イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2016年6月27日月曜日

Edinburgh Fringe Festival 2016 エディンバラ・フェスティバル・フリンジのチェックリスト

気がつけばもうすぐ7月です。

2015年の感想はこちら

2014年の感想はこちら

2013年の感想はこちら

れ以前のは、昔のブログにとっちらかしてます。

①今年すでにチケットをとっているものは1本。

Daniel Kitson Mouse  
http://www.traverse.co.uk/whats-on/event-detail/901/daniel-kitson-mouse---the-persistence-of-an-unlikely-thought.aspx

多分一度も書いたことないけど、自分のなかでは今年のようなあまり行きたいモードになっていない状況においてもマストです。ただし!チケットをとるのが非常に大変なので、毎回が戦争です。Stewart Leeのレベルをゆうに超えます。今なら結構な日程分まだ買えそう。Kitsonは芝居(モノローグが多い)とスタンダップと2種類ありますが、オレ的は芝居が断然マストです。

Kitsonの芝居がどれだけ最高かは、ぜひ体験してわかってください。言葉の選び方が本当に素晴らしいのですがそれにも増して、そして自分の気持ちの中で一番ひっそり生息している部分がプルプルしてうるうるする、そんな最高な芝居なのです。

②絶対に行こうと思っているFree Fringeからのものは2本。

じつはきちんと調べてないのですが、多分今年もRichard Gaddさんがやらかしてくれる期待を持っていて(実はピンをみたこともないし)Free Fringeじゃないかと思っていて、それを見ようと思っています。今みたらFree Fringeだった。んで、ツイッターめっちゃ面白うなってた。使い方変わったのでフォローしようかなぁ。

もう一本は、Brendon Burns師匠のポッドキャスト。去年3回観に行って、すっかり憶えられたので、いい気になって今年も通おうと思いました。

③いつものお気に入りの人々はお金と時間に余裕があったら行きたいです。

その他、オレのお気に入りの芸人さん(Stewart LeeとかTony さんとかMichael Leggeさんとかその辺)はお金と時間に余裕があったらいこうと思います。あと今年はMarcel Lucontが来てくれるので行きたいな。

あとAndy Zaltzmanさんを観ることになりました。なぜといえば、EU離脱を受けてポリティカルジョークが吹きあれるに決まっているなか、お金を払って聞き飽きたよ感がなくちゃんとお金を払った価値があるのはココかStewart Leeだろう、だからです。

④お初でトライしたい芸人さん

Kick Starterにお金を投入するくらい、肩持ってるくせに、今まで一回も観に行ったことがなかったのが、じつはJames Acaster君なのです。彼、かなり自分のストライクゾーンのジョークスタイルなのです。毎年毎年ノミネートされるのに、絶対賞をとらず、翌年再びきちんとフルできちゃうこと自体も含め、すごく笑っていたのですが、いい加減、そろそろいつまでフリンジでやるのかわからないなーと思ったので、行きたいと思います。

あと、Aberdeen Univ.でてて、TEDトークがよかったので、気になってるJames Veitch君(普段NYとの二重生活らしいので、こっちであんまりみれないと思って)
https://www.pleasance.co.uk/event/james-veitch-game-face#overview

Larry Dean君も観たい。それでKevin Bridgesみたいになったときに、Kevin Bridgesのときみたいに「オレまだ彼が30人くらいのハコでやってたときに観てる!」っていいたい。

⑤その他
あとは、Liam Williams君がついにお芝居をAssemblyでやるのです。バスデンさんとかステファン君のルートを思い起こさせるキャリアルートなので、わくわくしてます。バスデンさんが誰もが認める天才だったのか、状況が刻々とひどくなってくるのか???(たぶん両方)クラウド・ファンディングしてます。いまはんぶんちょっと募ったかなぁ。いけそうだと思うんだけど。。。

投資してください。

https://www.fringefunder.com/campaign/68/travesty-by-liam-williams

(っても見れないものに投資はしたくないわなー(汗) → オレが、もし見れない立場だったら十中八九思うので、強く言えない。しかも、投資するなら観てからじゃねーか、とも思う。なので、太字も大文字も使いません 汗)。

しかし。

見る人はこれに加えて、チケット代も払うわけですよ。見に行く人(え、オレ?)はこれで、タダにしてくれるとかあればいいのに。良かったらちゃんと投資するからさ。
または、現場に行けない人も見れる状態にしたほうがいいんでないかと思うんだけどなー。それともこれがアーティストとスポンサー/バイヤーの現状なのかしら。

