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2016年8月13日土曜日

Edinburgh Fringe 2016 Richard GaddさんのMonkey See Monkey Doは、"コメディ"に新しい境界線を確実に作ってしまいました(と思いました)



オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーマイゴッド


https://tickets.edfringe.com/whats-on/richard-gadd-monkey-see-monkey-do

Richard Gaddさんといえば、Waiting For GaddotのRichard Gaddさんであり、去年のEdinburgh Fringeで一番Fringe らしい魅力に満ち溢れた最高傑作を生み出したメイン人物でありますが、今回は、チームワークよりは、ソロワーク。自分自身に住み着く闇の声との戦いの話でした。

実はこの闇の声の原因ともなる話は作った話ではなく、Richard Gaddさんが、パーソナルにガチで体験している。しかも一生涯続くであろうトラウマの話なのです。実は究極にヘヴィーなのです。聞いてる観客がトラウマになるくらい、ちょっと直面できないくらいの話なのです。

もっと言うと、これ、本来なら、全く笑えないはずなのですよ。

ところがですね、ものすごい洗練された、賢すぎる構成力とプロット展開、そしてメディアを利用したフィジカル/ヴィジュアルも含めてのマルチな笑い作りにより、見事に、コメディは悲劇と喜劇の見事な融合であるという定義下におけるコメディとして成立させてしまった。新しい”笑える”の境界線を引くことに成功した作品だと思います。

これを見ている最中に、どうしてもKim NobleさんのYou are Not Aloneを思い出さずにはいられなくなりました。 (去年もKim Nobleさんの匂いのするショーだったと話した覚えがあるのですが)ただ、You are Not Aloneは終盤に近づくに従い、テーマの重さが完全にコメディを凌駕してしまい、鬱になっていいしばらく立ち直れなくなるほどでしたが、Monkey See Monkey Doは、最後までRichard Gaddさんは”笑い”をギリギリまで保つように作り上げていた。全身全霊でこのテーマをRichard Gaddさんが彼らしく表現するためのスキルとして”コメディ”をいかなる時も忘れなかった。おかげで、客の気持ちがどん底に陥ることはなかったと思います。

あと1点だけ、このショーがいかにすげすぎるかを言うと、Richard Gaddさんの体力です。こんなショー見たことない、っていうことを連続してやり続けます。マジで、口あんぐりです。

今のところ、おれはこの作品はJames Acaster君レベルです。つまり5つ星。鬼のようにヘヴィだけど、できればもう一度見に行き、Richard GaddさんのDialogueを確認しながら、喜劇を保ち続ける施工を研究したいです。Richard Gaddさん、すげえよ。すげええ。本当にすごいと思います。





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