イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2022年2月2日水曜日

[あらためて世界の中心で叫びたい]Tim KeyのMulberry(Preview)観ました。何回観てもまた行きたくなる、笑いの芸術と深さに感動がやめられない止まらない、かっぱえびせんショーです。

それは、今からつい3日前の金曜日のお昼頃のことでした。ウイスキーアンバサダーになるため15分で4種類呑見分けるという厳しい修行に専念しているとピロロロンと友人から携帯にお知らせが。

それは、行きたくて行きたくてしょうがないのにチケットが即完売で、うっかり後で気付いた時にはまるで取れなかったMonkey Barrel ComedyのTim Keyのショーに追加公演が出たとのお知らせ。酒を注ぐ手は、速攻でリンクをクリックしクレカを財布から引き出す手となり、無事購入です! やったよやった!!

エンジンがかかってしまい、その後さらに出た追加公演も速攻で購入。週末に同じ演目2回観るとか、フリンジみたいなことをしてしまいました。かなりアドレナリンが出ちゃった…汗。

実は、過去に恐ろしい数のTimKey体験をしているのに、空気的に客とステージにクリアな一線が敷かれてるハコで、シアトリカルな傾向にあるものしか観たことがなくて。最近のショーを観てる人たちによると、かなり客としゃべくり倒すが、だいたい男子しかピックアップしない(ので前に座っても大丈夫)とのことだそうです。

今回、こーゆー感じの客との一体感が構築されやすい空間で、Tim Key体験っておぼえてる限りで初めてなんですよ。

1回目 Monkey Barrel 1  


2回目 Monkey Barrel 3


(参考画像。撮影時は別時です。つまりこの位置で座ってないぞ!

Mulberryは、パンデミック中の徒然草で、He Used Thought as Wifeに続く新作 Here We Go Round the Mulberry Bushからのポエムを中心に展開する70分です。お馴染みのジャージ姿で、スーパーの袋ぶら下げて登場。袋から缶ビール取り出して飲み、まるでパブかなんかでその場に居合わせた人たちと駄弁ってるかのような「会話から生まれる笑い」を見事なまでに演出しながら、ポケットからツイッターやインスタでもお馴染みの、ポエムが書いてあるトランプカードを取り出し、それを読みあげていく。


2回観たからこそ理解したことなのですが、

「ロックダウン参加した? 何回目のロックダウンが一番好き?」

「ロックダウンどこでやってた?」

「アマゾンった? 何買った?」

「誰とロックダウンやってた?… オレ?オレはクマ(等身大に近いぬいぐるみ)と」

といった質問は構成台本のふしめトピックになっていて、いかにもその場のた話が展開されるように見せながら、じつはTim Keyの描くスクリプト内起こっていることなんだろうな、と。このショーのプレビューおよびWiPの回数が、今スケジュールされてるSOHOTheatreでのオフィシャルの日程なみに多い。(昨年からこまごまこまごまやってるので)おまけにSOHO Theatreの公演中に一回WiPをBill Murrayで挟んでますからね。驚愕のデータ収集をしてこのショーを作り上げているようです*…。

客層も緻密に選んでいますよね。コメディファンでも確実にSOHO Theatre層(→もともとフリンジの人気演目がロンドンで秋に見れるという流れを作ったハコ)に限定してデータ収集。WiPやってるところがBillMurrayとここ!エディンバラのMonkey Barrelとレスターだけ。あ、オンラインでは芸人さん数人と会話形式で(Isy Suttieとか)。plusミックスビルでMoth Club。ピンポイントだからこそ、この神レベルの深さとクオリティに仕上げた、じつはむちゃくちゃ作りこまれているショーを、まるで徒然なるままにの一期一会に演出することができるのかもしれないです…。

