3本、忘備録を、上げます。
2025年8月18日月曜日
Edinburgh Fringe 2025 エディンバラフリンジ2025:観て良いと思ったもの忘備録:Adam Riches & John Kearns, Huge Davies, What Men Want (Evaldas Karosas/Katie Greena double bill)
2025年8月14日木曜日
Edinburgh Fringe 2025エディンバラフリンジ2025:観て良いと思ったもの忘備録、Joz Norris, Rhys Darby, Rob Kemp, Simple Town 他
今週は出てきてる評判をちらちら見ながら様子見にしようと思ってるので、このまにコツコツ生産したいと思います。
Joz Norris: You Wait. Time Passes.
去年WiP見て、えらい気に入って、最終形態を見たくて見にいきました。
WiPの感想:http://www.gojohnnygogogo2.com/2024/08/edinburgh-fringe-2024-2024joz-norris.html
「一世一代のライフワークがついに完成したんで、みんなの前で発表するよ!」っていう前振り。WiPでは、いつまで経っても完成作品の発表に至らず、いろんな形で引っ張り続けてたんで、ベケット色が強かったんだけど、完成品は、発表したらどうなるのか、をきちんと描くことで、アーティストの欲望ってなんなのか、そしてアートってなんなのか、というピンポイントなテーマに落とし込んでました。芸のためならー女房も泣かすー(古)ってやつですね。(女房泣いてないけど。泣いてるの自分だけど)一世一代のライフワークが彼が出身(?というのか?)のWeirdos Comedyの極みで、あまりにも強烈で途方も無いバカバカしいものなんですが、それを超キープしながら、「アート」とそれに翻弄されてしまうアーティストのお話を作り出せていたのは、大変良かったと思うんです。2025年8月13日水曜日
Edinburgh Fringe 2025 エディンバラフリンジ2025:【ネタバレ注意】Luke McQueen: Comedian's Comedian観たんですが、いろんな意味で今年はコレでいいんじゃないでしょうかの決定打かと思います
いやいやいやいやいや…
これね、多分今年のブラックホース。失礼なんですが、こんな期待はまるでしてなくてですね。
失礼すぎて、申し訳ないです。でも、大穴。
まだフリンジ始まって前半ですけど、オレの笑いの好みも含めて、全ての意味で今年のエディンバラの賞を取るなら、このショーが一番今年ふさわしいんじゃないかと思うんですよ。Comedians' Comedianのポッドキャストって、一体どこまでUKコメディの世界線を超えて知られてるんだろうか、という疑問は拭えないんだけど、それでもMalcolm Hardee賞では、マイナーすぎる気が。
その理由が上手にここで書けたらいいな、と願いつつ、以下です。
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/luke-mcqueen-comedian-s-comedian
[バックグラウンド]
ごめんなさい。本当に失礼なんですが、それが基盤となって展開するので、しょうがない。
Luke McQueenさんって、UKコメディ付きの間では知られてはいるんですが、結構長いことですね、鳴かず飛ばずな芸歴送ってきてる芸人さんなんですよね。オレはTurtle Canyon Comedyで10年くらい前に配信してたショートがきっかけかな? 元祖(ハネる前の)エイカスターと(現在までの)Stuart Lawsクラスタって言って安全だと思う。
Channel 4がこれからハネるんじゃないか?的な芸人さんたちに10分くらいのショートをコミッションする企画で何回か選ばれてたりとか、BBC3がこれからハネるんじゃないか?的な芸人さんたちに10分くらいのショートをコミッションする企画でも選ばれたことが過去にありました。
たまにComedy Centralの番組に出たりしてた。けど、レギュラーではない。パネラーの一人、みたいなやつ。
というわけで、かなり芸歴長いわりに、(あの芸人さんもこの芸人さんも、ハネちゃってる一方)現在も同じようなポジションで相変わらずの鳴かず飛ばず。ヒットがない。
フリンジにも結構毎年きて何かやってたんじゃないのかな。記憶にあるのは、かなり前(もしかして10年くらい前かも)のショーを(Chortleの)ベネットさんによりにもよって2.5星をつけられた時のことです。「完全なる営業妨害! まだ1つ星の方が良かった。どんだけ酷いショーなんだろうって、興味が湧いて見にくる客がいるから。こんなミッドすぎる星の数では、誰も興味がわかないじゃねーか!」って激オコってた時の件です(→非道い)確か両者示談で納得したんじゃなかったっけか?
