イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2015年12月14日月曜日

Netflixオリジナルコメディは必見です① Master of None(マスター・オブ・ゼロ)

*何作品か紹介をしようと思ったのですが、master of Noneへの賛辞が長過ぎて、息切れ増した。他のは次回にまわしたいと思います。


ゴールデン・グローブのノミネート作品が発表になり、オンライン・コメディがメキメキと幅をきかせていることを、どこかの媒体がレポートしていましたね(どこだったか忘れた…Variety.comとかだったかもしれない。

Inside No.9 のS2が放送になったときに、誰もが口を揃えて「才能のあるクリエイターは、誰にも阻まれない環境で、思う存分やりたいことをとことんやらせてもらえるべき、という最高のよい例だ」と絶賛していたこともありましたよね。

今Netflixはコメディのクリエイターさんたちに”誰にも阻まれない環境”を提供しているのかもしれない、と次から次へと「うおーーーー!すっげーーーー!」な作品を観るたびに思ってしまうのです。Netflix内では配信開始日に国境を超えて観れちゃう&国境を超えた視聴者が対象になるので、塵も積もれば的な算数で、ニッチなファン層をターゲットにできるのかもしれない…。

今回、とくに力を入れて紹介したいのが、(日本では認知度が低くて、ホントにツライのですが)Parks & Recreationなどで大人気の米アジアン・コメディアン、アジス・アンサリ*が共同執筆し、かつ主演するMaster of None (邦題:マスター・オブ・ゼロ)です。ゴールデン・グローブでノミネートされてるみたい?ですよね。
あ、ピザボーイ 史上最凶のご注文 [DVD] でジェシー君と共演しているので、観たことある方も多いのか!



前述の環境を利用し、従来の米コメディと一線を画した、画期的なコメディ・ドラマを作り上げたといたく感動しています。実際、このコメディを観た次世代アジア系欧米芸人さんが何人も、「オレが/ワタシの野望を見事なまでにやられてしまったくらいすごいコメディ」と嘆きながらも大絶賛しています。


プロット展開はクラシック。両親がAmerican Dreamを頼り、片道切符でアメリカにやってきた(80年代)アジス扮するデヴはその息子で、いわゆる”ココナッツ”。第2世代のアジア人なので、中身は100%アメリカなのです。NYでCMやB級映画の俳優をして、結構良い暮らしをしている。そんな彼の問題や女性関係、家族のことなどを含めた日常生活を描いたものです。

ちょっと全然すごく聞こえないんだけど…と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし、コレがすごいんです。なぜって、第二世代のアジアン・アメリカンもしくはブリティッシュをそのまま描写したコメディって意外とあんまりないから。第二世代のアジアン・アメリカンを”アメリカ人”として”主演”するコメディって快挙に近いんじゃないでしょうか? このTVシリーズ中で、実際にアクセントをネタにした、オーディションのシーンがあり、やっぱりそうか!と再認識させられました。

最近のですらヒットコメディをよっく思い返してみても、いわゆる”エスニック・マイノリティ”ってステロタイプを基盤にキャラ設定してある。Modern Familyのグローリアも、Big Bang Theoryのラージもそうですよね。グローリアの中の人は、あのアクセントは演技上だし。ラージの中の人は、育ちがインドだったので、そこそこアクセントはありますが、スクリーン上ではそれを誇張している。 

英国TVコメディでいったら、この観点からすると、目も当てられない状態です。
映画でeast is eastという画期的な名作とかあったけど、概ねスタッフおよびクリエイターともに白人独占市場。最近のヒット作Citizen Khanも、Citizen Khan自体がGoodness Gracious Me チーム以来の快挙じゃないかと思います。ちなみにカーンおじさんの中の人が30代の超ブリブリブリティッシュ。今後それをカミングアウトしたコメディがどこまでできるか、疑問符です。ただし、この1−2年間のロメッシュ・ランガネイサンさんの快挙っぷりと爆弾級の面白さで、かなり業界のトレンドが変わってきているとは思います。

Master of None マスター・オブ・ゼロがなぜそんなに素晴らしいかというもう一つの理由として、差別はあってはならないことが常識となっている社会でも、無意識下にでてきてしまう差別がらみのぎくしゃく感を見事に描き出しているところにあります。 微妙なニュアンスだったり、態度だったりがちょろちょろ顔を出し、ちくちく刺して来る。デヴの仲間のことも通して誰もがつねにそういう世界のなかで生きているのだ、という姿勢でナチュラルに描きます。5話目だったか6話目くらいで、デヴのガールフレンドへとなっていくレイチェルが(白人のかわいい女の子)女性蔑視とまではいかないけれども微妙にそれを感じる居心地の悪い世界に生きていることを描くシーンが素晴らしかったです。しかもこの辺りからシリーズ自体のトーンが変わり、ノア・バームバック/ウディ・アレンの専売特許なトーンを出してきているんです。人種とかの話をここで持ち出すのは最高に皮肉になりますが、今までウディ・アレンをできたアメリカ人がほぼおらず、頼みの綱なのがノア・バームバックかもしれないなんて思っている人がオレだけではないなか、あのアジス・アンサリが「オレが書かなきゃこういうのはやらせてもらえる環境じゃなかった」と華麗にウディ・アレン色をやってのけた。コレは本当に本当にすごいことなんじゃないかと思うんです。アジス・アンサリ、すごすぎます。
かっこいいってコレをいうんじゃないかと思います。

2015年12月11日金曜日

大人のためのステキ★クリスマス映画!セス・ローゲン&アンソニー・マッキー・JGレヴィット他「The Night Before」観ました

劇場公開とか生温いこといってると1年遅れで見ることになっちゃうので、DVDにさっさとなって観て欲しいです。あとコレ、ソニーさん配給だからだから、日本語字幕も入ってるんじゃないかと思うんです。

50/50 フィフティ・フィフティ [DVD] を観た方には、待望のローゲン&レヴィット&レヴィン監督再結成映画として魅力溢れるのではないでしょうか? 




大人のためのステキでキュートなクリスマス映画です。もうしわけないが、色々な意味で子どもにはわからない(笑 あとキッチリ拾うには、そこそこセス・ローゲンの過去作品と設定キャラが感覚的にわかってないと、もったいないことになりそうです。

【お話は…】

2001年のクリスマスに両親を交通事故で亡くしたイーサン。独りぼっちのクリスマスにならずにすんだのは、2人の親友イサックとクリスのおかげでした。クリスマスは友だちと過ごすためのものとして、3人は毎年、若い男の子ならではのおバカなクリスマスを楽しんできました。やがてときはすぎ2015年。イサックは立派な弁護士になり、結婚し、奥さんのお腹には赤ちゃんが。クリスは遅咲きながらもアメフトの選手として活躍し大人気に。そろそろクリスマスを”家族”のクリスマスに戻そうよ、ということで今年のクリスマスで3人のおばかクリスマスに終止符を打つことに。その最後のクリスマスを迎える直前、あるプライベートのパーティ会場でバイトしていたイーサンは、伝説のパーティのエントリーチケット3枚を入手するのです(正確にいうとゲストがジャケットの懐に入れていたチケット3枚をくすねる)生涯最高のクリスマスになっちゃうぜーーー!と意気揚々とする三人ですが…。

[大人がかわいいと思い胸痛になってしまう映画】
あらすじ紹介を読んでいただければ、なんとなく察していただけるかと思いますが、はい、そうです。御期待通りのテイストです。そしてコレ、50/50 フィフティ・フィフティ [DVD]それから「ウォーム・ボディーズ [DVD] 」と確実にレヴィン監督の売りになってる気がします。この胸痛な展開と演出、上手だなーと思います。そしてジョゼフ・ゴードン・レヴィットさんは、”地味で平凡”とか”何の突出した取り柄もない”青年が、ささやかだけどとてもとても大切な幸せを逃したり、得たりするときの喜怒哀楽を演じるのが本当に上手ですよね。ハリウッドとかブイブイ言わしてるんですよね? なのに、うそくさくないもんなー(笑 

お察しのとおり、オレはアンソニー・マッキーさん作品をあまりよく吟味して観ていないので、この役者さんにあるイメージが今イチ掴めておりません。が、概ね目立った登場人物はそれぞれ自体がキャリアを通してついているイメージを反映してプロットが展開していき、観やすかったです。

*「Don Jon」観て以来、レヴィットさんへの期待値は高いんです



【ココからネタバレと思う方もいるかもしれないので要注意】

(その1)ものすっっごい豪華なキャスト陣
米コメディ的に豪華だったと思います。とくに今イキのいい女子陣、ジリアン・ベル(Workaholics 他)とイラーナ・グレイザー(Broad City)が重要な役で出ちゃってることにウキウキしました。ナレーターがトレイシー・モーガン(30 Rock他)だし、いや、ていうか、リムジンの運転手がカナダ、バンクーバーのスター・コメディアン、ネイサン・フィールダーだし! ネイサンの元彼女の友人役でミンディ・プロジェクトのミンディが出てるとか。そしてそして“ジェームズ”。「最後の男友だちだけのクリスマス、楽しんでね!」とイサックの奥さん(ジリアン・ベルが)が準備したドラッグお試しセットみたいな小箱のおかげでチャンポンしまくったイサックは、失態を繰り返したなりゆきで、サラ(ミンディ)の携帯を間違えて所持していることを知らず、彼女へ送られて来る”ジェームズ”からのち○こつきのセクシー・テキストに思わず返事を打ってしまう。

この”ジェームズ”ってのはもちろん、みなさんの期待する”ジェームズ”(フランコ)なわけですよ。伝説のパーティ会場でイサックはこの”ジェームズ”と初対面するのですが、彼はサラよりもイサックにビビビを感じてしまい、ものすごいベタベタしてくるんですね。このベタベタ感が完全に狙ってるんです。オマエら、コレがみたいんだろ?って。完全にアパトー・ファミリー・ファンを喜ばせようとしている。でも媚を売るというよりは、ファンが予想する以上にやることで、きちんと笑かしてくれるんです。

(ちなみに、このテキストメールのシーンとパーティ会場のシーンが一番笑えたかもしれない…っていうくらい笑いました。)

(その2)
 セス・ローゲンのドラッグ・ヘロヘロっぷりは、日本の劇場公開に大きな足かせとなるであろうくらい、かなりいっちゃってます。とはいえ、スモーキング・ハイ [Blu-ray] 二は勝てませんが…。

(その3)
伝説のパーティ会場にマイリー・サイラスがでてきます。日本では彼女のニュースはどんな感じで伝わっているのでしょうか? Wrecking Ballの前後あたりからの彼女のベクトルを間違えつつの突っ走り感を、上手に利用した居心地のよいシュールな笑いで、ポイント高かったです。水面下で「マイリー・サイラス」「ハナ・モンタナ」ギャグが進行していて、必ずイーサンはフルネームで「マイリー・サイラス」っていうんですよ。最後に「マイリー・サイラスって呼ばないで」「へ?じゃあ何て…?」「ハナ」ってやりとりが。

そしてこともあろうに(?)Wrecking Ballをイーサンの半生とオーバーラップさせて、デュエットを歌う(笑 。というのも、イーサンは両親を亡くして以来、今確実にある幸せを失うことに非常に臆病になっているんです。独りぼっちになった彼をずーーーっと本物の友情d支えてくれてきた友人イサックとクリスをどんな形でも失いたくない。時は流れ、状況は変わり、それぞれが新しい大切なものを見つけ、それを大事にしているのに、イーサンはそれができずにいる。じつは億病だったせいで、真剣に交際していた彼女の両親に合うことに抵抗を感じ、それがもとで破局していました。まーさーに石橋を叩きすぎて壊していた…
I came in like a wreeeeeeeckin baaaaaall!! 
and you wreeeeeeeck me.... ! 

