イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2015年11月17日火曜日

個人的に毎週冒頭で感動の涙を流している、マッケンジー・クルック君のThe Detectorists シリーズ2始まってます

シリーズ1の詳細&感想はこちら
http://www.gojohnnygogogo2.com/2014/10/bbc4detectorists.html

 
BBC4の深夜枠で異例の注目と視聴率を獲得し、BAFTAもとっちゃったThe Detectorists。ミトコンドリアだったであろう予算がちょっとだけ膨らんだらしいことが、シーズン2の冒頭を見ると明らかに。YOU TUBEで探してみたけど、見つからないので、お楽しみにしてください。

ハウエヴァー、予算膨らんでも、The Detectoristsの世界にはあまり関係ないようで、この膨らんだ予算を全部冒頭に費やしてしまったかのような作りです(笑 S1にも増して、シンプルだけど綿密で繊細。誰もが気にもとめないようなことを、大切なかけがえのない宝物のように見せてくれる世界は変わりません。むしろ、それを期待している視聴者を裏切らないどころか、さらに魅せてくれる世界を作ってくれています。

具体的に何がどうなのよ、という話ですが、突出していえることは、映像のこだわりです。カメラワークにおける基本を尊重&規格のずれをすべて計算し、シリーズで一貫した基軸を持ち、その基軸を基盤にしたテイストから絶対にブレない。
(→前にも話しましたが、The Wrong Mansの監督さんから、放送時に撮影時のサイズと規格を変えて放送するので、オンエアされるものに非常にフラストレーションを覚えるという話をきいています)。
視聴者はとくに、期待して冒頭を見るからだと思うのですが、そのみんなが期待する冒頭に対するこだわりがすごいのです。毎週冒頭でワナワナ泣いてます。

例えばですね… (→ だいたい木曜深夜に画像キャプって叫んでます)


これは2話目なのですが、この2人が、歩いているときの基軸、そして2人がとまって会話をするときの位置とスプリングクラーの位置、みてください。フィールド上にバミるんでもないとできないですよね?!いや、オレできないと思う!! ナニコレ?!

っていうのばっかりなんです。

この作品は基本シンメトリですが、Wアンダーソンのタイプの完璧シンメトリじゃないんです。ちょっとだけくずすんです。このテイストが、この物語をビジュアルで物語っている。完璧じゃないし、よくみないと気がつかない。だけど、それこそがキラキラ光る宝物のような魅力なんだよ、と。

アンディは、相変わらず、うだつがあがらない。考古学の学位をとったけれども、お宝発見の華々しい未来はまだこない。すぐに見つかると思っていた仕事がまったく見つからない。えりごのみをしているわけでもないのに。というか、パパになっちゃってるので、えりごのみをしている場合じゃないんです。奥さんに経済的におんぶにだっこ。義母に赤ちゃんの世話でもおんぶにだっこ… なんとかしたいけどなんとかならないでいるもどかしさがそこかしこで観る者たちの心に響きます。

さらに、おじいちゃんがかつて機上していた爆撃機の行方を知りたいと、ディテクトリストたちの仲間にはいったドイツ人のピーターが、S1でアンディとちょっとだけうほほ?な関係の気配だったソフィーといつもいっしょにいる。それから、ランスに若い彼女ができたかもしれない…など、(余計な)心配事も加わります。

画像&プロット&セリフとどれも魅力が目立つような作りをしていないので、いわゆる「ベタ」なわかりやすい笑いどころが、アクセントとなってキレイにきくんだと思います。(例:サイモン&ガーファンクルとか)お洋服のコーディネートでもそうですよね。黒基調で、靴赤にしてアクセント、とか、マフラーを派手にしてアクセント、とか。

コレは本当に人生みた作品のなかでも、10本の指に入っちゃうかもしれないくらい好きです。いわゆるよくあるコメディではない、という意味では、もしかしたら"pushing boundaries"の成功例ともいえるかもしれないです。この作品、ホントに大好きです。

2015年11月13日金曜日

Josh Widdicombe君(さん?)のほっぺたを徹底検証しています。


すいません。Channel 4 の時事ネタ番組 The Last Legやらなんやらで、ご存知の方も多いですよね?むしろ、超王道?