ブツブツ考えちゃいました。




2016年6月26日日曜日

【番外編】The Stone Roses ★Eitad Stadium★Manchester★June 17th 2016体験記です

どうもこんにちは。信仰はThe Stone Rosesの稲村です。

*3年前のグラスゴー・グリーン体験記はこちら*


【ここ半年くらいの話】
*ここ半年前くらいまでの話はぜひ以下の画像をクリックください


リサラクションはしたものの、そして新曲を作るレコード会社契約もしたものの、いつになっても出てこず、出てこないまま今年6月以降のライブ活動&チケットセールスをはじめた、という経緯から、
「いつになったら新曲だすんだよ」
「新曲もまともに作れないくせにでてくんなよ、オマエら終ってんだから、出てくるんな」
「また新曲なしでヒートンパークと同じことすんのかよ。」
「音痴がそもそもでてくんな」
 などなど、無駄に無意味に根拠無しにこき下ろすアンチが信仰者と同じくらいのパーセンテージを占めるのが実状じゃないかと思います。Roses信仰とは、言いたいヤツには勝手に言わしておけ、を信条とするのですが、実際新曲がいつまでたってもでないと、人間なので、信じ続ける心も弱くなるときがあります。そして一番弱くなっているときに、いきなり新曲「All for One」が発表。好きなんだけど、ローゼズの次なる軌跡としてこれで100パーセント満足なのか、それとも現実に妥協しようとしているのか、自分でも判断がつかず、心が上手に強くなれないわけです。

ところが、つい先日、突然の「今晩0時に新曲流すよ」発表から、実際に発表された「Beautiful Thing」が個人的に21世紀のFools Gold的位置へ行けるんじゃないかくらいの、ローゼズ史としてもきちんと前に進んだ感動グルーヴ曲だったことから、一気に強気になりまして。即効で5000枚限定のVinylを予約し、「ローゼズファンだけど、何か文句ある?」と超アンチに囲まれても、タイマンはれるくらい強くなっちゃいます。そんななかで向かったThe Stone Rosesのホーム・カミングはマンチェスターのEtihad Stadium第2日目に行きました。ホントは3日間連続で行きたかったけど、娘もいるのでしょうがありません。

【出発前日にある最大の危機】
人生、コミットメントがあるということは生き甲斐90%、不自由10%。この10%が瞬間にMAXパワーでのしかかってきました。娘が流行の風邪にまんまとうつりやがり、出発1日半前に「このまま学校へ行くと熱がでる」と宣告しやがったんです。半泣きで学校を休めと命令するも「期末試験だから学校休めねえから」とぬかしやがって、学校にいきやがりまして。しょうがをつけたミツカン酢をがぶ飲みさせ、翌日知らん顔で学校に預け、つかまる前に一目散でリュックしょって駅に逃げ去りました。

【エディンバラ発マンチェスター行き 電車の中から聖地巡礼の旅がすでにスタート】
 やっぱり50%くらいは国民的イベントだという証拠なのか、我々の乗車した電車の車両がタマタマ、だったのかは???です。が、とくに「ストーン・ローゼズ号」と銘打った特別便でもなんでもなかったのに、エディンバラ、ウエーバリー駅、マンチェスター行きのホームにて待つ人々はすでにおなじみの格好をしており、1/3くらいはレニ・ハット系の帽子を被っており。乗車したとたんに、ダースみたいな雰囲気のお兄ちゃん(なぜかアクセントはマンチェリアン)が携帯ステレオをテーブルに出して、90sのブリブリブリット・ポップ・インベージョンな曲をガンガンかけはじめます。周囲は迷惑どころか「きがきくじゃーん」な状態だったんですが、ほどなく車両員さんにバレまして、「音楽できくなら、イヤホンで」とかなりビシっと注意されてしまいます。音量を控えめに車両員さんの抜き打ち検査を気にしつつプレイ…と自粛していたんですが、シャッフルがInspiral Carpetsの「Is this How It Feels」を選んだあとに「Elephant Stone」を選択してしまったとたんに、車内(の空気)が爆発。とまらない大合唱大会がスイッチオンしてしまいました。ステレオの持ち主の兄ちゃんのほうが焦っちゃって「ちょっと、みんなボリュームさげて!」と(ホントにダースみたいだ)仕切りにはいるんですが、その横で、兄ちゃんの彼女が反復横跳びで車内の端から端まで飛び騒ぎ、列車が出発したときからすでにビールの缶をプシュっと、ヴォッカの瓶のフタをクリクリっと、やっちゃってる人たちばっかりなので、もはややめられないとまらない。ついに車内放送で「音楽をきくならイヤホンで! 聞きたくない人だっていて迷惑になります!」と注意が入るほどになりますが、とにかく空気が「だからなに?」状態なもので、うたううたう。
 直通便ではないので、ロカビーとかカーライルとか、プレストンとか、結構色々な駅で停車するんです。でも乗車して来る人たちも目的が同じ人がほとんど。いとも自然に乗車した瞬間お酒と音楽の歓待を受け、肩組みとかされちゃって、そのまま合唱隊にジョインです。ウォッカラッパ飲みの人もちらほら。いよいよ車両員さんが本気で怒っちゃって全員に向かって「ホントにやめないと、とりあげます!」(そりゃそーだ 汗)
しかし、ですよ。その一言をきいたら、誰かが
Down Down, you bring me down...」とうたい始めたんです。

すぐさま、車内中みんな微笑みあいながら、

I hear you knocking down my door when I can't sleep at night.
Your face it has no place. 
No room for you inside my house I need to be alone.
Don't waste your time I don't need anything from you.
I don't care where you live or what you plan to do.

