イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2023年8月6日日曜日

Edinburgh Fringe 2023 エディンバラフリンジ2023 アメリカの芸人さんのショーを観まして。感想です。その2 Nick Pupo:Addicted

 稲村がアメリカのライブコメディシーンに疎いことを知る友人(ロンドン在住)から布教され、行ってきました。この2本をお勧めしてくる友人の精神状態を心配すると同時に、2本とも、いくつかの理由で感想を書くと面白いな、と思ったので、アップしたいと思います。

 (はじめは2本いっぺんにと思ったけど、長くなっちゃったので1本1記事にします)


Nick Pupo:Addicted

https://tickets.edfringe.com/whats-on/nick-pupo-addicted


こちらもストーリーテリング・コメディ枠と認識し、タイトルを見ればある程度 予測はつくとは思いますが、彼自身のドラッグ中毒の実体験のお話です。

とはいいつつも、テーマの軸は「真実を語ること」。包み隠さず、嘘をつかず、正直になること、です。

フロリダの郊外での生い立ち、おさなじみとの出会いと、そのおさななじみが大切にしていたハムスターをあやまって殺しちゃうこと。真実を隠して過ごしてしまうこと。

フロリダって子供たちにDEAのドラッグ、ダメ、絶対!的なビデオを見せるんですってね(学校で行うのかな?)それをみて、ドラッグ超こわい!って思う一方、演者さんはかなり早い段階からドラッグを体験する状況に遭うんですね。で、14歳だったかな?から色々はじめてっちゃう。一方、幼なじみは、清く正しく美しい人生を歩んでいくので、ドラッグをやっていることを隠して過ごしていく。ショーは、好奇心と誘惑、最高の(希望のない現実からの)逃避になってしまった経緯、一方で、常に後ろめたい感情と罪悪感に苛まれ、勇気を振り絞って話してみれば、実は状況は改善することもあるのに、上手にできずに翻弄され続けている姿を正直に語っていくものです。

こちらはAvital Ashに比べ、客に語りかけるタイプのプロパーな一人芝居になってました。彼のキャリアのバックグラウンドを知らないけど、スタンダップ芸人と言ってるわりに、ドラマスクール上がりという印象を受けました。

ただですね。パーソナル・レベルでのみストーリーが展開されていくせいで、ドラッグと遭遇したベース環境が、ミドルスクールでの比較的よくあってもおかしくない手合いのものなのか、それとも彼の置かれている生活環境を反映しているものなのか、わからないんですよ。フロリダの社会環境の知識なんて、フロリダ・プロジェクト(映画)とか?ブレイキング・バッドってフロリダ関係あったっけ? っていうレベルだし。こちらも苦しんでいる状況にあり、この作品がtherapy sessionの役割にもなっている演者に対して悪魔みたいな感想を持って、酷すぎるのですが、個人レベルを通して社会観光レベルを見れるよう奥行きを作って欲しかったです。

さらに、こちらも最大の問題点は、コメディの要素が薄すぎる、ということ。本当に申し訳ないのですが、ここ(エディンバラとかグラスゴーとか)に住んでると、中毒で苛まれている方々ってそこそこ身近な話なんですよね。ドライに、ダークに皮肉いっぱいに表現する文化習慣があるし(伝統?)、そこら中にこれをダークユーモアに仕立て上げてる名作もゴロゴロ転がっている。あの例の名作の名をを挙げる必要もないと思います。ドラッグにしろ何にしろドラッグとかアルコールをネタにした作品の水準と笑いの盛り込み方が、他のエリアより異常に高い。深刻な問題である一方、笑えないよね、じゃないんですよね。

印象としては、彼がコメディクラブなどで20分くらい話す中毒ネタの方が面白いんじゃないかなーと思いました。そしてオレの友人もそういうミックス・ビルで彼のネタを見たのかもしれない・・・です。

で、とりあえず、この2本をリストに入れてきた友人のメンタルを気遣いたいと思います。



Edinburgh Fringe 2023 エディンバラフリンジ2023 アメリカの芸人さんのショーを観まして。感想です。その1  アヴィタル・アッシュ: Workshops Her Suicide Note

