イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2020年8月30日日曜日

Frankie BoyleのWork in Progressを観ました& 世界の、そして(日本も含む)”ポリコレ”について徒然… です。

 

 


こんばんは。

スコットランドが生んだコメディ界の世界的スーパー・スター、フランキー・ボイルが大好きすぎるいなむらです。

フランキーがロックダウン以来初めての(オンライン)ライブを観まして。久々の、WiPならではの、ほのぼのハートウォーミングでフレンドリーなフランキーが、テレビどころかオフィシャルのライブ・ツアーでもなかなかきけそうにないネタやモノローグで客を爆笑と恐怖のどん底の下へ突き落とす40分強を体験することができました。

感想は呼び屋さんにも褒められたツイートを貼り付けます(そしてそこそこ注目されてからタイポに気づくのね 汗 気が付いた時には遅いのだ↓)

 今回は今年秋(追記:今週9月頭からだそーです汗)に放送予定というBBC放送の風刺シリーズNew World Order でやろうと思っているネタをお試ししたいので、安全な場所で、ってことでAlways Be Comedy が受け皿になった、という経緯だそうです。

なんと8月23日から始まって全14回。日曜、月曜日に各エピソード用になんとなーく準備したトピックとネタがどこまでセーフでどこまでアウトか実際読み上げてみて探りましょーかね、というゆるゆるな感じです。

今回は1回目、2回目用に準備をしているネタから、と結構ネタ構成も含めて細かく教えてくれまして。どんなネタなのかは、今年起きたことを思い出せば、概ね把握できるかと思います(笑 初回時は24ページも準備してたそうで(笑 

ライブ前にお茶目なインスタの写真が上がってました。

今回ぼやこうと思ったのは、フランキーのコメディが存在できるのは、彼の笑いは史上最高にダークなオーディオ・アートであるから、というのと同時に、それを理解&賞賛するオーディエンスが一定量いて彼らによってバリアが作られているからだよね、ということです。

実は、フランキーも、かなりの修羅場を潜って今の位置にいます。

一朝一夕で構築されているバリアではないです。

フランキーは、テレビだと8out of 10 Catsでジミー・カーの座付き作家みたいな感じでグイグイ伸びてって、Mock the Weekとかよく出るようになって、2010年にChannel4で「Tramadol Nights」という番組を持ってたんですが、当時の彼の笑いの認知度とテレビ視聴者が全くマッチングしておらず、かなり問題になっていた上に、レイプ・ジョークが引き金となっていいしばらくテレビ出禁になっちゃったことがあります。ネタ自体は、ジョークをしっかり読めればギリギリセーフなのです。ただ言葉だけに反応しちゃう人が多すぎた。もっと悪いのが、このフランキーのレイプ・ジョークの微妙なラインを全く読めずに、そこらへんの新人がごっそり超アウトなレイプジョークを言い出すようになっちゃった。おかげでフランキーのネタ自体を聞いてないのにその低レベルなやつと一派一絡げにするレビュアーとかコラムニストもいました。無駄に発言力あるのでマジ、いい迷惑(苛)

でもスコットランドと世界に散らばるこの手のコメディ好きの間では彼は絶大な人気でした。コンテンツを読める人たちは彼をサポートしていたし、疑念を抱く人たちの間でも彼の話をきく耳はあったし、彼の声を理解力のある人々に聞かせる場もあった。( 例:https://www.youtube.com/watch?v=1zMU6-zuKj8&t=59s。)

締め出された後、フランキーは自伝以外で本を出版し始め(メジャー媒体には頼らねー的なノリ)、それが爆売れし、ライブは即完売。そんなこんなするうちにそのうち段々と丸くなってきた彼も(→めっちゃ!正義感の強い社会派です)自分の発言力とテレビの普及力を上手に利用した方がいいんでないか、と思うようになったんじゃないのかなぁ(→ここは憶測)3-4年くらい前からBBC3などを中心にフランキー色は出てるけどそこまでフルギアじゃないほんわか系の番組がぽろっと顔を出すようになり→その後徐々に活動を広げてきて、最近ようやく半年くらいに1回は何かしらのシリーズを見れてる感じかも。

