イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2020年4月26日日曜日

(バスデンさんが義弟役で超!好演で有名な)リッキー・ジャーヴェイスのNetflixシリーズ、アフター・ライフ(After Life) シーズン2観ましたよ、の感想レポートです *もしかしたら、ネタバレかも… 

こんばんは。
今回は、一番よく読んでもらっているリッキー・ジャーヴェイス関連記事になります。
Netflix配信のAfter Life のシーズン2が配信になりました。



オレのリッキー・ジャーヴェイス作品の感想はかなり複雑なので、もし!可能なら&さらにつっこみたい方は、シーズン1の感想 http://www.gojohnnygogogo2.com/2019/03/tvafter-life.html も合わせて読んでいただけたら、嬉しいです。

【そういえば!超備考】今年2020年のゴールデングローブ賞のスピーチ、秀逸でしたね。多くの方々からも絶賛されていました。なぜ?! おまえ、眉毛をコイル巻きにして観ていたんじゃなかったのか いえいえ、違うんです。これは、2011年の1回目から着々と積み重ねてきての5回目なのです。つまり「ゴールデン・グローブ」での「リッキー・ジャーヴェイス」の「スピーチ」がシリーズ・コントのようなお膳立てがすっかり設定されている。リッキーは「リッキー・ジャーヴェイス」が喋るだろうことを遊びたい放題喋ることができるのです。というわけで、とても頭の良いスピーチだった、と本当に思いました。

【シーズン2のお話は】

奥さんを亡くし、人生投げやり、世界も自分もどーなっても知ったことじゃない、だから、他の人もどうなったって知るもんか、人を傷つけたって迷惑をかけることになったって関係ない…と思っていたトニーが、次第におまえだけが辛いんじゃねーんだよ、みんながそれぞれいろんなことで辛いんだ。互いに「思いやり」で猛烈辛く苦しい世の中をなんとか生き抜いていくもんなんだよ…と悟っていく様を中心に描いていたシーズン1。シーズン2は、人の気持ちにお構いなく毒を口から出さなくなったトニーが、

以下から、もしかしたらネタバレかも?!(ストーリーは細々説明しないのですが)気をつけてください。
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シーズン1とほぼ同じパターンで1日を過ごしています。彼の周囲の人々や彼を取り巻く環境は様々な変化が起きる一方、彼だけはまるで変わらない。変わろうとしない。相変わらずオープニングとエンディングでは亡くなった奥さんの生前のビデオを観てワンコをそばに置いてさめざめ泣くんです。変化が起きて対応しなければいけない人や、新たな何かが起きた人と関わるときも、(奥さんを失っての)虚しさとその奥さんとの過去から離れたくないゆえの変化への拒絶が描かれていきます。
つまりですね、シーズン1と変わらないんですよ… 1話目はリキャップみたいなもんもあるんで抵抗なかったんですが、2話目も全く同じパターンで変化が何にもないわ、トニーが事あるごとにメソメソするわで、ちょっとこれGroundhog Dayじゃないんだからさー(汗)第3話以降もこのままなの?ここで文句はまだ早いよねぇ…と不安にかられながらクリック視聴を始めてほどなく、A-Ha. ですわ。

オレらがこう思うことを全て計算済みのプロット展開だったんです。証拠にトニー自身がGroundhog Dayっていうんですよ。
ていうか、このシーズン2のテーマがGroundhog Dayだったんです。第3ー4話以降からトニーはGroundhog Day を守れるのか、守りたいのか、それとも抜け出して次へいきたいのか。トニーのそんな心情を中心に、おなじみの登場人物たちの人間模様とともに繊細に描く・・・heart wobblingコメディです。


以下は箇条書きで今回の見どころ的なところを極めて独断と偏見でよりぬきました。シーズン1でお話ししたこともご参考にしてください。

1. (アシュリー・ジェンセンはいちおスコティッシュだけど)超豪華イングリッシュコメディ陣が勢揃い。
イングランドでは(コメディ好きの間では)知られている才能あるタレントをピックアップし国際的なスポットライトを当てるという意味で、このシリーズは大変重要な意味を持っていると思います。シーズン1の感想であまり触れてなかった(またはバスデン情報に紛れ込んでいるか、のどちらか)かもしれないので、ここであらためて書き出したいと思います。あ、バスデンさんは割愛します。(→してないけど)
Tony Way ---- 多すぎるんですけど、最近は、義理恥に出てましたね(汗)
Diane Morgan--- Philomena Cunk のキャラで Charlie BrookerのWeekly Wipeに出ててめちゃくちゃ人気になったのちに冠番組でCunk on シリーズをやってる
Kerry Goldiman--- 最近Taskmasterで知名度がグーンと上がったかも
Paul Kaye--- キャリア多すぎるんですけど(役者としてめちゃくちゃ出てるんで)あ、マチルダの感想で書いてたのを見つけた!http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-368.html
Roisin ConatyMan Downで一躍有名になったのではないかしら…
Joe Wilkinson-8 out of 10 catsとかね。Him & Herでやってたキャラでよく出ますね。
David Earl (Brian Gittins)  デレクでね、出てますからね。
Penelope Wilton 日本だとね、ショーン・オブ・ザ・デッドのショーンのお母さんなので一発であ!と思われるのではないでしょうか
David Bradley ハリーポッターシリーズでね。有名になっちゃってますけどね

