イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2021年11月1日月曜日

スポイラーなしネタバレなし:エドガー・ライト監督最新作ラスト・ナイト・イン・ソーホー/Last Night in Soho観ました。

 日本では、12月10日公開ですね。さすがエドガー・ライト監督。日本もさすがに、さっさと公開してくれますね。

https://lnis.jp/

特報映像というのが公開されていますね。

映画サイトに何一つ書かれてないですね。こちらでもトレイラーしか情報がなかったかも。

なので、以下は、何一つ知りたくない!!という人はやっぱり読まないほうがいいかもしれません・・・ただ、お話(のさわり部分)を含めて、全力でネタバレ的なことにならないようにしています。



【ストーリーは・・・】

’ものすごい田舎に住んでいた純粋で(60年代のものが好きな)女の子がロンドンのファッションカレッジに入学を決めてロンドンSOHOへ。そこで・・・’


以上

です。


【ネタバレ自体はしないで感想言います】


1)恐怖は美しい

ジャンルとしては「ホラー」(がメイン)と言っていいのではないかと思います。

で、オレはホラーに特化したギークではないので、あまり自信を持って言えないのですが、美しさを追求したホラー、または、ホラーを通して美しさを追求する映画、としては史上最高と言っていいんじゃないでしょうか? 美しいんですよ。新作なのにクラシック映画のような品まである。これは60年代が映画の中で鍵を握っているせいもあるかもしれないですが、60年代が絡んでいれば誰にでも作れる「品」じゃないです。この「品」は、アートとは何かのこたえの一つかもしれない。

2)監督ファンと映像ファンは涙する傑作

エドガー・ライト監督といえば、完璧主義で、1フレーム単位でとことん思い入れがあり、その時に描きたいこと、作りたいことを究極につめて、自分で敷いた一線を越える妥協なしで、形にする監督さんじゃないですか。ベイビー・ドライバーの時にも同じことをブツブツ言ってボロボロ泣いてた気がすることで、1)と関連するんですが、そんな究極な「想い」みたいなエネルギーが美しさと映像を通して放たれていてですね。

オレ、もともと、そういう感じの音楽とか絵とか映画とか芝居とか(コメディとか)に遭遇するとボロボロ泣いてしまう習性があってですね。年取ればとるほど悪化してる感じではあります。で、Last Night in Sohoの序盤に近いところで、映像的にすごすぎるくだりがあるんですよ。そこで涙腺がぶっ壊れちゃって、鼻水すすって泣いちゃいまして。

どこで涙腺がぶっ壊れたか、っていうと、まさに予告編で見せてくれてるあのアイコニックなくだりです。主人公の女の子が見る鏡に写った彼女の姿が60年代の彼女とは別人の女の子っていうところ。そこからいいしばらく、監督からの宣戦布告なのだろうか、と思うくらいの映像マジックが展開するのです。鏡で覆われた壁で鏡の中の女の子を移しながら、その鏡にはまるで写ってない別の女の子が半円形の階段を降りてボール・ルームへ降り立つ。そこから先々にいくつも散りばめられてある「鏡」を、観る者はチェックせずにはいられない心理を手玉にとるかのように、鏡という鏡に「超リアル」に別の女の子の姿を映し出すんです。

そしてマネージャーと交互に入れ替えての女の子のダンスシーン。その滑らかな美しさといったら。自分に課した尋常ではない挑戦に、人間が可能なレベルを超えたかのようなきめ細やかな仕上げ方と完璧さで勝ってしまう。

そんな地点に達するまで一体どんな苦悩と苦労とハードワークを乗り越えてきたんだろう、と偉人が偉人となるまでの、想像だにし得ない道のりが脳裏に(→想像できないんですけど!)フラッシュして、涙腺ぶわっ!です。

ちなみに、ストーリー的にはむしろ起承転結の「起」で、ワクワクするところでして、まるで場違いなので、隣近所に思いっきり振り向かれちゃって(こいつコロナか?みたいな)ヒンシュクものでしたが・・・

3)間違いなく、最低2回は映画館で観たい

二転三転するプロットは、確実に予測を裏返してくれたし、特に女子が納得できる展開だったので、ホラーは一切苦手!ということでなければ、(客を怖がらせるためが第一目的で作られていないと言い切っていいんじゃないかな、と思うので)2回は堪能してエドガー・ライトゾーンにどっぷり浸かりたいですね。

この映画が日本でも大成功するのだろうな、と信じてます!