上記は、正しく理解できない人たちが多ければ、フランキーのレベルですらも潰されかかるほどの力になってしまう事例です。

例えば、レイプとかわいせつ被害のジョークを発した場合、「被害者の気持ちを考えろ。そんなネタのジョークなんてもってのほか」でコンテンツ(語り手は誰か、笑の対象は誰・何か、も含む)が見えず全否定し、そのジョークの発言者をショービジネス界追放しちまえ、くらいな勢いで攻撃する。実は笑いのターゲットはレイプやわいせつ行為ではなかったり、その種類も軽視するものでもなかったりしても、です。こうした犯罪をおちょくることで高度な社会派風刺ジョークになっていることもあるのに。

日本のお笑いの場合、政治はおろか時事を扱う笑いが異常に少ないし、そんなにお笑いシーンを追いかけてるわけでないし…なので、もやもやすることはない一方、たまに、自分のレーダー範囲で、当たり障りのない高クオリティ・ジョークに過剰反応する人たちがいる場面に遭遇し(大抵ついったー)、ポリコレ攻撃はやめて欲しい…と思うことがあります。

ポリコレは大事です。みんな意識すべきだし、クソなジョークは減らすべきです。ただ、ポリコレ意識の高い環境でプロとして仕事をいくつもこなす笑いのクリエイターさんなら十中八九は、自分の言動がわかった上で、ある程度どこまでできるかを見極めながら一本筋を通してジョークを発している。日本のお笑いシーンもここは同じなんじゃないかと思います。だから、プロへの信頼とリスペクトは持ち、さらに、ジョークが面白いか面白くないかは別に、

    語り手は誰か(キャラ、パーソナ、素の本人など)

    どんな環境で

    どんなオーディエンスに向けて

    どんな文脈上で

    誰・何を対象ターゲットにしているか

が読めてから異議をとなえるべきかどうか判断して欲しいと思います…。じゃないと、クソなジョークと一緒に素晴らしいジョークも潰れてしまいます。ジョークはメタで成り立っているようなのものですから、笑えるか笑えないかは異義を唱える武器にはならないです。一方、筋が通っていれば、どんな攻撃があっても制作者側は屈する必要はないと思います。筋の通った面白いものは続けていって欲しいし圧力に負けてやめないで欲しいです。

フランキーの話に戻りますが、彼はツイッターは最近の機能をフル活用して、自分がフォローしている人しかリプライできない設定にしてジョークを飛ばしています。最近はこんなのかな。 "Identity politics" is a useful phrase to use when you mean "politics" but also want people to know you're probably a cunt

Work In Progressできいたものに比べたら全然…ですが、Cワード使うだけで攻撃されてた時代もありました… (あのね、Cワードってスコットランドの超庶民の間だとものすごい!ラフな言い方でのmate みたいな感じです…)

下記はつい最近BBCで放送された最近のUKツアーのライブセットです。フランキーの「〇〇 is like...」から続くジョークは、時事トピックを隠喩の連続で最悪の地獄シナリオで表現し、客はその見せられた震撼の地獄のどん底絵図に笑ってる場合じゃないんだけどその表現がおかしくて涙流して笑う、という暗黒の美の世界。


あ、ちなみにTramadol Nightsはまだ見れないし、その当時のスタンダップもメジャー有料配信サイトではオクラ行きにされちゃってる。けど! きになる人は、いわゆる見ちゃいけないサイトで見れます。

あと、下記がフランキーのWork in Progressが見れるチケットサイト、Always Be Comedy。

他にもラインアップがかなり強いのでおすすめです。

https://www.alwaysbecomedy.com




2020年8月14日金曜日

みんなの真似してレトロスペクティヴ企画(3)オレの!オレのオレの!!エディンバラ・フリンジ2014編ー2019年編

 続きます。

2010年とそれまでのお話

2011年−2013年の傾向的なお話

2014年

はっきり行って、2014年はとても(コメディ的に)フリンジの歴史としても重要だったと思います。

なぜなら明らかに(コメディ的に)フリー・フリンジのブーム到来がきたからです。

フリンジコメディの三大ハコになるPleasance, Gilded Balloon, Underbellyが市場を独占し、ハコ代が高くなる一方に。(注:The Stand Comedyは地元の芸人さんかStewart Leeとほぼほぼ仲間たちの閉鎖的なコミュニティなのでその枠の外にいる芸人さんには不可能のチョイス)演者は赤字覚悟で挑むものの、チケット代を値上げしていくしかない状況に。

それって違うじゃん、そもそも「フリンジ」の理念と反してねーか?