です。

超重要な肝のところで、マイリーサイラスという非常に微妙で難しいネタを使ったところにスキルを感じました。



2015年12月10日木曜日

誰か行って盗撮してきてください(違 2015年、師走のバスデン情報

バスデンさんといえば、いつどこで新ネタや情報が流出するかわからないので、たまに何かのきっかけでサイバー上をあさる稲村です。んでだいたい、「サイトに情報をアップデートしてください」とお願いし、瞬時ではないけどしてもらうアップデートにウキウキしています。今回もそんなサイクルで、12月にSOHO THEATREで門外不出だったショートフィルムを公開&Freeze! のクリスマス公演がある、の情報をもらい、ウキウキしています。なので、他に紹介すべき作品が山のようにあるのに、このリンクをはるために、記事のポスティングです。

http://www.sohotheatre.com/whats-on/tom-basden-and-tim-key-present-andquot-anthonyandq/



(あのですね、2年近くサイバー上を徘徊しても見ることができずにいる作品の一つなのです。観に行った人、盗撮してきてください)

Freeze! クリスマススペシャルはこちら
http://www.sohotheatre.com/whats-on/freeze/
写真は昔といっしょなので、いいです。あーみたいなー。

そういえば、ご本人は何もアップデートしてくれてないけどクリスマスに、Tim KeyのクリスマスPoetry Programmeが予定されています。BBCRadio4です。たしか23日?
日程調べようと思ったら、昔のを再放送をしてます! 
http://www.bbc.co.uk/programmes/b01dtxh1

25日の夜23時のようです。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b06sddm9


そんなわけで、バスデン補給が必要になったので、
YOU TUBEをあさったところ、(山のようにあるので検索するときは大抵2015 tom basdenって検索すると比較的最近のものが上位にあがってきます)以下のクリップを(相変わらず今更)発見しました。


ここで累計5秒くらいでてるんですけど
1)とにかくストライクゾーンのどまんなかでかっこいい
2)超素
なんですね。それで、とくに2)の話をしたいのですが、
なぜこのクリップはここまで素なのかわからないくらい素なんです。どれだけ他の「トム・バスデン」がキャラなのか、あらためて思い知らされるものすごい鬼かっこよすぎるのです。

↑ここが叫びたかったのだけど、他に叫ぶところがなかったので、書きました。本当にすみません。

そんなわけで、このままかっこいーってぐだぐだして寝ます。

2015年12月2日水曜日

2015年11月にUKで観れたTVコメディの感想です


前略してガンガンいきます! 毎月末にその月にみたコメディの感想をまとめてアップします。

Detectorists S2

ご希望があり、別枠でとっとと書いてます。
毎週号泣してます。

②Peep Show S9

Peep Show については… バスデンさんがゲスト作家だったときに叫んだので、それを参考にしてください…(参考になるのだろうか…汗)


(The Independentさんからお借りしました

世界中(?)から惜しまれながらの最終シリーズがついにスタート。この12年間やらかしては堕ちていったジェレミーとマークが 最終的な”落ち”に向かってどう落ちていくのか…と思いきや、とんでもない、最終シリーズから新境地の開拓です
このS9(具体的にはE2)によって、Peep Showは英国のコメディ史においてさらなる重要性をもたらし、さらには他のTVコメディから軽く1ステップ先へ進んだまま、終焉を迎えることが決定してしまいました。じつは確認のため、一応調べたのですが、はい、間違いありません、Peep Showは英国コメディ史上で初めてのことを美しくやってのけたのです。しかも、あまりに華麗すぎて、あまりに芸術的すぎて、思わず、(画面の前で)スタンディングオベーションをしてしまったくらいです。オレだけかと思ったら、David Baddiel氏とか有名人もやっていたらしい。そう、それくらいの最終シリーズなのです。

③ Josh 


なんかパイロット版が買えるんだけど、15分のパイロットに1ポンド89って買う人いんのかよ(汗)Kevin Turveyと同じ値段って、その適当すぎる値段設定のせいで、買う気がしないぞBBC。)

はい、BBCが年に1〜2回制作するパイロット版のショーケースシリーズから、シリーズ化になった1作です。Tom CraineさんとJosh君(さん?)の共同執筆による、Josh 君(さん?)とフラットメイト2人と家主さんが繰り広げるシットコム。設定的にはサイモン・アムステルがやったGrandma's HouseのJosh Widdicombe君(さん?)版という考え方でお願いします。

私が観ている理由は、前回アップした超アクセス数の少ない記事どおりで、3話見終わっても、まだその理由が変わりません。この作品、監督がThe Day TodayやAlan Partridgeシリーズ、その後もイアヌーチせんせいの風刺コメディ番組群で欠かせない重要人物David Schneider 氏なんですね。ものすごい敏腕なんです。だからすべてわかってて、確信犯でああいう演出をしていると思います。とにかく、ジョッシュ君の撮リ方がツボすぎるんです。

じつはフラットメイト役の1人Beatiie Edmonsonが、はい、苗字でお気づきのとおりAde Edmonsonの娘さんで、ってことは当然(日本ではおなじみの)Ab Fabのジェニファー・サンダースの娘さんなんですね。そんなわけで、第2話にお母さん役としてジェニファー・サンダースが出て来たのが(ダブルミーニング入って)めちゃくちゃ面白かったです。アレはコメディ好きの方は観る価値あると思います。

ウエリッシュのElles Jamesも自分のなかでは評価高いんですけどね。

結局シットコム自体の何がどう、って書いてないのですが、そこは…察してやってください…。

2015年12月1日火曜日

じつは2015年秋のUKコメディで一番楽しみにしていたのは…BBCラジオ番組なんです


【BBC RADIOがTVのiplayerみたいになりました。ほとんどどれもDL可能で1カ月くらい楽しめます。かわりに永久保存がやりずらくなりました…】

今年8月から「Ladhood」という作品の放送日を楽しみに待っていたせいで、通常以上にラジオ番組チェック用レーダーが機動しまった結果、いつも以上にラジオショーをきいてしまいました。というわけで、聴いたラジオ番組のなかからいくつかご紹介したいと思います。

Ladhood
コレ、リアム君が書いてる30分x4話構成の作品です。(リアム君=Liam Williams君)
本人の実話をもとに、かなり正直に真っ向からティーン時代を綴る物語。2000年代ののほほ〜んとした北イングランドの小さな町で(リーズ郊外)15−7歳くらいの少年たちの世界を描いています。

【これまでのお話】
前にも言いましたが、英国ってあんまりティーンにスポットをあてたコメディ・ドラマって生産されてないんですね。超ドラマよりのSkinsと超おバカよりのThe Inbetweeners。んで、時代設定がオレ世代かそれよりちょっと若い世代ばっかり(=オレがついていける) 最近のヒットだったMad Fat Diaryも超90s。シェーン・メドウズのThis is...も80sと90s。もひとつ、最近11歳以降のショーンに焦点あてた大ヒットMoone Boyも、90s。
ちなみにUncleは今の時代の12歳以降のエロール君が登場しているんですが、あくまで大人の目線で書いちゃうので、種類の違うものに。

っていうわけで、今20代の子たちが臨場感もって「オレ/アタシの思春期」っていう作品が皆無なんじゃないかと。そろそろ一本任せてもらえるようになっている30すぎの芸人さんがもっと2000年代の青春を書いてもいいんじゃねーの?って思うんですが、なぜか設定を90sにしている。てか90sの影響が2000年初頭までブイブイいってたせいなのかな? (Joshを観て、Josh Widdicombe君が32歳であんなに90sっていうのに驚いてます。)そんな中、ついに出たよ、な2000年代半ばのティーン・コメディなんですね。

というわけで現在20代のみなさんで、いまんところのティーンにスポットがあたってるUKコメディに今イチ、グっと来ない方、コレです。

具体的に話すとですね、この頃のUKって、USAからのヒップホップ/ラップの影響が溜まりに溜って(?)る時期でもあるです。んでThe StreetsとかPlan Bとかでてくるわけです。そのあたりを通過している人は、本能が共感する作品だと思います。

【オレが必要以上に期待する理由】
確かにオレが超リアム君推しになったのは昨年のスタンダップ観たのがきっかけなんですが、昨年末にBBCRadio4で放送されたBlack Fridayを舞台設定に書いた15分のショートストーリーのあまりの俊作っぷりに、よくある推しのレベル超えをしまして。(→なぜか感想を書いてない)リアム君が"書く"となると、バスデン・レベルの期待が膨らむ準備ができていたんですね。
なので、うるさくて、すみません。

【ファン話なんかどうでもいいから、内容はどうなのよ】

【1話目】Moone Boyとか、Just Williamとかのテイストで、かわいーんです。めっちゃかわいい。
【2話目】きいたあなたは始終にんまりをとおりこして、喪黒福造になるエピソードです。いいしばらくあの顔です。ウディ・アレンっぽい。具体的にいうと、マンハッタンとかアニー・ホールとオーバーラップして、セレブリティを連想しちまいました。
【3話目】軽いトーンではじまったかと思いきや、Daniel Kitson系のheart achingに落としこんでおります。期待設定値まったく低くないのに、期待より超えてくれちゃったので、結構な精神的打撃を受けました。
【4話目】一番、リアム君のスキルが見えるエピソードでした。この兄ちゃんは基本 story tellerなんですよね。もともと地味な話シリーズなんですが、なかでも一番地味(→多分確信犯)なのに、起承転結の抑揚から、最後にはほろ苦さを輩出するだけの独自のスキルセットを持っている。それが一番如実に出ました。

ストーリー自体は3話目が一番好きだけど、リアム君力の発揮エピソードとしては4話目が一番好きかな。

② Robert Newman's Entirely Accurate Encyclepedia of Evolution

あのですね、Robert Newmanについては、申し訳ないですが、David Baddiel カテゴリーでお願いします。& 彼は、オレの英語コメディ脳形成の基盤の1人です。最近富に感じることは、新しい「コレだ!」と見つけたと思っても、この基盤外にいたためしがない、ということです。ちなみに当時の彼らの番組のプロデュースをしていた人物はArmando Iannuciなので、ほらね、もうね、悲しいくらいオレの脳みそはこの基盤上でしか反応しないんですよ。

③ Fright Night (単発ドラマ)

こ、コメディじゃないんですけど、Julian Barratt(マイティ・ブーシュの)が出てるのでここで紹介します。70年代の大ヒットホラーをリメイク?リイマジネーション?した作品です。興味深い試みが沢山してある音のホラーで、面白かったです。

④ Hitchcocks' The Blind Man

あ”!! もう聴けなくなっちゃってる!!
Hugh LaurieとかHugh LaurieとかPeter Serafinowiczとか出てて、メジャー界では、秋の一番の目玉だと思われるのですが!
この秋BBC Radio 4がやっていたUnmade Movieシリーズからの1作品です。タイトルからしてわかるとおり、ヒッチコックの未完成脚本をマーク・ゲイティス氏が手を加え…というものです。たしかDLしたので、まだきけるかも(→きいてない 汗)

Hot Desk 

日本でもすっかりすっかりメジャーのマシュー・ベイントンが出演してます。毎朝毎晩7時(一日2回)会う警備員と受付員がデスクを交代する際のやりとりを描いたかわいいお話。かわいかった。
あ、そうだ。カンバーバッチさんが出てるラジオコメディ、キャビン・プレッシャーを書いてるJohn Finnemoreさんが書いて……
ああ、ここできっとこの5番目を1番目にもってきて、あーだこーだ感想を書くと、このブログのアクセス数がにょーーーーーんっ!ってあがるんだ!
気がつくのが遅かったな…。もう、①で力を使い果たしすぎて、疲れて書きたくないもん。
集客力のあるブロガーさんたち、書いてください。よろしくお願いします。

2015年11月17日火曜日

個人的に毎週冒頭で感動の涙を流している、マッケンジー・クルック君のThe Detectorists シリーズ2始まってます

シリーズ1の詳細&感想はこちら
http://www.gojohnnygogogo2.com/2014/10/bbc4detectorists.html

 
BBC4の深夜枠で異例の注目と視聴率を獲得し、BAFTAもとっちゃったThe Detectorists。ミトコンドリアだったであろう予算がちょっとだけ膨らんだらしいことが、シーズン2の冒頭を見ると明らかに。YOU TUBEで探してみたけど、見つからないので、お楽しみにしてください。

ハウエヴァー、予算膨らんでも、The Detectoristsの世界にはあまり関係ないようで、この膨らんだ予算を全部冒頭に費やしてしまったかのような作りです(笑 S1にも増して、シンプルだけど綿密で繊細。誰もが気にもとめないようなことを、大切なかけがえのない宝物のように見せてくれる世界は変わりません。むしろ、それを期待している視聴者を裏切らないどころか、さらに魅せてくれる世界を作ってくれています。

具体的に何がどうなのよ、という話ですが、突出していえることは、映像のこだわりです。カメラワークにおける基本を尊重&規格のずれをすべて計算し、シリーズで一貫した基軸を持ち、その基軸を基盤にしたテイストから絶対にブレない。
(→前にも話しましたが、The Wrong Mansの監督さんから、放送時に撮影時のサイズと規格を変えて放送するので、オンエアされるものに非常にフラストレーションを覚えるという話をきいています)。
視聴者はとくに、期待して冒頭を見るからだと思うのですが、そのみんなが期待する冒頭に対するこだわりがすごいのです。毎週冒頭でワナワナ泣いてます。

例えばですね… (→ だいたい木曜深夜に画像キャプって叫んでます)


これは2話目なのですが、この2人が、歩いているときの基軸、そして2人がとまって会話をするときの位置とスプリングクラーの位置、みてください。フィールド上にバミるんでもないとできないですよね?!いや、オレできないと思う!! ナニコレ?!

っていうのばっかりなんです。

この作品は基本シンメトリですが、Wアンダーソンのタイプの完璧シンメトリじゃないんです。ちょっとだけくずすんです。このテイストが、この物語をビジュアルで物語っている。完璧じゃないし、よくみないと気がつかない。だけど、それこそがキラキラ光る宝物のような魅力なんだよ、と。

アンディは、相変わらず、うだつがあがらない。考古学の学位をとったけれども、お宝発見の華々しい未来はまだこない。すぐに見つかると思っていた仕事がまったく見つからない。えりごのみをしているわけでもないのに。というか、パパになっちゃってるので、えりごのみをしている場合じゃないんです。奥さんに経済的におんぶにだっこ。義母に赤ちゃんの世話でもおんぶにだっこ… なんとかしたいけどなんとかならないでいるもどかしさがそこかしこで観る者たちの心に響きます。

さらに、おじいちゃんがかつて機上していた爆撃機の行方を知りたいと、ディテクトリストたちの仲間にはいったドイツ人のピーターが、S1でアンディとちょっとだけうほほ?な関係の気配だったソフィーといつもいっしょにいる。それから、ランスに若い彼女ができたかもしれない…など、(余計な)心配事も加わります。

画像&プロット&セリフとどれも魅力が目立つような作りをしていないので、いわゆる「ベタ」なわかりやすい笑いどころが、アクセントとなってキレイにきくんだと思います。(例:サイモン&ガーファンクルとか)お洋服のコーディネートでもそうですよね。黒基調で、靴赤にしてアクセント、とか、マフラーを派手にしてアクセント、とか。

コレは本当に人生みた作品のなかでも、10本の指に入っちゃうかもしれないくらい好きです。いわゆるよくあるコメディではない、という意味では、もしかしたら"pushing boundaries"の成功例ともいえるかもしれないです。この作品、ホントに大好きです。

2015年11月13日金曜日

Josh Widdicombe君(さん?)のほっぺたを徹底検証しています。


すいません。Channel 4 の時事ネタ番組 The Last Legやらなんやらで、ご存知の方も多いですよね?むしろ、超王道?