をアカペラ合唱。

はい、ルール違反をしているのは、車両内のお客さん全員なんです。でもお客さん全員が同じルール違反をした場合ってそれってルール違反になるのかしら、それって特別ルールになっても大丈夫なんじゃない? 例外ってあってもいいんじゃない? って感じかと。

【ライブの感想】

用があってジョン・ロブ師匠のこのライブのレビューを抜粋訳していたのですが、まさに上記の流れは師匠のいうとおりライブ体験だったと思います


個人の感想ですが、 個人のFacebookで公開しています。(→ 多分観れると思います)

【いわゆる”出川マジック”って一番のコミュニケーションだと思うんです】

このブログで何度か稲村家では毎週一部のコーナーを除いて、「世界の果てまでイッテQ」を楽しんでいると書いてきましたが、そのなかで出川さんが言語を超えてココロでコミュニケーションをとるコーナーは大好きです。そして楽しみながらも、コミュニケーションの信条として非常に大切だよな、と再確認しています。(実際あそこまでやるかは別にして 汗)
 どれだけそのココロが強いか、ココロが届けられるかって言語の問題じゃない、とホントに思ってます。ザ・ストーン・ローゼズへの思いがエネルギーとなって身体から発せられるときに、きちんと狙いを定めてズドンと飛ばせば、必ず届く。そしてイアンは、そのココロが聞こえるsenseを持つ神だと思います。ローゼズのライブは、6万人規模のスタジアムだろうと、オープンフィールドの巨大パークだろうと、ファンとアーティストのダイレクトなコミュニケーション体験ができ、垣根を越えて交われるライブです。(ただし、フェンス1番前を陣取るために、前日から水分をMAX300ml以上とらないとかそいういう努力は惜しみなくやってます)











2016年6月9日木曜日

待ちに待った。期待高すぎた。しかしその期待に応えてくれた。さすがStefan Golazewski君(もはや”さん”)作Mumについて (注:有名な役者さんたち出てます)

はい。

オレとStefan Golazewski君(さん)といえば、もともとCowardsでさんざん騒いだのち、フリンジの注目ショーの演出やってて騒ぎ、期待に胸膨らませて視聴したHim & Herですっかりハマり、舞台劇「Sex with a Stranger」を観れず地団駄踏みつつスクリプトだけ購入し、その後Him & Herだけを心のたよりに生きて来た、そんな感じです。

そんななかでの、待望すぎるMumです。



http://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/b07dx786/mum-4-august

(そういえば、Stefan君もアウトプット率少ないんだな。でもバンドやってるからな)

(こういう才能のある人々は、事務所が投資的に才能を”買う”らしいので、きっとStefan君も事務所にいい値で買われて、実プロダクティブ性が低くても、毎日300ポンドくらいもらってるんだろうな、と想像している)

お話は、ダンナさんが先に逝ってしまったキャシー(59歳)を中心に、大切な人を失った人が自分を再編成していく様を月めくりカレンダー的に綴る(一応)シットコムです。1人息子と息子のガールフレンド、一応健在な両親、弟とその彼女、そしてダンナさんとも共通の旧友マイケル、がいつも入れ替わり立ち替わりで登場し、極めてsubtleな物語が展開していきます。
というわけで、(ファンは好きよ、な)Stefan君の色がでまくった作品です。とくにHim & Herを超えた”居心地の悪さ””ぎくしゃく感”を極めてsubtleな笑いとして生産するスクリプト自体は、ステファン君毒が強いかもしれない。HIm and Herでダメだった人は、ここが結構視聴有無の肝になってくるんじゃないかと思います。

ただ、コレがステファン君の色よ、というファンは、かなり少なくとも2つの視点でかなり冒険してした上での成功と見なせる出来映えなので、ああすげえな、やっぱり才能ってこういうこというんだな、ってグイグイ引き込まれていっています。

その2つの視点のうちの1つは、前述の”居心地の悪さ””ぎくしゃく感”を極めてsubtleな笑いとして生産していること。そしてもう一つは、同時にアラウンドシックスティをめぐるピュアでキラキラしたラブストーリー的なソウルロマンスを見事に描いてしまっていることです。すげえですわよ。

強い毒とピュアな宝石が共存し融合しあうんです。ステファン君の才能もあるけど、キャシー役のレスリー・マンヴィルさんとマイケル役のピーター・ミュランの力がすごく大きい。Him & HerのときのKerry Howard姉さんとラッセル・トーヴィ君の力がでかかったのに輪をかけて、感じました。ベテラン役者さんが、スクリプトを好きになり、ワビサビまですべてを画面に出してくれるからこその、傑作。制作と役者が共存し融合して生み出す感動です。

そして稲村個人的には、コレみて、「ああ、リッキー・ジャーヴェイスがコレみたら、相当悔しい思いをするんだろうな。”オレはThe Office, The Extrasの延長線上に、コレをやったつもりなのに。オレがやりたかったのはコレだのに。”と思ってるんじゃないだろうか」と思いました*。しょうがないですね。残念。しょうがない。

*elaborate せずにこのまま終ります。お休みなさい〜。