それだから、というわけではないのですが、Luke McQueenの60分のソロ・ショーって見たことがなくてですね。今年プチッと見てみようかな、と思ったのは、2年前に見たSongs with Father という深夜に2日間だけ、Mark Silcoxおじさんとやった完全企画もののショーが、内蔵が口から出てくるほど面白かったからなんですよね。同行者らが、その経験をベースにして、今回見にいくというので、じゃあ、行こう、と。だから、本当に申し訳ないんですけど、どんなもんなのかなー?程度の、気の軽さだったんです。
【お話のさわり】
っていう、キャリアのせいでですね。
英国の芸人さんインタビューポッドキャストの2大巨塔の一つであるThe Comedians’ Comedian Podcast に一回もゲストで呼ばれたことがないんですよ。
エピソード回数は531もあり、中には何度もリピート登場している芸人さんもいるのに。
一回も、お呼びにかかったことがない。
一回も。
というわけで、この有名ポッドキャストのクリエイター・芸人さんでありインタビュワーのStuart Goldsmith(SG)に直接電話して聞いて見ましたー
プー。プー。ぷ、ガチャ。(以下、うる覚えだけどこんな感じ)
S G: あーもしもしー。
L:あーどうもどうもLukeですー
S G:おーげんきどうした?
L:いや、どうしてオレってComedians Comedianに呼ばれたことないのかな?って思って
S G:・・・は(ぁ)?!
L:なんで?なんで?なんでなの?
S:えっ、いや、えっ、えっ?! えっ?!
L:ゲストに出して
S G:・・・この方向で会話進むのコレ、マジで?
L:ゲストに出して
S G:け、結論から言うと、できない
L: なんで?
S G: あのポッドキャストって、いろんな(成功ストーリー的なものがあった上で)掘り下げをしたくて、オレ側からオファーしてるのよ。
L:・・・
S G:おまえ、ないじゃん。
L: ・・・・・
ここで、Comedians’ Comedianやってやる!! スチュー、めちゃくちゃにボロクソにめった切りにしてやる、チクショー!!
ってやつなんです・・・
ものすごいチープな手作り人形がスチュワート・ゴールドスミスとなって、猛毒インタビューが展開していきます。
***ここから、ネタバレるので、今後見る予定の人は、踏まないでください (ロンドンでもSOHO THEATREとかで見れるようになると思うので)***
このショー、心の闇を巧みに利用した、(本人曰くの)アヴァンギャルド・プランク(→あまりに気に入ったので、そのまま用語を使用)なんですよ。
プランク(おちょくり)の相手は誰かといえば、もちろんComedians’ Comedian PodcastシリーズのSGでも、SGはこのショーの仕込みで冒頭は芝居だったということでもない、つまり、お客さんでもないんです。
じゃあ、誰か。
AIなんですよ。
AIが人間のクリエイティビティすらもとってかわろうと恐れられるくらいの威力となっている昨今、生身の人間の生き様の尊さ、感情や創造性が勝てるんだ、って挑戦状を叩きつけてるショーなんです。AIにフィクションをリアルとして教え込ませ、訓練する。そしてショーがリアルに見えるように利用する。つまりAIにプランクをかけてできたショーなんです。
途中からSGが悪魔の申し子みたいな変化を遂げて、元々のポッドキャストにある彼の生い立ちやキャリア活動を取り上げながら「芸人本来の自分」を見せていく、の究極をいき、自分が認めたくない、自分が見つめたくない事実と無理やり向き合わせようとする展開をとっていきます。何度やり取りやっても、本当の自分を見せることができず、違うだろ、そうじゃないだろ、って、SGにダメ出しされる。本当の自分を出さないと、お前が誰にも見せたくない、ひっそりとPCに隠してるこの極秘ファイルを公開するぞ、って脅される。
それだけは、そのファイルこそが真実なので、それだけは公開しないで、と、マスク(ジムキャリーの)になって(注:マスク至るまでのフリはあります)ついに暴露するんです。それは、芸人としてかなり長い間頑張ってきて、まだこの業界で頑張りたいと、コメディをアートと信じ、自分はアーティストとしての誇りを持って頑張ってきた自分が絶対に認めたくない、紛れもない真実なんですよね。
でも、本当の本当の真実は、そこでもなく、その「極秘ファイル」にあるわけなんです。
で、まあ、ここに至るまでの間で、「SG(の声)ってどういう立ち位置なんだろう。ガチ(=仕込み)?AIなの?」って後頭部あたりでショーの方向性を考えながら見ていくんですけど、この極秘ファイルの手前のレイヤー「真実の自分」の公開までで、すでに内容濃くて深いので、極秘ファイルがなんなのか想像する余裕もなかったです。この芸人さんが色んな意味で業界の伸び悩み時期が長いんで、リアルに染みるんですよ。
素晴らしかったのが、最後の最後のオチ。一番人間らしくて、一番シンプルで、一番心を打たれるものだったことです(*1 注釈)
「Chat GPTに⚪︎⚪︎してもらいました!」「AIに聞いて見ました!」って類を超えた、シアトリカルな意味でAIを盛り込んだコメディってここ1年ちょっとで結構見てるので、確実に増えてきていると思います。やっぱりアメリカが早いかな。Connor O'Malley とか(参考:https://www.youtube.com/watch?v=Svual-PcOxE&t=6s でもオレが本当にこの人はコメディの神だと思ったのは、この配信直前に1時間生配信でやってたコレ https://www.youtube.com/watch?v=5cpU9ud1AtE&t=775s)Alan Resnick とか https://www.youtube.com/@AlanResnicks。