パンデミックって、一番やりづらいけど誰もが通らずにいられないネタだと思うんですよ。だってみな同じ生活を強制させられたんですもの。誰もが四方八方、毎日毎日この話以外聞くことができなかったんですもの。飽き飽きしてるし山のようにネタも放出されてしまっているけど、他に選択肢がない。選ぶ自由がない。昨年秋くらいから素晴らしく感動したショーはいくつかありますが**、それらは「パンデミック」をニューノーマルとして(=当たり前として)展開していくものでしたね。パンデミックにわざわざ触れないの。

Tim Keyがそれらと一線画して(別の類で?)すごいところは、誰もが避けられなかったロックダウンを逆利用して、今回のようなフォーマットで緻密に作り上げたショーを展開しているところだと思います。ロックダウン中は誰もが同じ(自由のない限られた)生活を強いられていたので、話しかけても返答の幅が圧倒的に限られている。広がりに限界がある。だからもともとの構成内に軌道修正がめちゃめちゃしやすい。たまになら圏外でちゃっても、ちゃっと切り落とせるし(→実際2回目ではそれが起きた)

結果的に今回3日間エディンバラでやってくれたうちの初回と最後を観たせいか、2回目で、ああこれは、living with bleakness (虚無感と共存する、みたいな?)への哀歌なのだな、と皮下組織に染み渡って、どーしようもない究極のエモ状態に。もともとそういう系ではあるんだけど、なんか今回濃度が濃かったと思う。うまい掛詞でキーワードが2-3あって、2回目でその辺もああそうか、と皮下脂肪に響きました。1回目はTim Key観れる!ってので超ウキウキしちゃったから皮膚に笑いのシャワー浴びていっぱいいっぱいだった気もするし、ご本人も台風(→風速60マイルのやつがきてました)で電車がニューキャッスルで止まっちゃって、他の乗客とっつかまえてタクシー相乗りでなんとかエディンバラたどり着いた(もしかしてバタバタでハコに入ってきたのかも!)なんてハプニングのなかの1本目だったので、様子がちょっと違ったのかもしれないです***。

このどうしようもないエモ状態から抜け出せなくて、発売当時は「うわーめっちゃ可愛いけどお値段的にちょっと考えよう…」と保留にしてすっかり忘れていた、ポエム書いてあるトランプカード(ものすごいかわいいの!!)をポチってしまいました…。

というわけで、この手法とフォーマット、感動の作り方すべてにおいて、演劇ファンの人にもぜひみてもらいたいし、ぜひどんな感想をもたれたか、聞きたいです! WiPはすべて完売だけど、ロンドンのSOHO THEATRE公演のチケットはまだ残っているそうです。急げ!急いでください!!!オレどこかでプレビューとかWiPじゃないやつ、みたいです。おそらく何回みてもちょこちょこ違うのだろうけど、プロパーと本人が定義したものってWiPじゃないやつとどう違うのか、みたいです。フリンジに数日でもいいんで来てくれたらほんとにうれしいです。今度こそ絶対速攻でとれると思う!なんとなく。


*ただですね、いまこれ書いててはっ!!と気づいたのですが、ここんところ10年くらいのStewart Leeってまるまる1カ月エディンバラのフリンジでWork in Progressでものすごいデータ収集して、ツアーの大冒険に出ているんだった…。そうか、そういうことだったのか…

**Fin Talorさんとかね。あと1月オンラインで見たNick HelmがAlways Be Comedyでやったセットはさすがだった!ちょっと長すぎたのを除いて傑作だった!

***この話ツイートもしちゃったけど、ほんとに、偶然同じ列車にTim Keyと同席したうえに!その電車が止まってタクシー乗り合いで3時間一緒って、そんな運のよすぎる人たちが羨ましすぎて死にそうですよ! その同乗者3人のうちの1人はポーランドの子で全く興味がなかったそうです。そーなんだよね、そーゆーもんなんだよねぇ…

2022年1月23日日曜日

英人気俳優ベン・ウィショーさんが主演、(アダム・ケイ原作の)「This Is Going to Hurt(邦題:少し痛みますよ)」の放送日(BBC)が決定に2月8日だそうです。

こんにちは。

日本でも大変人気のベン・ウィショーさんが主演するということで、日本でも超話題で、超待ち望まれている(はずの)「This Is Going to Hurt」の放送日(BBC)が発表になりました。

2月8日 全8話 (一気にアップされる可能性あり・・・)

だそうです。

トレイラーはこちら(見れるのかな?)