2021年10月2日土曜日

最近(英国で観れるコンテンツで)観たコメディ的なTVシリーズの感想です。超主にホワイト・ロータスWhite LotusS1で、あとは後はセックス・エデュケーションSex Education S3とかです

 こんにちは。2日前に朝の気温が1桁になり、ヒーターを3時間ほど入れたスコットランドのエディンバラよりお届けしております。今日も最高気温は12度。まだ10月が始まったばかりなのでこれ以上のヒーターのスイッチオンは避けたいところです。ユニクロ極寒サーモが大活躍です。ありがとうユニクロ。超極寒があるおかげで、この時期から極寒サーモを抵抗なく着れるのです。

 というわけで、今回も引き続き日本で配信しているか無関係に「こんな素晴らしいものを観てしまいました!」と叫びます。そこ!!そこの某区の方々!これを読んだらぜひですね、オレを120%信用して、日本で放送してください!! 


WHITE LOTUS 

アメリカはHBO, イギリスではSKYで放送。超!イチオシです。

そもそもHBOなので、ほぼほぼあなたの時間は無駄にしないのですが、これは観ないとダメなやつです。なぜならガチの真剣勝負でマイク・ホワイトが作って監督してるやつだからです。でも注意してください。マイク・ホワイトには、オレは2つの顔があると思ってて、一つはジャック ・ブラックとタッグを組むとき。「スクール・オブ・ロック」とか。もう一つはマイク・ホワイトが一人で突っ走りやすい環境にあるとき。(例えば Chuck and Buckとか。この時期のジェニファーアニストンを起用したThe Good Girl  とかMagic Magic ( 邦題がトランストリップ)。ホワイト・ロータスは完全に後者です。

余談ですが、オレがマイク・ホワイトのファンになった導入口って、王道の「スクール・オブ・ロック」じゃなくて「Chuck and Buck」からなんです。エディンバラ国際映画祭で話題だったの(なのでファン歴長いよ!)。で、スクール・オブ・ロックが日本でも話題になった時、便乗してマイク・ホワイトの過去作品としてChuck and Buckが日本に持ち込まれた時期があったじゃないですか。「うわ!この作品めちゃくちゃ名作なんですよ!ぜひ!」って当時よく一緒にお仕事させてもらっていた方に、*こういう*エネルギーで勧めまして。でその方、見に行ったんですが(注:試写なのでお金はかかっていない)「あんな悪趣味なものを勧めるなんて…。嫌悪感でいっぱいになりましたよ。あれを本当にいいと思ってるんですか(→あなたの人間性を疑うと言っている)」ってマジギレされて、相当落ち込んだことがあります。その方は、Tenacious Dをオレに職務命令したくらいの趣味の方だったので…

というわけで、ホワイト・ロータス、どのレビューも5つ星の絶賛ですが、多分、万人ウケ用じゃないということは、ご理解いただけたかと思います。はい、オレと同じ趣味の人は、今年の最高傑作出た、と思うと思います。

あらすじ

舞台はマウイ島にあるゴージャスリゾートホテル「ホワイト・ロータス」。ここに滞在する金持ちホリデー客とホテルのスタッフたちの1週間を描きます。(くれぐれも、「マリーゴールドホテルで会いましょう」みたいのを、期待しちゃダメですよ!!)