で、このショーは、今アートシーンで一番シリアスな問題になっているAIを利用する、を一歩超えてることを見せてると思うんです。
テーマがまさに旬だし、演者も(こういうキャリア経歴なので)賞を取るには一番ふさわしい気がする。
今年のフリンジでも、Rhys Darbyが一本のドラマとして作れちゃうよね、っていうような素晴らしさで、「AI vs 人間」で50で衰いのハンディも潜り抜け、AIに打ち勝つっていうナレティヴの1本作ってます(→あまりに素晴らしかったので、別記事立てる予定)これはAI自体は作品中に利用してない、まさに体一つなんだけど、エンドポイントとしてはこのL.McQueenのComedians Comedian一緒じゃないだろうかと思います。
というわけでですね。いいものみましたし、もう一回みたいくらいなので、オレの中では5つ星です。
(*注1)Naviさんからこのショーの演出、Jordan Brookesだと教えてもらって、ものすごい納得でした。このレイヤーと深みは、彼のテコ入れがあってこそ、だったのかもしれないです。Jordan Brookes本当に素晴らしいです(二言目には素晴らしいしか言えてないのはボキャブラリーがないからです申し訳ないです)多分彼はどちらかというと、いかにしてショーを軽くするかで模索している感じだけどw 昨年のタイタニックミュージカルは、序盤のWiPに比べたらえらい軽いトーンになってましたしね。
2025年8月10日日曜日
Edinburgh Fringe エディンバラフリンジ2025 先週から見たもののいくつか忘備録 Christopher Macarthur-Boyd, Luke Wright、Rohan Sharma他
もー大変なので、 今年から、ものごっつおすすめだけ、1投稿でしっかり書くことにして、
あとは良かったものや特記したい点があるショーについてだけをメモ書き程度にしようと思います。なぜなら、まだ始まったばかりの今の段階で購入しているチケットが20本以上あり、少しずつこなす中、次々に追加購入をしているからです。今年も、まあいいですけど、とか、どーでしょう、みたいに思ったやつに関しては、触れません。
2025年8月7日木曜日
Edinburgh Fringe 2025 エディンバラ・フリンジ2025:あらためて、この果てしない素晴らしさについて考えてみたい Alasdair Beckett-King: King of Crumbs 観ました
ABK! ABK!ABK !
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/alasdair-beckett-king-king-of-crumbs
もはやフリンジ中に観た上に通常ツアーで地元に来た時にも観に行っちゃうくらいにはお気に入りになってしまっているんですが。
ABKについては、過去に何度か絶賛してまして、ご興味あれば下記どうぞ。
http://www.gojohnnygogogo2.com/search/label/Alasdair%20Becket-King
今回も、期待を裏切らぬ、期待以上のクオリティ。2025年8月5日火曜日
Edinburgh Fringe 2025 エディンバラ・フリンジ2025: ほぼ売り切れなのに恐縮ですが、今年のイチオシ確定です>Vittorio Angelone: You Can't Say Nothing Any More
Vittorio Angelone: You Can't Say Nothing Any More
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/vittorio-angelone-you-can-t-say-nothing-any-more
ものすごく良く当たるオレの目利きでは、今年のアワードの本命、出たかな。最低でも、今年のアワードでノミネートまではいくと思います。
エディンバラ・フリンジがまだフリンジ根性を持っていれば、の話ですけど。
【お話のさわり】
ありがたいことに、フリンジのチケットは発売すればとくにお金かけてPRしなくても完全ソールドアウトという位置にいて、
(そこそこ) ソーシャルメデイアでも存在確立してて、
まあテレビなんて出なくてもいいんですけど。
てかあんまりテレビ出る機会がないんですけど。
てか全然テレビ出る機会もらえないんですけど。
てか、てかですね。
テレビ出たことないんですけど。
なんですけどね。
なんですけど、ものごっつ 出たいんで出れるように頑張ってるんですよ。
昨今の状況的に、白人独身男性が、テレビ出演にオファーをもらうチャンスを上げるにはね、テレビウケしそうな、リプリーに登場しちゃいそうな夏のスーツをみにまとってね、ピアスとかしてね、リアクションを“らしく”作って、匂わしたりとかね、努力してんですよ。
なんだけど。
たった一つきたテレビのオファーはRichard OsmanのHouse of Gamesだけ。
そんな状況である一方、半年に一回必ず!テレビ局、制作会社、エージェンシーどこかしらか、必ず! 来る依頼があるんですよ。
それが!
