【はじめに】
もしも今回初めてこの芸人さんを知った、という方は、このブログはかれこれ5年位は前から、オーストラリアが産んだ奇才で天才で王者のサム・キャンベルを推し続けてます。オレだけが王者って言ってるんじゃなくて、2018年オーストラリアのメルボルンコメディフェスでそして2022年エディンバラのフリンジで二冠取ってる、正真正銘の王者です。
参考までに何がそんなに凄いか情報は、下記リンクが一番いいかと思ってます。多分。
http://www.gojohnnygogogo2.com/2022/08/edinburgh-fringe-2022-2022prsam.html
【公演のお知らせは、フリンジ・スタートの3週間前】
「フリンジを制したものは、フリンジに来ず」というのは、まるで珍しくないのですが、それでも、スーパー・ファンと公私共に認めるオレ様としては、諦められずに、「2−3日でもいいから来てー来てよー。来てー」としつこくしつこく念を送っていました。どこにも届きようもないけど。
そんなある7月の下旬、友人からのテキスト経由で、お知らせが!
Despite the allegations... THE CHAMP IS BACK!
— Pleasance (@ThePleasance) July 25, 2023
Sam Campbell. Bulletproof Ten.
16th August. The Grand.
The show will only go for ten minutes BUT you will remember it for longer. https://t.co/5O7GQsmDtc pic.twitter.com/gFrsbnLFOi
1日なのはいいんですが、「1時間」じゃなくて「10分」。
Mix Billじゃなくて、ソロ・ショーで「10分」です。
PleasanceのGrandの客席数は750。フェスティバルで一番でっかいハコの一つです。並んで入場&待ってる時間30分以上。10分のショーのために。10分観た後、出るのに10分かかるかもしれない。
10分なのでチケットのお値段は2ポンド。(大体平均1Hのショーは平日だと12ポンド)
こんな前代未聞のおもしろすぎること、思いつくだけならまだしも、ほんとにやっちゃう芸人さんは、他にいるでしょうか。
いません。
リンクもらって10秒後にはチケットを購入し、「オレは30分前から会場で並ぶから!」と、その公演日に予約入ってた美容院をキャンセルし、にぎにぎ待ち続けること3週間。(注:チケットはもちろん完売)
同行者らの「すみません、その前に用事があるのですが(→ほんとにあるかどうかは不明)、20分前でもお許しいただけないでしょうか」の許可申請も快諾し、40分前には到着。
だってこれ、最低30分並ぶところも含めて笑いなんですよ。逃すわけにいかないじゃないですか。ガチで一番を狙ってたんですが、同じことを考える強者がすでに何人もいて、負けました。
半笑いの係のお姉さんに従って列に並びます。
750人入れないといけないので、17:35分くらいには開場。同行者たちがまだ到着しないので「席全員分の取っとくから!」と言って、前から2番目のセンターをゲット。(注:1番前は興奮しすぎてネタが頭に入ってこない可能性があるので、避けています)
同行者らは程なく合流してくれたので、もう集中して、30分近くかけて席がどんどん埋まっていくのを目撃できます。
とはいえ後ろみたら、オレらの座ってる真後ろ列が若手芸人さんたちで埋まってたので、上手に撮影できなかった。
ちなみに一番前の列で数席、誰も座らせてもらえないところがあったので、何かしらの仕込みがあるのか・・・?と思ったけど、これは、単純にお身体の不自由な方のためのスペース空けでした。
なにしろ750人。オタクかローカルじゃない限りは、PleasanceのGrandの状況がわからんので、ちょっと前とかにくる。よって開演時間18時を過ぎてもダラダラ入場客があとを経たない。止まらぬワクワク感がさらに高まる席前方のファンダム。
そうこうするうち、10分近く押して、ついに! 王者降臨。(つまり結果的に開場到着から50分くらい待った)
(注:写真は撮ってませんよー)
【感想】
ガチで10分強でした。
タイトル通りネタ10本!だし、10分なんだけど、サム・キャンベル真骨頂。
エディンバラ・フリンジで王者になって、Channel4が大手を振って可愛がることができるようになったせいか、この1年、Ben Eltonプレゼンツの特番コメディFriday Nights Liveに出演しちゃったり、Taskmaster S16のコンテスタントになったり、ジミー・カーが進行するご長寿番組8 out of 10 cats のCountdownに初出演したり、と英国メジャーコメディを制覇してきちゃってて。つまり、今まで猛毒吐く対象だった権力のある番組や芸人さんたち側の世界に踏み入れている、という状況なんです。
最初は、たとえば「(リゾート)ホテル のリフトは濡れてる人組と濡れてない人組分けてくれないと!」という、いつもの、空前絶後の発想が爆走するキャンベル・ジェットコースターって感じの、ボンカーズなネタなのですが、その後、ロンドンに住み始めて、ロンドンは怖い、業界パワーに疲労困憊、業界ってもすっかり変わって、今やポッドキャストにヘイコラしないといけない時代! メニューとタイトルについてる、でっかいポッドキャストの名前とかサクっと紛れさせて、猛毒モードに入り、スライドを使い始めようとするときに、ものすごい量のスライドを仕込んでて「本来は見せるものじゃないけど、ぎゃあ!間違えて見せちゃった」的に、チラ見せするんですよ。酷いいぢり方したジミー・カーのコラ画像とかw。手書きで数式いっぱい書いてあるスライドとか。「いろいろリサーチしてるんだよ!」って慌てて隠す。
ほんとはフリンジ来たくなかったんだけど、フリンジ側に懇願されてしょーがなかったんだよ!ちくしょー!オレは史上最強(恐?)の芸人だっ!って、出してきた画像が Jerry Sadwitz(元々過激がキャラの芸人さんで、昨年キャンセル・カルチャーに巻き込まれてショーがキャンセルに)とJerry Seinsfield (「となりのサインフィールド」の、米大物メジャー芸人)(注:ジェリーつながり)を掛け合わせての、王者サムキャンベル登場画像。
クラシック・カンボ。クラシック・カンボですよ。
9本目のネタが終わったところで、カンカンカンと鐘を鳴らして袖からMark Silcox先生ご登場。「ラスト1本ですー」。→みんな待ってましたの大拍手。
10本目は、名作Troughでもあったような種類のネタ&フィナーレにふさわしく「足の指のタイプは、母子が一番長いタイプと2番目の足の指が一番長いタイプと、実は二種類ある。前者はそうだよねー、後者はへえええって反応するもんだ。と説明あってから、観客750人全員がスライドでさまざまな足の指を次々と見させられては、イエーーース&ノーーーーーーーと声を出さんといかん、というもの。このネタのフィニッシュが最高に盛り上がって、涙流すほど面白かったけど、言わないでおきます。多分、今後、他の場所でもやると思うから!
変わらぬ破壊力と、とんでもなさで、引き続き、いちいちワクワクして、騒いでいきたいと思います。
Chortleさんから「60分だったら5つ星だけど、10分なので換算して0.8333333333...星」って評価されてました。ちょっとウケた。
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