イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2020年7月30日木曜日

英語圏芸人のリアクション芸*の祭典、Taskmasterのシリーズ10の出演者発表!


なんとシリーズ10に突入ですよ、奥さん。

コメディ部は(オレは?)Taskmasterシリーズはこの人出て欲しいリストがかなり少なくなってきたエイカスター・シーズン以降、各シーズンのお試しはするんですけど、これはやばい、ってほどにならなかった結果、ほとんど見てなくてですね。全然、ブログでは話題にもしてないと思います。ツイートではちょぼちょぼ喋ってたと思うんですけど。 すいません。S1で植えつけられた期待のレベル設定が高すぎたんだと本当に思います・・・(それを考えると エイカスター・シーズンがS1に並ぶか下手すると超える、っていうのが戦慄ですが・・・)

そんななか、ついにシーズン二桁台になった、もはやご長寿番組的な貫禄すらある状況において、キャスティングした芸人さんたちがかなりキワモノ揃いなので、期待が高まり、ちょっとご紹介しようと思いました。

Daisy May Cooper デイジー・メイ・クーパー。ご存知、This Countryのクリエイターで主人公(?)のケリーです。参考記事:

ちなみにこの人のインスタ、めちゃくちゃ面白いですよ。

と、今日のぞいたら、めちゃくちゃ泣ける投稿してた(汗)

Katherine Parkinson キャサリン・パーキンソン。最低でもThe IT Crowd で日本全国ですっかり認知されているかと思います。そう信じて疑わない。
(有名人過ぎて本ブログでは上記のような雑な扱いになり、全然カテゴリ化してないので貼れるリンクが一切ないことに気づきました・・・最近でもここでちゃんと書いてるのに… ずさんすぎる…)

Richard Herring リチャード・へ(ハ)ーリング。彼も国際女性デーの一件で最近は日本のツイート界でもそこそこニュースになっているから、認知度は上がってるかと思います・・・こちらも有名人過ぎて本ブログではかなり雑な紹介ばかりをしているのですが、
ここと
ここで

ほぼほぼ??? なんとなく??? なんか現役ボス感出てる人だってのがわかってもらえるかと思います。

Johnny Vegas ジョニー・ヴェガス そそ。こちらもね。なんか今更説明いらんよね、っていう。今探して見たけど、絶対最近も書いてるのに過去7年1記事たりとも書いてないみたいになってる・・・自分の記事の管理がずさん過ぎて泣きたくなります。

とりあえず、こちらで。

Mawaan Ritzwan モゥアン・リズマン Sex Educationの作家の一人になってますが、本人スタンダップもやってます。でもすごい最近の子。イバーシティをきにするようになってから始まった(ので最近)BBCのAsian Network Comedyシリーズで出てます。




Taskmasterは赤裸々にダイバーシティを意識した人選で毎シーズン進行するのですが、最近の問題に対応しようとして難航した結果、ビッグネームだから勘弁してくださいみたいな構成になってる気がして、笑えます(笑 しかもそのうち一人が、テレビからのお声がかからずかからずかからな過ぎて、有名で知名度もあって人気なのにテレビ出演できない、っていうネタになり、そのネタもコロナですっかり過去になり、っていうリッチー。テレビと相性の合わない彼が、一体どう番組を台無しにするのか、楽しみです。
そしてジョニーは何やっても面白いし、デイジー・メイ・クーパーはインスタ見ててもすごい爆弾な気がする。モアン・リズマン君は普通に弾けそうだし、キャサリン・パーキンソンは、ベテランの即興コメディできる人だし、これはね、奥さん、期待大だと思います。

秋放送開始とのことで、マジで絶対見ようと思います!

2020年7月21日火曜日

ちょっと奥さん、バスデンさんとTim KeyのFREEZE! があなたのお家で観れますよ!