Troubles 関連のドキュメンタリー。
半年に1回。かっならず。
オレ、絶対出ねえからな!!!
【感想】(そんなにネタバレはしてない、と思う)
っていう、フリから、始まるヴィットリオ個人そして彼の世代からみる「北アイルランド」の歴史と、それがもとで否応なしに翻弄される様を語る1時間です。
家族が昔はアイスクリーム屋を営んでいたとか、あとになって(troublesによって)受けた被害の内容を某メジャー新聞を通して知った、とか、さらにはあるポスティングを文字通り受け取られたことがきっかけで、大変になったとか。(ネタバレになるから言いませんけども)
その一方で、politicalに頑張ったところで、実質的に役に立ってるのかと思うと? わざわざことを荒げるだけに、パレスタインのバッジつけてリチャード・オズマンのパネルショーに出る気にはなれないよね。
というような、彼の元々の「北アイルランドの苦労にかすらなくてもいいように守られて育ってきたから、ネタにして笑いにしたくねえ」っていうスタンスをしっかりと展開していく。これらが完璧に、なんの違和感もなく両方活かされた上で、彼と彼の世代のアイデンティティにつながるway of thinkingが展開、探求されるのが本当に素晴らしかったです。
元(?今もか?)ガーディアンのコメディ評論家ブライアン・ローガンにデビュー・ショー内でのネタをいいように切り抜きされ、それを文字通り解釈されたので、リベンジで批評の1ワードだけ取って、次のショーのポスターに引用し、ローガンがホモフォビックみたいに見えるようにしてやったって話を含め、 コンテクストの読み取りをされない、コメディが芸術ととられづらい状況に触れ、観客の思考にパフォーミング・アーツでのコメディの立ち位置が考えられるよう切り込みを軽く入れるのもスキルだったと思う!
(もともと小柄できゃしゃな容姿ではあったのですが)この半年で2.5 stone(5キロ?)減量しちゃって、ほっぺもこけちゃってて。もしかして、ショー内で話していた例のSNS事件のせいなのかな?って。(Fin vs InternetもHistoryも出てなくなっちゃったし...)
なんだけど、SNS事件での大迷惑や、痩せちゃってちょっと容姿変わっちゃったことすらも、たとえば、リプリーみたいなオシャレ・スマートカジュアルなお洋服だったり、会場前の外にヴィットリオをこき下ろすボードをぶら下げたおじさん立たせたりして、 全方位でショーにintegrateさせてる一方、どれも仕込みっぽく見せないナチュラルさが、すばらしかったんですよ、ほんとに。
本当にこの芸人さんで見てみたかった密かな期待ががっつり満たされた!という気分です。
今さっき見たら、22日に追加公演が出てるのと、ツアーでひとしきりUK回るだろうというのと、それも無理なら、そのうちYOUTUBEスペシャル出るだろう、と。いやその前に、Netflixが買いますように(笑
2025年7月10日木曜日
Edinburgh Fringe 2025: エディンバラ・フリンジ2025 そろそろそんな季節です 現状のオレ的注目コメディあげときます(1)
毎年仕事が猛烈に忙しい6月が終わり、ふと 気がつけば7月。
そろそろいつもの季節がやってきました。エディンバラのフェスティバル・フリンジです。
ちなみにオフィシャルの方の注目は、ブライアン・コックスがやるアダム・スミス*1で、ブライアン・コックスにはあまり興味はないけど、アダム・スミスに興味があるので、チケットは購入しています。
もう推しのカンボーが賞を取ってから3年経つので、そろそろ、次のすごいのが見つかってきそうな期待を持ちつつの、現在までのオレ的注目を下記にまとめてみました。通常通り、いつも褒めてる系のチケット取れない系(Daniel Kitsonとか。あ、すでに数日除いてソールドアウトだ・・・。)は省いてます。
ちなみに今年も期間限定ではありますが、Tim Key来てるし、Alasdair Beckett-King来てるし、いつものオーストラリアとニュージーランドのTaskmaster勢もちらほら来てるんですよ。Tom CashmanとかPaul Williamsとか。また、スコッツ勢もいつも抑えときたいChristopher Macarthur-Boydはすでに購入してるし。何故かめちゃくちゃチケットの売れ行きのいいConor Burns悩んでる・・・(先日配信されたスペシャルは見た)
お昼系がポロポロいて、ずーっと注目している&2023年のアワード受賞者であるAhir Shah もめちゃくちゃ行きたいんだけど、どーにも時間が読めなくてチケット買えないんですよねぇ・・・困ったなぁ。困ったよ・・・
というわけで、上記的なものはある程度おさえた上で、の下記になります。
Daniel Sloss (WiP)
