イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2022年8月28日日曜日

Edinburgh Fringe 2022 エディンバラ・フリンジ2022 もうすぐ終わり!その前にまとめて2本良作紹介。 Nic Sampsons Marathon 1904 & Josh Glanc Vroom Vroom

 2年ぶりのエディンバラ・フリンジ。ついに本日で終わり。(明日もやる芸人さんもいますが)

この数日間見てきたなかで、特にご紹介しときたいもの2本。です。


Nic Sampsons Marathon 1904

https://tickets.edfringe.com/whats-on/nic-sampson-marathon-1904

コレは、本当に良かった。1904年にアメリカで開催されたオリンピックマラソンの実話エピソードをベースにしたオーラル・ストーリー。。キエランくん(Kieran Hodgson)の作品群 を思い起こさせるスタイルです。ある意味クラシックだけど、一人全役をこなし、芝居部分が多いので、芝居構成とか役者としての高い技量がないとできないタイプ。だから実際あんまりこの手で注目を集めるコメディショー自体がない、と思います。(→1日に3000以上公演されてるんで、数はあると思うんですけど、注目集めるところまでいかない、ってことで)

お客さんとのインタラクション、特に客の招き入れ方もうまかったなぁ、と。客が即興をやらないといけないシーンがあるんですけど、客の投げた球を、上手に拾ってショーに取り込みつつも、ショー自体は壊させない。小さいハコ(60-70人くらい?) で午後4時半過ぎだから、質の良いお客さんたち少人数っていう環境だから、というのもあるかと思いますが。

実話がベースなので、情報にもなりますし、本当に良作です。


Josh Glanc Vroom Vroom 

同行者に「これ行く!」って言われて、リンク見まして。

https://tickets.edfringe.com/whats-on/josh-glanc-vrooom-vrooom

まるでモチベーションが高まるどころか、不安にさえさせてくれるPR写真だった一方、紹介欄見ると、

Adelaide Fringe Best Comedy Weekly award winner 2018 and 2019. Perth Fringe Best Comedy award winner and nominee of the Arts Editor Award. 'Master of craze' **** (Guardian). 'Absurd and dynamic' **** (Fest). 'An extraordinary talent' **** (Scotsman). As seen on Australian television: ABC and Network 10. 'Wonderfully offbeat nonsense from one of Australia’s most exciting rising stars' ***** (TheWest.com.au). 'Impeccably well-crafted silliness – and it’s that which makes him one of the smartest comedians on the scene.' ***** (Advertiser, Adelaide 2022).

もうコレは外せないやつじゃないですか! よく考えれば、こーゆー写真とオレの感想のギャップは ニック・ヘルムでさんざん経験済み。持つべきものはオレレベルのコメディ・ギークの友です。

ちなみにJosh Blanc、何しろ写真が「コレ」なので、客層がMonkey Barrelではあんまり見かけないポーキーな男性がフヨフヨしてまして。何を期待していたのかわかりませんが、この点も8−10年くらい前のニック・ヘルムの客層タイプと似てたw

ショーは、特にストーリーがあるのではなく、ソロ・スケッチの連続アワーで、音楽とリズムの使い方がめちゃくちゃ上手い。無駄にすごいある歌唱力で、ちょっとしたキャッチ・フレーズを作っていきながら、次第にビートを入れていき、歌い出す、っていうネタを要所要所でインサートして、キュッと全体を締めてます。キレがめちゃくちゃ良かったです。

プロップいっぱい。事前に仕込んでるボイス・オーバーを利用して、自分の内心の声や客の内心の声、それからプロップの声をきかせる、という演出効果によって生まれる笑いが卓越してましたね。「あいつ最低!って叫ばなきゃ!」と客の内心の声が流れて、お客さんが叫ばなきゃいけなかったり。

もひとつ例を挙げると、気がつくと、人形が客席に座ってるんですが、その人形が「もうこんなのつまらなすぎるからハコから出たい。隣の人、お願い、私を連れ出して!」って言うんですよ。設定としては心の声。で、隣のお客さんが人形持って出て行こうとすると「ちょっと待って、あんた何やってんの?!」ってジョッシュさん止めに入る、っつーw これ何回か繰り返すんですよ。客が本当に猛ダッシュして人形連れ出すまで。仕込みじゃないんで、めちゃくちゃ面白い。

6年前まで弁護士だったんですって。クラシックですなw



0 件のコメント:

コメントを投稿