元ガーディアンのスポーツ・ライターで、きちんとエディンバラ・フリンジとかで注目やノミネートとかされてきた、実力のある(はずの)ジョッシュ・ウィディカム君(さん?)です。

いや、正直、ネタにハマるほどではなく、(→面白いとは思っている)騒いだことがないのですが、この夏に例のTaskmasterを観て以来、ジョッシュ君(さん?)の5歳児みたいな、くまのパディントンみたいなキャラに、なんでしょう… ぬいぐるみとか小動物をみたときの「AWWWWWWWWWWWW」が悪化してきましてね。
今や、画面にジョッシュ君(さん?)がでるものが見逃せない感じになってきましてね。それも、「面白いから見逃せない」んじゃなくて、「なんで32歳にもなって、アレなのよ」っていうギャップがツボすぎて、観たくてしょうがないんです。
つまり、失礼すぎる話なんですね。

そんなジョッシュ君(さん?)は現在全国ツアー中なんですが(エディンバラフリンジ中での3日間だったので、まんまと見逃した)そんななかで、JoshっていうTom Craineさんと共同執筆したシットコムがBBC3より放送開始になりまして。 このシットコムの作品自体については、月末のUKコメディ観ました記事で、もしかしたら書くかもしれないし、書かないかもしれないんですが(→おい)1話目で、ジョッシュ君(さん?)が見せるほっぺたのでかさが、はんぱない【AWWWWWWW】ジェネレーターで、まったくもって作品どーでもよくなるくらいなんです。2回も観ちゃった上に、我慢できずにタンブラさんに2回ほどほっぺた検証のため、ポスティングしてしまいました。

以下がリンクです。

http://gojohnnygogogo.tumblr.com/

いや、ヒマでバカなのもそうなのですが、れっきとした言い訳がありましてね。娘が小数点と%の計算が苦手なんですよ…。どうしてもつっかえる。なので、こうやって例を作って説明したんです。そのときのデーターが残っていたので、まとめてみただけなんです。なので、時間はそんなにかかってないです。(たぶん)






2015年11月12日木曜日

The Lobster (film)観ました【軽いあらすじは書きましたがネタバレはしてまっせん】

時間がついにとれたので、観に行きました。



コリン・ファレル、オリヴィア・コールマン、アシュリー・ジェンセン、マイケル・スマイリー、ジョン・C・ライリーとコメディ畑で活躍する役者さんが名を連ねているのと、レイチェル・ワイズ、ベン・ウィショーと英国の有名な役者さんがちらちら見えたので、とても気になっていたのです。

監督さん&作家さんがヨーゴス・ランティモース(Yogos Lanthimos)さんで、ギリシャで実力とキャリアを確立しているクリエイターさんですね。世界各国のアーティなインディペンデント系の映画にスポットラントをあてることが得意という印象のロッテルダム映画祭のシネマート・プロジェクトでこの脚本一番いいで賞を受賞して、制作に入り、今年のカンヌでパルムドール競争に参戦し、審査員賞を受賞している、エリート映画ですね。

【お話は…】
このカテゴリーがSFなのですが、いわゆる映画でよくみるSF的なヴィジュアルはありません。
近未来の世界。”街”にはとあるルールがあります。①独身で居続けることが許されない。②独身になると”ホテル”に連れて行かれ、45日以内にThe Other Half を見つけなければならない。③見つけられた場合は、その後、カップルとして機能するかどうか、1ヶ月トライアウト。④成功したら自由になり、”街”に戻れる。⑤失敗したら殺され、自分が(人間だったときに)希望した動物として生まれ変わる。⑥45日間の間に”狩猟”のルーティンがあるのですが、そこでこのルールから逃亡した”独り者(Loner)”たちをハンティングします。1人ハンティングできるごとに、ホテル滞在猶予期間が伸びる、という仕組みです。

物語はディヴィッド(コリン・ファレル)がホテルに入居するところからはじまります。連れている犬は、兄弟(兄?弟?)。もと人間だったけれども、上記のルールにより、犬になった、というわけです。”足を引きずった男”(ウイショーさん)と”舌ったらずの男”(ライリーさん)となんとなくつるみながら、伴侶探しをします。どうもこの伴侶探し、”運命の人”と自他ともに認められるような決定的な要素がないとカップル成立させてもらえないようで、そこが、自由を得る目的のための結婚を防止している。そのため、デイヴィッドはビスケット女(アシュリー・ジェンセン)とかにガンガンアタックされるのですがカップルとなることができずにいるんですね。「好意を抱いている相手にその思いを隠すより、好きでもない相手を好きなフリをすることのほうがずっと大変。僕にはできない」とディヴィッドはいいます。それでもなんとか生延びたい。結果的に彼はある行動にでます…

【奇妙な物語を作りたい方への超お手本作品】
これは遠い昔、編集ライターをやらせていただいていたころ、某雑誌で、某大漫画家先生(*)のインタビューをやらせていただいたときに、”どんな物語にも王道なテーマを入れる” とおっしゃっていたんですね。それはもう、バイブル同等の名言として心に刻んでいるのですが、このThe Lobsterを観て、その言葉を思い出しました。さらっと観ていると非現実的な世界なのですが、ちゃんと考えると、現実と背中あわせです。恋愛関係そして夫婦関係を経験したことがある人なら、誰もが似たような環境にじつはぶち当たっており、独身の立場も、カップルの立場も、独り者(Loner)の立場も自分仕様に解釈できるスペースがある。
”街”のルールも、このご時世、どこまで非現実的といえるのか? どこまでオレたちは”なんじゃこりゃ?”と思うルールを受け入れてしまっているのか。どこまで抵抗することができるのか。どの部分まで諦めるのか。
すべての基盤となってしまっている”ルール”をどこまで覆すことができるのか。 
1984と同じような問題の模索がなされていると思います。

【ちなみに…ウイショーさん扮する足をひきずった男について】
ウイショーさんは足を引きずる男性役だったのですが、その人が見せる普段は表に出さないブラックな人間らしさの出し方がとてもいいお味を出していました。映画作品自体が一貫して”静”なので、ウイショーさん自体の持ち味とシンクロ度が高かったと思うのです。あんまり細かくいうとネタバレちゃうから言えないですけど。(笑いどころをとっちゃうので)

そんなわけで、本作、日本公開は決まってもおかしくなさそうですけど、決まってるのかしら? ぜひおすすめします。




2015年11月1日日曜日

緊急レポート:バスデンさんからCDが送られて来ました… ありがとうございます


世界中の日本語のわかるトム・バスデンファンのみなさま、そしてこの6年間ずっとGo Johnnyのブログを読んでくださっている忍耐強いみなさま、世界一のバスデンファンの1人イナムラは、めでたくCDを送付してもらいました…

あまりにも面白かったので、いきさつをご紹介したく思います。

【そもそもいいだしっぺはバスデンさんだった…】

先日お伝えしたように、私がバスデンさん大好きになったのが、今から6−7年前。その当時はバスデンさんも若く、希望のほうが、実際にある仕事量よりも大きかった20代後半だったので、本人サイト頁(っつっても今のblogger.comです)のほか、Facebookに芸人さん頁を作っていました。フリンジで超いけてるショーを観たオレは、i-tunes DL形式で作品を販売しているクリエーターさんやアーチストさんみたいに、あの面白キャッチーソングを売ってないのかしら?と思ってFacebook芸人頁のメッセージ欄を通してきいたところ、「イヤー売ってないんだよね」との返答。そこで「CD送ってあげるよ、住所教えて」と言ってくれたのです。東京の住所を伝えてウキウキしていました。その後、Facebookの芸人頁はバスデン実兄さんに頁上で冷やかされ、消滅します。

CDは届きません。

【CDは送らないけど、記憶力はやっぱり天才】

それから2年する間に短編映画祭をミスり、例のこの事件が起こります。 
そしてさらには放送されてる番組も取りこぼすとかいう手のつけられない自体に。そこでこの事件になるわけです。リンクをふんでいただけると、おわかりかと思うのですが、遠い昔の約束を憶えていてくれて、CDについて「届かなかったら催促してね」…。時がたてば人は引っ越しをするので、オレは新しいスコットランドの住所をお伝えしたわけです。

もちろんCDはきません。

【1人にも送れないCDをなぜか公開(販売)受付】

それからゆうに3年が経ちました。相変わらずバスデンさんの活動を事前に知ることはできない状況なので、質問メッセージを送ったことが2回あります。たしか1回教えてもらってて、2回目は返答ナシでした。そこでバスデンさんが一緒に仕事をしているクリエイターさんたちにききまくる、という失礼甚だしい事態になります。Tom Rosenthal 君には随分お世話になりました(汗)。ピークがThe Wrong Mansです。

一方この4年間の終わりに、バスデンさんは結婚をし、心を入れ替えようと本人サイトを一番バスデン情報が豊富なサイトにする!と新装開店。
おまけに、こんな頁を作りまして。

http://tombasden.blogspot.co.uk/p/tv.html

正直、コレみたときに「コレはオレあてなんじゃないだろうか? 汗」と願望とも錯覚ともいえる気持ちになってしまいまして。あらためて、知らんふりして「CD欲しいんですが…」とメールしました。これが2014年の9月終わりか10月頃。バスデンさんは「今イギリスにいないんだけど、戻ったら送るよ。住所を教えて」と比較的すぐに返答してくrました。んで以前と同じ住所を送ると、またすぐに「イギリスには12月の○○頃に帰るからそしたら絶対に送るね。届かなかったら連絡してね」

CD届くわけがありません。

さすがに今回はちょっと催促メールをやってみようかな、と2015年1月「あの〜…」とトライ。返答はありません。

CD届くわけがありません。

【…というあまりにも長過ぎる経緯を経て、2015年10月】

毎年9月あたりがオレのなかで、断続バスデン祭りにあたる時期で(理由は割愛します)、今年はどうしても長年待っている小説の行方と、今年の夏見逃す形になった新作クロコダイルのロンドン公演の可能性を知りたくてしょうがなくなっていました。10月2日、またCDの一件はなかったことにして、質問メールをします。返答もらえるかなーと期待していたのですが、完全スルー(汗)あーあー、さすがにここまでくると、名前を憶えられ、ウザガラレてしまったかーと、ちっこし落ち込んでしまってました。

ところが3週間後、元隣人(*オレは今年3月に引っ越しをしてます)から「3習慣くらい前に届いた差出人のないパッケージを預かっている。中身触るとDVDっぽい」と連絡が。一体だれが?!と思いきや、まさか、まさかの。


【どこをきりとっても、イメージキャラ通り】

このオレのメール送信からCD送付までの時間的スパンを考えると、オレのメールをスルーしたのではなくて、CDのことを思い出してくれ、過去メールから住所をわざわざひっぱり出してくれ、わざわざ、郵便局に行ってくれた。ということになるんです。本当なら感動と心臓バクバクになって当然なんですが…もうですね、今までの経緯と、パッケージがすでに、爆笑せずにはいられないんです。なぜかといば、このCDを送付してくれた”素”のはずのバスデンさんがあまりにもオレらファンの知る”キャラクター”まんまだから。どこまで完璧主義なんでしょうか(多分)。
ではレッツ・検証しましょう。

①CDを守るプチプチ封筒に入れてくれている→封をしてから、宛先を書いてもらっている→書きづらい→封筒にボコボコ穴が空いている。


② 中身のCDケースが割れまくっている




プチプチ封筒に入れてもらってるわりに、鬼の勢いで割れまくっているにもほどがある状態です。郵便局側に問題がある可能性を考えたのですが、今までネット購入したCD/DVDが同じプチプチ封筒な状況でこんな状態になって届いた試しがありません。ここから
A: 封筒に入れる前からこの状態だった
B: このプチプチ封筒、じつは今年はじめにオレが催促メールをだしたときに、発送完了になっていたんだけど、郵便局に辿り着けることなく、バスデンさんのカバンの奥底かなんかに半永久的に押し粒されていた。
という2つの可能性がでてくるわけです。どっちにしても、あまりにもあり得すぎる展開です。

③遅れていることに非常に罪悪感を抱いてくれている


備考ですが
②のBパターンだった場合でも、上記のようなやりとりから考慮して、多分バスデンさんは、オレにCDを送ると約束して軽く4−5年経ってることをわかっているんじゃないかと思うんです。そうだとしたらコレを2015年の1月に書いてくれたものだとしても、充分ありえる文面だと思うんです。

④ 定規使ったのか素手なのかわかんないノートの切れ端感に注目


* ③の全体像写真と合わせてお楽しみください。

⑤ 横書き用ラインを丸無視しての縦ライン&横書き。


⑥ もちろん、CDのどこにも”サイン”とかない。あの、ファンが「サインください♡」って「○○ちゃんへ サイン」っていう”サイン”がない。
サインがどこにもない

【まとめ】
これで、このしつこいファンは二度と質問メールしてこないだろうと思ってたら、大間違いです、バスデンさん。オレ、1年に1回か2回はメールすると思います。なぜなら、CDが目的じゃないからです。どうやったらオレからのメールを止めることができるかといえば、大きな何かがあったときのtombasden.comの情報更新です。よろしくお願いします。