稲村がアメリカのライブコメディシーンに疎いことを知る友人(ロンドン在住)から布教され、行ってきました。この2本をお勧めしてくる友人の精神状態を心配すると同時に、この2本とも、いくつかの理由で感想を書くと面白いな、と思ったので、アップしたいと思います。

 (はじめは2本いっぺんにと思ったけど、長くなっちゃったので1本1記事にします)

Avital Ash: Workshops Her Suicide Note

https://tickets.edfringe.com/whats-on/avital-ash-workshops-her-suicide-note


フライヤーに「物心ついた時から、常に自殺の思想と鬱と共に生きてきた」というオープニング。子供の頃に実母だと思っていた母親が実は父親の再婚相手で、実母は1歳半の時に自分の前で自殺していた、というかなり衝撃的な展開です。潜在意識の中で虚無感が自分を虫食っていて、死にたいんだけど、まあせめて死ぬときくらいは、明るいトーンで朗らかに、笑いもあったりしながら、さらには希望もあったらいいな。タイトル通り「自殺ノートのワークショップ」で、彼女が生い立ちストーリーを語りながら、ちょっといいセリフや言葉、フレーズを(ピックアップされた書記役の客と)彼女自身がメモって行き、最後にそれをつなげて自殺ノートを作ります。

幼い頃のバックグラウンドに加え、思春期の体験談が、スパイクされてることなんですよ。なぜそんなことをされるような状況に身を置いてしまったのか、といえば、その幼い頃の精神的ダメージがネックになっているのと、彼女の家族環境が厳格なユダヤ教徒にあることですが。しっかり言わないですけど、このくだりで、ガチで演者が涙ぐんでしまうので、被害者になってしまったのだと。

非常に重い話です。厳格なユダヤ教のもと生まれ育つと男女差別も半端ない。被害に遭っても実父には信じてもらえない。また、ホロコーストのトラウマもかかわる。笑いもちょっとだけありますけど、ほぼほぼ1時間とんでもなく心が真っ暗になります。理想の自殺ノートを完成させたいというモチベーションがあるから、生きていられているのかも。という締めくくり後に、ステージ降りた時に、この芸人さん、死んじゃいかねないな、大丈夫かな、と思いました。

ただですね。非常にストレートなストーリーテリングで、客に話しかける形式で、時系列に進んでいく。自殺ノートを作るワークショップ、といっても、フォーマットとしてはネタ帳にメモリながら進行するWiPと変わらないです。こうした構成スタイルでも、1時間のストーリーテリングを客が集中して聴けるクオリティに仕上げている点で、彼女の実力は高いと思うのですが、こうした内容を語るにはあまりに捻りのない、ストレートすぎるストーリーテリングのせいで、メンタル治療という役割を持つ以上の、クリエイティヴ性やアート性が薄い作品…と、こんな内容のショーに向かって悪魔のような感想を持ってしまいました。

こんな感想を持ってしまった理由は、おそらく、というか確実に、ガッドさんのMonkey See Monkey Doとか、Kim NobleのYou Are Not Alone  そしてLullaby for Scavenger(感想アップしてなかった 汗)を観てるからなんですが。やはり、(ダーク)コメディ枠のわりに、何一つ(事実を述べる中で盛り込めれるちょっとしたジョーク以上の)コメディを作り出していないというのも気になりましたね。

どうなんでしょうね。フリンジシアターの知識と鑑賞歴がないから、認識カテゴリーを変えてたらこういうことでもこういうものなのか、わからないんですよね・・・

彼女SNSでエゴサするので、この記事あげるときは、全部カタカナでアップしないといけないな、と(汗)

2023年8月5日土曜日

Edinburgh Fringe 2023 エディンバラフリンジ2023:まだ始まってないのにベストショーを観たかもしれない!星6レベルの大傑作:Kieran HodgesonのBig in Scotland

