Jordan Brookes: Snakes for Cats to Watch (Work in Progress)
https://tickets.edfringe.com/whats-on/jordan-brookes-snakes-for-cats-to-watch-work-in-progress
ジョーダン・ブルックスさんについては、絶対見ないといけない、と今まで数々褒め倒しています。
2022年のショー
http://www.gojohnnygogogo2.com/2022/08/edinburgh-fringe-2022-2022-2019jordan.html
2019年(アワード受賞作)のショー
http://www.gojohnnygogogo2.com/2019/08/edinburgh-fringe-2019-jordan-brookes.html
2018年のショー
http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/08/edinburgh-fringe-2018-must-seejordan.html
毎回空間スペースの使い方、特にショーに2、3層にレイヤーを持たせ、レイヤー間をシームレスに出たり入ったり行き来するスキルの高さが尋常ではなく、この超ハイレベルを保ち続けるだけで、この芸人さんの色になってしまっているかと思います。
今回は、完全に終わった絶望の世界に対する彼なりの思想というかレジリエンスの持ち方、といったところでしょうか。30代後半、センシティブ白人男性世代の(ギリ、ミレニアムに入るのか)“ねえねえ、公式じゃないけど、どー考えても今アポカリプス真っ盛りだよねぇ。終わっちゃってるよね” という中で、どう過ごすか。生き抜くための模索ではなく、むしろ、生き抜きたいというエネルギーもモチベもない中で、なんだかまだ生きてるんだけど、どうしたらいいの。てか、間違えて生き抜いちゃったらその先に何があるの。もし周囲がみんな死んじゃってて、自分だけ生き抜いちゃったらヤバいやつじゃね?
…という話が、2つのレイヤージョーダンさん個人の体験と時事をもとにした雑感というレイヤーと、映画「タイタニック」を自作アダプテーションしたミュージカル版を上演するというレイヤーの間を行ったり来たりしながら、進行していくんですよ。
タイタニックのミュージカルは披露するけれども、自分はバックグラウンドに登場する端役だから、自分の出番がない時に、ダラダラと駄弁ってる、という設定。彼の話し相手として観客がいるので、すごい唐突に(しかも頻繁に)リアルに壁を乗り越えてきますし、客も越えようとする。あれで、ショーが邪魔されず進行できてるのもすごい。
タイタニック自体の話は誰も知らん人いない。だからいきなり彼に「出番」がきてミュージカル・レイヤーに入っても客は別レイヤーに置きざりにならないんですよ。みんな一緒に移動できちゃうんです。
これでWiPと言われても・・・という完成度です。ちょっとTim Keyみたいな感じかな。オーディエンスとのインタラクションが避けられないので、インタラクションのデータ採集が大量に必要なのかも。
ネタを全部覚えてなくて、後半戦は特に破れかかったネタメモ紙をポッケから取り出して、いちいち確認するんですが、それも考えようによっては演者ジョーダン・ブルックスのレイヤーとして捉えることが全然可能。そのレイヤーにいるときも、笑いを作り出し続けているからです。
SOHO THEATREでプロパーに公演始めるって言ってました。ぜひ見てみてください。ぜひ。
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