イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2020年10月3日土曜日

目下炎上中のThe Daily Show(Comedy Central) がThe Room Next Doorシリーズを堂々パクリ事件で、パクリの定義について考える

こんにちは。

ワクチンが早くできてほしいいなむらです。

このブログでもおすすめオンラインコメディとして騒いだことがありますマイケル・スパイサーさんのThe Room Next Door シリーズ。インタビューや記者会見中の政治家たちのクリップを利用して、彼らに発言の指示を与えるスピンドクター、という設定で繰り広げる風刺コメディです。

今年春にはJames Cordenショーでレギュラー枠に進出したせいで、アメリカでもオンラインを超えたお茶の間にも浸透するメジャー普及率は高いはずなのですが…

(悪い言い方をするとパクリ問題では前科持ちの)トレバー・ノア率いるThe Daily Showがしれーーーーーっとこの設定をパクっちゃいまして。



この上記ツイートをクリックしていただけるとお分かりかと思いますが、引用ツイートもリプもマイケルさんのパクリ!(しかも本家よりクオリティ悪すぎ!ヘタ!)と猛攻撃です。著名人多し。

オレもひどいなーと思うし、The Daily Show チームは知らないわけないのに、どうしてこうも堂々と、恥ずかしげもなく…と首をかしげてしまう行為なのですが、理解不能だからこその

「どうしてこれが、堂々と発表できてしまうんだろう」

という疑問へ発展し、さらに

「どうやったらこれをplagiarism(盗作)と証明できるんだろう」

と考えちゃいまして。

The Daily Showは「設定」をパクってるけど、実際のネタ自体はパクっているわけではない。たとえば、極論ですが「あるトピックで調査分析してデータやグラフを作ってパワポ使ってプレゼンする」というプレゼン式コメディ。おそらくコーナー枠でこういうの始まったのArmando Iannuci系列のThe Day TodayとかSaturday Night Armsticeとかでしっかりショーみたいに始めて確立しちゃったのがDave Gormanじゃないか(未承認!)と思ってるんですが、パラパラいろんな人がやっちゃってますよね。 これと、今回のマイケル・スパイサーさんの「設定」と、どう区別つけられるのか。

確か、テレビ・デビューする前にアメリカでもスパイサーさんと似たようなことをやってる女子芸人さんがいて、その時はパクリ批判というよりは、米国vs英国みたいな盛り上がりになっていたことも考えると、著作権やパクリで成敗できない非常に歯がゆいフラストレーション溜まっちゃう問題で、関係者のプロ意識とethicsに委ねられてしまう話だよな、と。思いました。

これを書きながら、スチュワート・リーの10年前の自伝本 How I Escaped My Certain Fateを思い出しました。


前にも書いた記憶がメラメラしているのですが、自分のスタンダップのスタイルをパテントできたらどんなにいいか、というくだりがありまして。これができないがゆえに、えらい自分はパクられまくってる、という話を、リッ○ー・ジャー○ェ○スのメジャー大成功と絡めて話してましてね。まあ、この本もどこまでスチュワート・リーのパーソナで書かれてるかわかんないところもあるので、これもパーソナあってのジョークとしても解釈できますが、(そして対象者がよくおっしゃっている「It's just a JOKE」にかかって皮肉さが(10年経っても)衰えないんで、すごい 笑…) 構成とか話の持ってき方とか、設定とか含めた芸人さんのジョークのスタイルって、なかなかどう守ることができるのか難しいですよね、と。

そんなこんなで、スパイサーさんのコメディを知らないわけないThe Daily Showは、視聴率を稼ぎたいのか話題性を作りたいのかはさておき、自分たちは逃げ切れる、と確信犯でやっているようで、きたないなーと思ってもいいかと思ってます。一刻も早く、取り消すかクレジット(とお金を)マイケル・スパイサーさんにあげて欲しいですね。


2020年9月24日木曜日

たまには王道情報発信!サイモン・ペッグとニック・フロストによる久々のシリーズもの!Truth Seekers がアマゾン・プライムで10月30日より配信!です!

