イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2024年8月15日木曜日

Edinburgh Fringe 2024 エディンバラフリンジ2024 ハイクオリティ作品しか作らないフリンジコメディアワード受賞者なのに、なんかイマイチな知名度なのは、もはやミステリー・・・3分の1くらい本格ミュージカルになってた Jordan Brookes: Fontanelle 大変御気に入りました

なんでなんだろー、って思うんですよ。はえあるエディンバラフリンジでアワードも取ってて(2019)ここ7−8年はレベル超えの傑作しか作ってないですよ。どのコンテンツも。SNSでもヴァイラルになるのもあるのに。なぜ・・・

https://tickets.edfringe.com/whats-on/jordan-brookes-fontanelle

昨年のWiP観てます。

http://www.gojohnnygogogo2.com/2023/08/edinburgh-fringe-2021-2023-wipjordan.html  

このあと、今年の4月かな?にWiPもっかい見てます。過去作と同じヘヴィーなトーンと同じ路線だったら最初のWiPより軽くて、あまり深いこと考えなくていい仕上げにしていて、その意味では新鮮だけど、ちょっと物足りない?という印象だったんですね。ジョーダンさん曰く、絶望的にならないよう意図的に軽くした、とのことですが。

で、今回の最終形態、です。

わかいときは夢や希望にあふれ、「オレって、もしかしてオレって選ばれしもの・・・?!」って志高く生きてきましたが、気が付いたら38歳。自分は選ばれしものかと期待するうちに、選ぶの忘れちゃったよ。

ところで、サウザンプトンで観たタイタニックがあまりに酷かった。だから、自分でタイタニックのミュージカルやっちゃおうかと思う。

と、同じようなレイヤーのセットアップである一方、

最初のWiPのときのようなミュージカル上演中と(自分の出番以外はオフステージで)客とだべってる、という設定ではなく、唐突に始まるミュージカルシーンでガッツリ衣装着た演者が6人集合してジョーダンさんと一緒に歌って踊りだし、曲が終わるとサーっと袖にはけていくというw 

タイタニックをネタにしたメタフォーがミレニアムの世代からもっと絞られて、(この世代の)シス男性にフォーカスされていたのも、それだけ落とし込みを研ぎ澄ますことができる英断だったと思います。というのもシス男性が長いこと作り上げてきた「男」のイメージのせいで、苛まされているじゃない? そのせいで一番の快楽と言われている男性のGスポットがあるといわれているお尻の穴の奥への探訪をためらってるんじゃない? 

みんななんで、探訪したことないの? (オレはしたよ!だから言うんだ!)それっておそらくそんなことしたらゲイだと思われたらどうしよう、っていう心理でしょ?ほうらね! 今こそ!(toxic masculinity から自分を救うために)お尻にディルドーを!!!

っていう展開なんですよ(→ミュージカルもエネルギッシュにそういう方向になっていく)

ディルドーがちん〇の形じゃなくてまん〇の形だったら解決するんじゃないの?!って3Dプリンターで作ったのがハイライトの1つなんですけど、ショー中にどのように使うかまるで考えず、思い付きで作ったものの、今までのWiPを全部書き換えてフィーチャーしないと話にならないくらいお金がむちゃくちゃかかっちゃった・・・ってので、いろいろ、なるほどと思いました・・・

とにかく結果的に7人くらいでミュージカルやるんで、すごい迫力です。なんじゃこりゃw



2024年8月14日水曜日

Edinburgh Fringe 2024 エディンバラフリンジ2024 オンラインコメディで大人気&英人気番組8 out of 10 Catsとかにも出てるStevie MartinのCloutお気に入りました

同行者がオンラインコメディで彼女が面白いと認知していて、一回行ってみようということで、行ってきました。 写真わざわざこんな顔にせんでも、っていうくらい本人はめちゃくちゃ整った美人さんです。

https://tickets.edfringe.com/whats-on/stevie-martin-clout

オンラインコメディって彼女の場合はTikTokとかreelとかのガチのフラッシュ・コメディです。オレはTikTokは中毒性が高いので、あまり触らないようにしています。ほぼbiteで面白ければヴァイラルになる。前振りも後片づけもいらん。ってやつですね。

けれども、TikTok上での瞬間だけの笑いはビューイング数をもたらしてくれる以外、何も(お金を)もたらしてくれん。ぬくぬくと居心地よいゾーンから抜け出しライブコメディをやろうじゃないか→お金をジェネレイトする方向へ行こうじゃないか。

・・・といって始めたのが2019年なんで、みんなドンひかないで!!! 大丈夫だから!!! 前にもライブコメディやったことあるから安心してーーーーー!!!