ってことで5ポンドコメディが始まり、フリー・フリンジへ流れていく。結果的にフリーフリンジのショーがコメディアワードをとったりノミネートをされるということも象徴的ではないでしょうか。下記あたりの記事が一番ちゃんと書いてるかな?受賞者のJohn Kearnも(見るのがどんだけ大変だったかも含めて)感想を書いています。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2014/08/edinburgh-fringe-2014-free-fringefree.html

個人的には2014年にLiam Williamsくんのスタンダップ(フリーフリンジ)で近年稀に見る大当たり新人を見て、ものすごい!!!お祭り騒ぎだったのに、2年以内にリアム君がスタンダップを引退。人生初の、自分のお祭りが終わる前に演者が引退という経験をしました・・・

2015年

フリー・フリンジがピークを迎えます。とにかく素晴らしい新鋭はこぞってフリーフリンジで見ることができた。オレはどこかの時点で「もうPleasanceの時代は終わった!」とか言ってたと思います。(→結果全然そんなことない状態になる)

その最たる例がリチャード・ガッドさんのWaiting for Gaddotだと思います!!

http://www.gojohnnygogogo2.com/2015/08/edinburgh-fringe-2015-waiting-for-gaddat.html

これも、見れたことは生涯の自慢になると思います。

死ぬ前までに見れたことで生涯の自慢になるフリンジショーリストを作ろうと思います・・・ (そんなに長くないんですよ)

2016年

ダイバーシティを気にしすぎての過剰にスポットが当たるLGBTコメディが飽和気味になり、

「いいことだけどさ!それを理由だけに注目度が高くなるのってどうなのよ」って思っていた矢先のFIN TAYLORさん(のショー)との出会いがあった年です。(ちなみにこれもフリー・フリンジだった・・・)あまりにショックが強すぎて感想をかけてない・・・。なので2017年のを貼り付けときます

http://www.gojohnnygogogo2.com/2017/08/edinburgh-fringe-2017-fin-taylor-lefty.html

もう一つは、ついにコメディ・シーンでもComedy is Therapyが定着する年です。それを確立させたのが他でもないリチャード・ガッドさんのMonkey See Monkey Doである、と!!

http://www.gojohnnygogogo2.com/2016/08/edinburgh-fringe-2016richard-gaddmonkey.html

2015年と同じハコで上演されたため、フリーフリンジの力はあるように見える一方、やっぱりビジネスモデルと運営側のたちの悪さが原因で、次第に(結局はエリートでインテリの)芸人さんたちは3大ハコのどれかに出戻りをしていきます。

個人的には2016年にようやくエイカスター・デビューを果たして、ドンハマりします。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2016/08/edinburgh-fringe-2016james-acaster.html

この時のオレは2011年の自分を呪うべきと思いますが、あんなこと思っておいて一切おぼえてないんで、しょうがないです。

あ、あとこの年くらいからオーストラリアのインディーズ・コメディがソワソワしてる感じですね。ノミネートされてる数が多いです。オーストラリアは昔から随時注目しているのですが、このあたりくらいからインディーズやばいインディーズ! のアラートは出てたんですねー

2017年

特にないんだけど・・・

あ、20年ぶりの奇跡が起きて、ロマンスがテーマで白人イングランド人が大当たりして、アワード受賞しちゃった、ってこと?