 コミコン情報のせいか、初トレーラーとか言われても、そうだっけ???って思っちゃうのはオレだけじゃないかと思いますが、アマゾンプライムから初予告編が配信されました。


サイモン・ペッグとニック・フロストがタッグを組んだ久々の新作、しかも映画じゃないシリーズもの、です。Truth Seekers。

ちょこちょこチャリティとかカメオとかあるけど、最後に二人が一緒に出てたのってSlaughtershouse RuleZだったと思います(承前)。んでもってあれは二人が書いてないですし…(ハーシュ、ハーシュの作家さんへの友情協力みたいな感じですよね、むしろあれは…)

今回ちょっと本気で注目しないといけない理由は、サイモンとニックがちゃんと書いている、ということだけではなく、共同執筆チームに90年代後半からの数々のヒットコメディの執筆チームに出入りしている1)ピーターの兄弟(弟?)であり、数々のヒットコメディの執筆チームにいた、ジェームズ・セラフィノウイッチ(ツ?)2)ナット・ソウンダーズがいることです。→当然、サイモンやニックの出演していた番組でも多々執筆してます。

ちなみにジェームズとナットの二人はチームを組んでSick Noteというルパート・グリント主演(注:ニック・フロストがメインキャストの一人)を執筆してたりしてます。このSick Noteはとても観やすい良作でしたよ。SKY TV→ネトフリ配信の作品で、過去に紹介してた気がするけど・・・オレ、結構ルパート・グリント君の演技は好きなので、抵抗なく観てたのを記憶してます。

それと!オレの大好きな監督さん、Jim Field Smithさんが監督なので、絵的に全員お茶目にかわかっこよく、映像斬新オサレですよ。過去になんども叫んでると思うけど、The Wrong Mansを撮ったり、最近ではネトフリのThe Criminal UKやってます。(マジで監督は大活躍だな・・・)

Truth Seekersのトレーラーからも伺えるように、今までのサイモンおよびニック(別々でも共作でも)の過去ヒット作を彷彿とさせるようなマッシュアップ要素がダダ漏れしています。実際「ショーン・オブ・ザ・デッド」と基盤が似ているというか、北ロンドンの超ローカルが舞台で展開する話で、ローカル要素いっぱいなんだけど、ミステリーX」みたいなパラノーマル的なテーマで進行するのでグローバルに(笑いも含め)共有できるっていう。(→これはChortle さんからの記事からの引用

出演する役者さんも豪華で、ブーシュ・ファンには朗報のジュリアン・バラットとか。あと大御所のマルコム・マクドウェルとかトレーラーに映ってておおっ!ですね。

なのでかなり、本気印なのだと思うのですよ。

これで失敗はありえないと思うのです。

ぜひとも配信開始という10月30日を心待ちにしたいと思います!



2020年9月19日土曜日

今年もこの時期やってきた。South Park シーズン24が9月30日より「パンデミック」ネタで特別1h放送&アメリカ社会を知るベスト教材としていくつかエピソードのお気に入りを紹介します。


そうなんですよ、奥さん。

日本でもメジャーだと思っているので書き起こしたことはないですが、

実はオレ様ってば、この極悪サザエさん番組シリーズをS1放送時からずっとみ続けるゴリゴリのファンです!

よってSouth Parkの新シリーズのお知らせニュースは、個人的に人生の半分くらい、毎年の秋の風物詩です。

誰にでもおすすめできるものではないですし、涙を流すほど笑ってきたものも、説明するのが大変な過激すぎるものばっかりですが、個人的にはアメリカ社会を知ることができる素晴らしいテ(キ)スト教材として大変役立っています。アメリカって歴史的&社会的理由から、国内ニュースも他国の関心&関連ニュースとして流れてくる割合が他の国に比べたら圧倒的に多いですが、やはり実際に住んでいないので、アメリカ社会のニュアンスや温度はイギリスのようには…です。でもこの番組のおかげで、自分の趣味の笑いのフィルター通しで擬似体感でき、かつ、新しいことも学んでいます。