元医者だったコメディ作家のアダム・ケイが(→Mitchell & Webbとかでスケッチも書いてたりしてます)、医者時代の経験をベースに書いた同名タイトルの本が大ヒットしまして。その本ベースにUKツアーもやったのですが、これも大ヒットでした。2017−2018年のことです。


おっと、邦訳されているのですね。タイトル「少し痛みますよ」なんだ。なぜなんだろう…

https://www.amazon.co.jp/dp/B084ZCJ2BW/ref=cm_sw_r_tw_dp_DJQ0C1W3VGQ3X5T2R4K9

(どんなふうに邦訳されているのか気になります…)

ドラマのトレイラーを見てるとアダム・ケイのダークでドライなユーモアがそのまま転送されてる感じで、絶対見たい!と思えますね。このドラマ化の脚本も手がけているのがアダム・ケイだというのもあるのでしょうが、監督が敏腕です。

The End of the Fxxxing Worldのルーシー・フォーブスと、もともとウィル・シャープくんと映画作品作ってたところから近年はStath Let Flats, Pls Like, Ghosts などなど引っ張りだこのトム・キングスリーなのです。

書いてる人も撮ってる人も間違いないので、期待を大にして大丈夫なのだと思います。あと、ウィショーさんのコメディ俳優としていかにできるかは結構な量で過去に実証済みだと思うので、本当に楽しみです。



2022年1月17日月曜日

リッキー・ジャーヴェイス主演、After Life Season 3 アフター・ライフのシーズン3観ました(もしかしたらこれをネタバレというのかも…)

シーズン1についてはこちら

シーズン2についてはこちら

予告編は↓



以下は感想です。ネタバレになっちゃうのかな? (てかS3,プロットないも一緒ですけど・・・)

シーズン3は、びっくりするくらいシーズン2のGroundhog Day堂々巡りの毎日が壊されず、シーズン1最後でたどり着いたリジリエンスも忘れたかのように、カメラロールは回る回るよぐるぐると…。でした。

タイトル通り「アフター・ライフ」なので、(奥さんいなくなって)この世のライフはどーでもいい人の話で、その気持ちが何一つ変わることはないんだよ、っていう話でした。群像劇に見えて、この(奥さんいなくなって)この世のライフをどーでもいいと思っている人が主人公、その他は脇役、っていう立ち位置がものっすごいくっきり!してるんで、群像劇的な人間模様の深みとインパクトはなかった。

S2の感想の最後で

「追記:個人的にはこれで終わり。あってもこの後スペシャル1本か、どんなに頑張ってもS3で終わるのが一番いいと思います。先が見えないもん。これだけの才能のアッセンブルなので、リッキー独裁政治じゃなくて、各自キャラクターでインプロさせるイアヌーチ・スタイルにしたら広がると思うんだけどなー」

と書いてたんですけど、もう本当に、このS3の最終話をS2の最終話かクリスマス特番かなんかでやればよかったんじゃないの? と思っているのが、本音です。

が!