追記
こちらもうすぐオンデマンドで視聴可能になるので、
可能になったらすぐにリンクを貼り付ける予定です
芝居好きの人にも見てもらいたい傑作だったので
ぜひ見てください
(キャプ画像を記念にあげときます)




( 以下もともとの記事)→

どこでもドアがほしい。

お金が欲しいと同じくらいの頻繁さで1年で365日に近いくらいいい続けてたこの言葉。

まさかヴァーチャルどこでもドアという形で解決する日がやってくるとは・・・

というわけで奥さん、オレが10年以上騒いで騒いで、騒いでいるバスデンさんが、
Cowards (→リンクを踏むと怒涛のリンク数が襲いかかります)のころからやってるTim Keyとのコンビ芸FREEZE!がオレの知る限りで5年ぶりに復活!みんなの前で生配信です。




チケットは全然まだ買えるはずなので、みんな買おう!
そして観ましょう!英国時間26日日曜夜8時! 

参考までに、(バスデンさんの記事を読んでくださってる方には周知の)、
タイトルに盗撮という言葉を入れたおかげで
エロ記事と間違えられ、前代未聞の5桁のアクセス数(通常3桁の数字低い方)を持っているFREEZE! 告知記事が以下になります。



で、これがオレが観た最後のFREEZE!での感想
*ロンドンまでこのために行ったんだぜ。いつも30分遅れてくるベタベタなイングランドの友達の行動をちゃんと計算して早めに待ち合わせしたのに(ロンドンに住んでるくせに)出口間違えられたせいで、後ろの席でしか見れなかった・・・それ以来、口は聞いてない。(注:大学時代からの友達なのでいいんです。10年会ってなくても大丈夫なタイプの友達)

テクニカル的な話ですが、
これはiplayerを通して行うので、zoomじゃないです。
客の顔とか見えないやつなので、みんな音とか自分の顔とか気にしないで大丈夫だよ!


2020年7月20日月曜日

いまだ圧倒的男性社会な英国コメディ界でここ1ヶ月暴露大会。女子芸人さんたちがセクハラやレイプされる環境について、まとめました。


参考までに




コロナでライブコメディ自体が死にそうなので、威力が小さくなってきているのかもしれません。ここ1ヶ月くらいコメディ界で活躍する女性(&ノンバイナリー)芸人さんからの暴露があとを経たないという状況が、続いてます。

なんの暴露か、というと、プロモーターやクラブやフェスのラインアップのブッキングってほとんど男性が独占していて、そいつらの、女性&ノンバイナリー芸人さんたちへの脅し、セクハラおよびレイプについてです。

例えば、

〇〇してくれたらギグ、ブッキングしてやるよ。
(注:〇〇は伏せてるのではなく、あまりにも色々あっていちいち書いてらんないからです)

と言われ、(丁寧なのからエフオフなのまで様々ですが)お断りすると、

ふざけんなビッチ、おまえみたいなカス、潰してやる

と悪口悪評を言いふらす

とか。

ブッキングしてセクハラ・レイプできる状況を作る

とか。

コメディクラブのマネージャーやブッカー、プロモーターだけじゃなくて、(ストレート)男子芸人も悪いのが複数いるみたいで、チャンスを見ては襲うらしい。

で、男子芸人で客が呼べる場合が多いので、そいつと一緒に仕事したくないっていうと、次から仕事回ってこない、みたいな。

で、その場で止めてくれる男子もおらず、見て見ぬ振り・・・


正直いうと、初めて明るみに出た話ではないです。

この手合いのをオブラートに包んで「男」の都合の良い角度から話す芸人さんは、かつていたので。(実際、そういう臭いはでてるクラブはあった。)

また、90年代から活躍するような大物芸人さんが「そういう時代じゃなくなったよね」と話すのも軽く10年は前に聞いてます。

なので、

ここ10−15年くらいは改善されてる&ほとんどなくなってる話だと思ってました。
なんですが、ここんところの暴露大会を見聞きしてると、とても21世紀の先進国の話じゃないですよ…。「口紅は赤にしてステージ立たないと、Fuckableに見えないと」(ってThe IndependentでShappi Khorsandiが書いてた)みたいな言葉のハラスメントだってひどい話ですが、それをゆうに超えてる。

