イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2020年6月27日土曜日

(日本語で書きました):HITOSHI MATSUMOTO Presents: ドキュメンタルS1の感想です



もうシーズン8の配信が待ち構えるほどの古いネタですが英語圏でのコメディ業界では知られていないことだったのと、あまりオフィシャルで日本のガチのお笑いが海を渡ることは珍しいので良い機会だと思い、英語で書きました。


日本語じゃあ今更だよな、と思ったのですが、日本語の感想をリクエストをいただいたのと、予想以上にgoogle 翻訳が足跡に残っていましたすみません(汗)


【感想のまえに】

特に吉本興業やダウンタウンの感想をあげると、今までこのブログを読んでくれている数少ない方々と違う方々がご来店される可能性が高いと思い、以下を明記させてください。

ほんの一部を除いて、このブログは英国を中心とする海外コメディ(特にライブコメディ)で、オレが面白い!と思ったものだけをピックアップしてご紹介しています。ですので、見たり聴いたりしたけど、面白いと思わなかったものに関しては、スルーしてます。(スルーの量は膨大です)。「面白い」or「面白くない」は、個人の趣味や笑いのメカニズム、それからどれだけコンテクストが理解できているかなどによるものなので、「面白くない」からを主な理由にネガティブな感想を書くのは正当性がないからです。

ドキュメンタルに関しては、Twitterで相互フォローしている英語圏コメディ界のクリエイターさん、作家さん、プロモーターさん&メディアの中の人、芸人さんたちが興味を持ってくれたり参考になったらいいなぁという目的で書きました。お知り合いの人用に回すメモみたいなものです。よって通常の「●●の理由で面白いと思った」「崇拝してる」「布教したい」というルールとは異なる、超例外です。

恥ずかしながら、「出羽の守」という言葉を最近知ったので、以下も念のため。

日本のお笑いは、過去25年は軽い興味と年末年始でしか追いかけてない一方、今もガキの使いと水曜日のダウンタウンは放送コンテンツの70−75%くらい面白いと思ってます。確かにオレが崇拝する海外のコメディとは種類が違うのですが…。その一方、海外の天才や神たちと同じ類で崇拝している笑いのクリエイターが日本にも2−3くらいはいます。(ジャンルちょっと違うけど)

なので、いわゆる「出羽の守」的思考で感想を書いていないんじゃないかなぁと思っています…

【前置きが長くなりましたが、
以下が英語で書いた内容になります…】

松本さんが、最初に、オンデマンドのコンテンツプラットフォームで、視聴者ターゲットを明白に限定したことの重要性について書いてます。これによって、出演者を含め同じ笑いのメカニズムを持ってない人間は口を出す資格がない。このルールによって、たとえ番組中で繰り広げられる言動に、たとえば、蔑視、差別、わいせつ表現、的な要素があっても、それらが、松本さんと仲間たち(&笑いのメカニズムをシェアする視聴者)が面白いならアリなのです。彼が設定した枠外の人間は見なきゃいいだけの話なのです。

ただし、松ちゃんの日本におけるお笑いにおける影響とそのポジションはあまりにも大きいので、「わかる人にはわかる」が「笑いの上級者」的イメージとなる可能性は否めない、という点は、しっかりnote してます。

上記に関連して、出演者がS1に関しては全員ストレートの、80年−90年代のお笑いで成長してきた日本人男性であることについても書いてます。また、その中に一人若手でかつミックスのアントニーがいることに興味を持ちましたが、ダイバーシティを意識しての選択では全くないと判断したので、ポイントとしてあげたのみです。

S2以降、森三中から一人ずつ出てますが、このトリオ、特に大島さんは、”芸人なのに「女」らしさがあるとは何事だ” 的な発言を過去にしているのをきいているので、「女性」が入っているという認識はするべきでない。相変わらずの男性のみで構成、という解釈をしてます。

一方S6は例外と解釈しました。実はタイミングよくこの1週間で欧米コメディ界では女性の芸人さんたちによる「名指しできないけど、レイプにも及ぶ非人道的なセクハラがつきもの」の暴露大会になっているせいもあり、この方面の想像が豊かになってます。つまり、S6は出演依頼を受けた友近さんが(個人的にもご飯を食べたり行っている様子の)春菜とゆりあんも出演させることを条件にしたのではないか、と。(そうすることで、自分を守る)
友近さんの才能と活躍ぶり、ダウンタウン含む上層部とは長い付き合いかつリスペクトされる経歴だからこそ、その条件も可能となった特別シーズンではないかと。