例えば、シーズン18の第1話

新しいプロジェクトや会社が立ち上がり、ダイレクトに消費者やスポンサーと繋がることができるクラウドファンディングが台頭→猫も杓子も状態になってくることを反映し、エリックたちが「何もしない」ことを目的とする会社を立ち上げ、クラウドファンディングを募ります。目立たなきゃと究極にお下品、非人道的かつ中傷的な名前を会社名にしようとするのですが、どれもこれもすでに登録されちゃっている。そんななか、アメフトのワシントン・レッドスキンズが商標をキャンセルしたことを知り、超ラッキー!これにしちゃえ!とロゴからごっそりそのまま頂いちゃったよ・・・っていう。


アメフトは全くわからないので、ワシントン・レッドスキンズ問題のことなんか全然知らなかったです。しかも特にここ10年くらいスポーツ観戦すらもよほど自分のエコチャンバーで騒がれない限りはニュースで結果やダイジェスト見ればいいや、くらいまで優先順位が下がっている…(→スヌーカーを見ることが多い)なので、文脈で汲みとれて(ひどい会社名に最適のがいきなりavailableになったというくだりなので)一応ゲットできるんだけど、もやもやする。

こうしたモヤモヤを解消したい時、そして、取りこぼしがないように確認したい時、オレは必ずバイブル・サイト、Fandom Wikiを訪問します。そしてたくさんのことを学び、満足した気分になるのです。バンザイ、Fandom Wiki!ありがとうFandom Wiki

真面目な話、親が指南するという条件付きで育児教育にもおすすめです。うちの子とは確か10歳くらいから(確か!)一緒に見始めてたと思うんだけど、めんどくさがらずに視点を教えると、小さい時からコンテンツの読み方の力がグンと伸びます。

例えば、最高傑作の1本ではないかと思うシーズン13のフィナーレ(第14話)ですね。

エリックたちが地元のウォーターパークに行ったらむちゃくちゃ混んでるわ、みんなプールの中でおしっこしてるわ。しかも移民だらけ!(→エリックの視点)オレの、オレの、オレの大好きな(i.e. エリックがやりたい放題やれる)ウォーターパークがないことに落胆しまくって歌うバラードがこちら↓


ジョークって説明するもんじゃないし、説明したら台無しになっちゃうんだけど、なんで番組中にある差別表現、罵倒、中傷、いじめ、といった「断じてやってはいけないこと」が面白いとしてアリなのか、その面白いはどんな種類なのか、っていうことを、必要に応じて説明してきました。自分の子ども相手ですから、絶対に0.1ミリのブレも許せませんので、自分の笑いのレーダー確認にもなります。

そんな感じなので、100%の自信はないのですが、自分的には、トランプが大統領選に出馬を決めた2015年のシーズン19あたりから、現実に負けまいとネタの過激さと交差するネタ量がいきなりどーん!とパワーアップした印象を受けています。(注:一応シーズン13からは基本的にエピソードにハズレはほとんどないということはお断りしておきたい…)特に各シーズン・プレミアの傑作っぷりが半端ないです。ここで軽く、どれだけ非道いすごいのか軽くプロットを紹介したいと思います。

基本的にS20をのぞいては、ほぼ全部1話完結or前後編 or 3話構成なので、まだトライしたことのない方がもしいらっしゃったり、途中ですっかり存在を忘れちゃった、なんて人は、アマプラで全エピソー…じゃなくて、日本ではネトフリなの? とにかく視聴可能なので、ぜひ1エピソードだけでもいいので見てみてください。(イギリスではアマプラです。最新シリーズはSKY TVかNOW TV)各話、この内容の濃さと過激さとネタ数がたった22分程度のなかに盛り込めるすごさに震えてもらいたいです。


*以下は、ネタバレといえば、ネタバレ*


Season 19 episode 1 Stunning and Brave (2015)


