イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2022年8月8日月曜日

Edinburgh Fringe 2022 エディンバラ・フリンジ2022 幾千ものストレートの物語が紡がれるように、幾千ものレズビアンの物語も語られるべき、と再確認させられるパワフル1時間。泣きます(一応カテゴリーはコメディですけど)。GRACE PETRIE: BUTCH ADO ABOUT NOTHING

 もともとフォーク・シンガーなんですよね。オレ、あんまりフォーク・ソング得意じゃなくて詳しく知らないのですが、最近のアルバムはUKチャートにランクインしてるくらい有名です。今回初めてギターなしのスタンダップ1時間をやる、ということで、同行者が注目しまして、行って来ました。

GRACE PETRIE: BUTCH ADO ABOUT NOTHING

https://assemblyfestival.com/whats-on/grace-petrie-butch-ado-about-nothing


これはもはや笑えるとかジョークがどうの、という話じゃないですね。ポロポロと笑わせてくれるジョークもあるのですが、正直「コメディ」というよりは、彼女の話を聞きに行く60分でした。話術はとても長けているので(さすが表現者&音楽のプロ)1時間はあっという間でした。これが1hのショーのデビュー戦かと思うと、素晴らしすぎる語り手でした。

レズとトランスジェンダーの複雑すぎる問題を彼女の生い立ちや経験から通してみるろ、どうなっているのか。彼女がどんなことで傷つき、血の滲むような思いをして生きてきたのか、どのように対応してきたのか。1987年生まれの彼女が幼少からティーンとして過ごした90年代、2000年代は、まだまだゲイ&トランスジェンダーは発展途上国すぎた。彼女がいう通り、レズがSoap Operaでフィーチャーされるのもいっときだけ。彼女の視点で語られるストーリーは、千人十色の一つです。真実であり唯一無二なのに「ああ、またその話ね」的に扱われたり、当事者グループも(の人々も一部)含めて「異議あり」と敵対視してきたり、一派ひとからげにしたりされることが山のようにある。

だからこそ、声をあげて、伝え続けていかなければならない、という彼女のメッセージが痛いほど心に響きました。ぜひ観に行って欲しいです。ちなみにグレイスがマイク一本持って自分の話をしようと思い至ったのは、Hannah Gatzby のショーで覚醒したからだそうです。すごくそれについても納得です。



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