例えば
  • 女性芸人さんの間ではWhatsappで「気をつけないといけないブラックリスト」がシェアされている
  • 楽屋の隅に押しやられて無理やりやらされる
  • 車でしかアクセスできないような場所にブッキングして、送り迎えをし、いうこと聞かないとその辺捨てるぞ、みたいに脅す
  • (だいたいよくあるコメディクラブでは各15−20分くらいのセットをやるコメディアンを4−5人ブッキングするのですが)女性は1人以上ブッキングしない。楽屋は女性の芸人さん以外全員ストレートの男性になる、という仕組み。
やばくないですかね・・・。

下記のアカウントは五月雨式に見て来た暴露ツイートやポスティングのハイライトをスレッドにしてくれているツイートです。ご参考までに、クリックしてスレッドを読んでください。

あとこれ、先日、レイプされて業界を引退しちゃったから、と女性の虐げられた状況を説明してる記事もご参考に→


名指しすれば問題が解決するのかといえば

興味深いというか、闇だな、と思うのは、
声をあげる人たちは、誰一人として名指ししてないことです。
ちなみにこれだけたくさんの人が暴露しているのに、実際に名前が明るみに出たのは、3名くらいで、

①「それ、オレです」
って自白したアイルランドで一番力のあると言われるコメディ・セラーでブッキングマネージャーをやってたDavid Reilly 

② ライブコメディを救うために立ち上げられたLive Comedy Associationの立ち上げ人の一人だったけど、ブラックリストに乗ってるので除名されたTez Ilyas

③Hardeep Singh Kohliって芸人でもあってスコットランドのコメディシーンでは力があったおじさん。15人くらいの女性が連盟で訴えたために実名が出た。でもFern Bradyちゃんは、このおじさんは長年やばくって、それが原因でもあってもうほとんど業界では影響力はなくなっているとつぶやいていたので、影響力がないから実名上げやすかったんじゃないかなぁとか思ってる。

自白する芸人さんやブッキング担当者がほとんど皆無・・・。とはいえ、名指しすれば問題が解決するのか、といえば、そんな簡単な問題じゃないだと思います。

冒頭に関連記事リンクをつけてますが、ライブコメディの業界自体が無法地帯なので(=エージェンシーに所属してるからといって何をしてくれるわけでもない)個人を成敗しても業界自体の改善にはならないのじゃないかと思います。

それどころか、名指しをした暁には、成敗どころか、根こそぎ潰されちゃう力関係があるんじゃないかと思います。

ところで、あのリベラルな男子芸人たちは何してるの?

こんな話を聞いていると、あのコメディ界にわんさかいるリベラル・アーティな、思考先進国な男子芸人たちは一体何をしているのか?どう思っちゃってるのか?
この状況に直面してないわけじゃないだろう。
目撃者として直面してないわけじゃないだろう?

と思っちゃうわけです。思っちゃいますよ。
で、女子芸人さんたちが仲良くしてる男子芸人さんたちもいる。
その人たちは何をしてるの?
止めないの?ほっとくの?

とそんな疑問に半分回答するかのような記事を2017年エディンバラのコメディアワードを受賞して活躍しているジョン・ロビンスが執筆してまして、個人的には1段落目で納得してしまいましたのでリンクを貼ります。



笑っちゃいけないんだけど(笑)、そーだよね、ここ25年くらい男子芸人さんはβ男で学校時代ずっとずっといぢめられてきた、心傷つきやすい、左左左思考のリベラルアーティだもん。そんな現場見たって、ビビって、助けてるわけない。自分も仕事なくなるかも、とか思っちゃうんだろうな、きっと。

見える。逃げるのが見える。

この記事では、別に腕まくって拳上げて喧嘩しろって言ってるんじゃなくて、このひどい環境自体を直していくために、誰かがミソジニストな発言をしていたり、セクハラをしていたら「それ、よくないんじゃねーか?」みたいにちゃんと声に出していこう、女子芸人さんにさっさとタクシー呼んであげたりしよう。あーあまたやってるよアイツ、って呆れるだけに終わったり、オレ関係ねーですって見て見ぬ振りすんのよそうぜ、って呼びかけてます。

この件、うやむやにならないで改善されるといいなと思います。

ほんと、日本ってどうなんですかね?
女性の芸人さんはみんな困ってないのかなぁ?