2015年10月29日木曜日

2015年10月にUKで観れたコメディの感想です。> The Kennedys, Together, Asian Provocateur

Go Johnnyの月間シリーズ、UKで観れるTV(を中心)コメディのなかから、好きなものをご紹介しています。毎年秋は翌年春の賞レースに参戦するために、各局が本気で戦い出すので、毎日毎日ぜいぜいしながら、追いかけてます。なので、相当グイグイ面白くないと(またはえこひいきしてる芸人さん/作家さんの番組じゃないと)積ん観になってしまいます。そして先月末より始まり、面白いよ、と紹介したもののうちいくつかがそんな目にあっていることもお伝えしておきます。そして以下に紹介するものも、数日後には、怒濤の爆弾番組(例:JOSH, THE DETECTORIST S2, PEEP SHOW S9)を前にどこまで頑張れるのか!! (いえ、面白いです。みんな面白いです。ここで紹介するものはみんな面白いです)


The Kennedys



IT Crowd(こちらIT課)のキャサリン・パーキンソンと、(リーヴス&モーティマー番組経由)超カルト人気キャラ、アンジェロの中の人、ダン・スキナーの夫婦とその娘エマちゃんを中心に、ジェスロップ・スクエアに住む人々を描くシットコム。時代設定は70年代。
Emma Kennedyさんの自伝をもとに、王道BBC1が送る、ひさびさの王道だけどめちゃくちゃツボなコメディが登場した、という気分です。かなり大声出して涙流してわらってます。
というか先月から、Top Coppers, Cradle To Grave と次々70年代がテーマのコメディが次々ヒットを出しており、思わずBBCは70年代旋風でも巻き起こす戦略でもあるのだろうか?と勘ぐってしまうくらい…(汗) しかもこの3作品、どれもクオリティが高いのもまたすごい…

Together


もはや(このブログを読んで下さる方にとって)枕詞は要らないジョニー・スイート君 (念のため過去記事は→Go Johnny Part 1Go Johnny Part II )が、2009年より書いてはこね、書いてはこねくりまわしてできたシットコムです。ラジオシリーズで「Hard to Tell」というシットコムをジョニー君が書いているんですが、そのテレビ版、というのが一般的な紹介の仕方のようです。しかし、Hard To Tellを聴いてるし、中身も憶えている(→理由があります。バスデン&キーがカメオ(声の)出演という理由があるのです。)ワテクシ的には、エピソードが進めば進むほど、違う!ラジオ版と違う!と思わずにはいられません。そして最近富に目立って来ている(The Thick of Itでジュリアス・ニコルソンだった)Alex McQueenせんせいの何をやってもAlex McQueenせんせいクオリティっていう、それはもうマーク・ヒープレベルの強烈さがピカル一方。全部おいしいところをさらってしまって、ジョニー君扮する主人公のトムが…(強制終了)

そしてジョニー・スイート君作品をずっと追っているコア・ファン的には、このシットコムに登場人物ほぼ全員ジョニー・スイート君のキャラクターショーケースみたいになっています。なんですが、ジョニー君以外の人がどこまで、消化してくれてるかが、カギな気がします。つうのも、役者さんだけじゃなくて、新鋭芸人さんが多数登場してるんですよね。コレを端緒に感じたのが、第2話。リアム君(→リアム・ウイリアムズ君です)がやっていたキャラが、あまりにもジョニー・スイート君の定番キャラの1人だったためと、リアム君自身が今までの彼の作品のなかで、この手のキャラを一回も作ったことがないもんだから、どうにも違和感が…(汗)→ コレは批判ではないです!! 批判ではありません!!!
つまり、ジョニー・スイート君の過去作品(ライブも含め)を根こそぎチェックし、リアム君の過去作品を洗いざらい、手にはいらんもんまで、無理矢理チェックしているから、こういう違和感が発生するわけで、この番組を観る99%の人にはそんなことは起こらないのです。つまり、とても面白い作品なんだ、といいたいわけです。

Romesh Ranganathan's Asian Provocateur


この番組は「お母さん」が「(お腹周りがぶよってる)ロメッシュさん」に「足を踏み入れたことのない未開の故郷」への訪問を「命じ」、ロメッシュさんが何人もの叔父さんや親戚、甥っ子などに案内してもらいながら、初めての故郷体験をする、というものです。

おーまいがー…

今まで何度か話してきましたが、こういうタイプの、リアリティショー&情報バラエティ、において、ワタクシ「世界の果てまでイッテQ」を超えるものはないんではないかと思っておったわけです。なぜなら「世界の果てまでイッテQ」の、”視聴者が知らない”ものを、面白い、笑えるものとして紹介するときの技術とスキルが高過ぎるからです。あの番組は決して【知らないもの】を「ヘン→笑える」という図式で描かない。ヘンと描くことはとても危険なんです。差別の境界線をいとも簡単に超えてしまえる。それをわかっていてかどうかはわかりませんが、あの番組は、紹介するものをその国の立ち位置、視線を踏まえて描く。笑いどころはあくまでも芸人さんたちの言動から。芸人さんたちというフィルターがあることで、視点が①「視聴者」②「番組が紹介する情報」③「芸人さんたちの言動」の3つになるんですね。視聴者は②と③の両方から距離を置くことができ、それができるから自身の観点も持ちやすい。もちろん②または③のどちらかと同視点になることもできる。そうすることで、差別的笑いを見事に回避しているのです。

前置きが長くなりましたが、このロメッシュさんの本番組もまーさーに前述の視点で描かれているのです。ロメッシュさんは、いわゆるSecond Generation(この話をすると長くなので黙ります)。スリランカの血100%だけど、スリランカに足を踏み入れたことがない。ブリブリのブリティッシュなのです。でもお父さんもお母さんもスリランカ人で生まれ育ち、スリランカに山のように家族親戚がいる。ロメッシュさんが②にも③にもなれるのです。①の視聴者はロメッシュさんと心身ともにし、ロメッシュさんが体験して得た喜怒哀楽を何の危険(ここでは差別的/適切でない笑い)もなく共有できるのです。
毎週涙を流して大爆笑なのです。
これは、はっきりいって、シリーズをさらに続投し、ランガネイサン一家の親戚全員1人一人登場していただき、ロメッシュさんにあちこち案内していただきたく思います。もうすぐ終っちゃいそうなのが、非常にツライ! 今最高に笑える1本です。

2015年10月19日月曜日

再びのLive at the Union Chapel 3年ぶりにバスデンさんをナマで拝んだ他、人気の芸人さんたちアッセンブルな一夜レポート

【これまでのお話】

バスデンさん(Tom Basdenさんです)。ファンとして断続祭りを続けてはや7年。初めて叫んだころには20代だったバスデンさんもはや…さ、さんじゅうろく…?(卒倒)

そして、さらに驚いたことに、コレだけ断続祭りを開催し続けているにも関わらず、(Go Johnny パート1よりGo Johnny パート2より) わざわざロンドンくんだりまで(飛行機往復+宿泊代)バスデンさんの焼き直しネタ披露のために行ってられねーと全然見ないでいるうちに(*)、気がついたら3年…(卒倒) 

そんなわけ?で、いつもよりはちょっと「いいの見つけたら、観に行ったほうがいいんじゃねー?」レベルが高くなっていました夏休み(→クロコダイル全部予約しておいて全部キャンセルになったのが一番の原因かも)。エディンバラフリンジ最終日、The Invisible Dotの人が配ってた秋以降のパンフをつい勢いでもらってしまったところ、こんなの見つけまして。

お昼に大好きなSam Craneさんの出てる(でもやっぱりMark Ryance がすげーよかった)Farinelli and the Kingのマチネを見る計画を立て、わざわざロンドンくんだりまで行ってしまったです…。

【Live at the Union Chapelとは!】
じつはその3年くらい前に、バスデンさんを観に行ったときのレポートがあります。
やっぱり3年以上前だった(汗)
そんなわけで、mixed bill なんですね。
今回のLive At the Union Chapelのラインアップは以下のとおり
Pappy's が MC
Cardinal Burns
Doc Brown
Sara Pascoe
Freeze! →しつこいようですが、Tim Keyとバスデンさんが一緒にやってるユニットです。前は一緒が多かったけど、ここ数年はずっと年に3回あればいいほうのスペシャルイベントになってます。参考Vをはりつけます。
Tim Key and Tom Basden - Freeze! from Tom George on Vimeo.

です。

Pappy'sとSara Pascoeさんは昨年12月に観ちゃったし、とくにPappy's とクロスビーさんはエディンバラフリンジでも頻繁に遭遇しちゃったし… なんですが、何回ナマで観ても笑える&ナマでしか見れないネタを確立しちゃってる人たちなので、見れてよかったーと思ってます。

Cardinal Burnsは、じつは! Channel 4のCardinal Burnsがパン・ヨーロピアンな笑いだったもので、その存在価値は理解しつつも(→イギリスにもこういう笑いは必要という意味で)自分の趣味ではないから、1話しかみたことない、っつー、見ることにモチベーションの低い2人組だったんです。が、ナマでみたネタ自体は結構オルタナコメディで、芝居の世界とか、俳優とか、某ジャンル映画のスタイルとかに対する皮肉を笑いにかえる、っていうことをやってました。おかげでかなり笑いました。意外と年季の入った2人組だったんですね。

Doc Brownも、じつは、普通のスタンダップをはじめてみました。Zadie Smith(小説家の)の弟?お兄さん?なんですよね、この人。エディンバラにもきたことがあったけど、どっちかというと役者としてコメディに出ることのほうが多い印象が…。そうそう、Doc Brownはバスデンさんとコミックリリーフで共演していたわ
あーでも、あらためてDoc Brownの経歴を見て、なぜ今イチピンとこなかったのか納得。場数踏んでないんだ、この人。言葉選びも、違う。

Freeze! は、じつは、むかしむかし、2人がちゃんとエディンバラにきていた(まだ賞とか取っちゃう前)に一回観ただけなんです。その後、バスデンさんのソロショーとかバスデンさんの書いたお芝居とか見るようになって、世間のTim Key愛がどんどん広く深まって行くなか、1人でバスデンさんへ突進していった、という経緯があります。もちろんTim Keyも好きなんですが、2人並んじゃうと完全にバスデンさんなのです。
そんなディフォルト設定を抱えた上に、3年ナマで拝んでないもんだから、(基本バスデンさんはオレ的に超アイドルでもあるので)ナマ拝んじゃったとたんに舞い上がっちゃって…(→アホです。はい、アホなんです)本来Freeze!が織りなす醍醐味が楽しめなかった不覚の観賞となりました… 

その醍醐味ってなによ、って話ですが、Freeze!ってTim KeyとBasdenさんと2人合わせて3つの笑いを同時進行させることにあるんです。観客は①Tim Key単体のパフォーマンスと②Basdenさん単体のパフォーマンス(この2つは共存してはいるが融合してはいない)③ ①と②が一つの空間で同時進行していることから生まれる笑い
の3つです。
でも昨夜のオレは①があんまり上手に耳に入ってこなくて、②ばっかり。結果①と③を落としたことになります。各ネタが今まで彼らがネット経由でとっちらかしてきたネタが多かったのが不幸中の幸いかしら。しかもバスデンさんのネタ・ハンターのオレは、ほぼ全部サイバー上の保管場所も言い当てられる。たとえば、このRaybotシリーズからのゴードン・ラムジーとか。

それにしても、こんなにステージ上のバスデンさんが、Five Dialsのインタビューで見せていたキャラに進化しちゃってるとは思いませんでした、っていうくらい、昔よりも加速して社会的順応性が限りなく底辺に近くなっていました。もうアラフォーだし、結婚もしちゃったし、もともと天才だし、頑張らなくてもよって来て欲しい人たちがよってくるし…でカミングアウトしちゃったんでしょうか。神経質な病んでるアーティストキャラ マジでペットボトルをならすお客さんへのツッコミは、どこまで本気かネタかわかんねー(汗)そういうキャラの変化としては、新ネタと呼ぶべきだったかもしれません。

もう一つ、とにかくバスデンさんと絡むときのTim Kyがいつにも増して一触即発な勢いだったんですが、そういうバスデンさんになっていたからこそ、TIm は一層エスカレートしてバスデンさんをどつかなければいけなくなってたかもしれない、と思いました。そして、Five Dialsでのバスデンさんの独走は、Tim Keyという自分をとめてくれる相手がいなかっただから、と。聞き手の人じゃとてもじゃないけど、Tim Keyのように止められない。だからああいう結果になったのか、と。。。いや、妙に納得がいきました。


*お芝居The Holesは観てるんですが、何しろご本人は書いてるだけで、中国とか行っちゃってるんで(→せめて初日くらい来てよ、バスデンさん… 汗)


2015年10月10日土曜日

今のUKレジェンド芸人さんたちが(今やなくなった)ケーブルTV局の番組にでていたころのYOU TUBEクリップをみつけて叫んだところ…

とくに英国は日本と違い、制作チームと芸人さんの役割のオーバーラップ率が高い傾向があるため、カメラの前も後ろも同じくらい興味を持つタイプです。(*日本の制作チームの人々には別の意味で興味がわくわけですが)
そんなわけで、昨夜「そういえば世間はWorld Poetry Dayで賑わってたな」というふとしたきっかけから、Kevin EldonのPaul Hamiltonの広島原爆ポエムを世間にツイートしたいとYOU TUBEをあさるなか、自分がみたことがなかった、ケーブルTVでの、まだBig Train前のKevinの超貴重クリップを発見し、「なんで誰もこんなすごい番組のこと教えてくれなかったんだよ!」と騒いでおったわけです。


そしたら、The Inbetweeners等でおなじみの作家イアン・モリス先生に「その番組で制作コーディネーターとして働いてたよ。」と。当時のコメディシーンの様子を細かく教えてくれましてん。
(だって会計士の妹さんがサクラでCluub Z のパイロット収録時の観客に入ってたとか!!)
上手に全部でてこないので、下記のツイートのリンクをぜひクリックしてください。
https://twitter.com/whiteanklesocks/status/652617473565556736

