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2013年8月11日日曜日

Edinburgh Fringe 2013: 知る人ぞ知る、の絶対に期待を裏切らないハイクオリティ芸人さんです☆John Gordillo: Cheap Shots at the Defenceless


John Gordillo: Cheap Shots at the Defenceless

お気に入りの芸人さんなんですが、活動としてはショー(TV番組含む)ディレクターさん業が多い印象を持っています。Eddie Ezzardの番組などずっと担当していました。
2003年にフリンジでノミネートされ(→事情があって2003−4年はコメディウォッチング活動が一切ブラックアウトでした)、その後2007年現れ、オタク仲間に勧められて観たのが初めてです。社会的な問題(いわゆるcurrent affairsですね)や学術的概念とからめながら父親との関係をミクロとマクロな観点による分析していく、“説明をきいているとちっとも面白そうに聞こえない!”けれども、実際にきいてみるとイギリス人ならではの皮肉いっぱいな極上の笑いが詰め込まれている素晴らしいネタだったんですね。笑えるのになんか自分の思考がワンランクアップした気分になる。インテリを気取っているわけではなく、です。素晴らしいです。それ以来いつも必ずチェックしています。

今回も基本的には同じ。今回は義娘さんがメインで父親がサブでした。ジョンさん養子をもらったらしいのです。話をきいていると、まともな両親に恵まれず、酷い仕打ちを受けてきた子どもたちを救う保護施設にいたティーンの女の子を我が子として迎え入れた様子。父親としてがんばりたいのに、義娘さんがココロを開いてくれないそうで、会話はすべてテキストメッセージ。しかも超乱暴でリスペクトのかけらもない。なぜこんなに報われないんだ、とため息の日々。
 父親は、なぜ養子をもらったんだ?血を分けた子どもにすればいいのに、とジョンさんにいうんですって。でもジョンさんは、自分が父親相手に経験したネガティブなこと〜〜血を分けた親子の関係では必ずありますよね〜〜を我が子に経験させてくない、そう思って養子をもらうことにしたんだそうです。しかし前述のようなまったく別の悩みを抱えている…

一方、DMやセールス、それから街に溢れるお店の看板などどーでもいいものにかぎって、なんて「フレンドリー」で「親しい友達」みたいな文句ばっかり書いてるの?と。最近イギリスのセールスDMは、まるで友達に手紙を書いているようなものばかりなんですよね。お客様、という感じではなく、たとえば“Hey John! Can you keep a secret?”みたいな出だしで「今なら●●がおトクなんだよ!」 みたいなセールス文句が並ぶんです。でもこの手紙の主なんて1個人の人間としては本当は存在しない。大企業が作った“ある人間のイメージ”を誰もがまるで存在するかのように扱っているんだよね“と。

 このことを表す学術語があるそうで、そのときは憶えたつもりだったんですが、すっかり忘れてしまいました(あとで調べます)そこまで掘り下げながらも、見事に最初の親子の関係に戻って行くんです。しかもとってもシニカルな笑いたっぷりに。
なんて素晴らしいのだろうと、感動せずにはいられませんでした。一つのテーマに沿ってネタをいくつかならべていくという手合いを完全に越しています。なんて品質の高いコメディなのでしょう。確実にウディ・アレン的なテイストです。(そうか!ここに継承者がいたか!? 爆

というわけで、まだまだジョンさんはワテクシのお気に入りリストに入っております!

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