2022年のエディンバラ・フリンジの開催は8月05日からなのですが、プレビュー期間が3、4日にあるのが通常です。だいたいこのプレビュー2日間および開催スタートの週明け月曜、火曜に設けられている2for1デー並みに活用するのですが、今年は、このプレビューのプレビューをやっている人たちがいまして。主にJohn-Luke RobertsとMonkey Barrelな仲間たちですけど。
My Edinburgh show starts tomorrow, which is TWO DAYS earlier than it should. I encourage you to come in those first two days, in order to beat the system. https://t.co/zNMaoZWRCR
— John-Luke Roberts (@jlukeroberts) July 31, 2022
なので見れるものはみとこうと、行ってきました。選択肢が3000じゃなくて30とかなので、選ぶのがラクです。
一発目はベルファスト出身&現在ロンドン拠点の芸人さんVittorio Angelone: Translations
https://tickets.edfringe.com/whats-on/vittorio-angelone-translations
今まで観たことないのだけど、実際、フリンジ歴は浅いっぽい。今年初めて、と言ってた気がするのだが、CV見たら2019年にもエディンバラに来てたみたいです。選んだ理由はベルファストの芸人さんで、名前がアイリッシュでもイングリッシュでもないから、というなんとも浅はかな理由*。2年分何もできてないですし、新人カテゴリーではないでしょうか。
内容は・・・
ロンドンでお芝居Translationsを見たよ。この劇のプロットになぞえて、自分バージョンのtranslationsを話して行く、というのがなんともざっくりとした枠組みです。
ちなみにTranslationsは、80年に発表された劇で、激動の19世紀のアイルランドを舞台にCultural Imperialismを中心に描く・・・とはいえ、政治だって宗教だって突っ込まないわけにはいかないじゃないか的な作品という印象ですが、 お芝居を見てません。すみません。シアタークラスタの方、間違ってたらごめんなさい。
感想は・・・
「フリンジで評価高くなって賞レースにピックアップされるようなショーって、重いじゃん?コメディなのに!だいたい60分のうちの40分くらいのところで ‘父さん死んだ’ 的に思いっきり重力かかって来る。オレの父さん死んでないし、コメディ見にきてる、みんなそれぞれ自分の人生一杯一杯なのに、オレの重い話するのはどうよ、って思うわけ」というスタンスで。なので、「アイルランド」「ベルファスト」「ロンドン移住民」「バックグラウンドはイタリアからの移民」っていう結構な強い(重い?w)カードいくつも持ってるのに、重く仕上げてこなかったですね。劇の構成とプロットを使ってる割に、(ちょこちょこ重めのジャブは打って来るんですけど)全体のトーンは重くならなかった。そーゆーのいいなぁ、と思いました。元々持ってるカードが強いし、自分や家族の自己紹介的なエピソードがすでに強いんですよね。アイリッシュのイメージ&リアル話を上手に操って、重さのさじ加減をしてる感じ。
ただ、重くならなくてもいいけど、もっと深くなってもいい気はしました。重くなくても、誰も殺さなくてもw、深くは掘れる。この点で、劇を見ていないせいで、深さが見えずらかったのかも、と思っています。このショー自体、客がTranslationsの芝居を見ていることを想定してないです。むしろ「重くなりたくない」ので、知らないことを希望・期待してネタ作ってると思うんですが、深さについては、芝居を知ってた方が有利なのじゃないかなぁ。と。
プレビューのプレビューしかも初日なので、今後トーンとかネタも変わって来る可能性大なので、後日で行く人がいたら、感想知りたいです。
それにしても、お客さんのいぢりもやりとりもフリンジ2回目でしかも今日初日で、いつもこのショーやってます的なバイブを出してて、新人芸人の基本レベルが上がってる気が・・・ 今後も注目するのがいいかと思いました。
*この芸人さんにするかJohn-Luke Robertsにするかめちゃくちゃ悩んだんだけど、プレビューのプレビューという冒険するにうってつけの日に、John-Luke Robertsという鉄板に行くなんてコンサバなことはやってはいかん。と思ったのですよ…。
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