざるを、得ません。
(*4)Hot'n Heavy の10周年記念ライブを去年エディンバラフリンジでやったときは除く
日本も同じ日に配信開始でしょうか? 一応チェックしたら日本のネトフリの4月配信リストに入ってました!
スコットランドが産んだ天才リチャード・ガッドさんが、英語圏のコメディ・アワードといえば、のエディンバラのフリンジ・フェスティバルでアワードを受賞した3年後に、第4の壁を流行らせた(→語弊)フィービー・ウォーラー・ブリッジのフリーバッグのプロダクションとタッグを組んで発表、
Stage Awards (2019)でOutstanding Performance
Olivier Awards(2020)でOutstanding Achievement in Affiliate Theatre
Holden Street Theatre Awards (2019)でBest Theatre Show
を受賞した一人芝居Baby Reindeerが、ネトフリドラマシリーズとなったやつです。
本当は前のポスティングでエイカスターくん含めてまとめて書いちゃってあげちゃうつもりだったのですが、エイカスターくんの感想だけでとんでもない長さになっちゃったので、分けることにしました。大丈夫。この3人は忘備録程度のボリュームに留まります。
Ian Smith: CRUSHING
ポスター広告にもシール貼ってあるとおり、2023年のエディンバラ・フリンジのコメディ・アワードにノミネートされてるんですよ。ガッドさんのコメディ観て以降、適度に注目している芸人さんであるため、高評価のレビューが出るたびに、行かないと行かないと、とは思ってたんですが、お昼時のタイムスロットで、なかなか上手に時間が取れない!ってことで、このショーが地元に再訪する、って発表になった時点で速攻チケットを確保しまして(多分半年前くらい)・・・くらいの熱量だけはありました。
内容は、プレッシャーとかストレスとかメンタル弱ってるんだけど、それを乗り越えるのは発散だよね、っていう話で。その主な原因が(たしか昔のショーで結婚したって話を聞いた記憶があるのだけど)パートナーとの別れたことではあるのだけど、その話をしたいのではない、と上手にそっちに関連する可能性の話に一切触れなかったのは、スキルだな、と思いました。後半は、セラピー的なアクティビティとして、スロヴァキアに行って車をぶっ壊すツアーに参加してくるストーリーを展開。ショー自体が芸人さんのセラピーの道具ではなく、芸人さんがセラピー方法を提示している、という意味では、他と確実に一線を画したショーを作ったんだと思いました。
本当に残念だったのが、フリンジではその車をぶっ壊すツアーに参加する映像を流したフィナーレがオレが見た地元のショーでは、なかったことです。これがあるとないだと、締まり感とインパクトが全然違うと思いますし、パワー落ちが否めません。その映像はムッチャクチャ面白かったらしい。SOHO THEATREでは流したのかな?
というわけで、面白かったし、とてもいい芸人さんだと思うけど、注目度は現状維持かなぁ・・・。
Dan Tiernan: Going Under
この1ー2年で頭角を表してきた新人さんで、BBCのNew Comedy Award 受賞したりLeicester Comedy Awardでノミネートされたり。2023年フリンジで上演したこのショーも超話題になってて、見に行かなきゃ、と狙っている一方どうしても時間の都合がつかず。で、今回見てきました。
ディスプラクシア で、ゲイなんですって。こんな症状を持つ自分の学校での話や義父との関係の話や仕事での試行錯誤、コメディアンを目指し始めた経緯等、そんな中、心の支えだった大切な妹さんが白血病にかかってしまい・・・
と、聞いてると、どこが笑えるんだ?と思うんですけど、いいのか悪いのか、(あくまで本人が言うところの→)ゲイっぽくない外見とディスプラクシアの症状を利用して落としていくんですね。体のバランス崩すとか、声のボリュームの加減間違えちゃうとか、動きのコントロールできなくなっちゃう、とか。極めて善良な客を相手に、罪悪感を感じさせずにこの手の笑いを成立させてるのは、スキルかな、と思います。
イギリスでは、日本ではよく見かけるような、唐突に叫んだり動いたり、というショック的なインパクトで笑わせる笑いはあまり見かけません。なので(障害が原因云々はさておき)ダン・ティエランの笑い自体が新鮮なのだとは思います。
おりしも比較的最近「水曜日のダウンタウン」でチャンス大城さんとインタラスティングたけしさんのドッキリ検証があったのを思い出しました。このショーの笑いは、その検証でみんなが語っていることと物凄く関係していると思います。
ものすごいちなみに、憧れの芸人さんはサムくんらしいです。去年のサムくんのフリンジでの10分ショーの時にオレの真後ろの席に座ってたんですよね・・・なるほど。
Rob Auton: Rob Auton Show (UK & メルボルンのチケット売ってます)
2022年11月にThe Stand Comedyで見た時の感想をどこにもあげていない模様で、困ったな・・・
こんにちは。
正月明けた1月に、法事が主な理由で里帰りしてましたが(注:お会いした方々お世話になりました)ほぼほぼジェイムズ・エイカスター最新ツアーのために、本来は1カ月くらい日本滞在したかったところを、3週間弱に切り上げて現実世界に帰ってきました。
その後も、週に1-2本のペースで昨年のフリンジで取りこぼした話題のショーを見に行っていたので、忘備録をつけておかないと、ネタも感想も忘れてしまうと思い、アップにいたります。
オーストラリア在住の方、これからメルボルン等でコメディフェスティバルが開催されるにあたり、ご参考にしていただければ、幸・・・と思ったら、(あれ?今年行かないの? アレ?)