この1週間後の空港待合のところからドラマは始まります。若い男性が一人で離陸前のラウンジに座っていると、向かいに座っている老夫婦が話しかけてくる。ハネムーンでその男性はやってきていて、これから帰るところだ、と。夫婦は彼がホワイトロータスに滞在していたと聞くと「あらそこ殺人事件があったところ?」と。そして男性に「お嫁さんはどこにいるの?」と無邪気に尋ねるのです。そこで男性はにっこり笑顔で返しエフオフ。カメラはパーンし窓ガラス越しの飛行機に、木箱のお棺が運ばれる様を映し出し、ズームアウト。

もちろん、これだけで、これからオチを想像できると思ったら大間違いです。

主な登場人物は以下の通り。今回の作品に限り、通常ならどーでもいいはずのカッコ内、ダーク・ユーモアのカギの一つを握るので、わざわざ書きました。そういうタイプのダークさです…。

  • 男性・女性新婚カップルのシェーンレイチェル。シェーンは不動産エージェントで、家がすでに大金持ちの大金持ちです。レイチェルは超可愛いフリーランスのライターで超庶民。(白人)見た目は玉の輿です。一番いいスイートルーム、パイナップルルームをブッキングしたはずなのに、なぜかランク落ちのスイートに案内され、シェーンは激怒。クレーム入れても変更にならず(他の滞在客がいるため無理)もともと全てをアレンジした母親にいいつけて、対応してくれないホテルのマネージャーを懲らしめてやろう的な方向に進んで行きます。
  • インターネット・サーチ・エンジンを立ち上げ大成功を遂げたCEOのニコル (白人)
  • ニコルの旦那さんマーク。ホワイトロータス滞在時にはキンタマ癌の検査の結果待ちで、メンタル的にものすごいローポイントにいます。その後もある(彼にとって)”ショッキング”な事実が明らかになり翻弄されます(白人)
  • ニコルとマークの娘、オリヴィア(白人)。大学2年生で、この旅行に”お気に入り”の友達ポーラ(POC)を連れてきています。
  • ニコルとマークの息子でオリヴィアの弟クイン(白人)。いわゆる「負け組」系の子で、オリヴィアからも虐げられています。*ちなみに演じてる役者くんがEighth Gradeエイス・グレードに出演してた子だったと知っておおおおおと思ってます。
  • 母を亡くし、心の傷も多くしょっているタニア(白人)
  • タニアにえらく気に入られるホテル内のスパ・マネージャーのベリンダ(POC) タニアに見初められてビジネス独立の可能性が見えてくるのですが・・・
  • (忘れちゃならない)このホテルのマネージャー、アーモンド(ゲイ)もと中毒者で現在はクリーンなのですが、客対応のストレスがたまる中シェーンのクレームとホテルオーナーやトラベルエージェントのプレッシャー、さらには偶然届けられた「落し物袋」をきっかけに、壊れ出して行きます・・・

まるで罪の意識も間違っているとも夢にも思わずするっと露出しちゃう本性がダダ漏れするスクリプトが秀逸すぎます。例えばですけど、マークとニコルが「ダイバーシティを優先の時代、クインみたいな白人の男性が一番差別されてしまう」って、シレっと、スルっと、家族のなんでもない会話に紛れ込んでるんですよ。その自然体の演出とかが逐一、マイク・ホワイトだーーーー!(感涙)(もちろん役者さんもすごいのはわかっているのですが)

1シーズンたったの6話なんですけど、本当に素晴らしいので、ぜひ!見れるようなら見てください!!


