イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2019年8月4日日曜日

Edinburgh Fringe 2019 追記(8月17日)Richard GaddさんのBaby Reindeer 観ました&絶対観てください


(English memo for people who bumped into this blog)

I don't think anyone could find the words for a while after the play. I saw at least three people who left their coats or jackets in their seats and I'm talking about this only in my area. If you think Monkey See Monkey Do is the heaviest, it is sensible to reset such your expectation. I strongly believe this play should be seen by as many people as possible to join his fight against the absurdity of "the system" in a highly civilised society with full of advanced technology. And Baby Reindeer should be praised for its ambitious attempt to use arts as to solve such a horrifying case. In this almost checkmate situation, this play is the one and only way to change it.
I am not familiar with theatrical scenes much (so I can only say this from Ed Fringe comedy), but this tense piece of work might give a mega impact on a way of seeing issues comedy creatives hid inside their guts, like Monkey See, Monkey Do did in 2016.


観ました。



https://tickets.edfringe.com/whats-on/baby-reindeer-by-richard-gadd


(2回目を観た後の追記)→1回目はスクロールダウンしてください。
色々な要素があると思うのですが、1回目とちょっとトーンが変わってました。
1)テンポが軽くなって笑えよ的指示が時には入るほど、コメディトーンの部分が意識されてる感じ。
2)自分の心の準備がちゃんとできてた(前回は無防備すぎた)
3)お客さんの種類が(ほぼ初日だったので評判も何もなく、以前からのGaddファンでローカル人が多かった可能性が高い前回と異なり)シアター枠で5つ星をことごとく叩き出している評判から観に来ているコメディ枠Gaddを知らない人たちが多かった可能性がある。そのため、オレ的には「こ、ここで笑うのかよ?!」的なところでドッと笑いが数回あった。

ということなのですが・・・

それはさておき、今回の最大の目からウロコというかびっくり事実が、実は多数のお客さんが、これを「実話に基づくフィクション」と受け止めている(んじゃね?)ということです。(2回目に一緒にみに行ったNaviさんからの情報)
つまり、オレや同行者たちのような5年も前からガッドさんを観てる人達だけが、今までのガッドさんのものの作り方や、過去ショー中でのちょっとした含みのあるセリフ、オフステージの様子、ツイッターの内容なんかが基盤にあるせいで、何の疑いもなく、するっとガチのリアルだ!ってどーん、となっているみたい。1回目の同行者なんて「これみんな実名なのかしら」って考えてたくらい(汗)
さらには、もしかしてオレらの過去ガッド情報は余計な情報であり、フィクションとリアルの境目が見えないという観点で、この作品を捉えるのがものすごい正当なのではないか、と。そうなると、いわゆる「ここで笑うのかよ」とドン引きしたあたりは、笑うところなのだと思うし。(実際ここ笑っていいんだよ、的なサインをガッドさんも出す時もあった)そして、さらには、「作品」として評価が上がり賞をもらうことで、ガッドさんの新たな強い武器になる(Monkey See Monkey Doがそうしたように)。
ロンドンBush Theatreでの公演でのシアター評価や反応が非常に興味深いです。

というわけで、2回目は心構えしていたわりに、1回目よりも長い時間ロジカルな思考をほぼ1日も続けてしまったのですが(汗)考えている時に、映画「犬ヶ島」を思い出しました。はい、Wes Andersonのです。この映画、Wes Andersonだからこその映像の細かさとこだわりもさながら、一番むむ?って思ったのが、ガンガン流れてくる日本語に英語字幕が付いているところと付いてないところがあったんです。明らかに「(例えばわかりやすいところで、わんこが人間とコミュニケーションを取れるレシーバーみたいんのをつけるときは字幕がつく、とか)ここは別にわからなくてもいいし、わからない方がむしろ製作者側の思い」なんだと思うんです。オレは日本人で日本のことが(ある程度)わかり、日本語もわかるから、そこも全部!救っちゃう。Mayor Kobayashiだって小林製薬と勝手にリンクしちゃったり、バックグラウンドに散りばめられた絵をちまちまピックアップしちゃうわけですよ。これが果たして「犬ヶ島」の製作者が意図する楽しみ方なのかといったら・・・違う気もするし、または日本の観客とのダブルスタンダードで制作されている気もする。

す、すみません、追記の方がめちゃくちゃ長くなりました・・・(汗)

(さらに追加メモ)→いい加減にしろよ、なのですが。オレなんでこの作品にこんなにどんハマりしたかというのが自覚できたので、備忘録として、と思いました。もともと不条理ダークものをものすごくパワフルに受け止めてしまう趣味で、ピンターとカフカがウイークポイントだった・・・オレにはこの作品が生まれたわけは社会のabsurdityのせいであると思いがちなのです。

(以下、1回目の感想)

いまだに感覚が覚えてるMonkey See, Monkey Do の衝撃と重さがぶっ飛びました。オレの周りだけで上着とかカーディガンを席に忘れちゃってる人が3人いました。終わった後とにかく言葉が出てこない。まじかよ、ガッドさん。

どんな話だったかは、ネタバレを恐るよりは、Gaddさんの安全を考えて控えるべきだと思い、一切書きません。ただ一つ言いたいのは、このお芝居は、完全チェックメイト状態のGaddさんに残されたたった一つの希望であり、限りなく多くの人たちが観ることで解決への道が作られるかもしれない、ということです。オレは芝居は全く詳しくないけど、ガッドさんだということで、こういう経緯&目的で制作発表するお芝居は、Monkey See Monkey Do の時のように(コメディ界に)大きな影響を与え、広がっていくのではないか、と思っています。

もう一回見るのでその時に、もうちょっとプロダクションの角度から感想を追加したいと思います。

お芝居の後にガッドさんカード配ってるんだけど、とてもじゃないけどギャーギャー騒いでおさしんっていう空気読めないようなことできませんでした・・・



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