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2014年4月6日日曜日

完全ネタバレ、というよりむしろネタ解説(その1)☆クーガンxブライドンxウインターボトムのBBC2 The Trip to Italy 第1話鑑賞

The Trip第1シリーズは移転前のブログGo Johnny にてどうぞ(ほぼ全話ネタ解説)

The Trip to ItalyのBBCサイトはこちら

こんばんは。クーガン・ギークの稲村です。以下、あまりに長くなりすぎたので、切り分けることにしました(汗)あり得ない!この長さあり得ない!ホントに自己満足の世界ですみません(でも誰か読んでください)

コメディの基盤は「自虐」だと思ってます。どんなに成功を得ても頂点に立っても、世界を制覇しても、自虐の視点を忘れない。自虐の視点なしで成功する笑いは究極のナンセンスと不条理くらいじゃないかと。
自虐の視点とは、自分がもっとも触れたくない部分をグリグリやるわけですから、壊れるコメディアンはかなりいます。本当に鋼以上に超合金に強くないとできない。頂点に立っていられるだけの才能と人気と評価があっても消えてなくなってしまいます。

The Tripの面白さもクーガンとブライドンの2人3脚な自虐が基盤だと思います。 しかし第1シリーズでの成功を経ての第2シリーズで、第1シリーズの2番煎じをやるわけにはいかない。(→本編中にもクーガンとブライドンが繰り広げるネタでもあります)「キャラクター・コメディに操られている」とか「国内での成功が今イチ海外に伝わらない」以外の、別の視点が必要になるわけです。そこでS2E1では、”老い”(=男としてのピークを過ぎた)のテーマをプラス要素として、見事に自虐の方向へ持って行っていました。

どのみち第2シリーズのオンエア開始現在、クーガンの「国内での成功が今イチ海外に伝わらない」という視点からの自虐が非常に厳しいです。だってこの成功を経て驚愕の「ALPHA PAPA」の米公開ですから(マグノリアさん配給)。いくら昨今のイアヌーチせんせいファミリーの全米ご活躍ぶりがあるとはいえ、ALPHA PAPAが日の目をみちゃうっていうのは、ひとえに「フィロミーナ」でのクーガンの成功にある気がします。
つくづく、第2シリーズ制作時は「フィロミーナ」のココまでの海外的成功を知らなかっただろうとはいえ、こういう神レベルのプロの人々は、はじめっからすべてお見通しなんだな、と思わざるをえません。

というわけで、以下、完全にネタバレ。。。というかネタ解説です。一回観ちゃった方におすすめかもしれない、、、です。

【冒頭】
米ドラマシリーズ 「Pathology」(→スプーフですがS1E4にからんでます)のS2撮影が終わりL.Aから帰国、the hiatusに入ったクーガンのもとにブライドンから電話が。"Listen, The Observer wants us to do more restaurant reviews over six lunches. But this time in Italy. Marbella Italia, Yeah?"フード・クリティークを気取るほどの知識もないし、前回のレビュ−記事もろくすっぽ読んでいない(→ブライドンが書いた)クーガンは、微妙な様子ですがウマイ料理にヴァージン航空のアッパークラスときいてうなずき、イタリアへ。どうもブライドンには思惑がある様子。

【今回のシリーズではブラ、アルバ、アスティといったトリノ近郊を回るとか】
クーガンが最初の目的地であるThe Trattoria della Posta を目指し、ブライドンを助手席にミニクーパーを飛ばす様を観て、あ!しまった!プレビュー観るんじゃなかった!と大後悔です。ココはクーガン・ギークならば「なぜクーガンが(赤の)フェラーリではなくミニクーパーに?」と思った直後「そうか、イタリア、トリノ+ミニクーパー=The Italian Job (ミニミニ大作戦!)だな!」となり、さらには「ひっぱるな、マイケル・ケインのネタ!」とならなければならないのです。ところがプレビューを観ちゃってるので、ココが全部はじめっからわかっちゃってる。もう最悪です。シャーロックでネタバレを恐ろしがってる方々と一心同体できるかと思うくらい最悪でした。

【いよいよクーガンvsブライドン、テーブルを挟んでのバトル開始】
んで、ココは第2話以降のプロット展開の伏線かもしれないと疑っているんですが、なんとクーガンがアルコールを9ヶ月飲んでいないので、今回も飲まないよってなるんですね。
ブライドン"Seriously? You are not drinking?"
クーガン"No"
ブライドン"When did this come about?"
クーガン"I've not drunk for about 9 months.... I'll still have fun. I'll still have a laugh."
ってなわけで、このシリーズではかなりクーガンが運転している率が高そうです。(伏線その2でしょうか?)