2020年7月10日金曜日

UKコメディ業界現状調査レポート発表。冗談ではなく、イギリスのライブ・コメディが、つまり、イギリスのコメディ業界が死にそうです… 署名お願いします。


**追記**
先日のアーツ支援プログラムにライブコメディも含まれるというコンファームの連絡が届いたそうです。とりあえずは、よかった!


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まずは何よりこちらです。
より多くの署名を募ってます。イギリスのコメディ好きな人はぜひよろしくお願いします。


以下、なるべく簡潔になぜイギリスのライブコメディシーンが死にそうなのか、説明を試みます。


【公的機関がコメディをアートとして認めていない。
よって公的なアート関連の支援が回ってこない】


このブログでも3月半ばごろから定期的に、ロックダウンでのイギリスのライブコメディシーンについてレポートをしてきました。なんとか食い繋ごうと、オンラインコメディショーが行われてきましたし、コメディクラブや芸人さんたちをサポートする投げ銭系イベントもおこなれました。

3ヶ月あまりがすぎ、いよいよロックダウンの規制緩和へ。ルールを守ることが絶対規則ではありますが、それでも、テイクアウトのお店が再開、街のお店が再開、歯医者もGPも再開の許可がおり、散髪屋などがオーケーに。そして7月4日からはパブ・レストランがついに再開、映画館もオーケーよ(注:スコットランドはこの段階にはまだ!達してないです。イングランドとは別の対策をとっています。)…となったのに、シアター、ライブ・エンタメのゴーサインが下りないんです。他の業界は手探り状態ではありながらも、前進している。しかしパフォーミング・アーツ・シーンはまだ真っ暗。

ということでみんなでさらに!声を大きくあげ、国からの補助がなければ業界全体が潰れてしまうと訴えたところ、政府からの支援金が1.57億ポンド下りることに。 もちろんこれはアート・カルチャー全体に振り分けられるのですが、ないよりは全然マシ! 希望の光がさしたかのように見えた矢先、コロナ危機を機にライブコメディを支えるために立ち上げられたサポート団体Live Comedy Associationが業界の調査結果と共に衝撃の事実を発表。それは