元ガーディアンのスポーツ・ライターで、きちんとエディンバラ・フリンジとかで注目やノミネートとかされてきた、実力のある(はずの)ジョッシュ・ウィディカム君(さん?)です。

いや、正直、ネタにハマるほどではなく、(→面白いとは思っている)騒いだことがないのですが、この夏に例のTaskmasterを観て以来、ジョッシュ君(さん?)の5歳児みたいな、くまのパディントンみたいなキャラに、なんでしょう… ぬいぐるみとか小動物をみたときの「AWWWWWWWWWWWW」が悪化してきましてね。
今や、画面にジョッシュ君(さん?)がでるものが見逃せない感じになってきましてね。それも、「面白いから見逃せない」んじゃなくて、「なんで32歳にもなって、アレなのよ」っていうギャップがツボすぎて、観たくてしょうがないんです。
つまり、失礼すぎる話なんですね。

そんなジョッシュ君(さん?)は現在全国ツアー中なんですが(エディンバラフリンジ中での3日間だったので、まんまと見逃した)そんななかで、JoshっていうTom Craineさんと共同執筆したシットコムがBBC3より放送開始になりまして。 このシットコムの作品自体については、月末のUKコメディ観ました記事で、もしかしたら書くかもしれないし、書かないかもしれないんですが(→おい)1話目で、ジョッシュ君(さん?)が見せるほっぺたのでかさが、はんぱない【AWWWWWWW】ジェネレーターで、まったくもって作品どーでもよくなるくらいなんです。2回も観ちゃった上に、我慢できずにタンブラさんに2回ほどほっぺた検証のため、ポスティングしてしまいました。

以下がリンクです。

http://gojohnnygogogo.tumblr.com/

いや、ヒマでバカなのもそうなのですが、れっきとした言い訳がありましてね。娘が小数点と%の計算が苦手なんですよ…。どうしてもつっかえる。なので、こうやって例を作って説明したんです。そのときのデーターが残っていたので、まとめてみただけなんです。なので、時間はそんなにかかってないです。(たぶん)






2015年11月12日木曜日

The Lobster (film)観ました【軽いあらすじは書きましたがネタバレはしてまっせん】

時間がついにとれたので、観に行きました。



コリン・ファレル、オリヴィア・コールマン、アシュリー・ジェンセン、マイケル・スマイリー、ジョン・C・ライリーとコメディ畑で活躍する役者さんが名を連ねているのと、レイチェル・ワイズ、ベン・ウィショーと英国の有名な役者さんがちらちら見えたので、とても気になっていたのです。

監督さん&作家さんがヨーゴス・ランティモース(Yogos Lanthimos)さんで、ギリシャで実力とキャリアを確立しているクリエイターさんですね。世界各国のアーティなインディペンデント系の映画にスポットラントをあてることが得意という印象のロッテルダム映画祭のシネマート・プロジェクトでこの脚本一番いいで賞を受賞して、制作に入り、今年のカンヌでパルムドール競争に参戦し、審査員賞を受賞している、エリート映画ですね。

【お話は…】
このカテゴリーがSFなのですが、いわゆる映画でよくみるSF的なヴィジュアルはありません。
近未来の世界。”街”にはとあるルールがあります。①独身で居続けることが許されない。②独身になると”ホテル”に連れて行かれ、45日以内にThe Other Half を見つけなければならない。③見つけられた場合は、その後、カップルとして機能するかどうか、1ヶ月トライアウト。④成功したら自由になり、”街”に戻れる。⑤失敗したら殺され、自分が(人間だったときに)希望した動物として生まれ変わる。⑥45日間の間に”狩猟”のルーティンがあるのですが、そこでこのルールから逃亡した”独り者(Loner)”たちをハンティングします。1人ハンティングできるごとに、ホテル滞在猶予期間が伸びる、という仕組みです。

物語はディヴィッド(コリン・ファレル)がホテルに入居するところからはじまります。連れている犬は、兄弟(兄?弟?)。もと人間だったけれども、上記のルールにより、犬になった、というわけです。”足を引きずった男”(ウイショーさん)と”舌ったらずの男”(ライリーさん)となんとなくつるみながら、伴侶探しをします。どうもこの伴侶探し、”運命の人”と自他ともに認められるような決定的な要素がないとカップル成立させてもらえないようで、そこが、自由を得る目的のための結婚を防止している。そのため、デイヴィッドはビスケット女(アシュリー・ジェンセン)とかにガンガンアタックされるのですがカップルとなることができずにいるんですね。「好意を抱いている相手にその思いを隠すより、好きでもない相手を好きなフリをすることのほうがずっと大変。僕にはできない」とディヴィッドはいいます。それでもなんとか生延びたい。結果的に彼はある行動にでます…