っていうやつでした。フラッシュコメディにA story of my lifeを盛り込んでいきさつを説明しながら進行。SNS世代のSNS笑いをライブ・ショーに変換させるのをロジカルに線をつなげてやっていて、よくまとまってましたよ。

これ見てたぶんStevie Martinのやり方がTik Tok とかで笑いと人気を積み重ねてきた子たちにとっての一番コンベンショナルな戦法なんだろうな、と。苦戦してる他の子たちの教科書になればいいと思いました。そこから自分バージョンに色付けてけばいいと思うし。

そういう、しっかりしたものだったので未来の笑いを見据えるうえでの参考ということも含めてお勧めしたいかと思います。




2024年8月13日火曜日

Edinburgh Fringe 2024エディンバラフリンジ2024 久しぶりにフリンジに戻ってきてくれたAaron Chen Funny Garden観てきました

ライブの感想はあげたとないけど、カンボーと仲間達のせいでここでのメンション率は高いと思います。が!ここでのメンションとかどーでも良いくらい、オーストラリアでは知名度が高いはずです。むしろカンボーがハネるうんと前にライブコメディシーンでハネてましたし、オーストラリアのお笑いクイズ番組っぽいやつ(→何しろ切り抜きしか見てないので確信が持てん)に出てたり、オーストラリアの人気ドラマシリーズ(らしい)Fiskでレギュラー出演してましたし。(→ネトフリでも見れるはず)

今度オーストラリアのTaskmasterも出るし。

https://tickets.edfringe.com/whats-on/aaron-chen-funny-garden


アーロンがフリンジに来たのって最後たしか2019年だったし(→観れてない)その後まさかのコロナ。コその後ナマの機会もなく、今に至ります。

そんなわけで、すでにファンベースもしっかりできてるし、なんの気の衒いもなくたらーっと笑ってるだけであっという間に時が過ぎる60分で、いろんなこと細々深く考えなくていいやつです。あとアジアンあるあるに頼らないというか、その感覚がいい意味でまるでないのが非常にいいです。だって生まれも育ちもシドニーなのに、ねえ。今回も1年くらいNYに引っ越してアメリカで活動中なんですが、冒頭で「オレみたいなコンビネーションの人間(アクセントがオーストラリアで容姿がアジア人)がNYにいるっていう状況がかなりレア」っていうのくらいかな?

あとは、奥さん(1年半くらい前かな?に結婚した。奥さんとてもチャーミング)との結婚生活の細々したこととか、autismの診断テストの過程と診断結果は違う、だったけど、診断医には「会話してる限りではそう」って答えが返ってきたとか、いろいろゆるーく喋ってみんなでいっぱい笑って60分。

フリンジでいっぱいWiPをやってることにびっくりしてて、WiPって何よ、って突っ込んでました。WiPって、ライブコメディ自体いつもWiPじゃん、って。今この瞬間もWiPよ。コメディーってガーデニングと同じなんだからさ(故にタイトルがFunny Garden)って。ストンって腑に落ちました。

Edinburgh Fringe 2024エディンバラフリンジ2024:Andy SambergのアニメーションシリーズDigman!で準レギュラー他、ウエブ誌Vulture的に2023年知らんといかん芸人にされているRachel Kaly Hospital Hourお気に入りました

 タイトルで売り文句かかないと誰も注目してくれないと思って超長いタイトルをつけちゃいました。


https://tickets.edfringe.com/whats-on/rachel-kaly-hospital-hour

今年がフリンジデビューだと思いますが、アメリカでは国中こまごますでに回っていて、ソールドアウトの新鋭芸人さんだという認識です。

ちょっと前までJoe PeraConnor O'Malleyのツアーの前座してた&オマーリーが推している、という経緯で、オレ的には見ないといけないやつになりました。

(ここでは一度も話したことないですが、オレはJoe PeraというかConnor O'Malleyの遅ればせながらの大ファンです。(ここ3ー4年くらい?)オンラインコンテンツ案件は根こそいでるくらいファンです)

お話は、精神的に病んじゃってるっていうStory of my life (so far)。主に、いいお父さんに恵まれなかったためにけっこう壮絶なメンタル虐待にあっているんですよ。「お前のせいで」と言われ続けていて。でもその落とし込みが絶対にTragedy pornにならないようになっているのが評価高い理由かな、と思いました。例えば、初潮の日が、サダムフセインが処刑された日で、父親に処刑の生放送を観させられ、しかも椅子がテレビの前に一つだけ用意されてて、父親がそこに座り、彼女がその脇で立ったまま処刑シーンを観させられた、みたいな。壮絶なんだけど、シュールさが勝っちゃう。最初にゲイをカミングアウトしたのが産婦人科医に検査されたとき、とか。他にも、お父さんに久々に連絡あったかと思いきや「オレのCD返せ」(しかも9歳のとき)で、ものすごい悪者扱いされるとか。

最後はお客さんとみんなで、ネタで話してくれたことを入れ込みながら、お父さんへメールの返信を書き上げて終わります。ほんと、観終わったあとに、芸人さんを心配しなきゃいけないほどどんよりしなくていいのが、よかったと思っています。

ただ、今これを書いてる時点で、全期間やる予定を切り上げて8月12日で終わりにしちゃう、って知りました。比較的健康な演者さんでもメンタルやられてるのに、デビュー年でオフィシャルで病んでる人には本当に大変だと思います。また観に行きたいです。あと、Digman!タイトルに入れてるのに、観たこともなかったので、観たいと思います。この感想をアップするのに、軽く他のネタもリサーチしたけど、コンスタントに新しいネタを作れる芸人さんという印象です。