いろんな意味でハナ・ギャッツビーとダブル受賞になったんですが、ハナ・ギャッツビーだけにどうしてならなかったのか、というのは(票が割れたということ以外に)、色々考えちゃいますね。

個人的にはこの年についにトニーさんに固定客と認知されて、ウキウキするってやつですね。あとこのトニーさんの特別企画が素晴らしすぎて、フリンジならではのやめられない体験としてリンクを貼りたいと思います。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2017/08/edinburgh-fringe-2017-tony-law.html


2018年

加速するセラピー・コメディとダイバーシティ・コメディですかねー。

ビジネスの角度から離すと、結果的に5ポンドコメディで落ち着いた感があるかなぁ。

個人的にはSam Campbellくん(のショー)との出会いをきっかけに完全にオーストラリアのインディーズ・コメディにドンハマりした年です。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/08/edinburgh-fringe-2018-barry-awardsoho.html


2019年

 去年だから思い出も何もないかなぁーーーー。

あえていうと、数年前に見た超若手の子達が、いい感じで熟成していい感じのショーが収穫できた、というのはありますですかね。例はこちら

http://www.gojohnnygogogo2.com/2019/08/edinburgh-fringe-2019-choice-award-joz.html

あとは、特に・・・いいものをたくさん見れてよかったなぁ、という感じでした…

2020年を

それはそれは楽しみにしていたのに!

以上です。


2020年8月13日木曜日

みんなの真似したレトロスペクティヴ企画(2)オレのオレのオレの!!エディンバラ・フリンジ2011編ー2013年編

 2010年とコメディのブログを書き始めた経緯は、こちら

エディンバラに本格本腰入れて定住したのが2011年からなのですが、今までは10日しかいないから毎日1日5本見る!とかやってたのが、1日1本、見ない日もあるよーってなっただけの変化なので、見てる量はあんまり変わんないかもです。

ただ、昔は限りある時間の中であらゆる情報を元に目利きと勘で(話題になるショーや芸人さんを)あてて行くしか道がなかったので、惜しくも外したやつを翌年見る、というbacklogができていたことは否めないかなー。

では以下、極めて独断と偏見によるフリンジ・ハイライト(コメディ)です。

2011年

完全に賞レースとは関係ないのですが、当時ロンドンでのみ行われていた定期イベント「Maxwell Fullmooners」がフリンジでも行われることになり、狂喜して行ったことがとても良い思い出ですAndrew Maxwell兄さんがテレビで出入り禁止系の芸人さんたちばっかり寄り集めて2時間くらい延々むちゃくちゃやるイベントについて、My Spaceで知って以来、ずーーーーーーーーっと!見たくて見たくてしょうがなかったんですね。

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-category-21.html#entry237

それからこのくらいからフリー・フリンジがポロポロっと当たりを出してくるようになります。大量生産のピークを迎えるまでにはまだ数年かかりますが。

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-category-21.html#entry243

↑フリー・フリンジの説明も一応しているじゃないか。昔は本当に丁寧に感想記事をアップしていたなぁ…。

あとはこの辺りで、いい加減若手が

Stewart Leeに、オレは、なる!

という野望が無理なんだと悟り始める時期かなー。つまりまだうじゃうじゃいる

それもあってか、うだつが上がらず、アワードのノミネートもベテランばっかりで、なんのためのアワードだよ?っていう年だったですね。ちなみにご本家のThe Stand でのライブで奥さんのショーのフライヤーを一生懸命配っている姿をレポートしたのが以下になります。

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-238.html


2012年

このあたりくらいから、いくつかの特徴が出てきます。

1)今までは(テレビと一緒で)ゴールデン枠の夜7−9時代に上演されるショーが注目を集める傾向にあった中、お昼休みはウキウキウォッチの12時に上演されるショーが注目され賞レースの本命馬になる傾向に。この背景は、小さいお子様たちがいるんで、夜な夜な仕事したくねー。昼ならナーサリーとかどっかに預けやすいしさ(夫婦の場合は交代制)っていう芸人さんが多くなってきたから、というか、

そういう都合とそういう融通が通せるような実力と人気をもつ芸人さんとその仲間たちがやり始めたので、レールが敷かれた、とった方が正解かもしれませんが。

2)フェミニズムが流行します。テーマがフェミニズム。男子がフェミニズムをディスるんじゃないですよ。フェミニズムの到来により今まで女子にあたりの弱かったスポットライトが当てられ、高評価をえるブームがやってきます。

ちなみに、この段階があってこその、Fleabag上演成功だとオレは思っている。

3)オレにとっても個人的には大当たり年。定住効果が発揮し、以下の人たちを発掘できました。

マルセル・ルコント

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-411.html

トニーさんとの運命の出会い?を果たしたショー。

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-416.html

今も忘れられないほど大好きなMaximum Nonsense。なのに本人は当時アル中だったので全くこのショーが記憶にない・・・全てにおいて完璧すぎるんですよ、このショーは!