ちなみに2023年のエディンバラフリンジでみたものの感想はこちら
James Acaster: Hecklers Welcome (→UKチケットはんばい中)
先日NY行ってた時に出演したSeth Meyers。もうNY公演は終わっちゃってると思う・・・
【背景的な話と、なんでこんなショー・タイトルになったかについて】
エイカスターくんは、(イギリスだけじゃなくて)英語圏を中心に大きな劇場をお客さんでパンパンにする芸人さんになっているのに、まだJosh Widdicombeのラジオ番組のサイドキックとしてClassic Scrapesの素材をぶちまけていたパーソナと親近感を維持しており、それが魅力と才能とすごさの1つであります。
その一方(ビッグになる過程ではあるあるな話かと思うのですが)、そのせいでオーディエンスのクオリティコントロールのハードルが他の芸人さんより高くなっちゃってるんじゃないかな、と(*1)。
詳しくは今までのオレの忘備録を全部ひっくり返して読んでくださいレベルの「スタンダップ」とは?という規模のデカい話になってしまうんですが。
客層と規模が広がることによって「スタンダップ・ショー」の認識の違いや経験度の違いにズレが生じてきちゃって、ショーの最中に不適切に客にからまれちゃう事件の発生率が高くなっちゃう。
エイカスター・コメディは一語一句、一本一本のネタが蜘蛛の巣のように、ものすっごい 緻密に計算&構築されていて、各フレーズ、1ネタでも機能しそれがクラスタとなっても機能し、さらには全部が収束して1作のアートになり、その1作1作のアートが連作にもなりうるんです。マジで、ゴッドなんです。
その神ショーが観れるのは、その過程に素人の外部がちゃちゃ入れないとき(*2)
しかしこれは、ガチのライブコメディファンの思いであり、現在の規模の客層を魅了する今、その割合ってのは50%以下かと思います。
(満を持して)ドン!ハネし、大きな劇場を数十分でほぼ完売しちゃうレベルに達しちゃったエイカスターくんは、(おそらく今まで以上に)オーディエンスに絡まれる目にあい、そのたびにブチ切れて、コテンパンにその客を叩きのめして(暴力じゃなくて言葉です)、Taskmasterでエイカスター入門したファンはドン引きするなか、ショーマストゴーオン(*3)。で、終了後我に返って、お客さんに悪いことした・・・ってゲロ落ち込む(→基本いい人。じゃないとこんな天才にはなれない)
そんな経験を繰り返すうちにエイカスターくんは、はたと真実に気づくのです。
「オレ、スタンダップ嫌いだったんだ!」
今までずっとスタンダップ・コメディアンとして成功したいと思って頑張ってきたんで全然気が付かなかった!!
ときは運よく(?)パンデミック。ライブをやっちゃいけない状況で、大手を振ってライブやらずに幸せな日々を過ごすエイカスターくん(*4)しかしその一方で、スタンダップコメディアンが自分のアイデンティティでもあり、切っても切れない仲であることも骨の髄までわかってるんです。
時はさらにながれ、世間は元に戻るなか、エイカスターが目指すべきは、彼のライブコメディにおける負のサイクルからの脱出。つまり、ショーが思い通りに進まなくてもハッピーでいられたらいいんです。というわけで、今回のショーが「お客さん、どうぞどんどん!絡んでください。このショーは、お客さんにどれだけ野次を飛ばしてもいいショーです。エイカスターは邪魔されても絡まれても絶対に怒ってはいけない。それどころか、にこやかに対応しないといけません」というものになったわけです。
二部構成。インターバル20分でした。1部でこのショーが出来た背景と、幼少から「人前に立って話す」ことを職業とする今までの自分とスタンダップの愛憎エピソードを語り、糸をあちこちに張り巡らせたところで、後半でいっきに紡いでいく、というものなんだという印象を持ちました。
【感想】
「印象を持ちました」と書いているように、どのように糸を張り巡らせたか、その糸は計画通りに全部張られているのか。後半でどうやって紡いでいくのか、出来上がる作品はどんな形やデザインなのか。
全然わからないやつに観に行っちゃいました(号泣)
ガチのコメディ・ファン、ガチのエイカスター・コメディのファンとっては、当たりはずれが激しいショーかと思います。
厳密にいうと、前半はオッケーでした。まだ会場が「ショーを観よう」の空気で、絡まれるのも話の内容に沿っていた(*5)ので、エイカスター話の続きが聞ける状態だったし、その場だからこその、インタラクティヴ性から笑いも生まれていた。好みはさておき、タイトル通りのバランスのとれたショーになっていたと思います。
