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2024年8月12日月曜日

Edinburgh Fringe 2024 エディンバラ・フリンジ2024 連日スタンディング・オベーション、レビュー大絶賛のNatalie Palamides、Weer観ました!

 圧倒的エネルギーと才能のスプリンクラーですよ。

https://tickets.edfringe.com/whats-on/natalie-palamides-weer

Traverse Festivalとしても括られるのか。そりゃそうか。

https://www.traverse.co.uk/whats-on/event/natalie-palamides-weer-festival-24


ナタリー・パラミディスといえば、

ネトフリのNateに始まり、SOHO THEATRE LIVE (AMAZON PRIME経由)のLaidに加え、演者ではなくクリエイター&演出側として昨年コメディアワードのノミネートもされたAmazing Banana Brothers のナタリー・パラミィディスです。オレは、彼女は確実に英語圏で、クラウン・コメディを演劇的なステータスに持ち上げてきていると思う。彼女の作品はそれまで比較的それぞれナワバリを持っていたコメディとクラウニングと芝居をつなげ、その先へ向かっているんじゃないか、と思います。

上記3作品を見ていて、ナタリーのクラウンコメディのスタイルって、オーディエンスへの期待と要求がかなり大きい印象にあるせいで、彼女が選んだ会場がTraverse Theatreということに、ちょっと驚いてました。カチカチした劇場ではないけど、劇場目的で作られた施設スペースではあるので、舞台と客席の距離感を含めて、インパクトとかどうなるんだろう、と。でも並んでいる時に「please beware that this shows contains strong language and nudity」みたいなアナウンスがあって「あ、やっぱりところかまわずなのねw」と思いましたけども。

そんなステージ構成ですが、舞台袖下手と上手の両側から客席前方3分の1くらいのエリア全部に階段の上り下りなくスムーズにアクセス(特に段差もなく)できるようになっていました(震)。壁を守れるセーフゾーンがちっちゃい。ハコがでっかくなっただけで、緊迫感(?)は漂っておったわけです。

また、さすがに2024年にもなれば、お客さんは「いい評判をきいたから見にきてみた」を超えて、彼女のスタイルにワクワクの期待をして集まってきている状況でした。むしろ開演直後は、お客さんによってはノリが良すぎて、参加系のヤジを飛ばしちゃって、どんより不安雲がうっすら(オレの中で)湧くほどに。もちろんそんな心配は不要を超えて失礼でしたけども。

以下、ちょっとネタバレも入っちゃうけど、内容と感想です。


【お話】

1996年ー1999年が年代設定ですが、90年代のロマコメ映画がテーマカラーです。マークとクリスティンの物語。特定してパロっているのではないのですが、バイブとしてはあの時代売れに売れた英米ロマコメを彷彿とさせるマッシュアップ。舞台はNYだけどノッティンヒルがあるとかw 

なんで96−99年にしてるかというと、舞台中央に1999って書いてあって、フラッシュバックシーンがたくさん出てくるたびに、6と9をひっくり返せばいいのと、当然ハードなセックスシーンがあるのでwそれでも非常に便利だから、っていうことなんだと思います。

1999年のニューイヤーズイヴパーティで、2人が大喧嘩しているところから始まります。パーティは、よく人気のない森林みたいなところで若者がパーティやってるやつ、ああいうやつです。クリスティンが「もう帰る!」マークが「何馬鹿なこと言ってんだよ!もうすぐニューイヤーじゃないか!そんなに泥酔して運転なんかできるわけないじゃんか!」と車のキーを奪い合いながら舞台袖から登場。

もちろんクリスティンもマークも同時にナタリーが演じています。向かって左側は衣装からカツラからメークから全部マークで、向かって右側は全部の全部クリスティン。くるくると反転しながら片っぽだけを客側に見せて、壮絶にテンポ良く同時二役をやりのけ始めます。

すったん揉んだで鍵を奪い合い、その時側近に座っていたお客さんにパーティ会場でマークとイチャイチャしていた女性になってもらいながら、結果的にクリスティンが鍵をゲット、ボロボロに泣きながら車に乗って夜中の森林を突っ走ります。と、次の瞬間、(舞台袖から紐にぶら下がって)飛んできたのはデカすぎる鹿。避ける暇もなく、車はその鹿に衝突。鹿は首ごとぶっ飛び首無しの鹿が投げ倒されツノがクリスティンの胸にブッ刺さり、彼女は瀕死の状態の中、マークを求め叫ぶのです。マークはその声を頼りにクリスティンを探します。それぞれの胸のうちがナレーションで流れるなか、出会ったばっかりの1996年の回想シーンへと話は移っていきます。ロマコメならではの’出会って一瞬で惹かれ合うものの、クリスティンにはすでにボーイフレンドどころかフィアンセがいたり、マークが職を失った影響で関係が悪くなったり、浮気の疑惑も出てきたり。1999年に突入する頃には喧嘩をしない日がないくらい喧嘩をしていて・・・


マジで。もう。ハコのサイズと形態が変わったと言って、今までやってたことのやり方を変えるのではなく、単純に会場のサイズに比例して、やることのサイズがデカくなっただけででした・・・ 巨大な鹿のプロップが舞台袖から紐使って飛んできた後も、やわらかいとはいえ、子供が球蹴りに使うボールを客に向かって蹴り飛ばし、そのボールが不運にもお客さんの顔面を直撃しちゃって平謝りとか、使用済みのプロップがそのままステージに散乱して、どこに何があるかわからんとか、(一回掃除のシーンに見立てて、箒ではいて安全に動くスペースを作りましたけども)、(別シーンでつけたビジュアル効果目的のメイクを落とすため)シャワーシーンも2回くらいあるし。

両脇からの客席エリアへの移動も使われないわけはなく、元フィアンセ役や、パーティのダンスシーンでの友人役のリクルートなどで役立ってました。物語を続行しながらなので、ナタリーがピックアップしたお客さんが自動的にその役になります。以前と違って戸惑いが客側にないので、登壇させられ、パーティ踊りを踊らせる羽目になったり勝手にカップルにさせられたりしてもノリノリでしたけども。(浮気疑惑の際の)留守電の声役も3−4人マイク向けられてましたけど、みんな返しがうまかった。

後半最後の方、いちいち隠してらんねぇレベルでカオスになっていくので、上演時間の3分の1くらいは上半身まっぱだったと思いますw。マークとクリスティンのセックスシーンが素晴らしかったですね。Nateでのちん○プロップがここでも登場し(マークとネイトのちん○同じなんだろうなwとか)クリスティンになってる時に、うっすら、ぷらぷらーんって見えるんですよ。すいません、めちゃくちゃ笑えるんですよ。鹿とぶつかって交通事故ったクリスティンが瀕死の状態でマークと求めあうとか、(回想シーンで)喧嘩しあって嫌いと思いながらも、体的に相手を求め合う自分達がいるとか、ロマンス映画で「美徳」みたいに描かれてきた「やるせなさ」みたいなやつを、ものごっつ真剣に展開していく中で、うっすら、ちん○ぶらぶらーん。なんですよ。完全にナタリーのピステイクかと思います。

過去作に共通するヘヴィさはなかったんだけど、それでも彼女がいつも提示してくるジェンダー&セクシャリティのテーマは一貫して今回もあったですね。もう一回見たいから5つ星です。みなさんも見る機会があったらぜひ見てください。

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