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/daniel-sloss-work-in-progress
(今ならまだ18ー21日のチケットは買える)
Daniel Slossの過去の感想はこちら。
http://www.gojohnnygogogo2.com/search/label/Daniel%20Sloss
先日見たんですよ、今後ワールドツアーをやるための準備で始めたWiP。めちゃくちゃよかったんです。クオリティとかストーリー展開とかすでに十分本番クオリティなのだけど、多分90分まで作り上げるためのWiPなのではないかな、と。
なんの話かっていうと、ラッセル・ブランドの件です。たまたま、オレこの件、かなり詳細にレポートしてたので、なぜ、ダニエル・スロスがラッセル・ブランドの件をテーマに1本のショーを作れちゃうのか、って謎の人は、サクッと読んでいただければと思います。http://www.gojohnnygogogo2.com/2023/09/tvme-too-youtuberguru-russell-brand.html
上記経緯があるからこそ、彼だからこそ語れる話になるんですよね。セクシャル・ハラスメントと業界の膿と闇。彼は、本当に素晴らしい芸人さんになりました。
Vittorio Angelone: You Can't Say Nothing Any More
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/vittorio-angelone-you-can-t-say-nothing-any-more
ヴィットリオさんといえば、あまり芸歴は長くなく、3年くらい前にフリンジに持ってきたデビュー・ショーが賞こそとらなかったものの異常にウケて、その時くらいから、ヴァイラルなYOUTUBERでもポッドキャスターでもないのに、なぜかよくわからないんだけど、ライブのチケットめっちゃくちゃ競争率高い芸人さんなんですよ。(しいていえば、Fin Vs Internetなの?でも正直このコンテンツ配信前から瞬時にチケット完売で大変だったから、このせいではないと思うんだよぁ・・・)
この芸人さんについては、アイリッシュ」で「ベルファスト」「家系はイタリアからの移民」で「ロンドン移住」に加え「白人男性」で「シスジェンダー」で「自閉症かもしれない」な「芸人」というずいぶんいいカードを揃えてるのに、一切使わずに、勝負してくる点に非常に興味を持ってまして、実際 デビューショーのトランスレーションではやや物足りなさを感じたものの、翌年の作品では、納得のいく仕上がりになっていたんですよね。(ちなみに昨年は、クラウドワークで1ヶ月だったんで、ポッドキャストで公開されてたのしか見てない)
んで、今回なんですが、なぜ注目しているかというと、ついに政治に踏み込む様子だからなんですよ。今までご両親世代ががっつりTroublesのトラウマのせいでまるでその手合いに触れない環境に育ってきたからの、彼なりのこだわり(?)があったと思われるのですが、今回のショーはアイルランドと中東問題がてんこ盛りだっていうんですね。Kneecapの一連の事件と メンバーのリアムと同じくらいの年齢らしいということで、思うところあったのかな、とか。どういう仕上がりになっているのか非常に興味深いんですよね。
どうもほとんど完売しちゃってるみたいなんですが、追加が出てるし、今後も追加公演の可能性はあると思っているので、チェックをお勧めします。
Simple Town
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/simple-town
アメリカ東海岸からやってくるスケッチグループで、今回1番最初に狂喜して購入したのが彼らのチケットです。すみません。まだショー自体は未見なのですが、ロンドンには一回来ていて、ものすごい盛り上がってたんです。
スケッチって芝居的な技量がいるせいか、頑張ってます!って感じのエネルギーが、近年のit is what it is的なスタンスで生きてかないといけない世界とどうもエネルギー的にマッチングしなくて、この道ですでにそこそこ知られてる余裕のあるグループ(Sheepsとか)でもないと、はまれなそうなんだけど、このSimple Townのメンバーの一人である、Sam LanierがAdult Swim(HBO MAXでも放送されているらしい)でDAPというアニメシリーズをやっていて、これがとてもとてもいいんですよ。
Adult Swim はちなみに最初に深夜にRick and Mortyとか放送してたところで元々はCartoon Networkの深夜枠だったところです(が確か独立したんだと思う)テレ東の深夜アニメ枠みたいなやつですかね?