*新キャラP.C. Principal校長先生がデビューするエピソードでもあります。

カイルが、Caitlyn Jennerのことをヒーローなんかじゃないと言ったことで2週間の停学処分となったことに対し、カイルのお父さんが抗議。そこでケイトリンと呼ばずBruce と言ったことで新しいポリコレ校長がブチギレます。一方スタンのお父さんランディは仲間の飲んでいるカレッジバーへ。Caitlyn Jennerの一言でいつもの仲間が一斉に口を揃えて「ケイトリンはヒーローだ!ケイトリンはヒーロー」そしてランディに「ここではそう言わないと大変なことになる」とヒソヒソ話すや否や、何かを感じた学生が食ってかかってくる、という始末。ポリコレ校長は大学生たちとフラタニティを作っていて、フラタニティの典型的な活動とポリコレ活動が華麗にブレンドしていく様が、その後ここへ仲間入りするランディの姿に描き出されていきます。一方カイルはスタンとケニーとバターと一緒にエリックのところへ行きポリコレ校長を黙らせようとするのですが…


Season 20 episode 1 Member Berries (2016)



サウスパークの女子バレーボール大会。しかしほとんどの人は、ゲーム開始前の国歌を流す間、ネット上で悪意を撒き散らすミソジニストのアカウントSkunk Hunt 42への抗議をするためにどれだけの人が起立せず座っているかが興味津々。そして女子を中心としたほとんどは、その正体はエリックと信じて疑っていません。Token's Life Matters(Tokenは黒人のクラスメイトの名前)のスローガンが書かれた黒いTシャツをきてアリバイ工作をしていると思っています。

一方、下院議会では、近年の抗議デモで見られるような人種・ジェンダー間の問題を和らげるため国歌をリブートしようと決定。リブートといえば、のスターウォーズのリブートで大成功を納めたJJエイブラムに頼みます。

アメリカ大統領選では、元サウスパーク小学校の教師で性転換の経験があり大統領選に立候補したミスター・ギャリソンとクリントンが白熱した戦いを繰り広げています。めまぐるしく変わる価値観と日々の抗争にストレスを感じていたスタンのお父さん、ランディは、”メンバー・ベリー”というパワーフルーツを勧められ、それを食べることに。「ねぇメキシコ人が少なかった時代を憶えてる?あーなつかしぃねぇ」「ねぇねぇゲイが結婚できなかったあの頃憶えてる?懐かしいねぇー」ときゃいきゃい喋るベリーを一粒とっては口に放り込むランディ。心を癒します。

JJエイブラハムの手によりリブートした国歌のゆくえ、そしてネット荒らしの正体がこのエピソードで明かされます。

前述の通り、本シーズンはちょっと例外でシーズン通しての大統領選に絡むナレティヴがあります。個人的に最高傑作シーズンのひとつだと思ってるのですが、なぜかファンダムでは不評の声が大きいんですよ…(汗)なんでだろ?


Season 21 episode 1 White People Renovating Houses (2017) 



アレクサとグーグルホームいぢりと失業問題、失業問題といえば、の移民・差別問題を見事に掛け合わせた傑作エピソード。エリックが学校の友達を家に呼んでアレクサに子供の大好きオゲレツ言葉を言わせて大爆笑。前シーズンでエリックはGFができたのですがすでに倦怠期で、彼女ハイディが突然現れて、場の空気が台無しに(→エリックの観点)。萎えるエリックにハイディは「お互い話し合わないと。気持ちを伝え合わないと」

一方スタンの両親は「白人があなたのお家をリノベーション!」というケーブルテレビ番組を開始。お宅訪問&収録中に窓側を失業者たちがやばい系のアメリカの旗を掲げて通過するデモにイラつくも、程なくひらめいて、彼らが人間アレクサとなり、アレクサを導入の各家庭で任務につくことになります。

一方、もはやアレクサなしでは生きられないほどアレクサを愛してしまったエリックは、アレクサが忽然と姿を消していることに大パニック! 慌ててお母さんを呼ぶとお母さんは百科事典からアコギまであらゆるものを装備して椅子に座るおじさんを指して「今日からあれがアレクサ(の代わりよ)」受け入れられない現実を前にエリックは…


Season 22 episode 1 Dead Kids (2018)

