イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2018年8月11日土曜日

Edinburgh Fringe 2018 結局みちゃった(滝汗)1hライブコメディ制作の視点から、Work In Progressの醍醐味満載だったTom Rosenthal: Work In Progress


結局見ちゃったよー。同行者も快諾してくれたので、5ポンドでつられました。



https://event.bookitbee.com/17985/tom-rosenthal-work-in-progress

正直、期待してなかったのですが、ものすごく興味深かった。ただ、コメディを作る視点を持っている人でないと、「笑えなかった…」で終わっちゃう状態です。Work in Progressも初期段階くらいな感じで、来年のフリンジに持ってくるとのことなので、今の時点でどうこういっちゃいけません。むしろ笑えなかったのに1時間よく空気を繋げたよな、と正直感心するほど、傑作へと変貌を遂げるネタとポテンシャルが詰まってました。これはオレのいつもの「かわいーんだからいいじゃーん」で言っているのではないです。ではこれから詳しい説明及びネタとポテンシャルについて検証していきたいと思います。

【ネタ】
トムくんの知られざるトラウマについてです。そのトラウマとは、はい、生まれた時にcircumcise (割礼)をしていること。皮ちゃんがないことが今日に到るまでのセックスライフだけでなく、子供の時から嫌な思いばかりしてきた、と。学校で笑いものにされたり、みんなと形も様子も違うことに悩み、ティーンの頃には残ってる皮を引っ張って元に戻したいと医者を訪ねたり、なぜ割礼なんかしたんだと親を妬み、バレンタインデーに皮のない自分のち●こがどれだけセックスの際に不利で機能的に劣っているかを手を使って具体的に力説しバレンタインデーに彼女に振られたとか。
こうしたエピソードに平行して割礼したち●こについて医学的、社会的、そして宗教的な観点から(ニュースや時事ネタも入れ込み)説明を入れていきました。最後のクライマックスで、皮ちゃんのなくなっちゃった人たちように色とりどりのカバーを売っているらしくそのカバーを紹介したり、なぜか割礼に加えて自分が深刻なOCD でもあることを告白(おいおいずれちゃったぞ?)、その後、Louis CKとJim Jefferies の爆笑割礼ネタを入れ(→軽くしようという試み?)「あまりにどんよりなんで」とネタ張を取り出しワンライナー系ジョークをいくつか披露して、終わりー!

【ポテンシャル】

ち●こに皮ちゃんがない、ということが重いトラウマになっている、というネタ自体が新鮮そして(下ネタではなく)普通に面白いと思います。オレが知識不足なのかもしれないけど、このショーで語られていたち●こ情報、特に医学的割礼情報は、今まで全くしらなかったので、本当に目からウロコ、真面目にふむふむと腕を組んできいてしまいました。


ただこの情報がトラウマになっているくらいの辛さを強調しちゃうんですよね。同情しちゃって全く笑えなくなっちゃう(滝汗)あと構成(展開というよりは強弱とか押し引きとか)があってない感じなので、塩水に産地直送の美味しい野菜やお肉を火もかけずにぶっこんでかき回してる感じでした。ナマモノばっかりなのでいろんなところを調理して、綺麗にまとめてくれればすごく面白くなると思うの。即物的になんでも語る皮ちゃんのアニメキャラとお話する、という下りはナイスアイディアだと思うので、その皮ちゃんのキャラを掘り下げて(つまり皮ちゃんがトラウマそのものなので)経験や時事・社会問題と上手に絡めていくと、いいんじゃないかなーとか、オレだったこう改善する、みたいなことを妄想しているのが非常に楽しいです。

どんな楽しみ方だよ、なんですが(笑 とりあえず、来年フリンジにくる、とのことなので、楽しみに待っていたいと思います。

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