Rachel Kaly: Hospital Hour
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/rachel-kaly-hospital-hour
去年来たんですけど、初期段階で残りの日程全キャンセルされちゃったんですよ。オレは運良く見れたんで、ぜひみなさんもキャッチしてほしい! 感想は→ http://www.gojohnnygogogo2.com/2024/08/edinburgh-fringe-20242024andy.html
Sophie Zucker: Taste
https://www.edfringe.com/tickets/whats-on/sophie-zucker-taste
ここ数年特に興味の矛先がアメリカのライブシーン的なところにある程度いっているせいで、あまりよくわかってないのに「やばい見といた方がいいかも」というだけの理由で注目してしまうことが多いですアメリカの芸人さん。もう全然他に確固たる根拠がないです。すみません。
うーん。今のところ、とりあえず、こんな感じかなぁ・・・? あとはワンオフイベントみたいなやつと、King of The Tableは今年も絶対に観にいくことになると思います。
*1 確か昨年も役者に興味はないが脚本家のせいで見逃すわけには行かない、と言ってThe Fifth Step(注:現在ロンドンで上演中)を見に行き、ジャック・ロウデンにドンハマりし、原作も適度読んでるしめんどくさいなーと永久先延ばしにしていたSlow Horsesを3日間でコンプリートするに至るので、どーなることやらですが…
2025年5月6日火曜日
2025年春(?)最近(?)おすすめしたいコメディ系のコンテンツです(バスデン情報を含む)その2 The Ballad of Wallis Island(ネタバレるよ), セス・ローゲンのThe Studio ほか
こんにちは。
まずは、
1)ついにもうすぐUKで公開されるバスデン&キーwith マリガンの「The Ballad of Wallis Island 」(その1で経緯説明済)
【映画のお話は・・・】
基本的には元々の短編映画と同じなんですが、マリガンがミュージシャン、マグワイア(バスデンさん)の元奥さん、ネル役で加わるんですね。で、彼女は音楽でもともに活動していてマグワイアとのユニットでたくさんの名曲を生み出していた、と。しかし、ユニットは解散し、二人の夫婦仲もピリオドを打ち、長いこと連絡も取り合ってない。マグワイアはソロ活動を続けているけど、鳴かず飛ばずっぽいし、ズレた方向に進んでいるっぽい。
そんななかで、マグワイアが人がほとんど住んでいない小さな島に住むチャールズ(ティム・キー)が音楽フェスティバルを開くので出演してほしい、ギャラはがっつり払うから、という依頼を受け、島を訪ねるんですね。まさか、その音楽フェスってお客さんがティムキーだけ、ということも、ティムキーが、ネルも招待しているとも知らずに・・・。
【感想】***ネタバレます⚠️⚠️⚠️⚠️⚠️***
2週間くらい前に地元映画館で開催されたプレビュー見まして、ボロ泣きしました。実は!バスデンさんやティムキーの才能に感動して涙したことはありますが、彼らの作る話でボロ泣いたことは今まで一度たりともないんです。今年ボロボロ泣いた映画、これが最初かもしれない・・・
チャールズが50万ポンド(注:宝くじで当てたお金。なぜか異常に運がいい)を積んでまでして手に入れたかった奇跡はマグアイアとネルの音楽のケミカルスパークなんです。ふたりの音楽には、実は亡き奥さんとの思い出にも繋がっている。だから、彼らが起こすケミカルスパークはチャールズが失ってしまった幸せのかけらでもある。ほんのいっときでもいいから、願いを叶えてほしい、っていう切なる思いなんですよね。
でもですね、そのマグアイアとネルのケミカルって、音楽を超えた、人生のパートナーとしての愛もある程度影響していたってことは否めないんですよね。切り離したくても切り離せない、不完全なる人間の性なんです。離婚して、互いに別の道を歩んでいて、さらにネルには新しいパートナーと新しい命も育まれている状況下、完璧主義のアーティストであるが故に、今二人で奏でる音楽は違う、と考えるマグアイア。結果的にネルは島を去ります。
音楽がもたらす奇跡、そして幸せってものが、なんと儚いものなのか、こんなに繊細に綺麗にそして抜群のセンスで描かれているミニマリズムな映画ってあるでしょうか?
いや、同レベルはあるかもしれないけど、これ以上は、ない。
です。ないです。
マリガンは、元々の短編のことも、ティムキーとバスデンさんのことも、このファンダムのことも全てをものごっつ!わかってることを証明するかのように、究極にベストなところでこの映画を退場(?っていうのかな?)するんですよ。だから、ティムキーとバスデンさんのケミカルスパークがちゃんと堪能できるの!!
とはいえ、なんでイギリスが最初に公開にならなかったのかって、戦略なんだろうな、と思いました。ティムキー&バスデンのファン層が非常に大きい&強いので(→真顔)、たとえイギリスで興行成績はじいたとしても、他の国で「だって二人のこと知ってるから数字が伸びたんでしょ」って変な色眼鏡で見られちゃって、ドメのネームバリューが作品自体が国境を超えたこの層(=リベラルアーティ層)に響くっていう素晴らしさが、スッと入ってこなそう。アメリカのSXSWから、ってのが頭いい戦略だったと思います。Focus Features やるじゃん。Baby Cow(制作)もクーガンでたくさん経験積んだしな。(→クーガンが元々設立者の一人の会社)
げえええええええ。トレーラーのビューイング数、ごひゃくまん。
どうしよう(何が)
これはもはや、日本公開の日も近いのではないでしょうか・・・ひたすらひたすらひたすらに推して推して推してきたふたりの作品が、16年の月日を得て、日本上陸してくれるのかしら。
マリガンはボーくんの日本上陸にも大貢献してくれてるので、本当に感謝しかない・・・。
2)今年1月里帰りをした際に、会った人誰一人まともにApple TVを見てなかったんですけど、一体どういうことですか!!!