 強く推します。

https://tickets.edfringe.com/whats-on/kieran-hodgson-big-in-scotland

キエラン・ホジソンに関しては、彼がフリー・フリンジで注目を集めていた頃からずっとレポートを送り続けているし、近年はテレビ(Two Doors Down とかPrince Andrew: The Musicalとか)でも活躍するどころかThe Flashでアメコミ映画デビューもしちゃってるし、パンデミック中は、大人気英国ドラマの登場人物をことごとくモノマネするYOUTUBEクリップがいくつもヴァイラルになっちゃってるので、逆に20代前半からコツコツと全て自分で脚本構成演出して、批評家たちを根こそぎ魅了する一人芝居を作り続けてきた印象はもしかしてもしかしたら、薄れてしまっているのかもしれない・・・のですが、彼は本当にすごいのですよ。

彼はJohn Kearnsと並んで2010年代のフリー・フリンジのブームを巻き起こした人物だと言っても過言ではない…と個人的には思っています。

2015年のショー(アワードにノミネートされてる)↓

http://www.gojohnnygogogo2.com/2015/08/edinburgh-fringe-2015kieran-hodgson.html

2016年のショー(アワードにノミネートされてる。ガッドさんのモンキーがあったのでね、ガッドさんに持ってかれた。これはもうしょうがない)↓ちなみに、このショーでパートナーのスチュワートとの結婚ご報告。わんだふぉー&あどーらぼーがたけなわ。そら黄色い声もあげるわ。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2016/08/edinburgh-fringe-festival-2016-kieran.html

2018年のショー:これがBrexitをテーマにしたやつですね。確かこれTV化されましたよね?違いましたっけ?

http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/08/edinburgh-fringe-2018-kieran-hodgson-75.html


【今回のお話】

音楽と共にコテコテのタータンジャケットを着て「やあみんな!僕はスコットランド人のキエラン! 生まれ変わってスコットランド人になったキエランなんだよー!」って爽快に登場。みんなが知ってた以前のイングランド人キエランはもういない。壮大な大地の自然と古い伝統がDNAに刻み込まれ、情熱と人情に溢れるスコットランド人なんだ! なぜ現状況に至っているか、これからお話したい・・・。

つまりですね。

ヨークシャー生まれでイングランド育ちのキエラン君は、着々とショービジネス界でキャリアを積み、夢も希望もさらに膨大になり、ロンドンだーハリウッドだー!ってキラキラ(ギラギラ?)してくるわけですよ。そんなある日のこと、BBCのシットコムでレギュラーの話が舞い込んできます。それが、グラスゴーのはずれが舞台に繰り広げられるTwo Doors Down。モノマネ得意なキエランくんですから、「グラスゴーのアクセント問題なくできると思うし、まあいいかな?」と詳細を聞くためにBBCの人と会うのです。するとBBCってもBBCスコットランドだし、この仕事受けるならグラスゴーにしばらく移住しないといけない。ええええ(萎)、なんでギラギラに輝く場所がハリウッド・ロンドンのはずの僕が、グラスゴー(なんぞ)に行かなきゃいけんのよ。っと、なるものの、BBCのシットコムのレギュラーなんて憧れていた仕事の一つ!ということで旦那さんに相談するわけです。すると奇遇にも(彼はクラシック演奏者。これについては2016年のショー、マエストロのリンクを踏んでください)旦那さんもグラスゴーのロイヤルコンサートホールでの仕事の依頼があり、「これは運命!!」とグラスゴーへ。期待を膨らませてスタジオに行くのですが、行ってその場でグラスゴーの「カルチャーの壁」にぶち当たります。で、無意識下に働いていた「おごり」に気づくんですね。そして気づくんです。これか、これだったのか。と。

実はそれと並行して、キエランくんは友人アンディの結婚式に参加し、ベストマンとしてのスピーチを披露したんですね。その時に自分は(プロとして)最高のいいスピーチしたよね、ってドヤってたんですが、終わった後に、衝撃のダメ出しフィードバックを聞いてしまうのです。「キエランってさ、いつもいつも史実責めでマウントかけてくんじゃん。結婚スピーチであんなに史実ぜめでマウントかけてくるってどうよ。全然おもろない」


ええええええええ・・・

キエランくんの中で、この二つの事件がかち合うんです。イングランド人のキエランは史実責めで、マウントかけて悦に入り、この姿勢でスコットランドへ乗り込んで行っていた。違う、そうじゃない。イングランド人の皮を取り去り、マウントかけて悦に入っていた自分を脱ぎ捨て、スコットランド人として新しく!新しく生まれ変わるんだ!!