学校襲撃事件が発生する率が高くなる中、サウスパーク小学校でも学校襲撃事件が! 授業中にいきなりSWATが入ってきますが、先生は授業を続け、エリックはトーケンのテスト回答をカンニングしたにも関わらず落点をもらい激怒り、生徒もいつも通り・・・とSWATの存在や学校襲撃という状況がまるで空気のよう。

 授業の後エリックは自分がテストに落ちたのは、自分が映画ブラック・パンサーを好きじゃないというまことしやかな噂をトーケンが耳にしてわざと誤回答を仕組んだからではないかと、トーケンに詰め寄ります。しかしトーケンの返事は「オレ、ブラック・パンサー見てないし」

一方スタンのお母さんシャーロンは、学校襲撃事件で大パニック!無事に帰ってきた我が子を囲んでの食卓で話をしようとするのですが、スタンは超!無関心。いつも通りの日常のように、どーでもいい返事が戻ってきます。そしてスタンのお父さんランディも超超!無関心でそんなことどーでもいいじゃーん状態で、シャーロン、大ブチギレ大会を起こします。なぜブチぎれてるのか皆目検討のつかないランディは、精神分析医に相談すると、驚愕すぎる診断が戻ってきて…

これ実は視聴率も過去最低だったです 汗)学校襲撃をネタにするとか過激を狙いすぎという人もいれば、過激に行く方向が分かり易すぎという人も…でも個人的に3回は見たくらい傑作だと思ってます。学校襲撃はシャレにならないですけど、笑いのターゲットは学校襲撃じゃないのです。


Season 23 episode 1 Mexican Joker (2019)



*前シーズンにスタンのお父さんランディがマリファナ事業Tegriddy Farmを始めるのですが、単発ネタではなく、かなり長期戦で続行します。このシーズンもテグリディ・ファームでグイグイ引っ張って行く展開。

このシーズン・プレミアでは、マリファナを家庭栽培で行うおうちがどんどん増えちゃったので、売り上げが激減しちゃう。商売あがったりなので、市役所にマリファナの家庭栽培を禁止するように申請をするのですが、却下されてしまいます。クサっているところへカナビス製造会社MedMen(→注:リアルにある会社)からアプローチがあり、手を組むことに。

一方エリックは移民局が匿名の通報で即動いてヒスパニックの男性を強制連行する様を目撃。いつものいじめを思いつき、カイル(念のため、カイルはユダヤ人です)を通報、移民局はカイルを連行し無許可入国の拘置所へ向かう姿を見て堪能します。
しかし移民局はカイルがユダヤ人とわかるとすぐに、人種差別と非難されては大変と即謝って彼を解放することに。拘置所に溢れかえる子供たちを見たカイルは、移民局に家族と離れ離れにされ精神的虐待を受けている子供たちのうち誰かがそのうちメキシカン・ジョーカー(注:あのジョーカーです)になる可能性があることを警告。一方エリックは、やりすぎちゃったことを後悔し、メキシカン・チルドレンに紛れてバスに乗り込みカイルを助けに拘置所へやってくるのですが…

2020年8月30日日曜日

Frankie BoyleのWork in Progressを観ました& 世界の、そして(日本も含む)”ポリコレ”について徒然… です。

 

 


こんばんは。

スコットランドが生んだオルタナティヴ・コメディ界の世界的スーパー・スター、フランキー・ボイルが大好きすぎるいなむらです。

フランキーがロックダウン以来初めての(オンライン)ライブを観まして。久々の、WiPならではの、ほのぼのハートウォーミングでフレンドリーなフランキーが、テレビどころかオフィシャルのライブ・ツアーでもなかなかきけそうにないネタやモノローグで客を爆笑と恐怖のどん底の下へ突き落とす40分強を体験することができました。

感想は呼び屋さんにも褒められたツイートを貼り付けます(そしてそこそこ注目されてからタイポに気づくのね 汗 気が付いた時には遅いのだ↓)

 今回は今年秋(追記:今週9月頭からだそーです汗)に放送予定というBBC放送の風刺シリーズNew World Order でやろうと思っているネタをお試ししたいので、安全な場所で、ってことでAlways Be Comedy が受け皿になった、という経緯だそうです。