1)UKコメディの素晴らしき才能がアッセンブルしまくっているシリーズなので、リッキー・ジャーヴェイスの力でS3まで引っ張って、(パンデミックで経済苦しい中)みんなへ手厚い出演料を振る舞えたのなら、そしてこの才能高き人々を世界中のネトフリウォッチャーたちが認識することができるのであれば、オレはそれこそが一番のS3の存在価値ではないか!と思います。なのでこれはこれでいいのです。

2)第4話が素晴らしいです。第4話にTim Keyが出ているのですが、「もしかしてTimKeyがフリースタイルでやったんじゃないか?」と思えるくらい素晴らしくTim Keyなのです! ものすごい笑える。Tim Key好きならめちゃくちゃ!大爆笑のピュアゴールドです。

3)あと第5話でマイケル・スパイサーさん出てたりして、こちらもおお!と思いました。

4)ラストシーンで、実はトニー死んでた?なんていうことを言ってる人がいたのですが、オレはそういうことじゃないと思います。細かいことを説明すると、シャレにならないくらいのスポイラーになってしまいそうなので、(何しろ他に見所という見所が・・・)説明しないでおきます。


以上です。恐ろしいくらいここを観てくださいみたいなバスデン・ポイントもなかったので、とても静かな感想に・・・ 

2021年12月22日水曜日

【超ネタバレてます!】フィラデルフィアは今日も晴れ、最新シリーズ(It's Always Sunny in Philadelphia Season 15)がやばすぎです! 怒涛の新展開&新事実発覚に爆笑と涙が止まらない

こんにちは。

 パンデミック中だけでS1のぞいて3回回してるくらい大好きなAlways Sunny in Philadelphia。待ちすぎた新シーズンが12月から放送開始となり、前代未聞のレベルで心をときめかせ、各エピソードを盲目的に溺愛しております。

この文章を書いている時点で第6話まで視聴しておりますが(アップするころは8話まで見てる気もする)、ギャングがフォレストガンプのような奇跡を次々起こしていくシーズン・プレミアをかわぎりに、新事実が次々と明らかに! いままで当たり前と思っていたギャングの面々のあれこれにおいて、意外な真相が(いくつも!)隠されていたのですよ。というわけで、以下は、超ネタバレです。楽しみにしてらっしゃる方は気を付けてください。

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【新事実その1】

デニスがあんな(笑)デニスになったのは、フランクのせいだった 

デニスといえば、キング・オブ・ナルシストで、女性のことを自分の性を満たし、自分がすげえって思えるための道具くらいにしか考えてない人間ですが、どうももともとこんなカスではなかったようなのです。パディーズパブを始める前、もともとはまっすぐなとってつけたような好青年だった。ところが、大学時に、「父さんのビジネスを見学して、ビジネスを実践で学びたい」とフランクが「ビジネス」をしているところを見ちゃったのが運の尽き。カスの道を全速力で駆け抜ける人生の始まりだったようです。


【新事実その2】

ディーがあんな(笑)ディーになったのは、ローラースケートで転倒&頭を打ったからだった?

ディーといえば、悪態つきの究極の自己中の、職業「女優」という名のルーザーですが、もともとは清純な「お嬢さん」といっても言い過ぎではない女子学生だったようなのです。放送禁止用語なんて彼女の耳に入るのはもってのほか、人にやさしく、思いやりを持った、フレンドリーな笑顔が魅力的なみんなの人気ものという、今までのディーの反対用語すべてを寄せ集めたような人格だった。ところが、チャーリーとマックが当時働いていたローラースケート場で転倒&頭を打って、人格激変。おなじみのディーが誕生したようなのです。


【新事実その3】(追記:第8話でやっぱりアイリッシュだったことが判明)

マックのルーツは、アイリッシュではなかった。

個人的に、この新事実のマグニチュードがでかすぎて、笑いが今も止まらないです。

今シリーズのハイライトは、なんといっても、(ディーが史上初でメイン役をゲットし、ロケ地のダブリンへファーストクラスで行けることになるのですが、泥酔(させられ)て寝てるすきにデニスたちにギャング全員分のバスのチケット購入費に使われ、)みんなでダブリンに行くことなのですが、その目的の1つが、アメリカ人よくあるあるの「オレのルーツをたどる旅」なんですよね。で、マックといえば、アイリッシュがルーツって揺るぎがたい事実みたいになってますから、マックのお母さんに教えてもらったHouse of McDonald の住所を手掛かりに、ダブリンの街を歩くわけですよ。