その他、アワードのノミネートもこんな感じでレポートしてます。
2012年からエイカスターくんがノミネートを毎年されていくというコントをやり出すんですが、オレの(見てもいない)エイカスター評がひどすぎて、自分で書いたのに声に出して笑っちゃいました。ぜひともオレはナイスな人間でないことをここでみんなと一緒に確認したいと思います。

その他、特記しておきたい2012年のエディンバラ・フリンジらしい体験はこちら

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-407.html

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-414.html


2013年

フェミニズムコメディがかなり確立されてくれたかな、と。男子に負けるとも劣らぬトップ女子芸人が(これでもまだまだ少ない方ですが)ポロポロ生まれたかと。そのうちの一人はもちろんBridget Christieなのですが、あれ?このショー、フリンジでみてなかったっけ?あれ???A Bit for Her絶対に!どこかでみてますが、感想を書いてないので、ネトフリのリンクでもあげとこう。

ちなみにここであげとこう。2014年と2015年の彼女のショーの感想です。オレのせいでご夫婦ネタが延々続いちゃってる(汗)

http://www.gojohnnygogogo2.com/search/label/Bridget%20Christie

そしてついに!戦慄の?驚愕のNick Helm(のショー)との出会いがあったのも2013年。はあー。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2013/08/edinburgh-fringe-2013nick-helmnick-helm.html

上記2人は2013年のコメディ・アワードにノミネート、および前者受賞してますので本当に「ほーらほらほら、オレってすごーーーい!」

って自画自賛して、ツイッターで「I'm a professional audience」って言い出し始める頃ですね。

その他、個人的には

バスデンさんが久しぶりに新作。でも芝居だけ持ってきといてマジかよ本人こねーよ、っていう年で。

その後バスデンさんは二度とエディンバラにこなくなります。

またかわいーかわいーってどんハマりしてたトム・ローゼンタールくんのショーで、Fringe goersの間では絶対御法度のことをしてしまった上に、知らずにトムくんのお父さん(注:お父さん有名人)の前でトムくんかわいーかわいーかわいーから面白くなくても何でもいいーじゃん!って連発して叫んでいたという例の事件がありました。

以上です。

2020年8月12日水曜日

みんなの真似してレトロスペクティヴ企画:オレの、オレの、オレの!エディンバラ・フリンジ【2010年編】

 

なコメディ民がみーーーんなやってるメモリーレーンの真似っこをオレもやります。


【コメディの忘備録としてブログを始めた経緯】

オレのエディンバラ・フリンジ・デビューは1994年からで、

2003年をのぞいて全部参加しているんですが、

いろんな日本の人にオタクがバレて来たころ、「ブログをやれば」と言われていたにも関わらず

「ええ?お金くれなきゃ情報なんか流すわけないじゃん」と、威張りくさってやろうとも思ってなかったんですね。

そうこうするうちに「My Space」「Facebook」「Twitter」が出て来まして。

オレの中で邪な革命が起ります。

今まで直接コンタクトなんて不可能だった夢のヒーローたちに直接話しかけられ、あわよくば!あわよくばですよ! 返事がもらえる!!

SNS初期なので、環境良かったし、相当のオフィシャル機関や相当偉いコメディクリエイターさんたちも、ダイレクトに消費者やファンと交流できるのが楽しいっていう時代です。

そこで、お絵かき感想ブログを始めるんですよ。好きな芸人さんのファンお絵かきを描いては、フリンジで観たショーや番組・映画の感想をアップして送りつけまくりました。

そんなことするファンは当時あんまりいなかったし、特にバリバリの素人アジア人がやるなんてありえない時代だったんで、リスポンス率がめちゃくちゃよくてですね。数日アバターにしてもらったり、公式のサイトで使われたり、同じ趣味同士の友達ポロポロできちゃったり。

ただのやったもん勝ちです。汗)