「コメディはアートとして認められず、支援金の一部すらもらうことができない」

というものでした。

公的支援金、0ポンドです。

よくよく思い出してみれば、こないだ発表されたイングランドのアートカウンシルからの支援金でも対象外だったです。


【ライブコメディ関係者対象に行われた調査結果について】


細かいレポートはこちらにあります
。以下、かいつまんで。
  • ライブコメディ会場のうち3分の1が、このまま行けば今年中に完全閉鎖に追い込まれる。
  • ライブコメディ会場のうち77.8%が、来年中に完全閉鎖することになる。
  • 45%以上のライブコメディ関係者が業界を辞めることを真剣に考えており、さらには60%以上の関係者が2021年の2月までに本格的にライブコメディが再開される見通しがなければ、業界を辞めることを真剣に考えている。
  • 73.5% のコメディ関係者がメンタルヘルスに深刻な悪影響を及ぼしていると答えている
  • 83%のプロモーターはロックダウンが終わったとしても以前と同じように営業をすることができないと予測している
  • 75%以上の演者がコロナ前に見込んでいた今年の収入の5%にも到達していないと報告している
これを読んで、「イギリス政府から市民や会社に出ている支援金があるじゃない?あれは?」って思われるかもしれないです。ので以下の調査結果も追記します。
  • 自営業者にも会社の社員の人々と同じようなサポートを、ということで基本的に「年収を12等分x0.8%(頭打ち2500ポンド)」を10月まで国が払うというSEISS制度を上手に受領できている業界関係者、および演者は32.5%。
  • 会社員が受けることのできるFurloughを受け取れている業界関係者および演者は18.7%
  • 上記2種類のサポートは簡単なようで、実はいろんな条件が揃ってないと対象にならないのです。上手にもらえてない業界関係者および演者が27.8%...
というわけで30%近くもの人たち、なんでもらえないのかというと
  • 自営業といっても、フリーランスではなく、有限会社を立ち上げており、自分がその取締役社長となっているから。この場合の自営業は「small business」に入ってしまう。でも「small business」カテゴリーのサポートは雇用人が自分だけの場合、対象外になるんですよ・・・というわけで、アウト。(フィル・ニコルさんがめっちゃ怒ってますが、彼だけではないですね・・・)
  • フリーランスだけど月極契約などで年収の50%以上を毎月給料のように振り込みをもらっている場合も対象外。(→ちなみにオレがこれのせいで、SEISS対象外だったの 号泣)
  • 2019年ー2020年にフリーランスになっちゃった人はアウト。SEISS対象者は2016年4月ー2019年4月までの確定申告で対象者かどうかが決まるから。(→ちなみにこれでもオレはアウト。2019年に100%フリーランスになったから。号泣)
  • 年収50000ポンド以上は対象外。つまり支援金、ゼロ。
が主な、そして非道な理由としてあります。

ちなみにこっちの芸人さん、事務所所属とか多いですが、別に事務所から給料をもらってるわけじゃないです。日本と違ってもっとルースで、エージェントは何もお世話してくれないです。この様子、実はリッキー・ジャーヴェイスの昔のコメディで(WOWOWで放送だった、アスミック配給の)「エキストラ」で、スティーヴン・マーチャント扮するエージェントのやり取りをご参考にしていただけたら! 
マネージャーなんて、芸人さんの1hのショーのツアーの時につくくらい、ですかね。

【ツアーマネージャー、プロモーター、ライブ・スタッフなど
オペレーター側の状況】

  • ライブ・フォトグラファー、デザイナーを含むライブコメディ業界における呼び屋、オペレーター側に焦点を絞った調査によると、誰もが年間に12000ポンド以下しか稼げないだろう、という推測をしています。
  • これによりこのうち20%が業界をやめようかと本気で思っている。
  • 87.7%の人がメンタルをかなり深刻にやられている。この数字が業界全体を上回っているのが、本当にヤバいです。
  • もっとヤバいのが、業界全体では、今年の11月までに(元どおりにならなかったら)業界辞めちゃうしかないと考える人は38.9%である一方、呼び屋側はなんと82.3%もいる、ということです。85%の人がどう考えてもコロナでソーシャルディスタンスを守ってライブコメディを行うことができそうもない、という考えとか。さらにはスタッフもコメディクラブの会場や形態自体がコロナ感染を安全に回避できるような構造になっていない、と考えています。
  • プロモーター側は、ロックダウン後にロックダウン前と同じようにショーを回せないことから、収入の4分の1もあればいい方、という見方をしています。
絶望的ですが、悲観的とは思えない。極めて現実的なシナリオですよね…


【ライブコメディがどうしてそんなに大切か。その歴史と重要性

(今更ここにきて、説明しないといけないかと思いました・・・)

そもそも、なぜこんなにイギリスってライブコメディで騒ぐの? そんなにライブコメディで稼げるの? テレビやラジオがあるじゃない? そういうところに出ないとろくな収入もらえないでしょ?