でも、お母さんが教えてくれたその場所にそびえたつのは… マクドナルド。(お母さんのキャラのおかげで、ベタなオチにならないんだな 爆)マックはお母さんのところに電話するわけですよ。あむ・あい・あいりっしゅ? 救いをもとめて問うマック。しかし、おかあさんの返事は、棒読みの、のー。じゃ、じゃあ何なの? マックの人生とアイデンティティがかかった重要な問題。しかし無残にも、お母さんの口からでたのは、




DUTCH


でした…。




オランダ人!!!

マック、オランダ人!!!


アイデンティティのために(偏見と自分勝手な都合の良い解釈による信仰で)超カトリックだったわけですよ。マックといえば、カトリック、バッドボーイズ気取り、タフガイ、マッスルマン、なんですよ。なのに!オランダ人!!!今までの「カトリック」信仰ブイブイはどうするのよ! この後、残されたアイデンティティは「ゲイ」だ、と言ってるあたりで、なんじゃそら(笑 ではあるんですけどね。プロテスタント的なネタを楽しみにしてます。


【新事実その4】

チャーリーは、読み書きできないのではなかった

チャーリーといえば、最低限の常識がないとか、言動すべてにおいて秩序的なものがないとか、何を言ってるのかわからん、何を書いてるのかわからん、とか、その反面、たまに驚愕のヒットを飛ばす、なんてこともある、ギャングのなかでも、オッズが無茶苦茶高い万馬券、みたいな感じのところがありますが、今回、アイルランドに子供のときからペンパルがいて、そのやりとりがじつは英語ではなく、ゲーリックだったという新事実が! ペンパルからゲーリックを学んでいたため、ダブリンで古文書もすらすら読んじゃうんです。


【新事実その5】

チャーリーのリアル、お父さん発覚 (フランクじゃなかった!)

爆。なんとチャーリーのお父さんは、子供の時にやりとりをしていたペンパル、シェリー・ケリーだったのです! アイルランドの片田舎でチーズ屋さんをやってて、チャーリーを遠くからずっと見守っていたのです。ゲーリック語でペラペラと会話をするチャーリー(Reddit内でアイリッシュのファンが、アイルランドのゲーリック語むちゃくちゃ上手にチャーリーしゃべってると。全然ナチュラルだって言ってました)自分のルーツそして初めて父子が出合います。

しかし!チャーリーのいるところにはフランクあり。それまでシリーズはフランクが父親の可能性が一番高いというネタもたくさん展開してきたし、この長期間で微妙な父子っぽい関係もすっかり築かれ定着しているわけです。第6話はかなり寂しいエピソードです。フランクがかわいそうになる(泣きそうになりますね)。フランクに同情とかできる余地はないはずなのですが、ダニーデヴィートの演技力のすごさにあらためてファン一同感服でした(Redditですが)

とりあえず、こんなところだったかしら?5個も根底を揺るがす新事実が発覚するシーズンってすごくないですか?! どうも今回デニスが結構多くの脚本を担当してるからじゃないか、って言われてますが? 残りのエピソードも楽しみでしかたがありません!!