【今回のThe Tripはまさにセカンド・アルバム・シンドローム?】
クーガンが「Neither of us knows anything about food. Wonder why?」。すると(前回のThe Tripを”素材”にじつは色々脚色して執筆していたっぽい)ブライドンが「いや、レストラン・レビューというよりは色々ほかの要素を盛り込んでるんだよ。ワーズワース&コールリッジ(S1で実際ネタ振りアリ)みたいなノリで湖水地方を回った前回みたいに今回は英詩人で女性関係がヤバくてイタリアに逃げた偉大な詩人バイロン&シェリーみたいにイタリアを回るって感じ?」とな。(ドラキュラの小説家とそのダンナさんとバイロンは互いに色々と影響し合って制作していたらしいですよね)
とにかくコンビがイヤっぽいクーガンは「We are not The Two Ronnies or Morecambe & Wise」と否定。

The Two RonniesもMorecambe & Wiseも長年活躍したコメディ・デュオですね。前者の番組の作家にはモンティ・パイソンのメンバーも入ってましたから、モンティ・パイソンファンの方で未視聴の方は要チェックっす。後者は戦後ナンセンス・コメディの決定版でVic and BobやHarry Hillなんかが後継していってますよね。英コメディではかかせないです。クーガンが”自分とブライドンは(超一流かつ伝説の英コメディデュオである)The Two RonniesやMorecambe & Wiseではないと否定するところに、彼の意地張りといつもの2人のやりとりが見えるわけです。

そして本記事冒頭記述の、2nd Album Syndromeです。クーガンが言い出したとたんにゴッド・ファーザーIIを上げるブライドン。すかさずクーガンが”which is the one that people always mention when they try to search”とツッコミ。このテンポの良さ、即興なんてすごすぎます。

じつは書籍化の話がでている、とブライドンからきかされ、クーガンが「たった6箇所のレビューでどうやって書籍になるのよ」と怪訝に質問。するとブライドンは前回(前シリーズのThe Trip)で、クーガンをモデルに架空の人物設定にしてなんだか私小説まがいのことをやっていたっぽいんですね。クレジットはブライドンです、はい。(S3でまとまった本とかでてくんのかしら?)バイロンの話に戻り、バイロン自身の体験をもとにハロルドという若い男性を主人公にした詩集『チャイルド・ハロルドの巡礼』みたいにクーガンをモデルに架空の人物スティーヴンでレストラン・レビュープラスでいろんなストーリーを盛り込んじゃうのよ、と。それをきいたクーガンは" It wouldn't be a pseudonym, wouldn't it? I'm called Steven. Byron wasn't called Harold, was he?" 
このツッコミを拾った上にそのままつなげて打ち返すのがブライドンです"He was actually called George Gordon Byron” そうして2人はゴードンって名前をペンネームからとっちゃったバイロンに”そりゃそーだ。ゴードンなんて、なんて色気も華もない名前、こんな人から電話がかかってきたって居留守だよ、って失笑してるわけですわ。たしかに、と感覚で笑ってみるものの、今イチ理由がみつからない。んで、たしかにゴードンってGordon Brown とかGordon Ramsey とかロマン派とはかけ離れた名前を思い浮かべはじめてほどなく、すんごいのを思い出して爆笑するわけです。それは
Alan Gordon Partridge まさに隠してAlan Partridge!
http://en.wikipedia.org/wiki/Alan_Partridge
なんですよね。

【老いをネタにした自虐がここで展開】
老いの現実を完全に受けとめきれずにいるというか、わかっているけどオマエにだけは言われとうない!みたいなムカツキがクーガンから見えるやりとりがココ。ブライドンにもしクーガンの半生をモデルにした時代物がBBCで制作されたら誰がヤング・クーガンをやる?と質問され、"I will play me"とあったり前に答えるんだけども、ブライドンに"It's a child. It's meant to be a young man.”って言われた上に候補としてJude Lawって言われちゃうわけです。 クーガンとそんなに年齢変わりませんがな(汗)てなわけで"Jude Law is 40 +" と抗議するも"He doesn't look it. He doesn't age like you and I"(爆)とブライドン。食い下がるクーガンは"But he's balding"

【俳優への攻撃的なネタ展開が多い?】
この後、新シリーズ放送開始直前のおいしいところのネタバレクリップ部分に突入、例のトム・ハーディおよびクリスチャン・ベールが何言ってるかわっかんねえよ、のネタへ入って行きます。予想以上にかなり引っ張るんですよ。即興ぽさがでてるかな、と思いますが、個人的にはちょっと引っぱりすぎなんじゃ…?とも 汗。ただ後半ブライドンがB & QのCMナレーションをやった声と口調でBaneのセリフを言うところは超笑えました。

今回お得意の物真似だけではなく、上記のようにすでにイケメン実力派男優3人をきちんと攻撃する笑いを展開しています。クーガンとブライドンの今の地位と人気そして2人ともあまりこのテの芸能人の攻撃はしないスタイルなので、ちょっと冒険かも。。。? しかしながら、今までの英コメディ界の経緯を踏まえた上での、慎重な計算と”老い”“ピークを過ぎた”視点からの自虐を土台あってのことなので、冒険とはいえないですかね。コレ、でも即興ですからね。もう、神業を目の当たりにして感動にうちふるえるしかないです。

すみません(汗)では残りのネタ解説&感想はこちら(→書いたらリンクはります)でよろしくお願いします。。。


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