と思われるかも知れない、と思いました。
イギリスだと、ライブ・コメディで注目になった人(大抵フリンジ含むライブコメディアワード経由)がテレビやラジオなどで仕事を得るようになる一方、そっちを無視して(または無視されても)ライブ・コメディだけで十分豊かな生活を送れるんです。

フリンジの話を抜きにして、乱暴すぎてヤバいんですが、ものっすごい!かいつまむと・・

昔々は大衆劇場や男オンリーの労働者階級クラブ(→パブだわな)みたいなところでやってたライブ・コメディですが、70年代からオルタナティヴや実験的なコメディの需要と供給がどんどん高まり、バー併設のコメディを専門にみるハコがオープン。ライブコメディを原動力にビジネスが動いて行くんですね。ロンドンのコメディストアが一番最初に開いたコメディクラブのうちの一つだったと思います(承前)
90年代に一回コメディクラブのブームが訪れます。
んでそのあと2000年代から徐々に増え始めるんです。
その原因の一つは、パブ文化の衰退にあります・・・

だあああああ、どんどん泥沼!(発狂

詳細知ってる人にはボコボコにされそうなのを承知の上で、例をいくつか程度にかいつまんじゃうと、
1)90年代にマードックがサッカーの放送権を買ってしまって、今までパブでおじさんたちが集まってビール飲みながらパブのテレビで地上波のサッカー見てギャーギャー叫んでたってことができなくなったとか、
2)サッチャー主義からの個人主義ががっつり浸透して根付いちゃってus vs themだったコミュニティー意識を凌駕して、なんかあったらパブ、って習慣が減ってった、とか、
3)スマホやネット環境が浸透しちゃって、みんなと交流するためにパブ行かなくてもよくなったとか
4)自分ちでサッカー見れるからパブ行かなくてもよくなったとか、

とかとかとか、そんなこんなで閉鎖に追い込まれたパブを救ってコメディ・クラブとして誕生したところも多いのです。芸人さんたちを呼び、見にくるお客さんたちにチケット売ってお酒をサービングすることで主に収入を得る。チケット代はなの知れた芸人さんの1hのショーでない場合は、五ポンドの低額が多いけど、お客はお酒を飲むので、それで経営していけるのです。プロのライブ芸人さんは15−20分尺のスロットを2ー3箇所くらい一晩に回っていいお金を稼ぎます。


こうした経緯から、コメディ・クラブはものすごく多数存在し、コメディビジネス事業の中では大きなシェアを締めています。そしてこれは、新しい芸人んさんが誕生する環境が数多くあるという意味でもあるのです。学校帰り、バイト帰り、仕事帰りにちょっと立ち寄って、マイク持ってステージに立って「コメディ」をやり始めることができる。ライブコメディは啓蒙の場でもあるのです。それにもかからず、
  • パブっぽいのにパブとしては認められない
  • 酔っ払いの大衆、労働者階級相手というルーツのせいで、公的機関がアートとして認めてない
といった理由で支援がもらえない…。

最後にFin Taylorさんがものすごく端的にイギリスのライブコメディの特殊性と重要性、いかにライブコメディはアートであり、守らなければいけないものであるかを、書いてくれていますので、ぜひ読んでください。 




もしかしてこれを訳せば、今までのながたらしい説明はいらなかったかも知れない・・・(後で日本語に起こします。なんか今時間見たら午前3時になっちゃってるんで 汗)

2020年6月27日土曜日

(日本語で書きました):HITOSHI MATSUMOTO Presents: ドキュメンタルS1の感想です



もうシーズン8の配信が待ち構えるほどの古いネタですが英語圏でのコメディ業界では知られていないことだったのと、あまりオフィシャルで日本のガチのお笑いが海を渡ることは珍しいので良い機会だと思い、英語で書きました。


日本語じゃあ今更だよな、と思ったのですが、日本語の感想をリクエストをいただいたのと、予想以上にgoogle 翻訳が足跡に残っていましたすみません(汗)