Apple TVのコンテンツ一番ヤバいと思います! ねずみープラスとか、ろくすっぽ見るものがない、と思うそこのあなた、そんなあなたにApple TVです。Slow HorsesとSeveranceは見ないといけないやつだと思います。
そして今年4月から、新たに鬼素晴らしいコメディシリーズが配信開始になったんですよ。Apple TVのコメディって試したけど、ぬるくてあんまり・・・と思っているそこのあなた、騙されたと思ってこれを見てください。セス・ローゲンのThe Studioです。
【お話】
映画へ馳せるピュアな気持ちは心に持ちながらも、お金と政治の波に飲まれて溺れてヘロヘロになりながら生き延びるハリウッド・スタジオのエグゼクティヴを中心に描かれる、ほぼほぼワンショット(に近い)・コメディです。今年おそらく一番話題のネトフリのドラマシリーズ、アドレッセンスが、驚愕の1話完全ワンショットで、嘘だろ無理だろどうやって??の連続シーンを見せつけてくれてしまったせいで、全然、映像で誰も驚けなくなってしまったんですが、相当すごいんですよ、実は。8話目だったかな? ゴールデングローヴ賞だったかの完全再現をほぼほぼ、ワンショットでやるんですけど、本当もっと評価されてもいいと思う!
あの、ロバート・アルトマン&ティム・ロビンスの名作映画「The Player」覚えてらっしゃいますかね? オープニングシーン覚えてらっしゃいますかね。多分あの映画とあのシーンが影響してるシリーズのはずなんですよ(調べてない)と言うのも、ティム・ロビンスの扮したグリフィン・ミルズがコンティネンタル(スタジオの会社名)のボスなんです。theStudioでグリフィン・ミルズを演じてるのは、ブレイキング・バッドだったBryan Cranstonですけど。これ、こちらの映画レビューといえばのマーク・カーモードが言ってて、うああああああ!って思いました。
あと、脚本のクオリティが良すぎです。セス・ローゲンの書く作品に関しては元々高い期待を寄せる派なのですが、今回は、マジで、ピカイチです。心にのこる、メモしておきたい名セリフいっぱい。
確かにですね。いい映画を作りたくても、お金と政治とコンプラとスポンサーとえらい監督や人気の俳優などのしがらみで、全てが予想だにせぬ方向へコロコロ転がってく様を描く、というのは、HBOのThe Franchiseでもありました。イアヌーチ先生の息がかかっているので、こんなこと言うのは本当に大変心苦しいのですが、このThe Franchiseでやりたかったことが、このThe Studioなんじゃないかと思います。
って言うくらい、素晴らしいんです。
というわけで、超おすすめです。よろしくお願いします。
2025年春? 最近(?)おすすめしたいコメディ係コンテンツです (バスデン情報を含む)その1
こんにちは。
随分ご無沙汰しているのですが、3月末にアメリカで、バスデンさんとティムキーの(元々短編だった)The Ballad of Wallis Islandが(長編フィーチャーになって、キャリー・マリガンがメインキャストの一人に加わって、トマトメーターも97%とかなので、ここの忘備録を更新しようと思い立ちました。
この映画の制作発表は2023年5月だったんですね・・・。忘備録ってこういう時に便利が良いです。
http://www.gojohnnygogogo2.com/2023/05/blog-post.html
ちなみに、アメリカ先行公開、イギリスでの一般公開は5月末なんですよ。嘘でしょ。グラスゴー映画祭のシークレット映画で見逃し(何しろシークレットなので見逃すしかない)来週の地元の映画館で先行プレビュー。ローカルのクラスタは全員行くんじゃないかしら(つまりオレは行く)
Accidental Death of an Anarchistにてウエストエンド・デビュー時にリポストというファンクションを学んだバスデンさんは、まめにインスタの(誰かの絶賛ポスティングの)リポストをしてくれています。
ちなみにサントラはすでにAvailableです。下記Spotifyリンク。普通に素晴らしいです。エコ贔屓とかじゃなくて、普通に!素晴らしいアルバムです。信じて。買った方がいいと思います。
ローカルクラスタの間では、元々の短編(30分くらいだけど)が大好きすぎて、このフィーチャー映画がどんな感じで変わっちゃって、好きになれなかったらどうしようと不安に思っているものもおります(注:オレではない)その点も含めて、来週見に行ったら感想を書き、日本公開時にも大きく大きく声をあげていきたいと思っています。
その他の最近の(?)おすすめは・・・
1)(満を持して?)英国版ドキュメンタル配信。予想以上に日本オリジナルの真逆を行った内容でしたので、感想。
ちなみにこの件に関しては、コロナ渦中に3本くらい上げてます
