これは新たな期待の星が。
Tom Little Has Good Reviews So Prepare to Be Impressedhttps://tickets.edfringe.com/whats-on/tom-little-has-good-reviews-so-prepare-to-be-impressed
【自分も彼のキャリア詳細がわかってないので、紹介入れます】
ローカル(カンブリア出身らしい)での活動を計算すると芸人キャリア7年くらい?っぽいです。が、2016年はLeicester Comedy Festivalが開催する恒例新鋭芸人アワード受賞していて、2018年にエディンバラきたときはAmused Moose Comedy Awardの新人枠ノミネート。さらにパンデミック中に、頑張ってSNSと現場で活動したのが功を奏して、知名度がコメディ民の間で爆上がりした感じです。
というのも2021年にエセ・ミニ・エディンバラ・フリンジがあったときに、フリーフリンジで毎日猛進していて、(演目少ないんで)レビュワーの注目ガッツ集めて、そのチャンスを逃さず、着実にキメてったんですよね。
いろんな理由からフリー・フリンジにチャンスさえあればブレイクする的な才能の塊みたいな芸人さんが集中したのが7−9年前。その後、フリーフリンジから席をギャランティするためにプリペイドとのコンボを設けるシステム&プリペイドにシフトする傾向になったのと、大手(Pleasance, Assembly, Underbelly)ほど演者も客もコストをかけなくてもいいMonkey Barrelが到来してくれたので、クオリティの高い1hショーをやる技量を持つ芸人さんによるフリーフリンジが下火になったんですよね。そんなところにパンデミックがきて・・・今年。
あんまり回ってないけど、このショートクリップたちは相当笑えると思います・・・
THREAD!
— Tom Little is doing EdFringe (15.45 at Subway!) (@ThisIsTomLittle) September 23, 2020
I make a lot of silly videos for Twitter, so please follow me and retweet if you like them. Here's some of my best, starting with my version of the Grandstand theme tune. Thanks. pic.twitter.com/1ZZJjQt0e9
あと、このクリップ見る限りでは(多分Sunil Patelと共同執筆してると思うんだけど)、相当のインテリです。
確かに、インタビューで影響を受けてるのがStewart LeeとかJohnny Vegasっていってる・・・もともとコメディドラマとかを書きたくてこの業界に入ったそう。だけど、スクリプトをあちこちに送ったところで、誰にも読まれず、反応も得られず終わっちゃう。でもスタンダップだったら、書いたジョークをすぐに発表できて、反応も得られる・・・というわけでマイク一本の世界に入り込んだ、とのこと。
【感想】
ショーが始まる前15分前にはラテ片手に会場に到着してたのですが(注:会場の向かいがUnderbelly。そこに街で人気のMimi's Cupcakeが出店してて、コーヒーとかケーキとか買えるのです。おすすめ)その時点で既に長蛇の列。もうちょっと遅かったら中に入れないほどの人気ぶりです。会場のキャパは175人だそう(立ち見も含め)ギリギリ入れる組だったので、立ち見で1h見ました。
午後15時45分開始のショーではあるのですが、週末土曜日のフリーフリンジで「コメディ」をみるつもりで来るお客さんのタイプは、保証できない。ということもあってか、セルフ紹介(ステージに上がる前に自分で「Please welcome, XXXXX!」的なMC入れる)なしで、いきなりステージに上がってきて「ハロー!」と客の意表をつく冒頭。
「ここに来てる人たち、みんないい人だよね? オレ、すごいナーヴァスで、強気なタイプじゃないから、そんな人間に対してみんながいい人だってのわかってる! だから普通だったらオープニングでは通常(確実に笑える)強いジョークを持ってくるんだけど、オレはそれやんない」っていう、いい感じの強いジョークで始まりましたw。
やんちゃなランドセル小学生系をイメージしてたのですが、本人言ってる通り、ナーヴァスでプレッシャーに弱い社会の弱者的印象で、ちょっとびっくり。ただ、そのイメージとは反対に、ズケズケとした内容をすごいスピードでまくし立てるんですよ。ショー中の頭の回転速度に口が追いついていけてない? それとも、もしかして、スタッター持ち?と思ってしまったほど。ガチ緊張で荒削りと考えるか、このショー用のパーソナを作り上げてた、と考えるかは、次回にこの芸人さんを目撃した時に判断できるかも。というのも、帰って来てから、この芸人さんのクリップを視聴したけど、同じネタ喋っている(ヨーグルトのネタとかカンバーランド・ソーセージのネタとか)のに、こんな喋りのスピードも持ってないし、メンタル弱い社会の弱者っぽい感じじゃないんですよね。フリー・フリンジの現場にもすでに慣れていて、ほぼほぼ全て想定内なはずだし。
どちらにしても、オレにとってはポジティブ・サインです。面白いパーソナを作っている気がする。
ネタの内容もパンデミックやら子供の時の話やら大変よくあるがちな導入口から入るんですけど、それはただの導入口なだけで、全く違う世界が展開します。実体験から着想を得た、完全なフィクションの世界(電車の中でたまたま向かい席に座ってた女性と結果的に付き合うことになったけどその人94歳、みたいな)なのだけど、他の芸人さんより臨場感度がめちゃくちゃ高いです。この容姿振る舞いだと、こんな目にマジであってそう、という。ここを計算していての、パーソナづくりじゃないか?と推測していますが、次回の新作で確定しそう・・・。つまり次回も見る気満々です。
この芸人さん、もう一つ、自分がMCになってTom Little and the Best Comedian He Can Getsというミックスビルのショーも夜にやってます。PR費とか、コネクションがなくて、箸にも棒にもかからない状態なフリー・フリンジの芸人さんたちが、彼を通して認知度を上げることができるかも。
この雰囲気は、新しい風を起こしてくれそうな、非常にいい感じです。というわけで、非常に長くなりましたが、注目したいと思っています。
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