2021年11月1日月曜日

スポイラーなしネタバレなし:エドガー・ライト監督最新作ラスト・ナイト・イン・ソーホー/Last Night in Soho観ました。

 日本では、12月10日公開ですね。さすがエドガー・ライト監督。日本もさすがに、さっさと公開してくれますね。

https://lnis.jp/

特報映像というのが公開されていますね。

映画サイトに何一つ書かれてないですね。こちらでもトレイラーしか情報がなかったかも。

なので、以下は、何一つ知りたくない!!という人はやっぱり読まないほうがいいかもしれません・・・ただ、お話(のさわり部分)を含めて、全力でネタバレ的なことにならないようにしています。



【ストーリーは・・・】

’ものすごい田舎に住んでいた純粋で(60年代のものが好きな)女の子がロンドンのファッションカレッジに入学を決めてロンドンSOHOへ。そこで・・・’


以上

です。


【ネタバレ自体はしないで感想言います】


1)恐怖は美しい

ジャンルとしては「ホラー」(がメイン)と言っていいのではないかと思います。

で、オレはホラーに特化したギークではないので、あまり自信を持って言えないのですが、美しさを追求したホラー、または、ホラーを通して美しさを追求する映画、としては史上最高と言っていいんじゃないでしょうか? 美しいんですよ。新作なのにクラシック映画のような品まである。これは60年代が映画の中で鍵を握っているせいもあるかもしれないですが、60年代が絡んでいれば誰にでも作れる「品」じゃないです。この「品」は、アートとは何かのこたえの一つかもしれない。

2)監督ファンと映像ファンは涙する傑作

エドガー・ライト監督といえば、完璧主義で、1フレーム単位でとことん思い入れがあり、その時に描きたいこと、作りたいことを究極につめて、自分で敷いた一線を越える妥協なしで、形にする監督さんじゃないですか。ベイビー・ドライバーの時にも同じことをブツブツ言ってボロボロ泣いてた気がすることで、1)と関連するんですが、そんな究極な「想い」みたいなエネルギーが美しさと映像を通して放たれていてですね。

オレ、もともと、そういう感じの音楽とか絵とか映画とか芝居とか(コメディとか)に遭遇するとボロボロ泣いてしまう習性があってですね。年取ればとるほど悪化してる感じではあります。で、Last Night in Sohoの序盤に近いところで、映像的にすごすぎるくだりがあるんですよ。そこで涙腺がぶっ壊れちゃって、鼻水すすって泣いちゃいまして。

どこで涙腺がぶっ壊れたか、っていうと、まさに予告編で見せてくれてるあのアイコニックなくだりです。主人公の女の子が見る鏡に写った彼女の姿が60年代の彼女とは別人の女の子っていうところ。そこからいいしばらく、監督からの宣戦布告なのだろうか、と思うくらいの映像マジックが展開するのです。鏡で覆われた壁で鏡の中の女の子を移しながら、その鏡にはまるで写ってない別の女の子が半円形の階段を降りてボール・ルームへ降り立つ。そこから先々にいくつも散りばめられてある「鏡」を、観る者はチェックせずにはいられない心理を手玉にとるかのように、鏡という鏡に「超リアル」に別の女の子の姿を映し出すんです。

そしてマネージャーと交互に入れ替えての女の子のダンスシーン。その滑らかな美しさといったら。自分に課した尋常ではない挑戦に、人間が可能なレベルを超えたかのようなきめ細やかな仕上げ方と完璧さで勝ってしまう。

そんな地点に達するまで一体どんな苦悩と苦労とハードワークを乗り越えてきたんだろう、と偉人が偉人となるまでの、想像だにし得ない道のりが脳裏に(→想像できないんですけど!)フラッシュして、涙腺ぶわっ!です。

ちなみに、ストーリー的にはむしろ起承転結の「起」で、ワクワクするところでして、まるで場違いなので、隣近所に思いっきり振り向かれちゃって(こいつコロナか?みたいな)ヒンシュクものでしたが・・・

3)間違いなく、最低2回は映画館で観たい

二転三転するプロットは、確実に予測を裏返してくれたし、特に女子が納得できる展開だったので、ホラーは一切苦手!ということでなければ、(客を怖がらせるためが第一目的で作られていないと言い切っていいんじゃないかな、と思うので)2回は堪能してエドガー・ライトゾーンにどっぷり浸かりたいですね。

この映画が日本でも大成功するのだろうな、と信じてます!