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2020年10月3日土曜日

目下炎上中のThe Daily Show(Comedy Central) がThe Room Next Doorシリーズを堂々パクリ事件で、パクリの定義について考える

こんにちは。

ワクチンが早くできてほしいいなむらです。

このブログでもおすすめオンラインコメディとして騒いだことがありますマイケル・スパイサーさんのThe Room Next Door シリーズ。インタビューや記者会見中の政治家たちのクリップを利用して、彼らに発言の指示を与えるスピンドクター、という設定で繰り広げる風刺コメディです。

今年春にはJames Cordenショーでレギュラー枠に進出したせいで、アメリカでもオンラインを超えたお茶の間にも浸透するメジャー普及率は高いはずなのですが…

(悪い言い方をするとパクリ問題では前科持ちの)トレバー・ノア率いるThe Daily Showがしれーーーーーっとこの設定をパクっちゃいまして。



この上記ツイートをクリックしていただけるとお分かりかと思いますが、引用ツイートもリプもマイケルさんのパクリ!(しかも本家よりクオリティ悪すぎ!ヘタ!)と猛攻撃です。著名人多し。

オレもひどいなーと思うし、The Daily Show チームは知らないわけないのに、どうしてこうも堂々と、恥ずかしげもなく…と首をかしげてしまう行為なのですが、理解不能だからこその

「どうしてこれが、堂々と発表できてしまうんだろう」

という疑問へ発展し、さらに

「どうやったらこれをplagiarism(盗作)と証明できるんだろう」

と考えちゃいまして。

The Daily Showは「設定」をパクってるけど、実際のネタ自体はパクっているわけではない。たとえば、極論ですが「あるトピックで調査分析してデータやグラフを作ってパワポ使ってプレゼンする」というプレゼン式コメディ。おそらくコーナー枠でこういうの始まったのArmando Iannuci系列のThe Day TodayとかSaturday Night Armsticeとかでしっかりショーみたいに始めて確立しちゃったのがDave Gormanじゃないか(未承認!)と思ってるんですが、パラパラいろんな人がやっちゃってますよね。 これと、今回のマイケル・スパイサーさんの「設定」と、どう区別つけられるのか。

確か、テレビ・デビューする前にアメリカでもスパイサーさんと似たようなことをやってる女子芸人さんがいて、その時はパクリ批判というよりは、米国vs英国みたいな盛り上がりになっていたことも考えると、著作権やパクリで成敗できない非常に歯がゆいフラストレーション溜まっちゃう問題で、関係者のプロ意識とethicsに委ねられてしまう話だよな、と。思いました。

これを書きながら、スチュワート・リーの10年前の自伝本 How I Escaped My Certain Fateを思い出しました。


前にも書いた記憶がメラメラしているのですが、自分のスタンダップのスタイルをパテントできたらどんなにいいか、というくだりがありまして。これができないがゆえに、えらい自分はパクられまくってる、という話を、リッ○ー・ジャー○ェ○スのメジャー大成功と絡めて話してましてね。まあ、この本もどこまでスチュワート・リーのパーソナで書かれてるかわかんないところもあるので、これもパーソナあってのジョークとしても解釈できますが、(そして対象者がよくおっしゃっている「It's just a JOKE」にかかって皮肉さが(10年経っても)衰えないんで、すごい 笑…) 構成とか話の持ってき方とか、設定とか含めた芸人さんのジョークのスタイルって、なかなかどう守ることができるのか難しいですよね、と。

そんなこんなで、スパイサーさんのコメディを知らないわけないThe Daily Showは、視聴率を稼ぎたいのか話題性を作りたいのかはさておき、自分たちは逃げ切れる、と確信犯でやっているようで、きたないなーと思ってもいいかと思ってます。一刻も早く、取り消すかクレジット(とお金を)マイケル・スパイサーさんにあげて欲しいですね。