イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。
2014年8月23日土曜日
エディンバラ フリンジ Edinburgh Fringe 2014 コレをPerfectionistって言うんでしょうなー Simon AmstellのTour Preview観ました
(注:みたのは10日以上前です)
かわいいんですよ、Simon Amstell。ナマが想像以上にかわいかったので、ビビりました…
(完全ソールドアウト&フリンジの日程は終了しています)
https://tickets.edfringe.com/whats-on/simon-amstell-tour-previews
全国ツアー日程およびチケット購入詳細は以下にて
http://www.simonamstell.co.uk/on-tour/
かわいいっていうお年ではないの、よくわかってますが、本当にかわいかったです。しつこいようですが、こういうネコいますよね。いると思います。絶対ネコですね。飼いたいです。
(帰りにもらったハガキチラシ)
じつは、今までサイモンのスタンダップを観たことがなかったんですよ。90年代後半からはじめたというコメディ・サーキットでの活動がLow Keyだったせいもあり、なかなかキャッチしずらかったですね。ほどなくメジャーなTV番組のMCになってしまうし(例:Nevermind the Buzzcocksなど)でTVに出ちゃうと、ロンドンのコメディサーキットに登場する必要はまずなくなるので、でませんよね。そしてスタンダップを本業としていない人のライブをわざわざ観たいとも思わなかったです…
そんななか、「サイモン観てみたいわー!」と目がギラギラするようになったのが、BBC2 シットコム、Grandma's House 。この自虐(Never Mind the BuzzcocksのMC降板後、とくに急ぎの仕事もなくなり、実家に戻るという設定の)シットコムがミゾオチどっこん!だったんです。お母さん役がレベッカ・フロント母さんだった、ってのもあるんですけどねー。でもソレ以外のキャストもどんだけスゴい役者さんたち連れて来るのよ!っていう、(ちゃらちゃら人気の人たちじゃなくて)舞台でも活躍する実力派ばっかりだったんです。
今でもこのシリーズは2000年代のシットコムのかなり上位に入り込みます。
一応Amazonのリンクも貼付けときます。
ボックスセットは出てないんですかねー…
【余談はさておき、Tour Previewの感想を…】
文字どおりの「Tour Preview=Work in Progress」で結構びっくりしました。サイモンには、本能というよりはロジカルに「ここまでなら確実にセーフ」ってというoffensiveか否かの境界線が見えている。しかしそこを超えて「この度合いまで試したいんだけど、そのラインって境界線からどれくらい離れたところにあるんだろう」と思っている。そのライン探しの旅でした。まさにrummage している作業だったのが、非常にみていて面白かったです。ネタ帳をサイドテーブルに置き、客の反応をよく吟味しながら「ああ、コレはダメなの? そう、ダメなんだ (苦笑)」とか「あ、コレはイケる…」とネタ帳に書き込んでいるんですよ。
サイモンは基本ユダヤ人のゲイなので、パーソナルな視点からのエッジな引き出しは沢山持ってるのは、ある程度予想はしていたのですが、シットコムよりよりはるかに、鋭利でときにキツい笑いの連続でした。でもこうした「やりすぎ?」なジョークを、実は境界線を見すえるための模索である、と演出することで、オーケーにしてしまう。さらにはこのスパイスにより、Work in Progressをプロパーなショーとして成立させてしまっているわけです。
なんて頭のいい(かわいい)人なんでしょうか!!!
(ええもう、「かわいい」 は余計ですよ、わかってます)
もう一つ。この人自分のパーソナの作り込みが、うますぎです。シットコムを通した浸透も手伝っているのでしょうが「ボクは有名人だしね、ボクはimportantなの(=キミたちと違うのー!)。だから特別扱いされるべきでしょお〜! ボクがなんでさびしい思いをしなきゃいけないの〜。ヘンでしょぉー!」ってキャラ。女の子からみたら超激カワなんですけど、おそらくストレートの一般英国人男性が「うげえっ!」っていうキャラだと思うんです。ところが、いざ自分の生活では特別扱いされないことが多く、”むむーーん(苦)”って思ってる。そしてそこに誰もが共感する。共感の笑いを呼んだ直後に、「おかしいでしょー?僕は特別なんだよ!」って真顔で訴え、キャラとして笑わせる。
全部緻密な計算により…。
ライブを重ねて経験積み上げてないタイプのスタンダップ芸人さんで、クオリティの高い人って、本当にものすごく頭がよくて計算していて、あり得ないほどの準備期間と労力を尽くしているんですよね。(例:ボー君とか、スティーヴン・マーチャントとか)サイモン・アムステルさんもそのカテゴリーなんだな、としみじみ思いました…
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