SEX EDUCATION S3 

S1の感想はこちら

S2の感想はこちら

S1&S2でもハイスクールドラマとかコメディが英国で少ない中、このシリーズはSkinsシリーズレベルの傑作シリーズだ!とギャーギャー騒いでますが、そのレベルはS3もキープされているかと思います。まだまだ引き続き見る価値はある。エピソード3は特に秀逸でボロ泣きエピソード!バイナリー問題を含めてジェンダーをここまできちんと汲み取ってくれているシリーズはまだまだ少ないので、本当に続いて欲しいです。

ただ、前シーズンでハイスクールのイメージがガタ落ちし、その結果スポンサーの危機に陥っているので、汚名挽回せねばならないと、アダムのお父さんではなく、新しい校長先生が起用され、スクール改革を行う辺りのプロットがちょっとディズニーのハイスクール・ミュージカルのレベル・・・かなぁ。手厳しいこと言っちゃってすいません(汗)

ゴシップ的な感想を言うと、オーティスがうざいです。オレはアイザックとメイヴに幸せになってもらいたいし、アイザックの方がうんといいのに、オーティス(あいつ自己中だし)がうだうだ出たり入ったりして@#$$%^&VDRT^%$EDFNJU&(ネタバレしないよ!)

まじでどっかいってください!!!

と1分1秒願ってます。

あのな、一時の感情とかビビッと感なんかどーでもいいんだよ。そんなもんでいろんなdecision makingするクセつけると後で後悔するぞ。ビビッと感でやるときは、自分の人生に影響ない事柄だけにした方がいいし、それが恋愛なら恋愛自体がメンタル含めて人生に影響ないようにした方がええ。メイヴ、アメリカいけ!

と、メイヴに向かって叫んでます。

以上です。

2021年9月13日月曜日

(多分)2021年8月くらいから観ているイギリス中心のオススメの海外コメディ番組です Ladhood S2, Code 404, The Cleaner, Bloods とか。

 

こんにちは。いつも、これがオススメだぜ!日本でもNetflixとかHuluとか配信されてると思うので絶対観てね!と確認もせずテキトーなことを言っているせいで、まるで日本では配信されていないものばかりを羅列している、全く役に立たないエントリーをしつこく、続けます。


 Ladhood Series 2 (BBC3)


シリーズ1の感想

TVシリーズになる前のラジオシリーズの時の感想 (なんと6年前…滝汗)

ここまできちんと追っているのは、オレ様がこのクリエイターであるリアムくんのピン芸(=執筆とスタンダップ)にズッポリハマった経緯があるからです。気がつけばもう「くん」と呼んでられない、三十路半ばに近い人ではないか… 時間というものは、ちょっとお茶休憩をしている間に10年近く過ぎてしまいます…いつまでたっても活動が再開しない作家さん(→大ファン)の時間軸をこっそり疑い、インタステラー現象呼ばわりしている場合ではなく、地球の時間自体がおかしいのかもしれません・・・

このシリーズは、現代のリアムくんが、セカンダリースクール時代を振り返るモノローグ基盤のコメディドラマで、シリーズ2はGCSE後のリアム君とその仲間たちを描いておりますが、シリーズ1に比べ、プロット展開に洗練さがものすごい目立ちます。はっきり言って、S2の第1話は本当に秀逸で、プルプル震えました。現代のシーンと回想シーンがパラレル進行し、上手にオーバーラップするんです。言葉とか光景とか細部に渡ってリンクをつけている。そうすることで、回想シーンにより臨場感が湧く。今年は個人的な理由でEnglish literatureという専攻科目について考えさせられる経験をしましたが、こういう作品を輩出できる技量と才能を育むことにもつながるのなら、オックスブリッジのEnglish Literatureはいろんな意味で守られていかなければならないのではないか、とすら思ってしまいました。

ここに出てくるリアムくんとその仲間たちは、今後ドラマや映画で大活躍して行くと思います。その意味でも注目しておいたほうがいいのではないでしょうか・・・


CODE 404  Series 2 (SKY TV)


シリーズ1の感想

英国エンタメ好きには、出演するドラマをどれも素晴らしいものにする魔法を使える超人気俳優、スティーヴン・グレアムとダニエル・メイズの2人がでちゃってるコメディシリーズ。かつ、(リチャード)ガッド・ファンは必見のシリーズですね。シリーズ1がオススメなので、シリーズ2も当然おススメさせてもらいます。