あとS2でColin Houltが追加投入され、その経緯もどうもいきなりリッキーから電話がかかってきて、ウソだろ、友達のプランクコールだ、って思ったっていう(本人ツイート談)よかったよねー(涙)
リッキーの一本釣りスタイルは前にDeadly Siriusでも話した気がします

すごく!意地の悪い言い方をすると、これだけイングランドのコメディ陣営を作るので、小さく、友達の友達は皆友達のように何かしらで繋がり支え合っているイングランドコメディ界は、応援に回ります。口は災いの元ですからね。オレのツイッタTLで重箱の隅つつき隊はこのシリーズに対するコメントのなさ加減といったらないですよ。そんないぢの悪い解釈は置いておいても、実際、このS2, とても上手に作られていると思いますので、絶賛までは行かずとも、の沈黙なのだと思います。

2. トニーが元々の(リッキーの)パーソナが伺える言動をする時が圧倒的に少ないので、たまに出ると、はは!と笑ってしまう

奥さんにちょっかい出すとか、いぢるとかするとき、ちょっと相手が困るような言動をするときとか、頻度とレベルが、非常に少なく低いので、ハートウォーミング(笑 な気分で笑っちゃうんですね。全て計算づくでしょう。(しつこいようですがリッキーはめちゃくちゃ頭が冴える人なんです)

3. 第5話でのDavid EarlのキャラBrian Gittinsシーンがあまりに典型的な(リッキー・ジャーヴェイス・ショー時の)リッキーらしいジョークでメタ&バンターだったので、説明補足を・・・
Brian Gittinsってこのシリーズでリッキーが作った登場人物じゃなくて元々あるDavid Earlのキャラなんですよ。かなり長ーーーーーーーーいことやってる(た?)んですが、オレはちょっとパスな種類の笑いなので60分のショーは見たことないんだけど、実はマジで一回第5話で披露してるネタスタイルで進行したショーが、酷評の嵐すぎた上にChortleのBennettさんに痛烈な苦言(ベネットさんは力のある芸人さんには寄り添って評を書くので、ある程度の信頼を得ている、といっても間違いではないかな?)を書かれて、もう二度とやらねー宣言をしたんですよ。なので、そこがわかってると、このシーンを、バンターでメタなリッキーらしい”イヂリ”ジョークと見て取ることができちゃうんですね。

4. 第6話で8歳の女の子にカミングアウトした60近いお父さんを取材するシーンでみるリッキーのトランスジェンダー観

これもね、 「Caitlin Jennerほど変わってないけど、色々変わった」って言ったことで問題に発展しちゃったゴールデングローブ賞(笑)スピーチとか、2018年で行ったショー、Humanity ツアー(→Netflixでまだ見れまーす)でこの件さらに引っ張ってネタやる(笑)、とか、その後もトランスフォビックなツイートしたとか叩かれたり**。その経緯とこのシーンはかなりリンクしてると思います。
この8歳の女の子にカミングアウトしたお父さんをトニーはトランス問題じゃなくてブレイクダウンだろ、と。そしてレニーが今のLGBTの状況を徒然に語り、「昔はこうだったこと今は消えちゃったし、もう週末(スタグナイトで)男子が女装をしてみんなで笑う、みたいなこと、しないよねぇ?」みたいなこと言ったら、ぴしゃりと「そんなことで笑うもんじゃないし、昔から笑うもんじゃなかったんだ」って言うんですよ。
この真っ当なジェンダー観が見えるやり取りは、裏にジョークはジョークなんだ、文脈読み取って区別しろよ、というメッセージが込められている気がしています。とはいえ、この渦中のジョークについてはかなり「表現の自由」に絡んでしまう問題ではあるので、大変気をつけなければいけない。コロナが終わった後にでもまとめてアップしたいと思ってます。

**ジョークと理解されてないことは論外として(笑 文脈をきちんと吟味して読むと、槍玉にあげられたジョークは、微妙すぎるラインを行くけど、明らかなアウトではないんじゃないの、というものでした。

5. S2のお笑いハイライトといえばPaul Kayeとバスデンさんのシーンだよ

S1でも登場してた心理分析医がS2では別居中で精神的に悩むマット(バスデンさん)を担当。そのセッション中の数分のやり取りが、スケッチコメディのシリーズ物みたいに笑えるんですよ。まるでTim KeyとBasdenさんのコンビ芸を彷彿とさせるような秀逸さなので、S2を完食したらぜひ、このシーンだけピックアップしてみてください。以下がそのタイムコードです(え?)
第1話 17:00
第2話 14:20
第3話 8:58
第4話 2:00
第5話 5:20
第6話 2:30


とりあえず、言いたいことは書いたかなぁ。と思います。思いついたら追記してるかもしれないです。第6話結構ボロっときそうになります。アシュリー・ジェンセンのせいです。The Extras視聴者の気持ちをわかってくれたエンディングでした!

追記:個人的にはこれで終わり。あってもこの後スペシャル1本か、どんなに頑張ってもS3で終わるのが一番いいと思います。先が見えないもん。これだけの才能のアッセンブルなので、リッキー独裁政治じゃなくて、各自キャラクターでインプロさせるイアヌーチ・スタイルにしたら広がると思うんだけどなー。


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