- アマゾンプライム配信のHITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル のオーストラリア版「Last One Laughing」が配信!!視聴しました&感想です→ http://www.gojohnnygogogo2.com/2020/06/hitoshi-matsumoto-presents-last-one.html
- オーストラリア版が出たことで、オリジナルとの違いについて書いといた方がいいと思って紹介的に書いたWhat is the Japanese original of LOL: Australia like? Hitoshi Matsumoto Presents: Documental (ドキュメンタルの感想です 英語)→ http://www.gojohnnygogogo2.com/2020/06/what-is-japanese-original-of-lol.html
- ポロポロリクエストを受けて上記を日本語で→ http://www.gojohnnygogogo2.com/2020/06/hitoshi-matsumoto-presents-s1.html
- とにかくメンバーがすごい、です。ただ豪華なだけじゃなくて、この(有名な)コメディアン(&コメディ・パーソナリティ)で観てみたいと思わせてくれる種類のキャスティング。予算もあるんでしょうけど、制作側の本気度と丁寧さが伝わります。
- テレビで活躍してる人たちばっかりだからかもしれないけど、エシカル・倫理基準が本能で最高レベルの人たちばかりを集められてます。表もついつい、ポロリ、はこのメンバーでは
- Jimmy Carr:オリジナルでは松ちゃんのポジションでオーストラリアではレベル・ウィルソンのポジション。TVのパネルショーもいくつか持ってるし、ライブツアーも現役で行ってるし、適役ですよね(深くは掘りません)
- Rosin ConatyこのブログではMan Down(テレビシリーズ)とかTaskmasterで何回か書いたことあります。挑戦者じゃなくて、Jimmy Carrだけだと間が持たないとかあるのかしら、一緒に笑う人として最初からモニター室にずっといました・・・ http://www.gojohnnygogogo2.com/search/label/Roisin%20Conaty
- 挑戦者例:Bob Mortimer この感想を読んでくださる方に説明は不要ですが、念のため。この人出るから普段テレビ見ない人も見る、っていうくらい素晴らしいものを見せてくれる笑いの魔法使いみたいな人ですね。30年以上この信頼とハイレベルな笑いの提供は、さすがになかなか、ない。
- 挑戦者例:Daisy May Cooper This Countryでとんでもない才能を全国規模で披露してくれて以来、大人気ですね。詳しくはhttp://www.gojohnnygogogo2.com/search/label/Daisy%20May%20Cooper
- 挑戦者例:Richard Ayoade テレビのバラエティではこの人出てるからクオリティがワンランクアップを保証される人ですね。IT Crowd、映画脚本監督、本執筆、テレビ番組の司会担当などなど。無表情が売り的なところがあるので、「笑うところが見たい」「誰に笑かされるのか」という、フランチャイズ版のドキュメンタルに一番高い付加価値をつけてくれる人物じゃないかと思うんですよね
- 挑戦者例:Joe Wilkinson多分Countdownシリーズとかで芸風はすっかり浸透してるかと思いますが、想像つかないことをいきなりやるのが得意なのと見てる側もその期待感が高いのでナイスキャスティング。
- 挑戦者例:Judi Love Taskmasterにもすでに出てますし、今ウィキで確認したらStrictly Comes Dancing にも出てますね。オレがテレビのバラエティをほとんど見ないので、あまり深く知らないのですが、番組の倫理レベル上げるのに絶対必要で最適役の一人ですよね
- 強いのは、 Joe Wilkinson、Richard Ayoade、Bob Mortimerだろうなと思ったら、本当にその通りでした。ただ笑っちゃうとアウトなので、その意味でつよかどうかは?個人的にはBob&Mortimer世代なので、Bob Mortimerがやばいです。歌がやばいんです。Taskmasterの大活躍でDaisy May Cooperにも相当期待したんだけど、自分の趣味的には彼女の台本書きの方がハマるのかも。意外とハリエット・キムズリーのノリが女子の中では一番好きだった。
- 個人的ハイライト、というか、エシカル英国メジャーコメディの真骨頂だな、と思ったのは、ハリエット・ケムズリーの中国人の夫(という設定)からの手紙を(その夫の声で)読み上げる役に任命されたリチャード・アイオーアデの対応ですね。第4話目だったかな。難度の高いボールなので一同緊迫するんですよ。あっぱれでした。