超コーフンしてあんまりねれなかった翌朝、このやりとりを発見なさったスペンサー・ミルマンPが「オレ、Cluub ZでRunner(日本だと一番下のADさん?)やってた!」と。

すごく、懐かしいよい思い出のようで色々みなさん教えてくださってありがとうございます!
(→とお礼を言いました)


2015年10月3日土曜日

2015年9月に観たUKで視聴可能のTVコメディの感想です

秋も深まる2015年、すっかりレギュラー企画になってしまいました。結構頑張ってみてます。相変わらず気に入ったものだけご紹介します。

TOP COPPERS 

奥さん、これは大当たりです。カラフルで、不思議ちゃん系テイストの笑いで、絵作りが新鮮。王道ではない、コレからの注目株を押し出そうという本来の目的から作られた本来のBBC 3がようやく久しぶりに本来の目標通りの目標を達成した、そんな感じの大傑作です。
70sの欧米のコップドラマや映画(とくにある特定の作品ではなく)がベースなんですが、ある特定の作品ではないため(じつはフタをあけると具体的にどの作品にインスパイアをより強くされたのかはわかるようにはなっているますが)、パロディとかオマージュとかではないんですね。ココがおミソです。
最初はとっつきやすく…という妥協をほぼすることがなく、オマージュやパロディで客を引っ張る小細工はなし。ジョークもベタだし、コレといって笑い的に刺さるところはないんです。本能が「コレはイケル」と感じる潜在的な何かがあり、自分の本能と期待のままに、続きを観ます。すると…3話目くらいから、ジワジワきいてくるんです。各キャラ設定が肌で理解できるようになってくる。5話目には大爆笑の連続。ずーっと笑ってしまう。6話目には「コレで終わりなのかよ?!さっさとS2作れよ!」とちゃぶ台をひっくり返す勢いです。S3まで作った上に映画版も作って欲しいくらいです。

正直Top Coppersをなぜ観たいと思ったかといえば、John Kearnsのせいです。でも実際に観たら、登場人物全員の中の人々、みんなジョンみたいに自作自演をやってらっしゃるかなりの個性派ばっかりでした。マホガニー役の人がオーストラリア人とか、あと米加発のベテランが毎回ゲストに登場し、彼らがみな自国のアクセントで喋るもんだから、Top Coppersの舞台設定が上手に特定できないというのも、めっちゃくちゃよかったです。
最後にこのクリエイターx2さんと作家さんたち、ブラボーです。そして意外ながら知ると超納得!の、本シリーズのインスピレーションとなったグレアム・リネハン作品に多大なる敬意を表したいと思います。

Cradle to Grave


こちらも超BBC2クオリティですわ。大御所ダニー・ベイカーさんの私小説?自伝?がベースとなっているコメディ(?)ドラマで、監督さんが泣く子も黙るサンディ・ジョンソンせんせい。Comic Strip Presentsとかでもメガホンとってる、間違いねーだろ、この監督さんならば!みたいな監督さん。
ストーリーを語らせたら一級品の大御所さんの本が面白くないわけはなく、その本をもとにアート志向だけどキッチリエンタテイメント、という映像の大ベテランさんが監督するんだから、失敗しずらい、といっても過言ではないんではないでしょうか。というような、素晴らしく面白かわいい作品です。
特記すべきは、北イングランドのヒーロー芸人ピーター・ケイ氏がロンドン下町のおやっさんにハマリまくっちゃってるところ。この人すごい人だったんですね。

Horrible Histories チームによる映画Billが最高だったよ



観たよーーーー!
でも別に記事立てたほうが、アクセス数あがりそうなので、別記事を立てようと思います。とりあえず、最高だったということはいいたいです。

You, Me and Apocalypse


この時点で、ああ、9月って、欧米では無視できない量になっているマシュー・ベイントンのファンガールが、窒息しそうになってるんだろうな、と気がつきました…。9月のベイントン露出量がハンパないですな。この上にYonderlandのシリーズ2も放送されてたわけですから。

そんなベイントンさん話はさておき、このコメディ・ドラマ?コメディ要素のあるドラマ? 大変エンタテイニングに作られておりまして、高評価したいです。
【お話は】スラウに住む、ベイントンさん扮するエイリエルは超地味で真面目一辺倒な医師だったのですが、ハネムーン帰国した空港で奥さんが失踪した傷が癒えずにはや7年。人生の再出発に踏み出せず明らかにしっかりしてない男友達デイヴとフラットシェア。母親にちょこちょこオフィスにおしかけられ、あれこれ世話を焼かれています。お誕生日だったその日も母親がシャンパンもって、オフィスに押し掛けてきて、「もういい加減に次のお嫁さんを…」。またかよ、のため息をついていたところ、突然警察が入って来て、エイリエルを逮捕、署に連行されてしまい…
ところかわって、アメリカ。コンピューターいじりが得意すぎてハッキングした息子の罪をかぶり逮捕され刑務所に入ったロンダ。実際に何も盗んでいないので、無罪放免になると願っています。塀のなかは、平和な生活を送らせてくれない状況。ヒスパニックとナチ派とパックリわかれ、各グループからロンダにオマエはどっちだ?!と責めよられます。切羽詰まったそのときに、弁護士との面会のお知らせが。これで釈放される!と信じたロンダは、両方のグループに中指を見せて、その場をさりますが、弁護士から「5−10年刑務所にいることになりそう」と知らされ…
ところかわってバチカン。ジュード神父は真摯な信者だからこそ現在のローマ・カトリック教制度に対して反逆の心を持つ人。修道女との面談でもブイブイ言わせて、彼女に愛想をつかされ、採用に失敗してしまい…

それぞれがそんな仏滅日を迎えていたなか、突然号外放送が。米大統領が、「隕石が地球に落ちて来る。あと30日(34日?35日?忘れた 汗)で地球の最後がやってきます。どうにも止められません。みんなの命は終わりです」とアナウンス。世界中が大パニックになり、それぞれの登場人物の状況も白紙に。さてさて、彼らの運命は?

群像劇ぽいスタート構成なのですが、それは最初のティーザー要素にすぎず。この登場事物たちは同じ場面で交流し合う展開が伺えます。

【英国的観点からみた備考メモ】
制作米NBCなので、ベイントンさん担当のイギリスのキャラ設定が面白かったです。
具体的にいうと
1)住んでる場所がSlough。
ギークでないアメリカ人が過去20年でイギリスコメディを一番イメージしやすいキーワードは、The Office UK。この舞台がSloughなんですよね。この舞台設定では、ロンドンに近い郊外なのに、地味/つまらねー/退屈のイメージが、ここで非常に必要とされており、そこでわかりやすいスラウを持って来ているところが興味深かった。
2)ベイントンさんのキャラが非常にイギリス人。
1)とかぶりますが、このイギリス人のキャラは非常に浸透しているのではないかと思いました。

以上です。

2015年9月25日金曜日

【追記あり】数ヶ月前にアップされていたバスデンさんの短編朗読とインタビューから覗ける、素のバスデンさんがキャラのバスデンさんを超えてバスデンさんらしい件ついて

忙しいときだと、騒いどいて、じつは視聴しとらんかった…ということがたまにあります。一生懸命いち早く、と頑張っても、注目度が底辺スレスレなのが、わかるので、マイペースになっています。おまけに視聴しといて感想もかかない、なんてことが
いち早くお伝えしなければと頑張るのが、今や年に一度のエディンバラ・フェスティバル・フリンジのみとなってしまいました。

そんなわけで、このバスデンさんが短編集「HOT MOON」からの一編(→小説にしたいらしい。インディー本ではなくメジャー出版社から出版したいらしい。自分は大衆作家ではなくアーティストだと思ってるからマーケティングとか気にしたくない。でもちゃんとした出版社(メジャー)を大募集しているらしい。)を朗読しているMP3ファイルの存在を知っていながら、すっかり忘れてしまってました。そして、この秋(オレ的に)超待望のリアム君が書いちゃう作品が待ちきれない、とジリジリしていたときに、そういえば、あったな!と思い出したわけです。


【驚愕のバスデン・ワールド・フィーバー超え】
今までこの人ってこういうキャラを作っている人だと思っていたのですが、そして、確かに最初の部分はキャラかしら、といつも通りにきいていたのですが、7分目辺りくらいから、もしかしてコレは素?もしかして、キャラだと思っていたキャラのほうがむしろ社会的順応性高いんじゃねーか?と不安に…(汗)
このポッドキャストがもしも、もしも!!!「素」バスデンだったら…や、やばすぎます…

とにかくレッツ・きいてみましょう。


1)延々とかき溜めているこの小説ですがその構成および進行がアットランダムすぎ。第475章を書いたかと思ったら第75章を書くとか(*)。ちなみにこのポッドキャストでは第214章を披露…(汗)溜めすぎだろう。溜めすぎだって!!! 
2)何だかよくわからないまま参加している。(せめて録音始める前に確認しようよ 汗)
3)句読点なしにぼそぼそフォーエバー喋ってる。
4)兄さんは某出版社につとめてて、その出版社の名前はいえないけど、ロンリープラネットしか主に出版しないからってそれロンリープラネットだから
5)そんな兄さんからアドバイスをもらったけど、ロンリープラネットしか出版しないところの人のアドバイスはどこまで役に立つかだし、それに売れる作品にするには、って自分はアーティストだから、売れるとか売れないとかいったことは関係ねーし、みたいな。
6)そのくせ、表紙はLee Childみたいんので、その手合いの読者層が間違って買っちゃってくれたら売れるしいいよね、みたいな。
7)図書館に寄贈したくねーし。借りられるとその分本売れねーし、みたいな。
8)ちゃんとした出版したいし。オーディオブックで終んのやだし。
9)拷問テーマで拷問って近年の旬ネタだから(→グアンタナモとか)この部分結構出版にこぎ着けられる引き要素じゃね? (→って…なんなのこの、さらーっっと無邪気すぎる驚愕の崖っぷちネタは!こっちが冷や汗!!!)
10)もう聞き手がサジなげちゃって、放っといちゃってますよねこれ?(汗)
11)さじ投げられてるのに、ぼそぼそアンストッパボー(自分の興味のあることだとしゃべりまくる)
12)やっぱりね、何がバスデンワールドって、この小説のメインキャラ設定が「ジェームズボンド」的スーパーヒーローなんだけど「オフィスのマーティン・フリーマン」て表現するところなんですよ。「オフィスのティム」じゃないの!! 「オフィスのマーティン・フリーマン」なの!! ネタなの?バスデンさん、コレはネタなんですか?!
13) すみません。このRoald Dahl の発音を(アメリカ人と)確認するのって、素というか天然にしか思えないんです…。コレ、素ですよね?!何回きいても涙流して笑える…
14)てかそもそも、このポッドキャスト、インディ出版者のFive Dials(米)のポッドキャストっすよね。バスデンさん、パブリッシャーさんと話してんのです。そこで「出版社大募集=その辺のインディーじゃなくて、ちゃんとした出版社で出してかね稼ぎたい」って…(汗)

この本、1冊(シリーズだろうな、この約500章とかありそうな分量をきいてると…)にいっこくもはやく本当になって欲しいです。なぜこのバスデンワールドがメジャー出版に値しないのかオレには皆目わからないです。

やっぱり最高だな、バスデンさん。ホントに最高だと思います。このポッドキャストで生涯ファンのリストに入れます。

*じつは!過去にも結構発表していますhttps://www.mixcloud.com/CriterionTheatre/stories-before-bedtime-april-fools/ 
でアンドリュー・スコットさんとピピン(ホビットの)さんとの朗読の合間に発表してたりします。しつこいようですが、さりげなさすぎる天才なんです

【追記】天然なの?とつぶやいたツイート、上手に聞き手のヘイミッシュさんが見つけてくれて、教えてもらいました。この答えをきいたオレは、はっきりいってバスデンさんの完璧過ぎる完璧主義に、さらにバスデン愛が…深まりました。

2015年9月4日金曜日

名うての知的英国芸人が”リアクション芸”をやるとどうなるか。2015年ダントツでベストの一本Taskmaster観てます

Greg Davis、Alex Horne, Tim Key, Roisin Conarty, Josh Widdicombe, Romesh Ranganthan ...

このウイットと知性でオレらコメディオタクを悩殺してきた英国の芸人さんたちが、リアクション芸をやるなんて番組、奥さん想像できますか? 

いいんです。

できなくていいんです。

だって番組放送してるんだもの!!!