なんと8月23日から始まって全14回。日曜、月曜日に各エピソード用になんとなーく準備したトピックとネタがどこまでセーフでどこまでアウトか実際読み上げてみて探りましょーかね、というゆるゆるな感じです。

今回は1回目、2回目用に準備をしているネタから、と結構ネタ構成も含めて細かく教えてくれまして。どんなネタなのかは、今年起きたことを思い出せば、概ね把握できるかと思います(笑 初回時は24ページも準備してたそうで(笑 

ライブ前にお茶目なインスタの写真が上がってました。

今回ぼやこうと思ったのは、フランキーのコメディが存在できるのは、彼の笑いは史上最高にダークなオーディオ・アートであるから、というのと同時に、それを理解&賞賛するオーディエンスが一定量いて彼らによってバリアが作られているからだよね、ということです。

実は、フランキーも、かなりの修羅場を潜って今の位置にいます。

一朝一夕で構築されているバリアではないです。

フランキーは、テレビだと8out of 10 Catsでジミー・カーの座付き作家みたいな感じでグイグイ伸びてって、Mock the Weekとかよく出るようになって、2010年にChannel4で「Tramadol Nights」という番組を持ってたんですが、当時の彼の笑いの認知度とテレビ視聴者が全くマッチングしておらず、かなり問題になっていた上に、レイプ・ジョークが引き金となっていいしばらくテレビ出禁になっちゃったことがあります。ネタ自体は、ジョークをしっかり読めればギリギリセーフなのです。ただ言葉だけに反応しちゃう人が多すぎた。もっと悪いのが、このフランキーのレイプ・ジョークの微妙なラインを全く読めずに、そこらへんの新人がごっそり超アウトなレイプジョークを言い出すようになっちゃった。おかげでフランキーのネタ自体を聞いてないのにその低レベルなやつと一派一絡げにするレビュアーとかコラムニストもいました。無駄に発言力あるのでマジ、いい迷惑(苛)

でもスコットランドと世界に散らばるこの手のコメディ好きの間では彼は絶大な人気でした。コンテンツを読める人たちは彼をサポートしていたし、疑念を抱く人たちの間でも彼の話をきく耳はあったし、彼の声を理解力のある人々に聞かせる場もあった。( 例:https://www.youtube.com/watch?v=1zMU6-zuKj8&t=59s。)

締め出された後、フランキーは自伝以外で本を出版し始め(メジャー媒体には頼らねー的なノリ)、それが爆売れし、ライブは即完売。そんなこんなするうちにそのうち段々と丸くなってきた彼も(→めっちゃ!正義感の強い社会派です)自分の発言力とテレビの普及力を上手に利用した方がいいんでないか、と思うようになったんじゃないのかなぁ(→ここは憶測)3-4年くらい前からBBC3などを中心にフランキー色は出てるけどそこまでフルギアじゃないほんわか系の番組がぽろっと顔を出すようになり→その後徐々に活動を広げてきて、最近ようやく半年くらいに1回は何かしらのシリーズを見れてる感じかも。

上記は、正しく理解できない人たちが多ければ、フランキーのレベルですらも潰されかかるほどの力になってしまう事例です。

例えば、レイプとかわいせつ被害のジョークを発した場合、「被害者の気持ちを考えろ。そんなネタのジョークなんてもってのほか」でコンテンツ(語り手は誰か、笑の対象は誰・何か、も含む)が見えず全否定し、そのジョークの発言者をショービジネス界追放しちまえ、くらいな勢いで攻撃する。実は笑いのターゲットはレイプやわいせつ行為ではなかったり、その種類も軽視するものでもなかったりしても、です。こうした犯罪をおちょくることで高度な社会派風刺ジョークになっていることもあるのに。

日本のお笑いの場合、政治はおろか時事を扱う笑いが異常に少ないし、そんなにお笑いシーンを追いかけてるわけでないし…なので、もやもやすることはない一方、たまに、自分のレーダー範囲で、当たり障りのない高クオリティ・ジョークに過剰反応する人たちがいる場面に遭遇し(大抵ついったー)、ポリコレ攻撃はやめて欲しい…と思うことがあります。

