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2023年8月6日日曜日

Edinburgh Fringe 2023 エディンバラフリンジ2023 アメリカの芸人さんのショーを観まして。感想です。その1  アヴィタル・アッシュ: Workshops Her Suicide Note

稲村がアメリカのライブコメディシーンに疎いことを知る友人(ロンドン在住)から布教され、行ってきました。この2本をお勧めしてくる友人の精神状態を心配すると同時に、この2本とも、いくつかの理由で感想を書くと面白いな、と思ったので、アップしたいと思います。

 (はじめは2本いっぺんにと思ったけど、長くなっちゃったので1本1記事にします)

Avital Ash: Workshops Her Suicide Note

https://tickets.edfringe.com/whats-on/avital-ash-workshops-her-suicide-note


フライヤーに「物心ついた時から、常に自殺の思想と鬱と共に生きてきた」というオープニング。子供の頃に実母だと思っていた母親が実は父親の再婚相手で、実母は1歳半の時に自分の前で自殺していた、というかなり衝撃的な展開です。潜在意識の中で虚無感が自分を虫食っていて、死にたいんだけど、まあせめて死ぬときくらいは、明るいトーンで朗らかに、笑いもあったりしながら、さらには希望もあったらいいな。タイトル通り「自殺ノートのワークショップ」で、彼女が生い立ちストーリーを語りながら、ちょっといいセリフや言葉、フレーズを(ピックアップされた書記役の客と)彼女自身がメモって行き、最後にそれをつなげて自殺ノートを作ります。

幼い頃のバックグラウンドに加え、思春期の体験談が、スパイクされてることなんですよ。なぜそんなことをされるような状況に身を置いてしまったのか、といえば、その幼い頃の精神的ダメージがネックになっているのと、彼女の家族環境が厳格なユダヤ教徒にあることですが。しっかり言わないですけど、このくだりで、ガチで演者が涙ぐんでしまうので、被害者になってしまったのだと。

非常に重い話です。厳格なユダヤ教のもと生まれ育つと男女差別も半端ない。被害に遭っても実父には信じてもらえない。また、ホロコーストのトラウマもかかわる。笑いもちょっとだけありますけど、ほぼほぼ1時間とんでもなく心が真っ暗になります。理想の自殺ノートを完成させたいというモチベーションがあるから、生きていられているのかも。という締めくくり後に、ステージ降りた時に、この芸人さん、死んじゃいかねないな、大丈夫かな、と思いました。

ただですね。非常にストレートなストーリーテリングで、客に話しかける形式で、時系列に進んでいく。自殺ノートを作るワークショップ、といっても、フォーマットとしてはネタ帳にメモリながら進行するWiPと変わらないです。こうした構成スタイルでも、1時間のストーリーテリングを客が集中して聴けるクオリティに仕上げている点で、彼女の実力は高いと思うのですが、こうした内容を語るにはあまりに捻りのない、ストレートすぎるストーリーテリングのせいで、メンタル治療という役割を持つ以上の、クリエイティヴ性やアート性が薄い作品…と、こんな内容のショーに向かって悪魔のような感想を持ってしまいました。

こんな感想を持ってしまった理由は、おそらく、というか確実に、ガッドさんのMonkey See Monkey Doとか、Kim NobleのYou Are Not Alone  そしてLullaby for Scavenger(感想アップしてなかった 汗)を観てるからなんですが。やはり、(ダーク)コメディ枠のわりに、何一つ(事実を述べる中で盛り込めれるちょっとしたジョーク以上の)コメディを作り出していないというのも気になりましたね。

どうなんでしょうね。フリンジシアターの知識と鑑賞歴がないから、認識カテゴリーを変えてたらこういうことでもこういうものなのか、わからないんですよね・・・

彼女SNSでエゴサするので、この記事あげるときは、全部カタカナでアップしないといけないな、と(汗)

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