そして、スコットランド人になるための旅が始まるってやつなんです。


【感想】

何よりすごいのが、お得意の史実ぜめでマウントすることなく、スコットランドのカルチャーの真実をものの見事に描写していることです。それには何が必要かといえば、場所によって違うアクセントや人柄、地元色。イングランド人のスコットランドに対する言動や態度、スコットランド人のイングランド人に対する考え方の表現なんですが。例えば、Two Doors Downで、キエランくんが「スコットランド人できると思う」と軽く言ってみると、相手のプロデューサーが「…イングランド人がスコットランド人をやるってね、とても微妙でね。君がモノマネ上手だってのはもちろん知ってるけど、上手にできるってだけだと、絶対重箱の隅突かれて、コイツイングランド人のくせにスコットランド人できると思ってやってんじゃん、甘く見られたもんだぜ、って見抜かれるのよ…(延々と続く)」ってところとか。ハイランド(Tyndrumというところ)のパブで、オンライン・レッスンまで受けてマスターしたゲーリック語をブイブイ言わせてゲーリック語で注文して、パブのおっさんに「はぁ?」って言われた上に、地元の人が本来の伝統的な発音で地名を発音してないことを指摘して、めっさキレられる、とかw。

これらを登場人物たちを通して描写していくのですが、全部彼1人でやりますからね。Two Doors Downのスタッフ役も、キャストのイレイン・スミス役も、スコットランド人のアイデンティティを模索するための旅の途中で寄った中継点にあるパブのおじさん役も、全部!完璧に作り上げちゃうんですよ。ゲーリック語も含めて。全部。完璧に。見に行った日はプレビューなので地元中心のお客さんたちですが、いちいち絶賛の拍手ですよ。

友人がWiP含めてフリンジが始まる前に3回見てる上に今回もう一回いくらしいんですが(注:わーきゃーではなく普通のギークです)その気持ちもわかります。もう一回見たいもん。

というわけで、ぜひお勧めです。Next Up Comedyにあるのかな?

https://nextupcomedy.com/categories/fringe-2023

あ、ないや。でもこれ、秋以降、SOHO THEATREでもあるんじゃないのかな? 

見れる方はぜひ!!


p.s. 余談ですが、ゲロかわすぎが健在すぎです。マジ、ありえない。まだ20代半ばにしか見えない。肌のピチピチ感が8年前と変わらない。もう33歳くらいなのに。ありえない。たまたまセンター1番前のど真ん中に座ることになってしまったのですが、両隣のご夫婦の奥さんたち(→基本知らない人たち)と「キエラン近くで見るの大歓迎すぎるわー!かーわーいーすーぎー!!!」って無駄に激しく同意し合って盛り上がりました。みんな思ってることは同じ!


2023年8月2日水曜日

Edinburgh Fringe 2023 エディンバラフリンジ2023 昨年フリンジデビューで高評価を叩き出していたVittorio Angeloneさんの新作観ましたWho Do You Think You Are? I Am!

 

https://tickets.edfringe.com/whats-on/vittorio-angelone-who-do-you-think-you-are-i-am

去年見たTranslationで注目しがいがあると思ったので、今年も早々にプレビュー中から行きました。

結論から言って、かなり良かったです。自己アイデンティティという昨年と同じテーマの模索をしているのですが、前回は1920年代のアイルランドが舞台のトランスレーションというお芝居に沿って話を展開していくので、この構成による「縛り」が斬新である一方、ある種ショーの足を引っ張っていた(?)のですが、今回は完全パーソナルな話のみで構成されているので、「アイリッシュ」で「ベルファスト」「家系はイタリアからの移民」で「ロンドン移住」に加え「白人男性」で「シスジェンダー」で「自閉症かもしれない」な「芸人」が、複雑に絡み合う様をかなり上手に表現できてた。なぜ重く仕上げたがらないか、なぜこれだけ持ってるカードを使いこなそうとしないのか、非常に納得がいきました。

Fin vs the Internetを共同執筆してるからFin Taylorさんと同じマインドセットも基盤にあるんだろうなということが如実にわかるようなネタもありましたね。特に4−5年前のFin Taylor さんを一部彷彿とさせました。