【奇妙な物語を作りたい方への超お手本作品】
これは遠い昔、編集ライターをやらせていただいていたころ、某雑誌で、某大漫画家先生(*)のインタビューをやらせていただいたときに、”どんな物語にも王道なテーマを入れる” とおっしゃっていたんですね。それはもう、バイブル同等の名言として心に刻んでいるのですが、このThe Lobsterを観て、その言葉を思い出しました。さらっと観ていると非現実的な世界なのですが、ちゃんと考えると、現実と背中あわせです。恋愛関係そして夫婦関係を経験したことがある人なら、誰もが似たような環境にじつはぶち当たっており、独身の立場も、カップルの立場も、独り者(Loner)の立場も自分仕様に解釈できるスペースがある。
”街”のルールも、このご時世、どこまで非現実的といえるのか? どこまでオレたちは”なんじゃこりゃ?”と思うルールを受け入れてしまっているのか。どこまで抵抗することができるのか。どの部分まで諦めるのか。
すべての基盤となってしまっている”ルール”をどこまで覆すことができるのか。 
1984と同じような問題の模索がなされていると思います。

【ちなみに…ウイショーさん扮する足をひきずった男について】
ウイショーさんは足を引きずる男性役だったのですが、その人が見せる普段は表に出さないブラックな人間らしさの出し方がとてもいいお味を出していました。映画作品自体が一貫して”静”なので、ウイショーさん自体の持ち味とシンクロ度が高かったと思うのです。あんまり細かくいうとネタバレちゃうから言えないですけど。(笑いどころをとっちゃうので)

そんなわけで、本作、日本公開は決まってもおかしくなさそうですけど、決まってるのかしら? ぜひおすすめします。




2015年11月1日日曜日

緊急レポート:バスデンさんからCDが送られて来ました… ありがとうございます


世界中の日本語のわかるトム・バスデンファンのみなさま、そしてこの6年間ずっとGo Johnnyのブログを読んでくださっている忍耐強いみなさま、世界一のバスデンファンの1人イナムラは、めでたくCDを送付してもらいました…

あまりにも面白かったので、いきさつをご紹介したく思います。

【そもそもいいだしっぺはバスデンさんだった…】

先日お伝えしたように、私がバスデンさん大好きになったのが、今から6−7年前。その当時はバスデンさんも若く、希望のほうが、実際にある仕事量よりも大きかった20代後半だったので、本人サイト頁(っつっても今のblogger.comです)のほか、Facebookに芸人さん頁を作っていました。フリンジで超いけてるショーを観たオレは、i-tunes DL形式で作品を販売しているクリエーターさんやアーチストさんみたいに、あの面白キャッチーソングを売ってないのかしら?と思ってFacebook芸人頁のメッセージ欄を通してきいたところ、「イヤー売ってないんだよね」との返答。そこで「CD送ってあげるよ、住所教えて」と言ってくれたのです。東京の住所を伝えてウキウキしていました。その後、Facebookの芸人頁はバスデン実兄さんに頁上で冷やかされ、消滅します。

CDは届きません。

【CDは送らないけど、記憶力はやっぱり天才】

それから2年する間に短編映画祭をミスり、例のこの事件が起こります。 
そしてさらには放送されてる番組も取りこぼすとかいう手のつけられない自体に。そこでこの事件になるわけです。リンクをふんでいただけると、おわかりかと思うのですが、遠い昔の約束を憶えていてくれて、CDについて「届かなかったら催促してね」…。時がたてば人は引っ越しをするので、オレは新しいスコットランドの住所をお伝えしたわけです。

もちろんCDはきません。

【1人にも送れないCDをなぜか公開(販売)受付】

それからゆうに3年が経ちました。相変わらずバスデンさんの活動を事前に知ることはできない状況なので、質問メッセージを送ったことが2回あります。たしか1回教えてもらってて、2回目は返答ナシでした。そこでバスデンさんが一緒に仕事をしているクリエイターさんたちにききまくる、という失礼甚だしい事態になります。Tom Rosenthal 君には随分お世話になりました(汗)。ピークがThe Wrong Mansです。

