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2022年8月3日水曜日

Edinburgh Fringe 2022: Preview of the Previews Day II エディンバラ・フリンジ2022 プレビューのプレビュー?観ました:John Hastings : Do You Have Any Ointment My John Hastings

 

ほぼほぼ2年ぶりのフリンジ。3週間強に渡るコメディ・マラソンのリハビリ?期間を、通常の2日間(プレビュー)よりも長く4日間やってる演者さんがパラパラいまして。もはやプレビューのプレビューみたいなものの鑑賞2日目の記録です。


下記は(冒険しようと言っておきながら、結局→)時間とお金の都合がつかず見れてなかったけども、フル・プライス支払わなければならないレベルでパワーハウスなのは重々承知の芸人さんその1。つまり頑張ってすぐにその2も書く予定です。


1) John Hastings : Do You Have Any Ointment My John Hastings

https://tickets.edfringe.com/whats-on/john-hastings-do-you-have-any-ointment-my-john-hastings

カナダ出身だけど、結構長いことイングランドにいて、結構毎年エディンバラにきてたんだけど(多分8年くらいはきてたと思う)でもパンデミックのちょっと前にアメリカに移住しちゃって、フリンジでもない限りなかなか見れないと気づいたので、行ってきました。

カナダなので、オーストラリア同様二大大国(→アメリカとイングランド。スコットランドは別の国的に考えてください)を距離をおいて、歯に衣着せず、ガツガツ突っ込めるんですよね。

この人の笑いは、太い。と思いました。ちょっとGlen WoolとかGreg Davisとかのダイナミズムを感じます。前はもっとBonkers系のナンセンス&プロップも使っちゃうこともあった気がしたけど、今回はマイク一本でした。

内容は・・・

2年間いろいろありました。離婚したし、生死を彷徨うレベルの自転車事故起こしたし、心の支えだった親友が死んじゃったし、ズボンにウンコしちゃったし・・・一体、どこがコメディ?と思うかもな内容ですが、この「いろいろ」がフリンジの賞レース(注:コメディ)で生き残れるほど(強いて言えばここ6−7年くらい)絶賛されるタイプです。人死んでるのに失礼ですが、この構成パターンが増えちゃったせいで、賞取りに本気出してると思われやすいかも。このショーでも40分くらいで人死にますし。

感想は・・・

電気がつかなくて開始がちょっと遅れたんですけど(→フリンジあるある)、冒頭から

「フリンジショーでスタンダップ・ショーっていうとね、必要なものって3つじゃん。電気と、音声と、(みんなが持ってる)チケット。ここ12分前に来たら、電気つかない、音声繋がらない。でもハコのプロモーターがみなぎる自信で『ダイジョーブ!ダイジョーブだから!だって、ただのテクニカルチェックでしょ?色々確認はできるからダイジョーブ!』

『いや、違う。今から12分後にショーがあるんだけど』

『・・・・・。誰がやるの?』

『・・・・・オレがやるの』

『・・・・・チケットのチェック機器のシステムが今ダウンしてるので、立ち上げないと・・・・・』

・・・と、経験と実力を兼ね備えるカナダの芸人さんはいかなるハプニングも客のヘクリングも全てスクリプト内のことのように、華麗に大きな笑いにしてしまうんですよねぇ。こんな調子で先述のエピソードも、政治風刺や国や文化のイメージを巧みに利用しながら、語って行く。客を、そして自分の過去を、無情に、自信満々にいぢる。マクロ政治とリンクする笑いが、日常生活に根付いてるのが素晴らしかったです。

ところでカナダって学校での性教育禁止な時期があったんですって? それをいぢってるネタが面白かったです。あとこの人、眉毛も金毛の白人の男性で、みるからにオレみたいなマイノリティなんか捻り潰しそうな人たち系じゃないですか。「白人男性の容姿」という角度で練り上げられたイメージを元にした自虐の笑いも、やっぱりうまいなぁーとうならずにはいられなかったです・・・



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