ポリコレは大事です。みんな意識すべきだし、クソなジョークは減らすべきです。ただ、ポリコレ意識の高い環境でプロとして仕事をいくつもこなす笑いのクリエイターさんなら十中八九は、自分の言動がわかった上で、ある程度どこまでできるかを見極めながら一本筋を通してジョークを発している。日本のお笑いシーンもここは同じなんじゃないかと思います。だから、プロへの信頼とリスペクトは持ち、さらに、ジョークが面白いか面白くないかは別に、

    語り手は誰か(キャラ、パーソナ、素の本人など)

    どんな環境で

    どんなオーディエンスに向けて

    どんな文脈上で

    誰・何を対象ターゲットにしているか

が読めてから異議をとなえるべきかどうか判断して欲しいと思います…。じゃないと、クソなジョークと一緒に素晴らしいジョークも潰れてしまいます。ジョークはメタで成り立っているようなのものですから、笑えるか笑えないかは異義を唱える武器にはならないです。一方、筋が通っていれば、どんな攻撃があっても制作者側は屈する必要はないと思います。筋の通った面白いものは続けていって欲しいし圧力に負けてやめないで欲しいです。

フランキーの話に戻りますが、彼はツイッターは最近の機能をフル活用して、自分がフォローしている人しかリプライできない設定にしてジョークを飛ばしています。最近はこんなのかな。 "Identity politics" is a useful phrase to use when you mean "politics" but also want people to know you're probably a cunt

Work In Progressできいたものに比べたら全然…ですが、Cワード使うだけで攻撃されてた時代もありました… (あのね、Cワードってスコットランドの超庶民の間だとものすごい!ラフな言い方でのmate みたいな感じです…)

下記はつい最近BBCで放送された最近のUKツアーのライブセットです。フランキーの「〇〇 is like...」から続くジョークは、時事トピックを隠喩の連続で最悪の地獄シナリオで表現し、客はその見せられた震撼の地獄のどん底絵図に笑ってる場合じゃないんだけどその表現がおかしくて涙流して笑う、という暗黒の美の世界。


あ、ちなみにTramadol Nightsはまだ見れないし、その当時のスタンダップもメジャー有料配信サイトではオクラ行きにされちゃってる。けど! きになる人は、いわゆる見ちゃいけないサイトで見れます。

あと、下記がフランキーのWork in Progressが見れるチケットサイト、Always Be Comedy。

他にもラインアップがかなり強いのでおすすめです。

https://www.alwaysbecomedy.com




2020年8月14日金曜日

みんなの真似してレトロスペクティヴ企画(3)オレの!オレのオレの!!エディンバラ・フリンジ2014編ー2019年編

 続きます。

2010年とそれまでのお話

2011年−2013年の傾向的なお話

2014年

はっきり行って、2014年はとても(コメディ的に)フリンジの歴史としても重要だったと思います。

なぜなら明らかに(コメディ的に)フリー・フリンジのブーム到来がきたからです。

フリンジコメディの三大ハコになるPleasance, Gilded Balloon, Underbellyが市場を独占し、ハコ代が高くなる一方に。(注:The Stand Comedyは地元の芸人さんかStewart Leeとほぼほぼ仲間たちの閉鎖的なコミュニティなのでその枠の外にいる芸人さんには不可能のチョイス)演者は赤字覚悟で挑むものの、チケット代を値上げしていくしかない状況に。

それって違うじゃん、そもそも「フリンジ」の理念と反してねーか?