そんなこんなで、2010 年。どうやって連絡をもらったか全く!おぼえてないんだけど、このお絵かきをみた学生さんが「全部セットアップするから日本語で海外コメディのブログ書き始めましょうよ!」と言ってくださり、「そーかー、オレの記憶をこういう希少な若い子たちに伝えといたほうがいいのかも・・・」と親切に乗っかり始めたのがGo Johnnyになります。

以下は、Go Johnnyを始めてからの、特にオレの思い出に残るショーの感想たちです。

オレもちょっと思い出に浸っちゃおー。

2010年

この年に観た衝撃のショーといえばダントツでコレ一本ですね。

Bo Burnham Words,Words, Words

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-23.html

開設初期はたくさんの人に読んでもらいたいという野望を持っていたので、感想の書き方も、全く知らない人へ興味を持ってもらえる努力を最大限にしていました。無理やり感溢れるタイトル付の努力が泣かせます。

本当に、すごかったんです。記事内でもこれをナマで観た、というのが生涯の自慢になるだろうと書いてますが、10年経っても気持ちが変わらないですね。

そして下記がエディンバラのフリンジならではのボー目撃体験。ベスト例といってもいいんではないでしょうか?

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-24.html

あ、このボー君祭り記事がBBCコメディで「日本語でやってるフリンジ・コメディのブログ」って紹介されたせいでも、オレの生涯の思い出になってるのかもしれない・・・

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-44.html

他にですね。この頃はバリバリ!バスデンさんがらみの人たちがエディンバラに来ていたので、そこに盛り上がっている記事がポロポロあります。

Jonny Sweetくんの紹介とフリンジのショーのお話

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-21.html

バスデンさんの紹介とフリンジショーのお話(2009年上演のPartyの話もちらり)

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-3.html

あ、そうだ、「イケメンの英国芸人」と言ったら布教できるかも、と思ってショーの感想よりは芸人さんの紹介を頑張ってやってたんだった・・・全然ダメで(→多分オレの趣味のせい?って言われたことはちょっとある・・・)すっかり布教は諦めて今に至ります。

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-category-1.html#entry5

こんな感じかなー。10年前とは思えないなー!

2010年は記事の整理ができてないせいもあって、長文になってしまいましたが、2011年以降はサクサクいけるかと思います。

2020年8月9日日曜日

超!今更ながら😳視聴始めました&めちゃくちゃオススメです。Peep Show作者Jesse ArmstrongとAdam McKayアダム・マッケイ監督のコラボがヤバいSuccession(邦題:キング・オブ・メディア)

いや、ずーーーーーーっと!観たかったんですよ。

Peep Show *(とFresh Meat)の共同クリエイター&執筆者でありますSam Bain先生がツイートしてたし、このあたりの関係者がみんなみんな米初放送時に騒いでいたので。(Simon Blackwell 先生から流れてイアヌーチ先生とかなのでThe Thick of It 関連の人たちも)

なんですが、アメリカのオンエア時期とずれちゃってたのと、UKのオンエア時(Sky TV またはNow TV)が魔の8月だったせいで(→仕事とフリンジ鑑賞でテレビどころの騒ぎではないスーパーアドレナリン大放出月。注:今年で終止符を打ちました)視聴可能になっている事を全く知らなくて。ある一定の時期を超えたら視聴できなくなるので、気がついた時には、アマゾンプライムで追加料金さえ払えば見れるよ、というエグい状況だったため、見ていなかったのです。

S2もオンエア時期が同時期だったので、全く同じ事を繰り返します…。

そんな中、先日友人から「Succession観た?! ヤバイよヤバイ!!」と連絡が入りまして。

「え、それってジェシー・アームストロングのでしょ? 観たかったんだ!」

「誰それ?」

「知ってるでしょ? Peep Show 書いた人。コメディでしょ?」

「はああ?!あれはホラーだよ!」

「ええええ?!」

「別のものと勘違いしてるんじゃないの?」

「いや、あれでしょ?メディア帝王のファミリーサガみたいなやつでしょ?」

「そうだよ」

「ホラーなの?!」

「もう超!ホラー。戦慄。ブライアン・コックス出てる」

「誰それ?」

「ブライアン・コックス知らないの?! 知らないわけないでしょ?! スコッツ俳優なんだから!観たらわかるって」

「そ、そうなんだ…」

…というわけで、

1)ジェシー・アームストロングが書いているのにコメディではなく、ホラー

2)作品を誰が書いているか誰が監督してるかっていうのは、オレの友達レベルでもどーでもいいというか知られていない。

という情報をインプットして、視聴を開始しました。

もうS1の3話目くらいまではみなさん視聴しちゃってるものと考えて、歯に衣着せぬネタバレをして感想を書いちゃうので、ご容赦を。(だって古いし、いいよねぇ?)