TASKMASTER


マスターはグレッグ・デイヴィス。アシスタントはアレックス・ホーン、そして5人のトップ芸人さんたちが、与えられた”タスク”をこなし、マスターの独断と偏見により与えられた芸術点(?)を競う、というもの。勝者に与えられる贈与品は、メンバーそれぞれが毎回持ち寄る所有品。そのときのテーマにより金額的に高価なものだけが価値のあるものとは限らず。(だいたいマスターをimpressさせるもの)

爆笑どころはもちろんこの5人の芸人さんたちの”リアクション芸”。なんですが、日本でいうところの”リアクション芸”とはまったく異なります。端緒に異なるのは、日本の”リアクション芸”は”リアクション”自体を笑うものですが(そしてそれは往々にして表情とか動きとかフィジカルな反応。)こちら英国の(トップクオリティの)芸人さんらの”リアクション芸”は、往々にして”なぜその言動およびリアクションをしたのか”という各芸人さんのキャラクターに基づいて説明されるロジカルな理由がバックボーンにあるからこそ、爆笑できる種類です。
さらにいうと身体をはっての任務がゲームのルールであるにもかかわらず、芸人さんが「それはできねえ」「イヤだ」といったものに関しては、そのまま「ではできないならできないなりに、どうするのか」「どうやってごまかすか」「イヤならどうやって逃げるつもりなのか」という方向性で笑いを作っていきます。無理矢理感がありません。日本のように「イヤでもやらなければいけない」「泣きながら勇気を振り絞って」→これを笑う、ではないところが決定的な違いです。各メンバーの意志と人権を尊重した上で繰り広げるリアクション芸です。マスター含め彼ら全員知性と話術と言動で、爆笑の番組を作り上げています。

日本には長いリアクション芸の歴史があり、その道で名声と実力を培ってきた芸人さんたちには多大なるリスペクトを贈りたく思います。しかし、同時にベテランリアクション芸人さんではない芸人さんたちの
「自分がやるのは絶対いやだけど、芸人だからやらせる。嫌がる芸人のリアクションや苦悩をみて面白がる」ってタイプのリアクション芸でなければ、面白くない、という意識は変わって欲しいと思います。できないと言って泣きじゃくる芸人さんを「ここでやらなきゃフィルムはボツ=出番がなくなる=成功できない」という空気で番組を作るだけがリアクション芸ではない、ということを、この番組は証明してくれていると思います。
下記で沢山クリップが観れますので、ちょっとのぞいてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=XQSz3vugdn4&list=PLyk_nLKHU9QnqI1kj47APnATN2SulmvtQ

(ちなみに

2015年9月1日火曜日

2015年秋〜2016年春、ロンドン旅行するコメディファンの方へ。Edinburgh Fringe 2015の感想が役に立ちますので、ご参考に!

[RTしていただいたおかげで思いのほか、読んでいただいているので、追記しました】

エディンバラのフリンジが終ったら、ここで上演していたコメディも終わり、と思ったらいけないのは、ご存知かと思います。

エディンバラのフリンジはいわゆる芸人さんたちの、新作発表会およびショーケースです。秋以降ここで得た評判や話題を武器に、ロンドンその他各地をツアーします。フリー・フリンジだったものは、プリペイドで15ポンドとか20ポンドとかの金額を払って、きちんとしたハコで、先進国社会におけるカルチャー&アーツを楽しむように楽しめます。

このブログで、オレが感想を書いて来た芸人/アーティストさんのショーは、じつは、The Invisible Dotというプロモーターさんによるセレクションのものが多数を占めます。以下のリンク先ですと、フルセットが観れます。

追記の追記:目下当社イチオシのリアム君、先日にゃんこにエサやる→カギを忘れて外に出た→ロックアウト→外から2階によじ上る→落ちる→両足首を骨折→入院(汗)→手術(!)→いつ退院やねん…→12月退院→リハビリ→まだ松葉杖→まだ!松葉杖→まだ、松葉杖…(涙)で、まともにライブができておりません。
3月にやる予定のはずなんだけど、でもグラスゴーのフェスティバルは現状完全撤退。

Royal Albert Hallがベスト・オブ・ザ・フリンジ的なことをやるとBritish Comedy Guidがツイートしてたんでチェックしたんですが、どうもベストオブザフリンジではなさそう。単純にコメディシーズンですな。
http://www.royalalberthall.com/tickets/?Genres%5B46%5D=46

てかナニコレ?!オレのマルセル・ルコントがいるっ!
http://www.royalalberthall.com/tickets/events/2015/late-night-laughs-best-of-the-fest-marcel-lucont-and-ed-gamble/

かなりラインアップが自分の好みと似ているという意味で(汗)SOHO THEATREもよいかもしれません。

http://www.sohotheatre.com/


おおっと!オレが今年一番驚愕したWaiting for Gaddotが!
=現在The Invisible Dotに移動しました。
http://www.theinvisibledot.com/events/465-from-the-fringe-richard-gadd-waiting-for-gaddot

あと、グラスゴーでもやるらしい。とにかく、全部開催場所をおっかけて確認したいくらいすごいシロモノなんですよ、コレ。
http://www.glasgowcomedyfestival.com/shows/1370

Battersea Arts Centre も要注意です。

https://www.bac.org.uk/

Bloomsbury Theatreもいつもはある程度頼りになるのですが、今年はなんと、アスベストが発覚し、それを取り除く作業のため、結構予定されていた演目がキャンセルされています。
https://www.thebloomsbury.com/event

あ、そうだ、Stewart Leeに興味のある方は、Leicester SQ. Theatre が超頼りになります。
http://www.leicestersquaretheatre.com/whats-on/comedy

Joe Lycett君とかJames Acaster君とかSara PascoeさんとかKatherine Ryanさんとか、TVで人気の売れっ子の芸人さんたちのウエブサイトをのぞいてくれればだいたい予定が見えます。

【ちなみに…】
昔はですね、芸人さんって大抵Open Micで、10分とか15分とかを笑わせるっていうClub Comicからはじまって、そのうち地元のサーキット(ほぼ中心はロンドン)で実力と才能を蓄えて、エディンバラで60分のフルセットっていうものをやって大手メディアとのネットワーク深めて、ラジオ番組作って、評判がよいとTV番組へ…みたいな大まかな、「メジャー成功までの道のり」っつーのがあったんですよ。それはどういうことかというと、芸人さんのタイプは大抵「もらった尺がどれくらいでも、笑わせることができる」タイプのみだったんです。でもケーブルTVが入って来たり、ネットTVが出て来たり、それから、フリーフリンジが出て来たり、って時代の流れにしたがい、まだキャリアも実力も認知度も?な時点で、30分とか60分という長い尺で構成する笑いから入れる環境が手にはいるんですね。というわけで、全尺60分から10分20分できりとってみたときに、なんじゃこりゃ?!みたいな芸人さんも存在することを留意してください。

例えば
Laugh Out Londonとかで、ものすごいいい面子を集めて、より抜きフリンジ!みたいな
ことをやっていたりするのですが、
http://laughoutlondoncomedyclub.co.uk/2015/08/15/comedy-pick-of-the-fringe-in-angel-september-8/
(あ、でもコレはほぼ全員大丈夫そうな面子かも…)
えーなにこれ、全然笑えない…って人もいるかもしれません。
でも!その人たちを短い尺で「面白くない…」って判断しないで欲しいですっ!
いや、ぶっちゃけていうと、オレはJohn Kearnsが守れればそれでいい!
http://laughoutlondoncomedyclub.co.uk/2015/08/20/comedy-night-in-brixton-september-15/
(もし、上記のイベントに行きました場合、今や希少なジョン・カーリンズのナマが観れるんですが、10−20分だと、素晴らしさが伝わらないんじゃないかと不安なタイプの芸人さんなのです。)

というわけで、ロンドン旅行のついでに、ハズレなしでナマの笑いを観たいよ!という方は、ぜひぜひこちらのリンクをお役立てください。

2015年8月31日月曜日

エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 ナマでキャッチがしづらくなるのも秒読みな気配、のSheeps Skewer the News観ました

どーしよー、どーしよーってうだうだうだうだしていた矢先に、ガーディアン紙のいい記事がRTで回ってきまして。


(もう終ってます)
https://tickets.edfringe.com/whats-on/sheeps-skewer-the-news

前にSheepsをみたときは、The Invisible Dot(→いわゆるプロモーター)が目ぇつけはじめたばっかりで、かなり前だったので(4年前?)なんか焦点がぼやけてて。そのぼやけの理由も焦点も当時つかめず…(汗)だったのですが、今回どうも方向転換or焦点をしぼったようで、記事からイメージするところThe Now Showっぽい香りが。
今やメンバーの1人は売れっ子だし、もう1人はSiblingsとゆーBBC3の姉弟シットコムで1話担当したりしてるし(すいません、感想を書いてないですが、観てました)、3人ともBBC3のパイロットでスケッチ作ったりしてるし。現実的に、いつまでこの下克上のエディンバラ・フリンジにやってくるのか、わからない…。

イイモノになっているのにチェックせずに、気がついたら年に3回くらいしかやらないFreeze!(*注)みたいになったらキツイ。(→しかもドタキャンとかしやがる)そんなことになった暁に、いちいちロンドン計画はできんのでここで観とかないと。と思ったので、観に行きました。

ずばり。観やすかったです。
いつも言ってるけど、”観やすい”って大事だと思ってます。その数年前にSheepsみたときになかった大事なものが確立してました。多分ちょこちょこ断続的に部分部分で観てるうちに各キャラクターの立ち位置もベースに入っていたせい、ということも充分あり得るかと思います。

んで、今この手の、時事問題をネタにポップカルチャーとか交えながらやるおバカスケッチ(=Sillyness とかNonsense) ってのが、随分昔に爆発的に人気になって以降、一握りのデキル人たちでまかなわれてしまっていて、新鮮味のある新しい供給がない。ラッセル君のGood Newsはあるけど、ガチンコスケッチではないし、それよりGood Newsってシーズン二桁行ってないか?っていうくらいロングランです。
というか、ここかなり長いこと、スケッチって門が狭い。最後にBBCで新作放送したスケッチって…す、すみませんBBC ScotlandのScot Squadしか思い出せません。あのLimmy だって番組の続投ができないでいるという酷い状況。そういうことを考慮すると、現役学生さんたちが兄貴分みたいなノリで憧れ、この手の新鮮かつ一定のクオリティとメジャー性をキープするスケッチコメディがないんじゃないかと思うんです。

現在work in progressの状態で、BBC Radio 4あたりでイケるんじゃないかくらいなクオリティだったのですが、その計画はまだないそうで、今後ライブ活動を中心にポッドキャストがあるかも?っつー緩さ。なんだろーなんか上手に繋がって欲しいなと思いました。

(*注)Tim KeyとBasdenさんがタッグを組むスペシャルイベント(になってしまった)です


エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 今年のコメディ大賞のノミネート者だったKieran Hodgson 君観ました

ノミネートの詳細はこちら

じつは彼も去年のフリンジが終ったあたりから、ご新規でチェックしていた芸人さんたちと交流している芸人さんだったので、「類は友を呼ぶ」系で気になっていたんです。ノミネートになってから今年来てるんだということを知り、滑り込みセーフで観に行きました。(→なぜ見つけらんないかを含め、フリー・フリンジについては、後日、番外編としてアップします)

もう終っちゃったけど
https://tickets.edfringe.com/whats-on/kieran-hodgson-lance

なんと!キラン君もUnited Artistの所属だった。(Richard Gaddさんと一緒!)

ハコが去年John Kearnsさんがやった例の注目ハコVoodoo Roomのせまい場所だったのと、ノミネートされてから駆け込んだので、50分並んで、ギリギリ最後の1人で入れました。いやーーーー!(汗)コワかった!!!

ケラン君が、ロードレーシングサイクリスト(競輪選手?)のランス・アームストロングに憧れた少年時代からの自伝的な話をもとに紡ぐマルチキャラクターコメディでした。1人何役と演じる1人芝居構成で、完全にパッケージ化しちゃってる。器用に演じ分けができていて、芸達者ぶりを発揮してました。間の取り方とか抜群で、パターン化すると生じる笑いを作るのが特にうまかった。
決して何か新しいコメディスタイルだったわけではないけど、60分尺の1本の1人芝居を、完全に1人ですべてこなしあそこまで持って行ったのはクオリティだったです。顔がかなりお上品なかわいこちゃんで、ピチピチ24歳くらいと思っていたので、「演出家つけてるんですか?」ってきいたときに「いや、全部自分でやってるよ」って返事がきて、思わず過去のジョニー・スイート君やトム・ローゼンタール君らはみな、24歳で成功と呼べるショーを作ったときに、みな演出家をつけていたので、思わず「ひゃー!それはすごいね!!」と喜んでサムズ・アップポーズをしてしまったんですが、友人の話によるとどうももっと年齢が上らしい。
だったら、あのくらいのことができる人は多いので、そんなにビックリするほどのことではなかったのか(汗)しかし、クオリティはホント高かったです。

そんなわけで、今後は作家としてキャリアをすすめていってくれるんではないか?!と期待しています。Royal Court Theatreとか。楽しみです。

エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 評判と噂に違わず、英オルタナ・コメディの真髄を突き進んでいた…Waiting For Gaddot観ました。 

今年のMalcolm Hardee Awardにノミネートされてたんですよ…気になってはいたのですが、この時点で観たいのマストになりました。
観た結果、御本家の信条を貫きまくる傑作として偉大なるリスペクトを送りたいです…



もうショー終っちゃうけど。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/richard-gadd-waiting-for-gaddot


すべてにおいて、オルタナ・コメディの真髄でした。以下が主な理由です。
①このショーをやるという名目のリチャード・ガッドさんがショーの最後の8分しか出てこない。(何しろタイトルがタイトルなので、8分でも出て来たらラッキーだったかもしれない)
②フリーフリンジなのに力づくで並ぶだけでは観ることができない。ルールを知らないと観れない。おそらく実際に客席に座った客は1回失敗している人々の可能性が非常に高い
③現在メジャーとなっているコメディ・スタイルを写真のとおり金属バットで殴りつぶすような破壊的スタイル
④レイプ、蔑視、差別など、鬼門となっているネタをあえてアンチ・テーゼともいえるBanter Jokeで滅多切る
⑤仕込みの酔っぱらい客ならまだしも(→意外とよくある)、ドアマンから音声テクニシャンまで全員じつは芸人さんだった(*)のに、あり得ないほど各役割に徹しすぎていて、さすがのオレすらも終るまでまったく気がつかずじまい!!!
例:イアン・スミス君
例:ベン・タージェットさん
例:エド・アクゼルおじさん
とゴリゴリ・オルタナコメディのゴリゴリな人たちだったんですけど…

⑥ じつはさらに!スゴい面子構成だった!
リチャード・ガッドさんは今年Amused Comedy(結構大御所の新鋭芸人コメディ賞です)で1番良かったで賞をとったんですが、過去にもノミネートされている人で、
ちょっと彼の経歴みちゃったらば、United Agent所属の注目株で、Oxford School of Drama出身でバリバリのシェイクスピア仕込みの劇団俳優さんであるだけでなく、なんとゲーリー・レイヒさんとゆー、(サー&サーの)VICIOUS
とか、BAFTAでも賞なんかいただいちゃってるディレクターさんと組みまくっている。
じつはこのゲーリーさんは、Kim Nobleが昔組んでやってた斬新なマルチメディアコメディ・デュオ、Noble and Sliver の影の3人目で、Waiting for Gaddotも じつは後ろにゲーリーさんがいたという筋書き!!!(→ステージ・ディレクター!)そしてこのショーはすでに、TV番組のパイロット/work in progressとして行われていたものだった!!!→
つまりですね、フタをあけてよくよく見たら、フリンジ始まる前から、各メジャー媒体とレビュワーたちがこぞって注目していたものすごい時限爆弾だったんですよ!!!