シリーズ1の最後でロイがひた隠しにしていた秘密がジョンにバレてしまい、(まさか生き返るとも思わなかったので、というのはいいわけになるのかわからないですが、というか言い訳する必要があるのか、という話ですが)ジョンがロイをディッチ、別の人とパートナーを組みます。またシリーズ1ではヤク中でやさぐれてた囚人ガッドさんが実はもっと大きな組織の重要な手先であり、今まで未解決だった事件の情報を流す代わりに自由にしてくれ、みたいなやりとりも同時進行。

シーズン2も引き続いて、実験的な試みであるジョンがどこまで保つのか? であり、不具合が起きるところにコメディ要素が多いです。1エピソードでは可愛いライバルくんも登場。

シリーズ3も制作決定してます。


Bloods (SKY TV)


パラメディックが舞台となってて、Samson Kayo とJane Horrocksを中心に展開するコメディで、日本の英国コメディファン層では絶大な人気を誇っているJulian Barrattが渋カッコオヤジで出てる点と、Jane Horrocksが好きなら、全然楽しく見てられるシリーズです。

が、すみません。オレは、Sam Campbellくん目的一点絞りです。出てるんですよ。レギュラーで。正直あんまりプロットとかシリーズのクオリティとか面白いとか笑えるとかどーでもいい。ただのキャンベル出没案件なだけです。まるで感想がありませんが、そんなことがたまにはあってもいいんじゃないかと思ってます。


The Cleaner (BBC) 


Greg Davies (TaskmasterシリーズやらThe Inbetweenersの校長先生やらMan Downやら、CuckooやらスタンダップのスペシャルもNetflixで見れるよ)の新作ということで、ものすごい!話題です。ワクワクを止められず、餓えたゾンビのように配信と同時に食らいついた大勢の英国在住民のうちの一人です。

清掃員の話なのですが、清掃員でも犯罪現場専門の清掃員です。誰かに清掃員と適当にあしらわれそうになると、誰でもなれるのではない(資格試験を通った)と、グレッグ扮するポールが訂正するところは、確実にレギュラーコメディ要素の一つとなっています。

毎回メインゲストに大物を呼んでいるようで、第1話は、ヘレナ・ボナム・カーター! 長年連れ添った旦那さんをめったざしにした犯人・奥さん役で登場します。Man Down系の、グレッグ・デイヴィスから期待する笑いが楽しめる冒頭30秒から一転、コメディというよりは、なぜ旦那さんに我慢できなくなったか、殺すに至る至らないの微妙な一線について、センティメンタルに描き出して行くオトナな内容になってまして。ジョークのスパイスはちょぼちょぼあるものの、過去作では見られなかった、新境地だと思います。正直、不意をつかれたというか、Man Down 系を期待してたので不覚にも拍子抜けしてしまいましたが、ハイクオリティだったと客観的には印象を受けています。

体勢を立て直してもう一回みなければいけない…。ちなみに第2話のゲストはデヴィッド・ミッチェルです。


その他

こちゃこちゃ観てるんだけど、今パッと思い浮かぶものが上記4本でした…(汗)あ、あとは、ニュージーランドの Wellington Paranormal (→Jamaine Clementが制作に入ってるとかで観たかったの)とか、ガンでお亡くなりになっちゃった Sean Lockのカルトコメディシリーズ15 Storeys Highのリピート配信とか(→DVDを持っていても手軽なので配信で観ちゃう)かな・・・? また思い出したら、追記して行きたいと思います。

2021年8月31日火曜日

Edinburgh Fringe 2021 エディンバラ・フリンジ2021, まさかの降臨。オーストラリアが生んだマジのガチの天才、サム・キャンベルSam Campbell: Companion 観れました

天才の天才。天才です。推しです。

オレの2021年エディンバラ・フリンジはこれ1本でベストの年にランク入りです。










(こんな顔じゃないです。誰これ?)