Edinburgh Fringe 2024 エディンバラ・フリンジ2024 エッジでクレバー、久しぶりに観た「怒り」が原動力のコメディEleanor Morton Haunted House 大変お気に入りました

https://tickets.edfringe.com/whats-on/eleanor-morton-haunted-house

エレノア・モートンは地元エディンバラ(リース生まれ)ということで、ボソボソずっと観ています。キャラクターコメディもよくやっていて、そのなかでも、ハネまくったスコットランドガイドのクレイグは、たまにライブもやってくれるので、速攻でチケットとって行くくらい大大大好きです。そのくせ、いままでほとんどブログでとりあげてないみたいなのは、たぶん笑いがダブルスタンダード、ーローカル人とローカルじゃない人用の2重構成ー、であり、自分が前者のため、後者の場合があんまり推し量れないため、だったりします。あと、見ているのは、ほとんどのケースでフリンジじゃないときなので、オレのフリンジじゃないときの、感想をアップするモチベが低いせいもあります・・・

そんななか、今回観たやつは、モートンがモートンとしてゴーストについて繰り広げる1時間のショーは、本当に素晴らしかったのと、いろんな意味でthink outside the boxであり、見事に1つのショーに紡いでいたので、ぜひプロパーに布教したいと思いました!

以下はショーの展開となぜ素晴らしいと思ったのかの箇条書きです。

  • エディンバラフリンジで暗黙のご法度、とされるローカル内輪ネタをあえてやる:フリンジは国際フェスティバルでもはや英語の理解できるパフォーミングアーツファンが世界中から集まってくるわけですね。伝統的に、オーディエンスがイギリス人でないことを想定したショーづくりってものがある程度期待される傾向にある。しかし、エディンバラって、もはや街自体が国際的に知れ渡ってね? ここに来てる人たち、エディンバラ観光しないやついなくね? ってローカルを強みにエディンバラといえばのゴーストストーリーを展開していきます。この街のゴーストネタは世界中でパラノーマル番組が組まれたり、日本ですら冝保愛子さんを通して有名になってたりしましたからね。ゴーストツアーに参加すれば鉄板で通過するお化け話で、ウォームアップ
  • ステージわきには、このショーのために作られたドールハウスがあり、その扉を一つ一つ明けながら、進行。お化けって信じる人もいれば信じない人もいる。結構「信じないよ。でもね・・・」「自分自身は体験ないよ。でもね・・・」ってやつだよね、と。その存在自体が確定していない。ここがショーの軸となって次のネタへと展開していくんですね。つまり、ただのお化け話じゃなくて、ゴーストに疑似できるもの、ゴーストに例えられるもの、へとつながっていくんです。子供のときのアメリカ旅行の体験話を織り交ぜながらエディンバラのリース生まれ育ち、コメディアンとしてキャリアを積み上げてきたときの話、ロンドンに数年住むも、現在は再びエディンバラを拠点にしているため、フリンジ中は実家が芸人アコモデーション状態になっている話、というのが女子芸人としての存在やポジションのメタファーになっていくんですね。
  • お化けネタ、という軽いトーンで始まったものが、気が付けばダークなトピックへと導いていく展開が見事で、今までいろんなゴーストについて話してきたからには、と話出すの仲間の女性芸人さんたちを襲う、業界で力を持つ男性たちへの怒りでした。自分の立ち場を守るためではなく、自分の仲間を守るため、名指しもできない。だけど、そいつらは女性たちを襲って利用してのうのうとエディンバラフリンジに出入りしている。まるでこの街に住み着くゴーストのように。許さねえ。モートンは「オレは誰か知ってるからな。姿を表にみせず罪を犯し、その罪免れると思ったら大間違いだぞ。この街の(別のタイプの)ゴーストであるオレが絶対に逃がさねえ。
  • ちなみに、このくだりになるまえに、結構ジャブは打つんですよ。wankerだと思った芸人の名前を挙げるくだりがあるんですが、そこで毎日名前を変えてるそうです。25日間、違う名前を毎日あげても足りないくらい沢山いるそうです。
  • 最後もそれまで何回かランニングジョーク「え?その人はもう死んじゃったけど」を上手に畳みかけて、今までのネタを一つの綱にまとめて落としてて、素晴らしかった。沸き起こるモートンの怒りが青い炎みたいにぼわーっと見えるようなショーでした。最近、世の中の絶望さに、怒りよりは諦めを含めたリジリエンスややるせなさを原材料とした笑いを多くみかけていましたので、怒りのエネルギーからくる笑いは、新鮮でした。
正直、自分がみたときは、最初の最初の方だったので、(アメリカ旅行の話のところとか)調整完了してないな、という印象でしたが、1週間たってるので、完了だと思います。

あと、リース出身ですからね。モートンのことは、絶対に怒らせないほうが、いいよ。