おそらく松本さんや制作陣はshe/herの「女性」を多く入れるつもりはないですよね。ブレるから。

S6以降再び、構成が男性に戻っていることもS6でブレたからなのかなぁ。(注:森三中チームは”男性”)そんなわけで、本当はS6を視聴してこのシリーズの感想を書きたいし、そのほうがフェアかと思うのですが、イギリスではS3までしか見れないので、しょうがないですね。

ウィキを見て出演者をチェックしているのですが、男性の出演者は全員ストレートですよね?全員認識できてると思うのですが、もしゲイやトランスの芸人さんが出演してたら御指南いただけたら嬉しいです。そこは見てみたい。
予想では、入れない、と思ってますが。

(ところで、今気がついたのですが、パイロット版って坂東さんいるんだ・・・
ここは気になります・・・)


コンテンツについて

繰り返しになりますが、面白いか面白くないか、という観点から内容について書いてないです。正当性が全くないからです。
代わりに、どうして彼らは面白いと思うのかについて書きました。
いわゆる一発ギャグ、それから「普通」の人たちはしないビジュアルと言動をコンテクストなしにやりだす「ヘン」が笑いになる。それから日本のオタク文化からきているようなキャラもある。この辺りは、これを面白いと思うことへの理解が可能かと思います。

3話のメインとなっている宮川大輔さんのお尻の穴のくだりについて、みんなが笑いを我慢する姿が面白いこと以外に、このくだり自体がこの人たちはおかしいと思っていると解釈、オレの想定読者さんたちには説明が必要かと思い、しっかり書きました。笑いには色々な種類があって、その中の一つには「ドン引きする」「(人がやってるのを見て)こっちが恥ずかしくなる」笑いというのがある。そのカテゴリーに入れられるのではないか、と。もう一つは、サド・マゾからくる笑いですね。松本さんの映画R100を引き合いに出してます。3つ目は、このエピソード中ではグレーではあるけれども、と一言おいて、日本のストレートの男性たちの間にはまだまだゲイ的行為をいぢるメカニズムが抜けてないことが多いと話してます。

上記の内容は、例えば、「女・子ども、ジジイ(にババア)」が見たらシリーズ速攻終了の大問題になってしまいかねないことかと思います(*注) 。シリーズ単独、および短期的に考えると、一見「(ほぼほぼ)ストレートの男性以外お断り」な設定にしているおかげで、ここで彼らが作り上げる「笑い」が守られ、アリになることができている。超男性社会なお笑い番組にすることで、中傷被害や女性差別やセクハラも避けることができているわけです。中途半端に偽善者になり、ダイバーシティを意識した出演者や視聴者にするよりは、ずっといいです。

その一方、長期的にはこの状況を憂ています。オンデマンドの限られた視聴者用ですが、上記のようなことを我慢できないほど笑っちゃう「笑いのメカニズム」を持っているクリエイターや出演者は日本のテレビを代表するテレビでも活躍の芸人さんばかり。そして松本人志さんです。出演者たちは日本のお笑い界を牛耳ってきましたし、これからも随分長いこと影響を与えていくでしょう。これからの世代も若手もほとんど彼らを見て笑いのメカニズムを育成していくのです。このシリーズで展開されている笑いのメカニズムを凌駕する新しいメカニズムが主流となる日は来るのかなぁ…。

もう一つ、一番面白い笑いを模索する、みたいな、笑いの哲学的な目的を提示している一方、番組は、出演者の言動よりは、みんなが笑いそうになるのをこらえる様子に集中し、本来の目的を忘れてるような作り方になっているのが気になっています。オーストラリア版は、本当にシンプルなリアリティ・ゲーム・ショーなので、なんの抵抗もないのですが。

なんだか長くなってしまいましたが、以上かな?以上です。

(*注)確か20年強前だったかにゴールデンは夜9時の某お笑い番組で裸の男性を診察台にのせ、痔の検査をする(または浣腸をするだったか?)企画をやったところ、スポンサーが降りちゃうかもしれないくらいの大問題になったことがあったかと思います。例が古くてすみません。20年前でもそうなので今ならもっと大変だと思います。






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