チケット情報(売り切れだし、終わっちゃってるけど)https://tickets.edfringe.com/whats-on/sam-campbell-companion


【これまでのお話】かいつまむとこんな感じです。

遭遇編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/08/edinburgh-fringe-2018-barry-awardsoho.html

サイバーパトロール編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/11/sam-campbell-nippers-of-dead-bird-bay.html

キャンベル・スポッティング編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2019/09/channel-4sitcomstath-lets-flatsseries2.html

パンデミック編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2020/05/sam-campbell.html


(このほかサム君がロンドンのオンラインのコメディライブに出る、という1点絞りの目的で10ポンド以上出して鑑賞に挑んだのに、本人出てこなくて、8人ほど出たmix billの2時間で見事「ゴトーキャンベルを待て」になったのも過去のキャンベル体験ハイライトです。作ってはないらしい。ガチでMCが嫌な汗を掻きまくって、ものすごい謝っていた)

【というわけで、今回の話】

ロンドンに来てる、というのはロンドンでマーキングしているコメディ・クラブがツイートしてたんで、知ってたんですよ。ロンドンを憎んでいたところだったんです。

エディンバラ・フリンジにまさか来るとは! ショーをやると知ったのは、なんと予定上演初日の8月28日(注:28日と29日しかやらない)。 

会場は、ツイッターアカウントをフォローしてるし、断続的に演目のチェックを欠かさないMonkey Barrel。なので、どうしてオレの蜘蛛の糸レーダーがここまでギリギリにしか引っかかってこなかったのか、皆目検討もつかないです。考えられるのは、本当にギリギリの告知だった…? ここ数日確かにバタバタしてたしな… 

奇跡的に29日の2名さま分チケットがとれまして。バンクホリデー週末の日曜日、翌日も休みを控えておるのに、夜にヒマな人間なんて、ほとんどいるわけがないのでソロで行くのに2名分(*)。ソーシャル・ライフがミトコンドリア級にショボいオレですら、もともとの予定をブッチ(死語?)したくらいです。(→だから友達がいなくなる)

だって。このショー、オレが行かないでどうするよ。

というわけで、モンキーバレルの4です。この先を右に曲がって左手です。


この群衆は夜のおばけツアーの参加者たちで、それ以外のスペースは、スカスカです。バンクホリデーウィークエンドの夜9時過ぎです。演目数圧倒的に少ないし、ちょっとでも面白そうなのはフリンジ・ギークたちによってすぐ売り切れちゃうので、こういうことになるのだろうな、と。

現場に行ったらリターンを待つ人たちで並んでたので、スタッフの人に「オレ2枚チケットだけどひとりなんで、リターンの人に売っちゃって全然構わんので」と伝え、入場。

築200年はいってる系の建物ダンジョンです!


(注:運よくオレの左上にventilationがつけられてた。ごおおおおおおおって鳴ってました)

ソロ席が思ったよりも多く、8席くらいあって、オレが座っている2席シート側にテーブルを挟んでありました(*)。でもオレ側の方も、オレみたいにひとりの人がちらほら。「倍額出しても観に行くでしょトーゼン」仲間がいてびっくりしました。

予定時間になってからゾロゾロとリアーン待ち組が入ってきて、パンパンです。


英国TVコメディに出ちゃったり作っちゃったりしてるので、ちょこちょこロンドンのライブシーンに出没するも10分程度のために遠征までは流石にできず、19年はオーストラリアで新作やったのに、UKでは皆無、20年はパンデミック…というわけで、今回ナマで拝んだのが2回目! 感動でブルブルするとか久しぶりです。


すいません。どうしても記念に(ごめんなさい!ごめんなさい!)・・・ご本人降臨。


【その、5つ星中10つ星だったCompanionの感想】

パンデミックのせいで、日の目を見ずにほぼほぼ今に至るショーなので、出来上がっちゃってました。おそらく9月からSOHO THEATREで控えている公演のウォームアップ的なことなのだと思うけど、Work in ProgressとかPreviewの域は完全に出ちゃってて、本番って全く問題ないと思う。(本人はどう思ってるか知らんけど)

