イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2021年8月31日火曜日

Edinburgh Fringe 2021 エディンバラ・フリンジ2021, まさかの降臨。オーストラリアが生んだマジのガチの天才、サム・キャンベルSam Campbell: Companion 観れました

天才の天才。天才です。推しです。

オレの2021年エディンバラ・フリンジはこれ1本でベストの年にランク入りです。










(こんな顔じゃないです。誰これ?)

チケット情報(売り切れだし、終わっちゃってるけど)https://tickets.edfringe.com/whats-on/sam-campbell-companion


【これまでのお話】かいつまむとこんな感じです。

遭遇編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/08/edinburgh-fringe-2018-barry-awardsoho.html

サイバーパトロール編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2018/11/sam-campbell-nippers-of-dead-bird-bay.html

キャンベル・スポッティング編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2019/09/channel-4sitcomstath-lets-flatsseries2.html

パンデミック編

http://www.gojohnnygogogo2.com/2020/05/sam-campbell.html


(このほかサム君がロンドンのオンラインのコメディライブに出る、という1点絞りの目的で10ポンド以上出して鑑賞に挑んだのに、本人出てこなくて、8人ほど出たmix billの2時間で見事「ゴトーキャンベルを待て」になったのも過去のキャンベル体験ハイライトです。作ってはないらしい。ガチでMCが嫌な汗を掻きまくって、ものすごい謝っていた)

【というわけで、今回の話】

ロンドンに来てる、というのはロンドンでマーキングしているコメディ・クラブがツイートしてたんで、知ってたんですよ。ロンドンを憎んでいたところだったんです。

エディンバラ・フリンジにまさか来るとは! ショーをやると知ったのは、なんと予定上演初日の8月28日(注:28日と29日しかやらない)。 

会場は、ツイッターアカウントをフォローしてるし、断続的に演目のチェックを欠かさないMonkey Barrel。なので、どうしてオレの蜘蛛の糸レーダーがここまでギリギリにしか引っかかってこなかったのか、皆目検討もつかないです。考えられるのは、本当にギリギリの告知だった…? ここ数日確かにバタバタしてたしな… 

奇跡的に29日の2名さま分チケットがとれまして。バンクホリデー週末の日曜日、翌日も休みを控えておるのに、夜にヒマな人間なんて、ほとんどいるわけがないのでソロで行くのに2名分(*)。ソーシャル・ライフがミトコンドリア級にショボいオレですら、もともとの予定をブッチ(死語?)したくらいです。(→だから友達がいなくなる)

だって。このショー、オレが行かないでどうするよ。

というわけで、モンキーバレルの4です。この先を右に曲がって左手です。


この群衆は夜のおばけツアーの参加者たちで、それ以外のスペースは、スカスカです。バンクホリデーウィークエンドの夜9時過ぎです。演目数圧倒的に少ないし、ちょっとでも面白そうなのはフリンジ・ギークたちによってすぐ売り切れちゃうので、こういうことになるのだろうな、と。

現場に行ったらリターンを待つ人たちで並んでたので、スタッフの人に「オレ2枚チケットだけどひとりなんで、リターンの人に売っちゃって全然構わんので」と伝え、入場。

築200年はいってる系の建物ダンジョンです!


(注:運よくオレの左上にventilationがつけられてた。ごおおおおおおおって鳴ってました)

ソロ席が思ったよりも多く、8席くらいあって、オレが座っている2席シート側にテーブルを挟んでありました(*)。でもオレ側の方も、オレみたいにひとりの人がちらほら。「倍額出しても観に行くでしょトーゼン」仲間がいてびっくりしました。

予定時間になってからゾロゾロとリアーン待ち組が入ってきて、パンパンです。


英国TVコメディに出ちゃったり作っちゃったりしてるので、ちょこちょこロンドンのライブシーンに出没するも10分程度のために遠征までは流石にできず、19年はオーストラリアで新作やったのに、UKでは皆無、20年はパンデミック…というわけで、今回ナマで拝んだのが2回目! 感動でブルブルするとか久しぶりです。


すいません。どうしても記念に(ごめんなさい!ごめんなさい!)・・・ご本人降臨。


【その、5つ星中10つ星だったCompanionの感想】

パンデミックのせいで、日の目を見ずにほぼほぼ今に至るショーなので、出来上がっちゃってました。おそらく9月からSOHO THEATREで控えている公演のウォームアップ的なことなのだと思うけど、Work in ProgressとかPreviewの域は完全に出ちゃってて、本番って全く問題ないと思う。(本人はどう思ってるか知らんけど)

この芸人さんのショーってプロットとかストーリーとかあるわけじゃないんです。だから説明をすることが、ネタバレになっちゃうんですが、冒頭登場から唐突に、「ボラット、ブルーノ、アリGー♫」って各キャラの画像出して歌い出し、客に強制的に合唱させるとか。(んで「ディクテイターがあったのわーすーれるなー」で締めるんですけど 汗)一体どういう着想から、何の脈絡もなく、いきなりオープニングにこれをやろう!と、なるのか。凡人には皆目検討もつかんです。

しかし、それは「笑いづくりとは予想外をいかにして作るか」という笑いのシステムの根本にものすごい沿っていることなのでもあります…

また、ネタの詰め込み方が半端なく多いんです。パワポやビデオクリップ、プロップを入れて、マシンガンのようにパンパン!出して行くんです。1時間に無駄がまるで!ないです。散在する点と点も適度に繋げているので、キュッとまとまったナンセンス空間が出来上がっちゃう。

これは、まるで宇宙中の誰もが納得の名作Kevin EldonのKevin Eldon is Titting About... とは深さの面で言いすぎですが、そういう同じ世界を繰り広げているのです。(Rik Mayallとかの方がいいかなぁ。)よくある自分の体験談を話し出した風に見せかけ、超C級SFミステリー真っ青の展開へ気がつくとフルギアチェンジ。マルチメディア使うんでその威力は絶大です。とにかく言葉の選び方と間合い・テンポがいいんで、ジョークの乗り遅れとかさせてくれない。

もう一つ特記しなければならないのは、ただの超絶ナンセンスだけじゃない、ということです。あの、はにかみ系の笑顔(→ゲロかわいい。マジで。ナマ・キャンベルはゲロかわいい)からは想像もできないかと思いますが、ポロポロ〜、ポロポロ〜、っとですね、業界関係者、同業者がこっそりしてること、突かれたくない(んじゃないだろうか)的なところを、無情に出刃包丁でぶっさすんですよ。今回も、客とのやりとりでオチがちょっと台無しにされかかったんですが、その時に「XXXX XXXの仕業か?!」って落としたりw、完全にクリス・ライリーをバスっと刺すネタやったり。そのやるならとことん系の潔さが素晴らしいのです。

こういう感じ。(前作The Troughの初期フライヤーだったらしい。オーストラリアで)

オージーのインディーズ・コメディの芸人さんだから、業界の政治に牙むきたくなる経験あるのかなぁ?


多分、ほぼほぼ、書きたいことは書き尽くしたと思うので、これで終わりにしたいと思います。というわけで、行ける人はぜひ!! まずはLONDON SOHO THEATREで9月13日ー18日に行われるCOMPANIONを見に行ってください。きっとすぐ買わないとチケットなくなっちゃう!お早めにお早めにお早めに!

(*) 別の記事でも書いたと思うのですが、パンデミックのせいで、ソロで行きたい人がなかなか1枚チケットを買ってサクッと観に行く、ということができなくなってしまっています。1名分チケット枠が激少ないんですよ…もう本当に困っちゃうよ…

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