 TikTokでSNSハネしてるの?よく理由がわからないのだけど、2日間除いて全部既に完売らしいんですよ。マジでなぜ?? もしもSNSのせいだったら、この先こういうライブができる実力のある芸人さんたちがSNSを使いこなして大したPRもせずとも始まる前からほぼほぼソールドアウト、がニューノーマル(死語)になるのかもしれないですねぇ。


以下はネタバレになっちゃうのかな? とも思うので要注意。

去年新人でかなりハネちゃったせいで、「友達たくさんできた!」と思ってた友達が、全然友達じゃない!どころか陰口叩かれとったっていう話が出まして。このくだりは、いくつかあった凍っちゃうようなジョークの背景にもなってたんで、ただの暴露で終わりじゃないんですが、まあ正直、うげぇ、ってなりましたね…。(ヴィットリオさんのレベルでこんな目に遭ってるなら、推しなんて一体どんな目に遭っていた可能性があるというのだろう… )



2023年8月1日火曜日

Edinburgh Fringe 2023 エディンバラフリンジ2023 メルボルンコメディフェスティバルでは既に大変好評だったやつ、観ました:Tom Ballard: It is I

 

https://tickets.edfringe.com/whats-on/tom-ballard-it-is-i

フリンジは4日から始まるのですが、今週7月31日からプレビューがダラダラ始まっています。このショーはすでに評判が高かったので(ベネットさんが無茶苦茶褒めてた)、プレビューのプレビューみたいな日でも大丈夫だろうと観に行きました。

彼のショーは2016年に観ていて、2019年は時間が取れずに見逃したために、今回は優先順位が上がったと思います。

以前のショーの感想はこちら。http://www.gojohnnygogogo2.com/2016/08/edinburgh-festival-fringe-2016tom.html


今回も、強烈にえぐい描写で無茶苦茶な社会の様子を叫び倒していました。Paramount Plus でトム・バラード・スペシャル配信されてるらしいんですが、誰も知らねー→昨今の配信コンテンツ会社の経営体制&借金背負いまくってる件についてやら、コロナのせいでうっかりすっかりデブ症状が全く治らない件やら(注:前はもっとスッキリしていた)、こんな容姿なのに25歳のアクロバットダンサーの超イケメンなボーイフレンドできちゃってる件やら、そのボーイフレンドがアボリジニっていう件やら…が前半戦。

真剣なお付き合いをしている様子のボーイフレンドの話から、差別問題ネタに入り込んでいくのかな?と思いきや、そこへは踏み込まず、そのまま乗馬の話へ。(体重上限があって乗馬許可されなかったんですって)。過去に散々切り倒してきてるネタだし、すっかりソーシャリストのイメージも浸透されてるから、なのかもしれません。

今回のメインディッシュ的なネタが、エリザベス女王の崩御とそれにまつわるmonarchy なんですよ。正直、ふむ。でした。去年の9月下旬なので、メルボルンコメディフェスティバル(今年の3月)時期なら、まだ旬の素材かもなのですが、今となってはもう1年近く前のことなので。Monarchy自体は王道ネタだし、いくつも名作があるので、時事的な新鮮さを失うと、リスキーな挑戦ではないかな、と思います。ミレニアム世代なので、しゃべるスタイルも含めてヘタをすると内容自体は、ビデオエッセイをやる系の人気TikTokerやYOUTUBERとあんま変わらなくなっちゃう。面白い子たちいますからねぇ。オーストラリアの視点からに特化すれば逆に良かったのかも?とか。

そうはいっても、トム・バラードさんは、客の空気を読み、インタラクティヴに会話をしながら即座にそして見事にネタを調整していく点では、編集で切り刻んで作ったコンテンツを一方通行に配信するTikTokerやYOUTUBERとは一線を画していたかと思います。彼の持つ技術がないために、後者のコンテンツ配信者はライブシーンで大変苦戦し、若い層のお客さんがライブにどんどんどんどん興味がなくなっていく,というのが深刻な問題である中、彼のような才能のある芸人さんにはぜひ頑張ってもらいたいです。

細々した微調整含め、来週後半くらいにはすごくいいシェイプになってるのかな、と思いました。