まるでレーダー圏外だったのですが、仕事終わりが夕方に街中で終わるけども、一本どうでしょう。とゆるく募集したところ、友人からこれを見に行くリンクが送られてきました。それが
Alexander Bennett: I Can't Stand the Man, Myself です。
https://tickets.edfringe.com/whats-on/alexander-bennett-i-can-t-stand-the-man-myself
まるで何も知らない。30らしい。
ちょっとだけ調べました。Mark Watsonの24時間コメディのレギュラー登場芸人さんらしいです。だから友人のレーダーには引っかかっていたのか。Leicester Comedy Awardのノミネート経験があり、Royal College of Artsで講師もやってたらしいです。今もやってるのかな?
なるほど。このキャリアがあればこそのコンテンツだったのが納得できます。
今年よく見かけてるなーと如実に思うのが、自分が胸を張れるようなアイデンティティの模索。このショーのテーマもこれなのですが、興味深かったのはSelf Hatredを全面に出して、自分のどこが嫌いかを分析して笑いを作り出していくところです。
この、過去も含めて自分が触れたくない部分を、闇雲にとことんほじくり返していぢり倒して、笑いを生み出し、人が笑うことで、メンタル治療の薬にしていく、という手法は、昔からあるクラシックなやり方である一方、これで才能ある芸人さんたちがさらにメンタル悪化してもいる現実も大きくあったわけです。ここ8年くらいでシフトがちょっとだけ動き、「笑いを作る」ためにほじくり返すのではなく、「メンタルを改善する」ためにほじくり返すように。そのバイプロダクトとして発生する笑いを盛り込んでいくようになった、かと思います。(だから、上手じゃないと、セラピーセッションに毛のはえたレベルになっちゃう)
アレックス・ベネットさんはどちらかというとクラシックなほじくり返し方で笑いを生み出すんですが、それと同時に、ほじくり返したものをものすごくロジカルにつなげていき、理想のアイデンティティへと着実に向かっていくのですよ。その理想のアイデンティティの表現の仕方もとんでもなく馬鹿馬鹿しくて上手かったですけど、本髄はついているので、ダブルスタンダード。非常によかったです。バカバカしさとその裏に隠れる真のアイデンティティの姿が対照的かつ融合していて。
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