この芸人さんのショーってプロットとかストーリーとかあるわけじゃないんです。だから説明をすることが、ネタバレになっちゃうんですが、冒頭登場から唐突に、「ボラット、ブルーノ、アリGー♫」って各キャラの画像出して歌い出し、客に強制的に合唱させるとか。(んで「ディクテイターがあったのわーすーれるなー」で締めるんですけど 汗)一体どういう着想から、何の脈絡もなく、いきなりオープニングにこれをやろう!と、なるのか。凡人には皆目検討もつかんです。

しかし、それは「笑いづくりとは予想外をいかにして作るか」という笑いのシステムの根本にものすごい沿っていることなのでもあります…

また、ネタの詰め込み方が半端なく多いんです。パワポやビデオクリップ、プロップを入れて、マシンガンのようにパンパン!出して行くんです。1時間に無駄がまるで!ないです。散在する点と点も適度に繋げているので、キュッとまとまったナンセンス空間が出来上がっちゃう。

これは、まるで宇宙中の誰もが納得の名作Kevin EldonのKevin Eldon is Titting About... とは深さの面で言いすぎですが、そういう同じ世界を繰り広げているのです。(Rik Mayallとかの方がいいかなぁ。)よくある自分の体験談を話し出した風に見せかけ、超C級SFミステリー真っ青の展開へ気がつくとフルギアチェンジ。マルチメディア使うんでその威力は絶大です。とにかく言葉の選び方と間合い・テンポがいいんで、ジョークの乗り遅れとかさせてくれない。

もう一つ特記しなければならないのは、ただの超絶ナンセンスだけじゃない、ということです。あの、はにかみ系の笑顔(→ゲロかわいい。マジで。ナマ・キャンベルはゲロかわいい)からは想像もできないかと思いますが、ポロポロ〜、ポロポロ〜、っとですね、業界関係者、同業者がこっそりしてること、突かれたくない(んじゃないだろうか)的なところを、無情に出刃包丁でぶっさすんですよ。今回も、客とのやりとりでオチがちょっと台無しにされかかったんですが、その時に「XXXX XXXの仕業か?!」って落としたりw、完全にクリス・ライリーをバスっと刺すネタやったり。そのやるならとことん系の潔さが素晴らしいのです。

こういう感じ。(前作The Troughの初期フライヤーだったらしい。オーストラリアで)

オージーのインディーズ・コメディの芸人さんだから、業界の政治に牙むきたくなる経験あるのかなぁ?


多分、ほぼほぼ、書きたいことは書き尽くしたと思うので、これで終わりにしたいと思います。というわけで、行ける人はぜひ!! まずはLONDON SOHO THEATREで9月13日ー18日に行われるCOMPANIONを見に行ってください。きっとすぐ買わないとチケットなくなっちゃう!お早めにお早めにお早めに!

(*) 別の記事でも書いたと思うのですが、パンデミックのせいで、ソロで行きたい人がなかなか1枚チケットを買ってサクッと観に行く、ということができなくなってしまっています。1名分チケット枠が激少ないんですよ…もう本当に困っちゃうよ…

2021年8月16日月曜日

Edinburgh Fringe 2021 エディンバラ・フリンジ2021 状況レポートです(多分、その1)

 始まりました。エディンバラ・フェスティバル・フリンジ2021。

ロイヤルマイルにスペース見えまくり。週末の午後なのに名の知れた芸人さん(Stuart Goldsmithさん)がストリートパフォーマンス(→もともとその出身)やっちゃうほど、のほほおおおおおおおおん。


上はセントジャイルズ教会前。

今週末は随分人が多くなった!と感じたのですが、それでも写真撮影すると、空いてるようにしか見えない! つまり混んでいることにまだ慣れてないんだと思います・・・





もともとからオープンエアだったマーケットや屋台エリアは、健在です。スコットランドは一応室内はマスク着用、間隔をあけることなどを必要としていますが、野外の人数規制などはなくなったので・・・