そんなわけで、マルチ・メディアを駆使したエンタテイメントだったことは確かなのですが、ガッドさんが来ない間の穴埋めで上映されるクリップ中に英シットコム界ではよく見る顔の女優さんが出てたりですとか、するんです。(が、相変わらずアレ?どっかで観たぞレベルな目立ち方しかしない)

というわけで、以下に大手各紙の大絶賛レビューリンクをはりつけます。何かしらのフォーマットで放送される可能性が高いので、ネタバレイヤな方は踏まないほうがいいかもです。
http://www.theguardian.com/stage/2015/aug/15/richard-gadd-edinburgh-festival-review-banshee-labyrinth-waiting-for-gaddot-ben-target-ian-smith

http://www.telegraph.co.uk/comedy/what-to-see/edinburgh-2015-richard-gadd-review/

2015年8月28日金曜日

エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 大当たりっ!大当たりっ!(今年のエディンバラコメディアウォード、ノミネートの)Joseph Morpurgoさん観ました!

いやもー、これ、個人的に大好きですわー!!
今年のFoster's Comedy Awardノミネート者です。売り切れちゃってるのですがリンクはります。
(ノミネート発表になる前に、チケット買っといてよかったーーーー。)


(あっこの人、この角度からシャッター推すとイケメンになるんだ。こういう俳優さん前にもいたな。たしか吸血鬼役のイギリスの俳優だったな。名前忘れちゃった)

エディンバラに来始めたのが2013年からということですが、もともと劇団/役者畑の人っぽいですね。年齢を考えても(30すぎてるらしい。もっというと32歳らしい)…。

すばらしいマルチ・メディアなクリエイティブ劇でした。モーパーゴさんがBBCRadio 4に出演しインタビューされるという設定で進行するというレイヤー1。番組のMCとモーパーゴさんとの対話&関係というレイヤー2。”インタビューの合間にかける音楽”とジャケ写をベースに作り出す”キャラクター”コメディというレイヤー3(→この音楽/ヴァイナルLPがこの劇のキモ)
この3つのレイヤーが、それぞれ独立しながらも融合するのです。
ビジュアルとサウンドと脚本が別々でありながらもシンクロするように。
あまりにも予想外な創造力から紡ぐお話は、途方もなくビタースイートで、途方もなくナンセンスで、驚愕のスキルと技術で。ビジュアルとものの見事にシンクロするラップは、この劇で一貫していた「コメディ」のデリバリースタイルの集大成ともいえるべき箇所で、この当たりから、あまりの芸術点の高さに、涙が出てそうになるくらいでした。
ラストも、じつは、このビジュアルと音とコメディのあまりの完璧なシンクロに笑って感動しながら涙が…!! ホントにホントにこんなにすごいモンだとはまったく思っていませんでした。
今後モーパーゴさんはROyal Courtとかでブイブイ言わす作家になってくれるんじゃないかと期待しています。Will Adamsdaleのように。Tom Wigglesworthのように!!! 


2015年8月27日木曜日

エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 今年も最高だった最高に愛してるBridget Christie姉さん観ました

チケットは随分前に全部売り切れですけど、一応リンクはります。

姉さん、この写真だとこれからオレが書きたいことの信憑性が…(汗)

姉さんのかっこええwebsiteのリンクもはります

過去に書いた姉さん絶賛の感想文はこちら(→弊社比、昨年一番翻訳されて読まれた記事第2位)

はっきりいってもうこの気持ちは愛です。ホントにキレイで、姉御肌で、こちらがスッキリ爽快になるようなコメディをマシンガン攻撃でやってくれるんです。スキル/スタイルなどは上記のリンクをふんでください。
今年も「フェミニスト」のキャラかぶるとこうなる…っていうネタ、人種差別ネタ(アメリカにいる黒人のふりをする白人Rachel Dolezalの話)、今芸人には左しか居場所がないネタからのナイジェル・ファラージはキャラクターコメディアン・ネタ、予算カットネタでジョージ・オズボーンをボッコボコ等等…涙流してゲラゲラでした。もしかして今年一番涙でるほど笑ったのはBridget姉さんでかもしれない!! 最後のクライマックスで出て来たナプキン・ネタが強烈すぎて、号泣笑いしました。ホントに最高。

【オレ的アンビリーバボーな事実発覚】
じつはですね。Bridget 姉さんのことまだ30半ばいってりゃいい方くらいだと思ってたんですよ。ダンナさんとめっちゃ年の差で(8−12歳くらい違うんだと)ダンナさんなんだかんだいって、でね、わっかい美人のとびきり頭ええ芸人さん奥さんにしちゃってー、もうなんだかなー! なんつって思ってまして。昨年のショーの感想(上記リンク先)でも、姉さんは「元祖ダンナさんと仲間たちのスキルと技術を吸収した次世代アーティスト」枠だと思ってたんです。
ところが! なんとこのショーで姉さん「44歳」って。
いや、たしかに90年代はじめにドラマスクールいって…なんつーこといってるから、つじつまあうけど…
よ、よんじゅうよんさい?!



米とかのハデハデ芸能人ではないので、ボトックスとかないですから。あり得ないですから。ナチュラルですから。

ど、どうしても信じられなくて、終った後に賛辞を述べたあと「あの、ホントにホントに40歳超えてるんですか?」と質問したところ…
「そうよ、ホントに44歳よ」
とご返答が!
「マジですか?!信じられないっす!オレずっとダンナさんが、めっちゃくちゃ若い美人のイケテル芸人さんと結婚できたんだとばっかり思ってて…ホラ、ダンナさん権力的なな力でもって…」 
「ああ、ダンナがラッキーなヤツだって思ってたんだ? ぶははははは。ダンナに言っておくわー」
「…ぜ、ぜひとも、お伝えしてください…!!!」
*なんか真っ白で憶えてないんだけど、この後オレなんかやらかして言ってるんです。それに対して笑われて、ありがとう、って言ってもらったんですが…何言っちゃったんだっけ? 汗)

いや、マジで、こんなに才能があって売れっ子でキレイでフレンドリー天使で、かわいい2人のお子さんのお母さんで、アウトドア派で、年齢不詳でキラキラ輝いている感は!? 一方、ダンナさんを今年のハコ周辺で偶然観かけたときは、重そうなおにぎり型のリュックしょって、よれっよれの洋服でぜいぜい言いながら歩いていて、乳母捨て山に業に入る僧侶みたいだった…。オフステージのダンナさんと姉さんのキラキラ輝きの差が…年齢の差からくるものではなかったんだ!むしろ2人は同世代!

アレ、ダンナさん「子どもいるから絶対に離婚しない」とかステージで言ってたけど、そうじゃないな。
離婚したらすべての人生終っちゃうのは、ダンナさんのほうだ。
完全無敵のダンナさんを超えてる唯一の人物は、奥さんのブリジット姉さんだ。めっちゃかっこいい。そう確信したら、にやにや笑いが止まりませんでした。

そんな姉さん本出版してますので、ぜひ購入してください。





エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 焦点がFree Fringeにさらに動いた感? 毎年のFoster's Comedy Awardsノミネート者発表

毎年恒例Foster'sのコメディ・アワードのノミネートが発表になりました。ノミネート者の数が増えてます。free fringeの注目度枠ってのが確立された感じ。ここ2年の注目でっかかったから、今年はフリー・フリンジからは出ないだろうな。
また人種/お国/ジェンダーときちんとばらけるようにしてるなー。その計算高なのが、ちょっと赤裸裸すぎる感が…(汗)
以下、ノミネート者と個人的感想です。

Best Comedy Show:
James Acaster: James Acaster: Represent → もはやこの枠(ノミネート)の連続常連になっちゃったジェームズ君。もうね(汗)こんなに毎年ノミネートに入れるなら、一回くらいなんかあげれば?みたいな。じゃなきゃ、もう賞取りレースみたいんのから卒業させてあげなよ(汗)
Joseph Morpurgo: Joseph Morpurgo:Soothing Sounds for Baby →絶対に入ると思ってたので、じつは明日(27日)観に行くチケットを購入しています。感想は観たらアップします。The Invisible Dotの一派なので、気に入ると思うので。→ 感想アップしました
Kieran Hodgson: Kieran Hodgson: Lance → フリー・フリンジから。去年John Kearnsがやってたオハコですね。注目されやすい??? 彼、キャラクターコメディで、(オレの!)ジョニー・スイート君の香りがぷんぷんしており、観ようと思っとりました。→感想アップしました。

Nish Kumar: Nish Kumar: Long Word. Long Word.. Blah Blah Blah.. I'm So Clever ニッシュ・クマーさん、今さらいらないよね? 昨年クマーさんのセットみたときの感想はこちら
Sam Simmons: Sam Simmons: Spaghetti for Breakfast → ジェームズ君よりはまだいいほうだけど、それでもサムさんもノミネートの常連になっちゃって、一昔前のジョシー・ロング状態(汗)コレはコレでネタになるのかしら? Channel 4 でやってるOnline Comedy Blapsよかったですよ
Sarah Kendall: Sarah Kendall: A Day in October このサラさんは去年のノミネートだったサラ・パスコーさん的な立ち位置ですよね。
Seymour Mace: Seymour Mace is Niche as F**k! こちらはThe Stand Comedy Clubより。The Standファミリーの芸人さんたちによいしょされてます。
Trygve Wakenshaw: Trygve Wakenshaw: Nautilus キウイーランドからやってきたフィジカルコメディの芸人さんです。もう一つ別のショーKRAKENってのもやってます。


Best Newcomer: (こちらは新人賞枠)
Adam Hess: Adam Hess: Salmon アダム・ヘスさんはリース・ジェームズ君のフラットメイトです。リース君と違い、彼はフリー・フリンジです。
Daphne Do Edinburgh: Daphne Do Edinburgh えっとですね、コレはフィル・ウァング君(ブリティッシュ・チャイニーズ)ジョージ・フォーレイカスさん(普通のイギリス人)ジェイソン・フォーブスさん(ドミニカ?だっけ)の3人構成によるスケッチコメディです。観に行きました。観に行ったんですが、彼らのデビュー戦かつ1〜2日目くらいなところで観に行っちゃったんで、特にその前に大好物のベテランさんとか観てるとか反則しまくって観てたりするので、両方に大変申し訳ないと思っています。
特記するなら、フィル・ウァング君のキャラがなんかに似てる似てると思っていたのですが、アレですね、The Simpsonsに出て来るキャラまたはIT Crowdのモス的キャラ。 
いや、オレホントに自分の見方が柔軟でなくて悪いと思ってます。
スケッチって難しいんです。ホントに難しいんです

Larry Dean: Larry Dean: Out Now! 最近ご無沙汰だったので、スコティッシュ入って欲しかったところです。Larry君かFern Bradyちゃんはいんないかな、と思ってたので、嬉しいです。Larry 君でもこのまま事務所がばばーんとバックについてスロス君みたいになっちゃうのかしら。
Sofie Hagen: Bubblewrap Sofie Hagen: Bubblewrap →デンマークからのフリーフリンジ参戦者です。 北欧はダニエル・サイモンセン君とかダニエル・サイモンセン君とか輩出しちゃったから、一応気をぬかないでおこうとは思ってます 。
The Story Beast: The Story Beast Pleasanceでやってる人ですね。すいません、スルーしちゃってました。おもしろきゃグロかろうがなんだろうがいいんですが、うーん…
Tom Ballard: Tom Ballard: Taxis & Rainbows & Hatred オーストラリアから招待枠できとる芸人さんですね。
Tom Parry: Tom Parry: Yellow T-shirt ぶはははは(笑 コレ、オレゼッタイ観に行かない!けどなにやってるかわかる。この人Pappy'sの1人です。はははははははは!(笑 今さら新人枠なの?(爆)ソロだから? それヘンでしょー(笑 




2015年8月26日水曜日

エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 そろそろいろんなノミネートがではじめてます。

昨日あたりにChannel Daveが近年主催する、One Linerのベストジョーク大賞が発表になりました。
個人的にはサウンドバイト的なContextのない手合いの笑いをピックアップするのはどーかと思っているのですが、多くしてコレをきっかけに才能のある認知度のさしてない新鋭芸人さんがスポットライトを浴びるチャンスを得ているので(じゃあ昨年のTim Vineはなんじゃよ、ですが)その意味で評価したいと思っています。今年はDarren Walshというキャリア4年くらいのone linerが得意な芸人さん



なんかこういう絵をかいたりもする芸人さんらしい

一方オレ様が毎年注目しているのは、Malcolm Hardee Awardsです。(ここにはかつてボー君だってノミネートされたんだぜっ!)こちらもノミネートが発表に。ちょうど信頼できるレビューさんらが次々に4.5星以上をたたき出しているせいで、観に行こうとチェックしていたRichard Gaddさんがノミネートされているので…今週中に狙い撃ちします。おそらく大変高い確率で感想を書いていると思います。




2015年8月24日月曜日

エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 今年の当たり!は多分この子かな?!なAhir Shah君観ました

Free Fringeでっす。West Nicholson street のCounting House でやってます。

【追記】うああああああああああ!!!! この子所属がAVALONだっ!!!