【メディア帝国のファミリーサガと聞いた時点で】

確かあまり良い評価を得てなかった映画なのですが、自分的にはなるほどなと、思ったイーサン・ホーク主演の「ハムレット」を連想しちゃっていて。

そのせいで、シェイクスピア劇のマッシュアップ的な期待をしてしまっていましたが、方向性的には大当たりで、ドロドロです。んで実際、そういう記事がたくさん出てたんで、みんな同じこと思ってみてるのか、と(笑。リア王リア王叫んでる人多いけど、オレはやっぱりマッシュアップだと思う・・・

参考までにReddit 

https://www.reddit.com/r/shakespeare/comments/8hpi76/hbo_succession_am_i_right_to_get_some_king_lear/ 


【本当にホラーだったのか?】

... ある意味、ホラーですね、これ。オレの友達はみんな頭のいいやつばっかりなので、彼女がこれをホラーと表現したのは、確かに、と思います。だって、例えば、父ちゃんがぶっ倒れ、すったもんだのウンコ・ショーの上になんとかCEOになれる合意を得られた息子ロイは、いざ発表っていう前に、ぶっ倒れ中のとーちゃんがずっーと隠し持ってた目の玉飛び出る借金額(3億ドル?)がある事をしらされ、しかもその借金ができたまんまになってたのも、とーちゃんの信頼が厚かったからという。おまけに会社の株はなんだかんだ言ってとーちゃんのおかげで株価が安定してたので、父ちゃんが倒れたら大暴落で、金の貸付側は自分らの提示する株価の最低ラインよりも下がったら全額速攻で返してもらうと、頑として譲らない、みたいな。この部分だけでいうと、金融界バージョンの映画「スピード」みてるかと思いました。こんな金融アクション・スリラーってあるんだ、と。


【と思いきや、そうだ、監督がアダム・マッケイだった】

なんですよね。金融業界、奈落の底が見えないところまで登場人物たちを突き落とすのを描いたら天下一品のアダム・マッケイですよ。ジェシー・アームストロングの脚本とこんなに上手にシンクロするとは。呼吸の相方というか、なんの違和感もなく、今までの活躍の畑を見てると違いそうな二つの才能が一つに融合してるところにえらい感動です。キーワードはやはりシェイクスピアなのだろうか・・・

【ただ、やっぱこれ・・・】

超極悪ダークコメディですよね、これ(笑 

笑いが止まらなくなっちゃってるんですけど。完全に笑いをとるキャラってのが何人か冒頭から確立されていて、そこの期待を裏切らない言動がたまらないですね。あと、Kieran Culkin(日本語表記が???)の演ずるローマンが素晴らしいです。父さんの80歳のお誕生日にやった家族(恒例っぽい)ベースボール大会で、(多分)グリーンキーパーみたいんな家族の子供にバットを渡し、ホームラン打ったら100万ドルあげるって目の前でチェック切って、子供が4塁打打てないで終わると、目の前でその小切手楽しそうにズダズダに切り裂くんですよね。

最高。

あと、とーさん倒れて会社の役職についたとき、高層ビルの上階にあるガラス張りのオフィスで窓に向かってオナニーして、その後、ちまちまティッシュで窓拭いたり。

えーもう、最高すぎる。

コメディってこういう事いいますよね。

というわけで、ぜひ未見の方は、みてみてください。


日本ではアマゾンプライムで追加料金払わなくても見れるって確か前にケンくんが言ってたと思う。

あ、あった。うわ。キング・オブ・メディアって邦題なんですね?!(ブログ・タイトル変えなきゃ 汗)

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B31-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88/dp/B07NQNXR9L

*Peep Showについてはさらなる日本語の情報を、というかたはこのあたりくらいから適度拾っていただけたらと思います