StJohns&St Cuthbert 教会のわきんところ 



フェスティバル関係なく週末やってるCastle Terraceのマーケット


エディンバラ大学エリア (Bristo Sq) 
Underbellyの牛はいませんが、Domeじゃない方のStudent UnionでいつものようにGilded Balloonが小規模にin personのショーを展開。ここで25日にマルセル・ルコントさんがやるので、多分見に行く。(ソロチケットが残っているか怖くてまだ見れてない・・・)




グラスマーケット。今年特記したいのは、このエリアにあるパブ、Beehiveでスコティッシュ・コメディの演目シリーズをやっている、ということ。Gareth Waughさんとかが1hを3人で埋めるっていう昔ながらの形式のスタンダップやってます。https://tickets.edfringe.com/whats-on/gareth-waugh-connor-burns-liam-farrelly-back-at-it 




ここ、George Sq.のAssemblyですね。遠くからでも人が少ないのがわかります・・・



Assembly も会場数は超縮小してて、演目も少ない上に半分はオンライン。コメディ強い系のオーガナイザーの中では一番コンサバ(やっぱり一番ポッシュなだけに)という印象。




今回、新しい会場エリアとしてできたのが、ここ。エディンバラ城の下にある、Castle Terraceの駐車場を利用したMulti Story.  アイリッシュの大御所系(といって大丈夫なんじゃないかと思う・・・)Jason Bryneがここで数日やってました。テレビにもいっぱい出てる(た?)かた皆さんもご存知かと思います。

ちなみに演目はこんな感じ・・・


Pleasanceはまだ行けてないので、今週末に。あと、以下は、ロイヤルマイル界隈にあり、前回の記事でオススメしたショーの多くが開催されているMonkey Barrel の中の様子です。まだMonkey Barrelでしか見てないのですが、

1「室内はマスク必要」と言いつつも、中に入るとマスクをしている客はほとんどいない

2トイレに行くなど、動くときだけ客はマスクをつける

3チケットを1名、2名、4名、というバブルを作る形式で売っているのだが、結局そのバブルごとには席はほとんど分かれていないように見受けられ、うーむ?(汗)正直ちょっと不安が残る席スペースでした。

4お酒をバーカウンターまで行って買うのではなく、席でアプリを使って注文。マスクをしたスタッフが運んでくる、ということで、人の動きがトイレに行く人以外ない。

という感じでした。

下の写真は、Monkey Barrel 3 (フェスのあるときだけ開放される一番大きなスペース)スペース結構あったので、密を比較的感じずにすみました。ここでAhir Shahアヒア・シャーさんみた。



一方こっちは、おなじみのMonkey Barrel 1。Jordan Brookesジョーダン・ブルックスさん見た。
かなりつめつめだったのと、パンデミック後初のライブコメディを見に行ったので、正直不安要素はぬぐえませんでしたが、みんなジョーダンに向いて笑うのと、自分端っこのすみだったので、程なく、不安はなくなりました・・・
一人の方が、端っこの隅に追いやられるので、いいかも(汗)


ジョーダンさんもアヒアさんも、ものすごいゆるーい感じで。

ウォームアップ的には客としても演者としてもちょうどいい感じだった。ジョーダンさんの方が、このWiPがどのように完成形になって行くのか見えやすかったかも。ところで、ジョーダンさんといえば、フィジカル&インタラクティブの印象だったけど、今回は(インタラクティヴな)喋りのみ、でした。正直、喋りだけであれだけ時間を感じさせない空間を作り上げられる芸人さんだと思ってなかったので、マルチな才能を見た気分。もうロンドンに帰っちゃったみたいだけど、ロンドンでもWiPをあちこちでやってるはずなので、ぜひキャッチしてください。