イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2013年8月2日金曜日

Edinburgh Fringe 2013: 感動と笑いがすごすぎてゲッソリ。この2本を同じ日に見るのは命がけです☆Nonsense Overdrive by Tony Law & Fylm by Simon Munnery


アンドリュー兄さんの感想記事にて半額でもプレビュー期間でも、ステキな笑いの時間を過ごすためにWork in Progressでも安心のベテラン天才芸人のショーを選んだワテクシですが… ちょっと、手堅すぎるものを選びすぎました……
  Tony Law, Nonsense Overdrive 

去年愛をぶちまけたトニーさんの賛辞はこちら

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-416.html

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-417.html

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-422.html

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-482.html

そして

Simon Munnery,  Fylm

オレ様がティーンのころおっかけしていたよ、みたいな記事はこちら

http://komeddy.blog130.fc2.com/blog-entry-414.html






1日にライブコメディの秘宝のような2人のショーをみてしまい、笑いすぎて感動しすぎて、魂ごと抜き取られたふぬけになってしまいました。


Tony Law のNonsense Overdriveは、タイトルでお察しどおり、去年のMaximum Nonsense(上記リンク参照)の第2弾でした。
今年は宇宙と科学を前フリに(写真の形相ですから、科学者みたいに思われるんだよね、みたいな話です。)もうハイランダーですよ。もしくは、ドクターです。「オレが聖書書いたんだよね〜」「オレが言葉作ったんだよね〜」「オレが羊と人間の間とりもったんだよね〜」…などなど。ええもう、昨年同様、アッチのネタに手をつけてはぐっちゃぐちゃに引っ掻き回し、収集着かなくなって、別のネタに飛びつく、別ネタでこれでもかというほどにとっちらかして、もはやネタの痕跡すらよくわからないほどにぶちこわして、えーっと…と違うネタに飛びつく、の繰り返し。1年ぶりにエディンバラに、ゴジラ、トニーが復活。「こんな地下で貧乏人相手に叫んでいても、おれはビッグになれない!オレにはスタジアムが必要だ!」って叫びながら、昨年のメインディッシュだった象ネタに匹敵するメインディッシュが登場。でてきたのは、宇宙グマふくろうねこです。
天才バカボンの世界みたいなもんですよ。存在しないから、そんな動物。
昨年がMaximumだったのが今年はOverdriveなのも納得の突っ走りっぷりです。フィナーレは去年の象レベルで、涙ものです。
トニーさんはNonsenseシリーズ、何部作作る予定なんでしょうか。このまましばらく作って行って欲しいです。当分あきません。だってこれ他にできる人いないもの。他にやりはじめた人がいたら完全パクリだもの。トニーさん、ぜひ来年はNonsense Superdriveとかなんかで、ぜひ第三弾を期待します!

Simon MunneryのFylmは、すでに今年のグラスゴー国際映画祭関連で行われていたイベント系で発表されていて、批評家たちから大絶賛を浴びていたショーなんですね。とはいえ、彼は批評家&玄人たちが尊敬する天才なんで、いつものことなのですが! ただ昔はちょうど90年代におきたコメディブームのおかげで、今まで客層としてはあり得なかったサッカー好きなゴツイ男どもが混じって来るようになったとき、理解されず、客層の空気に当たりはずれが多かったんですね。今はすっかりステイタスを確立し、アート系のThe Smith系の本好きの1人で見に来ちゃうオタクが客層として定着し、サッカー好きなごつい男の子たちは、よりつかなくなったので、Simon も変に邪魔されることなく、居心地よい環境で自分のコレだと思うことを展開しやすいピークにいるのかもしれません。
という予備知識はおいておいて
どういうショーだったかというと、まず最初から最後までステージに一切たちません。 ステージにプロジェクターをおいてですね、その場で映像を作るんです。生ギター演奏と打ち込みのシンセもおいて、ライブで音入れまでします。もともとこの人ミシェル・ゴンドリー監督みたいな、段ボールとか色紙とか、クレヨンや色鉛筆で絵を描いて、人形劇するとか、そーゆーことをやる人なんですね。写真や絵の切り貼りをライブでアニメ映像化する。とにかくシュールなんで、仕上がりは、かなりパイソン系です。
 写真をきりばりして作った自分とホンモノの自分との間でインタビュー。笑いやってなかったらデトロイトで数学の補充教師になりたい、Mr.Tみたいな教師になりたい、とデトロイトでMr.Tみたいな数学の補充教師風にピタゴラスの法則を説明しはじめたり(ライブ映像です)ワンコ2匹シリーズで手術編では、内蔵みて食べちゃうとか、宇宙編では、2001年宇宙の旅のパロディでウンコ舞うとか(切り貼りのライブ映像です)平気でナンセンスの骨頂をやります。あのケンブリッジ大学で1stとってる人なんで、哲学テーマ盛り込んでウンコ舞うとかやるんです。
マジで芸術でした。いつも何か新しいフォーマットを模索し、形にし、しかしながら、独特のテイストを一貫してキープする。テイストをキープしたまま前衛的であり続ける。それがオルタナ・コメディ界の天才サイモン・ムネリーです。

おりしも、先日UK音楽ジャーナリズムの第一人者的存在であり、ブリット・ポップと命名したパンクなジョン・ロブせんせいから、アンダーグラウンドとメジャーの垣根の話をうかがってきたところなのですが、この2人の極上の笑いを再び体験して、ロブせんせいの話していたことは、コメディの世界でもおなじことがいえるなぁと思いました。
ロブせんせいが何を語っていたかは、1週間後にリンクを作ります。そして、この部分、もうちょっとアップデートしたいと思います!


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