もはや番長的存在ではなく元生徒会長みたいな存在になったStewart Leeをかつて番長番長と呼んでいたので、紛らわしくならないようにリッチーことRichard Herringは裏番長と呼ぶことにします。
その裏番長が書いた新作劇 I killed Rasputin 。芸人さんが書く芝居の脚本はもともといつもチェックするタイプですが、今回は裏番長の久々の新作劇ということもあり、有無をいわせません。みないとダメです。 しかもThe Thick of It で、かつて瞬きしすぎて言葉の袋だたきにあっていたBen SwainことJustin Edwardsが出てます。何役で、とか関係ありません、出てるという事実だけで、ただでさえ観ないといけない作品が、たとえ返済の見通しがたたなくてもトイチで高利貸しから金を借りても観なければいけない芝居になります。もう自分、9月のクレカ請求みたくありません。
そんなお金の話はよいとして
I Killed Rasputin
https://tickets.edfringe.com/whats-on#q=show_performer%3A%22I%20Killed%20Rasputin%22
【お話は…】
ときは1960年代のおフランス。かつてロシアで一番お金持ちだったプリンスでラスプーティンを暗殺するも「殺しても殺してもまだ生きている!!」とラスプーティンの存在を訴えつづける(&お金もたっぷり稼いでる)フェリックス・ユズホフのもとへ、アメリカ人ジャーナリストが真相を探りに取材にやってきます。ラスプーティンが本当にまだ生きていたら「リンカーン大統領がバーで酒飲んでることが実証されるのと同じくらいすごい」と、ユズホフから話を聞き出すのですが…。
ユズホフの言ってることは本当なのか、ウソなのか?!
ラスプーティンは本当にまだ生きているのか?!
(僧侶って死なないの?!)
そして最大のポイント、この話のオチは…?!
【リッチー世代のコメディファンなら絶対に楽しめる1本!】
Lee & Herring 世代および彼らの仲間たちにコメディ脳を育てられたコメディファンが本能的に楽しめる作品です。
具体的には
1)政治風刺のスタイル:時事ネタというよりはその奥にある政治哲学にブスっと出刃包丁で痛めつける
2)お茶目であることを常に忘れない
3)冷戦世代なので、ロシア/スターリン主義など東欧を持ち出しながら、巧妙にイギリス社会政治の風刺にすりかえる
が主要項目でしょうか。
オチそのものにもつながる一貫したテーマがあり、プロットとコンセプトと政治的背景がインタラクティヴに繋がっている。さらにオチを含め、ロシア文学のオマージュにもなっているところ、本当に秀逸な一本でした。スルメ的に思い返しては、楽しんでいます。ロンドントランスファーとかないのかな? デカイハコでやってたので、St.James Theatreとか今ホットなHackneyのArcolaとかでやらないのかな。やりそうな気がします。だから絶対にみて欲しいですわ。予想外にそれほどコメディじゃないので、コメディに抵抗ある人もイケると思います!
しかし、プレビュー(→安い)なのに、全然お客さん入ってなくてびっくり(汗 それを考えるとバスデンさんってやっぱりすごい集客力あるのかな、とか (→ え? ベイントンのせい? 汗)
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