ってことで5ポンドコメディが始まり、フリー・フリンジへ流れていく。結果的にフリーフリンジのショーがコメディアワードをとったりノミネートをされるということも象徴的ではないでしょうか。下記あたりの記事が一番ちゃんと書いてるかな?受賞者のJohn Kearnも(見るのがどんだけ大変だったかも含めて)感想を書いています。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2014/08/edinburgh-fringe-2014-free-fringefree.html

個人的には2014年にLiam Williamsくんのスタンダップ(フリーフリンジ)で近年稀に見る大当たり新人を見て、ものすごい!!!お祭り騒ぎだったのに、2年以内にリアム君がスタンダップを引退。人生初の、自分のお祭りが終わる前に演者が引退という経験をしました・・・

2015年

フリー・フリンジがピークを迎えます。とにかく素晴らしい新鋭はこぞってフリーフリンジで見ることができた。オレはどこかの時点で「もうPleasanceの時代は終わった!」とか言ってたと思います。(→結果全然そんなことない状態になる)

その最たる例がリチャード・ガッドさんのWaiting for Gaddotだと思います!!

http://www.gojohnnygogogo2.com/2015/08/edinburgh-fringe-2015-waiting-for-gaddat.html

これも、見れたことは生涯の自慢になると思います。

死ぬ前までに見れたことで生涯の自慢になるフリンジショーリストを作ろうと思います・・・ (そんなに長くないんですよ)

2016年

ダイバーシティを気にしすぎての過剰にスポットが当たるLGBTコメディが飽和気味になり、

「いいことだけどさ!それを理由だけに注目度が高くなるのってどうなのよ」って思っていた矢先のFIN TAYLORさん(のショー)との出会いがあった年です。(ちなみにこれもフリー・フリンジだった・・・)あまりにショックが強すぎて感想をかけてない・・・。なので2017年のを貼り付けときます

http://www.gojohnnygogogo2.com/2017/08/edinburgh-fringe-2017-fin-taylor-lefty.html

もう一つは、ついにコメディ・シーンでもComedy is Therapyが定着する年です。それを確立させたのが他でもないリチャード・ガッドさんのMonkey See Monkey Doである、と!!

http://www.gojohnnygogogo2.com/2016/08/edinburgh-fringe-2016richard-gaddmonkey.html

2015年と同じハコで上演されたため、フリーフリンジの力はあるように見える一方、やっぱりビジネスモデルと運営側のたちの悪さが原因で、次第に(結局はエリートでインテリの)芸人さんたちは3大ハコのどれかに出戻りをしていきます。

個人的には2016年にようやくエイカスター・デビューを果たして、ドンハマりします。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2016/08/edinburgh-fringe-2016james-acaster.html

この時のオレは2011年の自分を呪うべきと思いますが、あんなこと思っておいて一切おぼえてないんで、しょうがないです。

あ、あとこの年くらいからオーストラリアのインディーズ・コメディがソワソワしてる感じですね。ノミネートされてる数が多いです。オーストラリアは昔から随時注目しているのですが、このあたりくらいからインディーズやばいインディーズ! のアラートは出てたんですねー

2017年

特にないんだけど・・・

あ、20年ぶりの奇跡が起きて、ロマンスがテーマで白人イングランド人が大当たりして、アワード受賞しちゃった、ってこと?

いろんな意味でハナ・ギャッツビーとダブル受賞になったんですが、ハナ・ギャッツビーだけにどうしてならなかったのか、というのは(票が割れたということ以外に)、色々考えちゃいますね。

個人的にはこの年についにトニーさんに固定客と認知されて、ウキウキするってやつですね。あとこのトニーさんの特別企画が素晴らしすぎて、フリンジならではのやめられない体験としてリンクを貼りたいと思います。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2017/08/edinburgh-fringe-2017-tony-law.html


2018年

加速するセラピー・コメディとダイバーシティ・コメディですかねー。

ビジネスの角度から離すと、結果的に5ポンドコメディで落ち着いた感があるかなぁ。

個人的にはSam Campbellくん(のショー)との出会いをきっかけに完全にオーストラリアのインディーズ・コメディにドンハマりした年です。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/08/edinburgh-fringe-2018-barry-awardsoho.html


2019年

 去年だから思い出も何もないかなぁーーーー。

あえていうと、数年前に見た超若手の子達が、いい感じで熟成していい感じのショーが収穫できた、というのはありますですかね。例はこちら

http://www.gojohnnygogogo2.com/2019/08/edinburgh-fringe-2019-choice-award-joz.html

あとは、特に・・・いいものをたくさん見れてよかったなぁ、という感じでした…

2020年を

それはそれは楽しみにしていたのに!

以上です。