一方この4年間の終わりに、バスデンさんは結婚をし、心を入れ替えようと本人サイトを一番バスデン情報が豊富なサイトにする!と新装開店。
おまけに、こんな頁を作りまして。

http://tombasden.blogspot.co.uk/p/tv.html

正直、コレみたときに「コレはオレあてなんじゃないだろうか? 汗」と願望とも錯覚ともいえる気持ちになってしまいまして。あらためて、知らんふりして「CD欲しいんですが…」とメールしました。これが2014年の9月終わりか10月頃。バスデンさんは「今イギリスにいないんだけど、戻ったら送るよ。住所を教えて」と比較的すぐに返答してくrました。んで以前と同じ住所を送ると、またすぐに「イギリスには12月の○○頃に帰るからそしたら絶対に送るね。届かなかったら連絡してね」

CD届くわけがありません。

さすがに今回はちょっと催促メールをやってみようかな、と2015年1月「あの〜…」とトライ。返答はありません。

CD届くわけがありません。

【…というあまりにも長過ぎる経緯を経て、2015年10月】

毎年9月あたりがオレのなかで、断続バスデン祭りにあたる時期で(理由は割愛します)、今年はどうしても長年待っている小説の行方と、今年の夏見逃す形になった新作クロコダイルのロンドン公演の可能性を知りたくてしょうがなくなっていました。10月2日、またCDの一件はなかったことにして、質問メールをします。返答もらえるかなーと期待していたのですが、完全スルー(汗)あーあー、さすがにここまでくると、名前を憶えられ、ウザガラレてしまったかーと、ちっこし落ち込んでしまってました。

ところが3週間後、元隣人(*オレは今年3月に引っ越しをしてます)から「3習慣くらい前に届いた差出人のないパッケージを預かっている。中身触るとDVDっぽい」と連絡が。一体だれが?!と思いきや、まさか、まさかの。


【どこをきりとっても、イメージキャラ通り】

このオレのメール送信からCD送付までの時間的スパンを考えると、オレのメールをスルーしたのではなくて、CDのことを思い出してくれ、過去メールから住所をわざわざひっぱり出してくれ、わざわざ、郵便局に行ってくれた。ということになるんです。本当なら感動と心臓バクバクになって当然なんですが…もうですね、今までの経緯と、パッケージがすでに、爆笑せずにはいられないんです。なぜかといば、このCDを送付してくれた”素”のはずのバスデンさんがあまりにもオレらファンの知る”キャラクター”まんまだから。どこまで完璧主義なんでしょうか(多分)。
ではレッツ・検証しましょう。

①CDを守るプチプチ封筒に入れてくれている→封をしてから、宛先を書いてもらっている→書きづらい→封筒にボコボコ穴が空いている。


② 中身のCDケースが割れまくっている




プチプチ封筒に入れてもらってるわりに、鬼の勢いで割れまくっているにもほどがある状態です。郵便局側に問題がある可能性を考えたのですが、今までネット購入したCD/DVDが同じプチプチ封筒な状況でこんな状態になって届いた試しがありません。ここから
A: 封筒に入れる前からこの状態だった
B: このプチプチ封筒、じつは今年はじめにオレが催促メールをだしたときに、発送完了になっていたんだけど、郵便局に辿り着けることなく、バスデンさんのカバンの奥底かなんかに半永久的に押し粒されていた。
という2つの可能性がでてくるわけです。どっちにしても、あまりにもあり得すぎる展開です。

③遅れていることに非常に罪悪感を抱いてくれている


備考ですが
②のBパターンだった場合でも、上記のようなやりとりから考慮して、多分バスデンさんは、オレにCDを送ると約束して軽く4−5年経ってることをわかっているんじゃないかと思うんです。そうだとしたらコレを2015年の1月に書いてくれたものだとしても、充分ありえる文面だと思うんです。

④ 定規使ったのか素手なのかわかんないノートの切れ端感に注目


* ③の全体像写真と合わせてお楽しみください。

⑤ 横書き用ラインを丸無視しての縦ライン&横書き。


⑥ もちろん、CDのどこにも”サイン”とかない。あの、ファンが「サインください♡」って「○○ちゃんへ サイン」っていう”サイン”がない。
サインがどこにもない

【まとめ】
これで、このしつこいファンは二度と質問メールしてこないだろうと思ってたら、大間違いです、バスデンさん。オレ、1年に1回か2回はメールすると思います。なぜなら、CDが目的じゃないからです。どうやったらオレからのメールを止めることができるかといえば、大きな何かがあったときのtombasden.comの情報更新です。よろしくお願いします。