【感想のまえに】

特に吉本興業やダウンタウンの感想をあげると、今までこのブログを読んでくれている数少ない方々と違う方々がご来店される可能性が高いと思い、以下を明記させてください。

ほんの一部を除いて、このブログは英国を中心とする海外コメディ(特にライブコメディ)で、オレが面白い!と思ったものだけをピックアップしてご紹介しています。ですので、見たり聴いたりしたけど、面白いと思わなかったものに関しては、スルーしてます。(スルーの量は膨大です)。「面白い」or「面白くない」は、個人の趣味や笑いのメカニズム、それからどれだけコンテクストが理解できているかなどによるものなので、「面白くない」からを主な理由にネガティブな感想を書くのは正当性がないからです。

ドキュメンタルに関しては、Twitterで相互フォローしている英語圏コメディ界のクリエイターさん、作家さん、プロモーターさん&メディアの中の人、芸人さんたちが興味を持ってくれたり参考になったらいいなぁという目的で書きました。お知り合いの人用に回すメモみたいなものです。よって通常の「●●の理由で面白いと思った」「崇拝してる」「布教したい」というルールとは異なる、超例外です。

恥ずかしながら、「出羽の守」という言葉を最近知ったので、以下も念のため。

日本のお笑いは、過去25年は軽い興味と年末年始でしか追いかけてない一方、今もガキの使いと水曜日のダウンタウンは放送コンテンツの70−75%くらい面白いと思ってます。確かにオレが崇拝する海外のコメディとは種類が違うのですが…。その一方、海外の天才や神たちと同じ類で崇拝している笑いのクリエイターが日本にも2−3くらいはいます。(ジャンルちょっと違うけど)

なので、いわゆる「出羽の守」的思考で感想を書いていないんじゃないかなぁと思っています…

【前置きが長くなりましたが、
以下が英語で書いた内容になります…】

松本さんが、最初に、オンデマンドのコンテンツプラットフォームで、視聴者ターゲットを明白に限定したことの重要性について書いてます。これによって、出演者を含め同じ笑いのメカニズムを持ってない人間は口を出す資格がない。このルールによって、たとえ番組中で繰り広げられる言動に、たとえば、蔑視、差別、わいせつ表現、的な要素があっても、それらが、松本さんと仲間たち(&笑いのメカニズムをシェアする視聴者)が面白いならアリなのです。彼が設定した枠外の人間は見なきゃいいだけの話なのです。

ただし、松ちゃんの日本におけるお笑いにおける影響とそのポジションはあまりにも大きいので、「わかる人にはわかる」が「笑いの上級者」的イメージとなる可能性は否めない、という点は、しっかりnote してます。

上記に関連して、出演者がS1に関しては全員ストレートの、80年−90年代のお笑いで成長してきた日本人男性であることについても書いてます。また、その中に一人若手でかつミックスのアントニーがいることに興味を持ちましたが、ダイバーシティを意識しての選択では全くないと判断したので、ポイントとしてあげたのみです。

S2以降、森三中から一人ずつ出てますが、このトリオ、特に大島さんは、”芸人なのに「女」らしさがあるとは何事だ” 的な発言を過去にしているのをきいているので、「女性」が入っているという認識はするべきでない。相変わらずの男性のみで構成、という解釈をしてます。

一方S6は例外と解釈しました。実はタイミングよくこの1週間で欧米コメディ界では女性の芸人さんたちによる「名指しできないけど、レイプにも及ぶ非人道的なセクハラがつきもの」の暴露大会になっているせいもあり、この方面の想像が豊かになってます。つまり、S6は出演依頼を受けた友近さんが(個人的にもご飯を食べたり行っている様子の)春菜とゆりあんも出演させることを条件にしたのではないか、と。(そうすることで、自分を守る)
友近さんの才能と活躍ぶり、ダウンタウン含む上層部とは長い付き合いかつリスペクトされる経歴だからこそ、その条件も可能となった特別シーズンではないかと。

