イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2023年8月14日月曜日

Edinburgh Fringe 2023 エディンバラフリンジ2023 クラシックな手法で理想のアイデンティティを模索するAlexander Bennett: I Can't Stand the Man, Myself. ある意味新鮮で大変よかったです

 まるでレーダー圏外だったのですが、仕事終わりが夕方に街中で終わるけども、一本どうでしょう。とゆるく募集したところ、友人からこれを見に行くリンクが送られてきました。それが

Alexander Bennett: I Can't Stand the Man, Myself です。

https://tickets.edfringe.com/whats-on/alexander-bennett-i-can-t-stand-the-man-myself

まるで何も知らない。30らしい。

ちょっとだけ調べました。Mark Watsonの24時間コメディのレギュラー登場芸人さんらしいです。だから友人のレーダーには引っかかっていたのか。Leicester Comedy Awardのノミネート経験があり、Royal College of Artsで講師もやってたらしいです。今もやってるのかな?

なるほど。このキャリアがあればこそのコンテンツだったのが納得できます。

今年よく見かけてるなーと如実に思うのが、自分が胸を張れるようなアイデンティティの模索。このショーのテーマもこれなのですが、興味深かったのはSelf Hatredを全面に出して、自分のどこが嫌いかを分析して笑いを作り出していくところです。

この、過去も含めて自分が触れたくない部分を、闇雲にとことんほじくり返していぢり倒して、笑いを生み出し、人が笑うことで、メンタル治療の薬にしていく、という手法は、昔からあるクラシックなやり方である一方、これで才能ある芸人さんたちがさらにメンタル悪化してもいる現実も大きくあったわけです。ここ8年くらいでシフトがちょっとだけ動き、「笑いを作る」ためにほじくり返すのではなく、「メンタルを改善する」ためにほじくり返すように。そのバイプロダクトとして発生する笑いを盛り込んでいくようになった、かと思います。(だから、上手じゃないと、セラピーセッションに毛のはえたレベルになっちゃう)

アレックス・ベネットさんはどちらかというとクラシックなほじくり返し方で笑いを生み出すんですが、それと同時に、ほじくり返したものをものすごくロジカルにつなげていき、理想のアイデンティティへと着実に向かっていくのですよ。その理想のアイデンティティの表現の仕方もとんでもなく馬鹿馬鹿しくて上手かったですけど、本髄はついているので、ダブルスタンダード。非常によかったです。バカバカしさとその裏に隠れる真のアイデンティティの姿が対照的かつ融合していて。



0 件のコメント:

コメントを投稿