The Kennedys
IT Crowd(こちらIT課)のキャサリン・パーキンソンと、(リーヴス&モーティマー番組経由)超カルト人気キャラ、アンジェロの中の人、ダン・スキナーの夫婦とその娘エマちゃんを中心に、ジェスロップ・スクエアに住む人々を描くシットコム。時代設定は70年代。
Emma Kennedyさんの自伝をもとに、王道BBC1が送る、ひさびさの王道だけどめちゃくちゃツボなコメディが登場した、という気分です。かなり大声出して涙流してわらってます。
というか先月から、Top Coppers, Cradle To Grave と次々70年代がテーマのコメディが次々ヒットを出しており、思わずBBCは70年代旋風でも巻き起こす戦略でもあるのだろうか?と勘ぐってしまうくらい…(汗) しかもこの3作品、どれもクオリティが高いのもまたすごい…
Together
もはや(このブログを読んで下さる方にとって)枕詞は要らないジョニー・スイート君 (念のため過去記事は→Go Johnny Part 1&Go Johnny Part II )が、2009年より書いてはこね、書いてはこねくりまわしてできたシットコムです。ラジオシリーズで「Hard to Tell」というシットコムをジョニー君が書いているんですが、そのテレビ版、というのが一般的な紹介の仕方のようです。しかし、Hard To Tellを聴いてるし、中身も憶えている(→理由があります。バスデン&キーがカメオ(声の)出演という理由があるのです。)ワテクシ的には、エピソードが進めば進むほど、違う!ラジオ版と違う!と思わずにはいられません。そして最近富に目立って来ている(The Thick of Itでジュリアス・ニコルソンだった)Alex McQueenせんせいの何をやってもAlex McQueenせんせいクオリティっていう、それはもうマーク・ヒープレベルの強烈さがピカル一方。全部おいしいところをさらってしまって、ジョニー君扮する主人公のトムが…(強制終了)
そしてジョニー・スイート君作品をずっと追っているコア・ファン的には、このシットコムに登場人物ほぼ全員ジョニー・スイート君のキャラクターショーケースみたいになっています。なんですが、ジョニー君以外の人がどこまで、消化してくれてるかが、カギな気がします。つうのも、役者さんだけじゃなくて、新鋭芸人さんが多数登場してるんですよね。コレを端緒に感じたのが、第2話。リアム君(→リアム・ウイリアムズ君です)がやっていたキャラが、あまりにもジョニー・スイート君の定番キャラの1人だったためと、リアム君自身が今までの彼の作品のなかで、この手のキャラを一回も作ったことがないもんだから、どうにも違和感が…(汗)→ コレは批判ではないです!! 批判ではありません!!!
つまり、ジョニー・スイート君の過去作品(ライブも含め)を根こそぎチェックし、リアム君の過去作品を洗いざらい、手にはいらんもんまで、無理矢理チェックしているから、こういう違和感が発生するわけで、この番組を観る99%の人にはそんなことは起こらないのです。つまり、とても面白い作品なんだ、といいたいわけです。
Romesh Ranganathan's Asian Provocateur
この番組は「お母さん」が「(お腹周りがぶよってる)ロメッシュさん」に「足を踏み入れたことのない未開の故郷」への訪問を「命じ」、ロメッシュさんが何人もの叔父さんや親戚、甥っ子などに案内してもらいながら、初めての故郷体験をする、というものです。
おーまいがー…
今まで何度か話してきましたが、こういうタイプの、リアリティショー&情報バラエティ、において、ワタクシ「世界の果てまでイッテQ」を超えるものはないんではないかと思っておったわけです。なぜなら「世界の果てまでイッテQ」の、”視聴者が知らない”ものを、面白い、笑えるものとして紹介するときの技術とスキルが高過ぎるからです。あの番組は決して【知らないもの】を「ヘン→笑える」という図式で描かない。ヘンと描くことはとても危険なんです。差別の境界線をいとも簡単に超えてしまえる。それをわかっていてかどうかはわかりませんが、あの番組は、紹介するものをその国の立ち位置、視線を踏まえて描く。笑いどころはあくまでも芸人さんたちの言動から。芸人さんたちというフィルターがあることで、視点が①「視聴者」②「番組が紹介する情報」③「芸人さんたちの言動」の3つになるんですね。視聴者は②と③の両方から距離を置くことができ、それができるから自身の観点も持ちやすい。もちろん②または③のどちらかと同視点になることもできる。そうすることで、差別的笑いを見事に回避しているのです。
前置きが長くなりましたが、このロメッシュさんの本番組もまーさーに前述の視点で描かれているのです。ロメッシュさんは、いわゆるSecond Generation(この話をすると長くなので黙ります)。スリランカの血100%だけど、スリランカに足を踏み入れたことがない。ブリブリのブリティッシュなのです。でもお父さんもお母さんもスリランカ人で生まれ育ち、スリランカに山のように家族親戚がいる。ロメッシュさんが②にも③にもなれるのです。①の視聴者はロメッシュさんと心身ともにし、ロメッシュさんが体験して得た喜怒哀楽を何の危険(ここでは差別的/適切でない笑い)もなく共有できるのです。
毎週涙を流して大爆笑なのです。
これは、はっきりいって、シリーズをさらに続投し、ランガネイサン一家の親戚全員1人一人登場していただき、ロメッシュさんにあちこち案内していただきたく思います。もうすぐ終っちゃいそうなのが、非常にツライ! 今最高に笑える1本です。