ところが後半ほどなく、歯車が外れ、バランスが崩れだしちゃった。開演前からアルコール入れてたスコッツ客が話の腰を折ることを楽しみ始めちゃった。前半を含めたフリの先にある展開に進もうとするたびに、あさっての方向へむかったボールが投げられ、の繰り返しです。全く関係ないコメントを投げてくるし、いきなり質問してきたり。
何しろこれら全部受け入れて、対応するのがテーマのショーなので、客が「エイカスターがショーを邪魔されて続きを話せない」ことを本格的に楽しんじゃうと、なすすべがなくなっちゃう。
エイカスターくんは後半の途中から「ここまでのレベルで話の続きができない状態(客が自分の話の続きを聞く気がない)のは初めて。完敗だよ。なんとかコントロールしようと頑張ったけど、完全に諦めた!」と、そこから、YOUTUBERとかTiktokerがやってるみたいなQ&Aみたいなスタイルになっちゃって。エイカスター返しなんで、どんなボールも面白く返すんですけどね。すいません、ものすごい欲求不満です。
フラストレーションたまりまくって会場でました(*6)エイカスター・コメディは最高級だと思ってるし、このアイディアはある意味斬新で 客次第では素晴らしい作品になると思うし、エイカスターくん自体も新境地開拓になると思うから、心底応援したいけど、リスク高すぎる。本来作り上げていた絶対に裏切らない最高級クオリティの傑作を観れないのは、【バいですって。ってたぶん45%くらいの客は思ってると思います。
お願いです、エイカスターさん。パンデミックのときに、サイモン・.バードが「客が怖い?から客なしでスタンダップやります」ってスタンダップデビューしたやつみたいので収録してください。客に邪魔されなかったバージョンは本末転倒かもしれないけど、みたいんですよ。45%くらいの客はものすごい観たいと思ってると思います。Pateronでもなんでも10£でも20£でもいいんで売り付けてくれれば、観客全体の45%は購入するにきまってます。やって。お願い。じゃないと、このフラストレーションが消えることは一生ないし、リスク高くてもっかい35£だす気もしないです。
【最後に備考】
前方にF1層の女子が結構いたんですが、堂々と写メと映像とりまくってて、マジでビビりました。あんまりelaborateすると失礼にあたりそうな気もするので、書かないけど、いろんな意味で衝撃でした。
まあ今の子たちって映画館でバービーのゴズリンの写メとったりするみたいだけど・・・
この数日後、サムくんのライブを地元のハコで観てるときに前方の女の子たちがフラッシュつきで写メとりまくってて、「やめてくれそんなことされたら二度とここでライブしてくれなくなる」って夢でうなされました・・・そのうち正夢になりそう。こわすぎる。
*1アニキ系のパーソナだとここまでにはならないんじゃないか、と思っています。Russell Howardがめっちゃハネた比較的直後に、Assembly のMusic Hallって800席くらいのキャパで見たことあるけどお客さんに絡まれてなかったもん。あと、ネトフリで配信してる芸人さんたちってボス的な威圧感でてて、あれを無視して絡むってよほどの泥酔客しかないのでは?とはいえ、オレは芸人さんが大きな劇場でやれるようになった段階でほとんどの場合みなくなるので適当なこと言ってるかもだけど。
*2エイカスター・コメディはシアターよりで、クラウニングの要素はないんですよね。悪い言い方をすると、そのスキルはないです。だからガチでキレることでクオリティコントロールしてきたんですよね。
*3オレたまたま(運よく?)一回、エイカスターくんが客のたった一言の絡みにブチ切れて、いい時間使ってボッコボコに叩きのめした(ナイフで例えるならもう死んでるあとも数十回刺してる狂気)のに、きちんともとに戻ってアートを完成させて終わらせる様を見てて、もうわかっていることだけど天才すぎるって思ったことがあります。
*4 その後、調子にのって世間と関わるのがダメだったんだ!と一切のSNSを辞めて、SNSなし生活のおススメ、という本を書き、宣伝のツールが一切なくなってしまったことに気づいてOff Menu相棒のギャンブル氏に泣きつく、という伝説もあります。この本自体はエイカスター・コメディ好きは絶対に期待を裏切られない内容ですね。(読んでるさぁもちろん)
*5 すいません、観たのが一カ月近く前で細かい野次の内容を失念してしまいました。
*6 前から5列目の真ん中ゲットするくらい意気込んで取ってるんで。(いや、今回もテンパってるオレをよそに同行者がとってたんで実質なにもしてないんですが)。