今のところ個人的にお宝第一候補です。なぜなら、Ahir君、まだたったの24歳なんですけど、オレがティーンだったころにキャーキャー言っとったDavid Baddielクオリティを彷彿とさせる”オックスブリッジ・ダブルファースト・ポリティカル・コメディ”を展開してくれちゃったからです。彼のこのクオリティを、彼の持って生まれたブリティッシュ・エイジアン第三世代の特権、と片付けては決していけない。政治哲学を基盤として展開するガチンコ政治ネタ、そしてかなりアカデミックな語集は、彼の話術によってスルっと消化できるのですから。(→少なくともオレはそう思った)
かなり早口なのはまったく構わないんですが、さんざん早口弾丸で突進したあとに、オチを小声でモショっと言っちゃって、ネイティブすらも拾えないというテクニカル問題がありましたが、そんなもの、まだまだ24歳、すぐに改善されると思います。
最後のクライマックスがガールフレンドへの愛歌だったのも大変スイートでした(笑 

あ、かっこよかったですよ!ちっちゃかったですけど!!!(→またそれか とか思わないでください)

エディンバラ フリンジEdinburgh Fringe 2015 いつにも増して完全無敵を再確認。 Stewart Lee観ました

いやもうね…今回はとくに…言葉にならんですわ。
Stewart Lee御大です。
オレ、いつも思うんだけど、ガーディアンのコメディ評論の人と仲良い友達になれると思う。大抵のもの読んで同じ価値観。→http://www.theguardian.com/stage/2015/aug/23/stewart-lee-a-room-with-a-stew-edinburgh-fringe-review


チケットは平日まだとれる。
(リンクを探すためにググったらTelegraph紙はもはやネタとして、他にレビュー書いてるウエブ媒体があるのを発見。KYなのかネタにされたいのかネタにされるとも思ってないのか 汗)

【お詫び】最近のGo Johnnyの記事は、すっかりいつも読んでくださる人対象の文章という、もはや海外コメディの普及にネガティブ影響を起こしているのではないかくらいな酷く偏った文章になっています。すみません。もし英国コメディに最近目覚め、本格的に楽しんでみようという方で、Stewをご選択の方は、あの笑いを理解するために事前知識が必要かと思います。
Go Johnny I からは こちら
Go Johnny II からは こちら

【完全無敵の75分】
今回も(近年の)例年どおり、BBCのComedy Vehicleで収録するネタを試すwork in progress。最初の30分、残りの30分、そして10分くらいのカジュアルちっくな導入ネタを、という構成です。ネタは全部で”6本”用意し、その日の観客に合わせてアレやる、コレやる、という前置きからスタートします。 (注:丸呑み信用しないでください)”オレが観た回”は「Daily Telegraph紙による酷評」についてからはじまり、「中流階級をテーマに敷いてのBAFTAでグレアム・ノートンに負けた話」、そのときの状況により「イスラムの話か別のネタ」…の構成でスタート。

Stewのすごいところは、
①どんどん「メジャー」へと地位を戻しまくり、もはやどんなに頑張っても「マイナー」とは呼べない状況ななか、常に「メジャーにはなれず、コメディ界のつまはじきで、中流階級のつまはじき」なキャラを堂々正当化させて展開する、一見dead endにみえて、非常にフレキシブルな笑いのスタイルと完全無敵のスキルが芸術品である。

②フタをあけると実は全部仕込みネタなのに、完全に騙され、「コレはもう一回みて確認しなきゃ?」と再び客に足を運ばせるXファクターが常にある。

前にも書いたかもしれないですが、じつはここ3−4年のレビューの質の悪さが原因で、特定のレビュワーさんら以外、観ようかな、と思うものは自分の物差しだけで判断しておるのですが、いわゆる世間一般でいうところのオレ的4つ星と5つ星の差って、この②なんです。もう一回観たいと思うかどうか。近年の例をあげると2−3年前のトニーさんとかニック・ヘルムとか、バスデンさんのお芝居とか。去年はダントツでリアム君。(今年じつはそのもう一回観たいほどのモノがまだ見つかってないんだよなー…。)
Stewの場合、今回2回いかなくてすんだのは、もはやメジャーすぎるので、他の日に行った友人らがいるから。ネタについて細かい確認ができたんです。

③Stewart Leeの中にいるStewart Leeはじつはめちゃくちゃいい人で、そのめちゃくちゃいい人な部分が、今回ポロっとでちゃってたのがすごく感激だった。具体的に言うと、じつはオレが行った日にあの!!Limmy が!!!客席に!!!奥さんと!!!たんです!!!
それでですね、Stewはグレアム・ノートンとBAFTAのルーティンのときに「自分は自分が一番の芸人だとは思ってないけど、多分、この会場にも自分より上の芸人さんがいるけど…」って言ったんですよ。おおっ?!もしや、客席にLimmyがいるのを知ってるのか?!と思って、このクダリも友人らに確認したところ、やはり! このようなくだりは友人らのときには一切なかったそうです。ほらーじつはいい人なんですよー。てかLimmyは最高で永遠のアイドルです(違 


2015年8月20日木曜日

エディンバラフリンジ Edinburgh Fringe 2015 Max and IvanとButt Kapinskiの感想です

観賞数がかなり落ちましたが、ちんたらみていたなかからよかったものをご紹介します。

Max and Ivan


オーストラリアからのスケッチコメディデュオです。ここ近年毎年恒例のフリンジ特別超人気企画The Wrestlingで、もともとの企画をしていた2人だったと思います。(→要確認)そして軽く調べたら、そうだ、この2人、W1Aに出てました!

というわけで、昨年ノミネートになり、いい加減チェックしなければ、とチェックしたところ、職人芸でした。The League of Gentlemenの再来です。”芝居”としてのクオリティ、”役者”としてのクオリティが高く、このショーのハコである、AssemblyHallのプロパーさ加減が一層認識できた感じです。コレはこのままTVシリーズいっちゃえるぜ、と思いました。



ご本人の紹介をするとネタバレになってしまうので、黙っていますが、殺人事件の真相を負う私立探偵バット・カピンスキの事件(18禁)を描く…なんですが、バット・カピンスキ以外の出演者がそのときの観客全員です。参加のさせられ方がシャレにならなくて、その場でいきなり役を与えられた上にセリフを即興で作っていかないといけません。なんですが、バット・カピンスキが、何をいってるのかききとりづらいキャラ設定(スピーチ・プロブレムがある)で、いきなり役を与えられた上に、上手にことが運ぶようなセリフをパパっと見繕うって結構プレッシャーが…! ちなみにオレは殺人事件の後のタクシーの運ちゃん役にさせられて、バットの膝の上に座らせられたんですが、「ハンドル握って」ってのがちゃんとききとれず、前の人の椅子持っちゃいました(汗)でも、ヤバイっていう気持ちにはさせられずに進行するショーはすごいと思います。超インタラクティブで、これがコメディおたくでない人たちが一番好むタイプの、予想外の連続なコメディかな、と思いました。
もう一つ興味深かったのは、観客の多くが、他のショーの演者さんだったことです(笑 なぜわかったかといえば、みな衣装をきていたり、ショー前後の周辺でチラシを配っていたり、つまり、ド素人のオレたちのほうが人数が圧倒的に少なかったんです。正直、ド素人が多い日とそうでない日の違いを観てみたいです。
しかし、同じモノを2度観るほどの時間が…(え?) 

Pete Firmanことピーちゃんはいつもいいです。ぜひ観てください。

あとは、うちの子と友達にコレとコレとコレ観てこい!って観に行かせたフリー・フリンジのなかで、よさげなものがあったので(12歳半をこき使う母)そちらもそのうちアップデートします。


2015年8月19日水曜日

エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2015 一夜限りの奇(危?)跡を起こす Nick Helm、観ました

観ました。
NICK HELM: CAN SOMEBODY, FOR THE LOVE OF GOD, PLEASE MAKE ALL THIS PAIN AND MISERY GO AWAY (A WORK IN PROGRESS)


注:WORK IN PROGRESSでございます。

もはや、2013年のニックと、2014年のニックを経験したこのオレ様がこの一夜限りのWork In Progressを見逃すわけがありません。チケットの値段とかみませんでした。
(そして今年はWork In Progressなので、去年のようなネタバレとかやりません。)

【あまりにも予想外な登場】
今までのニック体験および、ニック疑似体験(BBC放送Nick Helm's Heavy Entertainment) をしてきたファンにとって、期待するものは、
コレで、

コレだったわけです。今宵も暑苦しい1時間を覚悟して期待しわくわくしていたのです。が、出て来たのが、どちらかというと、

こっちでして。(正確にいうと、おひげもそって整ってて、短髪にして超さっぱり!)

アコギのお兄ちゃん(多分Heavy Entertainmentに出てたお兄ちゃん)がステージ上で奏でるギターのリズムにあわせ、世にもフツウすぎる黒トーンの洋服でスーっと紹介もなく登場し、ネタ帳おいたり、楽譜ホルダーにメモを乗せたりしはじめるもんだから、客席は
しーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん…(汗)

に、ニック・ヘルムが普通の格好してる…! 驚愕の大どんでん返しを冒頭からおっぱじめてくれました。さすが!”ニックはつねに予想を裏切る”という我々の予想を裏切らないオトコ、ニック・ヘルムです。

【というのも、オハコが…】
そうそう。オハコの話をさせてください。PleasanceのそれもCabaret Barでした。ここは、昨年のGrandに比べたら1/3以下のキャパシティしかないのですが、フリンジ・コメディの歴史としては、非常に由緒正しく、クーガンとかレベルのレジェンドな芸人さんが数々こちらで異名を残し、名声を上げていった、ある意味、「芸人ならば一度はここで」的な要素が残っとる場所なのではないかと思います。中に入りますと、ローワン・アトキンソンの写真やサイモン(ムネリーのほうです)の写真やら飾ってあります。オレもここで何人のレジェンド芸人さんを観て来たことか…(サイモンをどこでみたか憶えてないんだよな… 汗)
というわけで、「あの!キャラ設定のニック・ヘルムが!レジェンドなCabaret Barで1日だけの…」っていうお膳立てに、観る前から笑いが止まらなかったんですよね。絶対、ニックはすべてを計算している。その期待が高まったところに、あまりにもシンプルにこぎれいになってでてきたのです。

【コアファンを喜ばせつつも】

去年と異なり、お客さんのほとんどはコアファンだったようで、「このサビの歌詞でみんなで無理矢理合唱させるのか?!」みたいな最初のナンバーでガッツリ客を掴んだまま、テンポよくコアファンが喜ぶお約束ネタへ。(例:Do you like jokes?からのオヤジギャク連発芸)上手に(キャリア自体は)成功する一方、巧みにルーザー&モテないの2大要素を柱にしたキャラで突き進めているのが、ホントに頭いいと思います。ネタ作りとキャラ設定に関していえば、自虐の極みです。精神強く計算高い、さらには今後の展開も読めているゆえの「ニック・ヘルム」キャラ作りだと、現状では判断し、大きな賛辞を贈りたいです。

前半戦でおなじみのキャラでおなじみのネタ展開(新ネタです。しかもロンドンで2ベッドルームフラットに住んでいるネタがめちゃくちゃよかった。)その後新曲とポエム。
そして後半戦にはいってからのギア・チェンジがすごかったです。新曲の節を忘れてしまい、いい時間かかったのはお愛想で、そのあとの、「女性とデートにディナー・デートに行った」ネタ(→多分今回のメインコース)は、いわゆるpushing boundaries(→どこまでエッジにいけるか記録に挑戦)だったと思います。すごかったです。個人的には昨今のレイプ・ジョークのアンチ・テーゼとして解釈していいのか、その方向性からでこの笑いは成立しているのか、それともストレートにニックのキャラが織りなすネタとして笑っていいのか、単純に見えて、じつは幾層にも笑いのレイヤーが重なり、自分のVerification mechanismの作動が必要になるほど、すごかったです。圧倒されました。

いつもこの人のジョーク・スタイルはグランジだよな、と思うんですが、今回もそのグランジスタイルは全開。そして、これでもかとオチをひっぱるんですね。その強引さ加減に驚愕でした。ついてこれない客はおいて行くんです(笑 このとくに大きく宣伝したわけでもない、極めてLow Keyで行われたwork in progressで途中退場する客が複数いるってスゴいですよ。それがいいのかどうかは別として、アーティスト職人魂炸裂に見て取れました。work in progress だから妥協を許さず試してみよう、だったのかもしれません。

そんなニック・ヘルムですが、じつはFree Fringeで明日19日もう一回やるので、もし現在エディンバラにいらっしゃる方で、ご興味のある方はどうぞ。Canon's Gait (Royal MileのCanon Gate) Venue 78、16:55ーですが、コレ、1時間くらい前からは並んでいたほうがいいんじゃないかなーと思うんですが…どれくらいハコが広いのかわからないんですけど。。。

(*)よくあるパターンではLadies and Gentlemen, please welcome, the star of the show とか your clown of the nightとかなんとかいって自己紹介してステージに上がってくるんです。