おそらく松本さんや制作陣はshe/herの「女性」を多く入れるつもりはないですよね。ブレるから。

S6以降再び、構成が男性に戻っていることもS6でブレたからなのかなぁ。(注:森三中チームは”男性”)そんなわけで、本当はS6を視聴してこのシリーズの感想を書きたいし、そのほうがフェアかと思うのですが、イギリスではS3までしか見れないので、しょうがないですね。

ウィキを見て出演者をチェックしているのですが、男性の出演者は全員ストレートですよね?全員認識できてると思うのですが、もしゲイやトランスの芸人さんが出演してたら御指南いただけたら嬉しいです。そこは見てみたい。
予想では、入れない、と思ってますが。

(ところで、今気がついたのですが、パイロット版って坂東さんいるんだ・・・
ここは気になります・・・)


コンテンツについて

繰り返しになりますが、面白いか面白くないか、という観点から内容について書いてないです。正当性が全くないからです。
代わりに、どうして彼らは面白いと思うのかについて書きました。
いわゆる一発ギャグ、それから「普通」の人たちはしないビジュアルと言動をコンテクストなしにやりだす「ヘン」が笑いになる。それから日本のオタク文化からきているようなキャラもある。この辺りは、これを面白いと思うことへの理解が可能かと思います。

3話のメインとなっている宮川大輔さんのお尻の穴のくだりについて、みんなが笑いを我慢する姿が面白いこと以外に、このくだり自体がこの人たちはおかしいと思っていると解釈、オレの想定読者さんたちには説明が必要かと思い、しっかり書きました。笑いには色々な種類があって、その中の一つには「ドン引きする」「(人がやってるのを見て)こっちが恥ずかしくなる」笑いというのがある。そのカテゴリーに入れられるのではないか、と。もう一つは、サド・マゾからくる笑いですね。松本さんの映画R100を引き合いに出してます。3つ目は、このエピソード中ではグレーではあるけれども、と一言おいて、日本のストレートの男性たちの間にはまだまだゲイ的行為をいぢるメカニズムが抜けてないことが多いと話してます。

上記の内容は、例えば、「女・子ども、ジジイ(にババア)」が見たらシリーズ速攻終了の大問題になってしまいかねないことかと思います(*注) 。シリーズ単独、および短期的に考えると、一見「(ほぼほぼ)ストレートの男性以外お断り」な設定にしているおかげで、ここで彼らが作り上げる「笑い」が守られ、アリになることができている。超男性社会なお笑い番組にすることで、中傷被害や女性差別やセクハラも避けることができているわけです。中途半端に偽善者になり、ダイバーシティを意識した出演者や視聴者にするよりは、ずっといいです。

その一方、長期的にはこの状況を憂ています。オンデマンドの限られた視聴者用ですが、上記のようなことを我慢できないほど笑っちゃう「笑いのメカニズム」を持っているクリエイターや出演者は日本のテレビを代表するテレビでも活躍の芸人さんばかり。そして松本人志さんです。出演者たちは日本のお笑い界を牛耳ってきましたし、これからも随分長いこと影響を与えていくでしょう。これからの世代も若手もほとんど彼らを見て笑いのメカニズムを育成していくのです。このシリーズで展開されている笑いのメカニズムを凌駕する新しいメカニズムが主流となる日は来るのかなぁ…。

もう一つ、一番面白い笑いを模索する、みたいな、笑いの哲学的な目的を提示している一方、番組は、出演者の言動よりは、みんなが笑いそうになるのをこらえる様子に集中し、本来の目的を忘れてるような作り方になっているのが気になっています。オーストラリア版は、本当にシンプルなリアリティ・ゲーム・ショーなので、なんの抵抗もないのですが。

なんだか長くなってしまいましたが、以上かな?以上です。

(*注)確か20年強前だったかにゴールデンは夜9時の某お笑い番組で裸の男性を診察台にのせ、痔の検査をする(または浣腸をするだったか?)企画をやったところ、スポンサーが降りちゃうかもしれないくらいの大問題になったことがあったかと思います。例が古くてすみません。20年前でもそうなので今ならもっと大変だと思います。