イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。


2020年4月13日月曜日

続く英国ロックダウン。状況アップデートおよびZoomを使用した有料ライブ・コメディに参加しました。めちゃめちゃよかったです!のレポート 2020年4月12日付

【前回からの状況アップデート】
→そんなものどーでもいいからZoomのライブについて知りたい。という人はこちらからどうぞ。(または下へスクロールダウンしてください。すみません汗)

英首相ボリス・ジョンソンがコロナで入院→退院のニュースが流れた現在、ほぼ毎日700ー1000人単位でお亡くなりになっている英国です(→ケアホームの方の人数は除く)。その死亡率はイングランドだけにすると10万人あたり15人くらい…ヨーロッパでトップの死亡率の道を歩んでいます。(リンクはスレッド全部が引用元です)そして、本日、英国でも長年ずっとお茶の間の顔的に愛されてきた有名なコメディアンで、Goodiesの1人のTim-Brooke Taylor ( ここで一回紹介してた)さんがコロナでお亡くなりに(号泣)お昼頃からオレのTLは嘆きの嵐です。エドガー・ライト、リース・シアスミス他、日本の英国コメディファンの間でも人気のあの人この人が皆泣いています。前回も話してますが、EUからのオファーを蹴り、英国民ではないNHSスタッフのビザはコロナが終わるまで延長(→終わったら帰れ)先ほどもEU圏外からの腕利きの医療関係者たちが助けられますよ、というオファーを蹴っちゃってた。。。ケアワーカー&NHSスタッフにカミカゼ特攻隊のように最前線で戦わせ続け、報酬は拍手でお支払い・・・のような保守党政府のコロナ対策への非難轟々です。

NHSスタッフを励まそう、サポートしようと、リアム・ギャラガー級のアーティストがこぞって(必ずや終わる→)コロナが終わったらNHSスタッフのために無料でライブを、と秋以降にライブを企画。最初は「おおお」だった世間の反応も、大物が次々と同じことを言い出すと「そ、そのライブにかかる費用をどこかに献金した方が・・・」などという声も。一方こうしたライブを行うことでイベントスタッフは仕事が保障されるのでしょうし、マニックスやギャラガー・レベルのアーティストが行うともなれば、放送権の売買や献金ラインのセットアップもできるでしょうし、とも考えると…どうなんでしょうね。

さて、いつもの長い前置きを書き終えたところで、今回の本題に移ります。前回までロックダウン以降のコメディ業界における様々な新しい試みについてレポートしてきました。3週目に入ったところで、(しょうがないのですが)量産→クオリティにばらつきが多く見られるように。特にTwitchやSkypeを使用してゲストを呼びおしゃべりをオンライン配信するフォーマットのショーは、呼び屋も含めた内輪同士のおしゃべりレベルが目立ち、簡単にあれもこれもと投げ銭をするモチベーションが湧き出ない…。いや正直、誰もがメンタル弱ってる時に、未開の地でそこそこのもの見せる人がいたら、サイコパスです。おしゃべりで全然いいんです。視聴者を囲う空気さえあれば。

そんななか、10日くらい前から有料チケット制による「ライブコメディ」が始まったんです。オレが知る中で最初にやり始めたのはWeirdos Comedy。稲村的には初回のラインアップと8ポンドちょいという値段を天秤にかけてみた場合、試すモチベーションがわかず(汗)見送りさせていただきました。しかしながらチケットは完売&ライブは好評に終わったようで、17日にも催行決定。チケットはこちら:https://www.eventbrite.co.uk/e/weirdos-comedy-live-online-2-tickets-102448060908

オレが参加したのは、その後程なく行われたオレのご贔屓さんを何人も扱っているプロモーターShow And Tellさんのライブコメディです。これが今までで一番素晴らしかったので、レポートしたいと思います

【Zoom使用のライブコメディ参加しました!】

 エンドレスにヒマしかないので、4月9日当日にお知らせが入ってもすぐに参加できるのがロックダウンの醍醐味。


この「Front Room」の意味がようわからないままも、1ポンドでLou Sandersさん(→Taskmasterに出ちゃってものすごい人気に)とRhys Jamesくん(Have I Got News For Youなどのテレビ番組でおなじみの顔に)のライブで優遇されるなら! とチケットを購入。するとライブへのリンクがこのように送られてきまして。


あれ?22時からっていってたのに21時開始?とか思いながら、クリックすると

(今キャプったので3日前になっていますが、当時はカウントダウンで時間が表示)

プレイボタンをクリックすると

とZoomへ飛ばされ、「なるほどこれはZoom を使ったライブなのか」と判明。実はZoomのセキュリティ問題はたくさん耳に入れており、同僚のzoomミーティングを蹴りまくっていたので、ZoomのアプリをDLインストールしろと指示が。超抵抗がありましたが、このやり方で進めれば、コードを送信やシェアおよび公開することなく、ホストのみの管理による参加する形になるので、FBIに書かれていた「Zoom使用の際の注意事項」もクリアになるか、と判断しインストールしました(コメディの誘惑に負けただけ、と言われればそれまでですが 汗)
すると、こうなりまして。
始まる前に準備してねと以下のように指示が。


Show and Tellさんは我々お客さんのマイクを「オン」、画像を「オン」にしてほしい。と。お客さんの顔や笑い声が芸人さんに見聞きできるようにしたい、とのこと。マジで?(汗)と思いながらも、マイクをオンにしたオレ。もともとZOOMとは全く思ってなかったので風呂入ってドライヤーもしとらず布団の上&パジャマでビール缶をプシュッと空けてたので、画像は遠慮させてもらいました…。(左上に見える緑色は、オレがデフォルトで緑色のテープをカメラに貼っているせいです。カメラをオフという選択はもちろんできます)

もう一つあった指示が「リースくんの画面をピンしてください」ということ。ピンにすることで上の画像ではホストのShow and Tellさんがメイン画面になってますが、リースくんをメインにすることができる、と。どうやってやるかというと、リースくんの画面の右上にカーソルを持っていくと3つのドットが右上に出るので、それをクリックするとpinにする、という選択が見えるので、それを選択・・・のはずなのですが! 指示通りにやってもピンにするの選択が出てこないんですよ。あちこちクリックして自分なりに試行錯誤しても出てこない。。。そうこうするうち始まる時間に。
Show and Tellさん「じゃあそろそろ始めようと思うけど、みんな準備大丈夫?リースの画面をピンできてる?」

「できてなーい!」
「できなーい!」
「ピンのオプションがなーい!」

オレだけじゃありませんでした(笑)。
そして参加者の1人が
「リースがまだオフにしてるからできないんだよ」
「え(汗)?そうなの?リース!聞こえる?オンにしてー!」
「え?そうなのごめんごめん」(オン)

で、こうなって、いよいよスタート(笑)



MCがいるわけでもなく、リースくん、ルーさんそれぞれが約15分尺で行うアットホームコメディでした。リースくん自分の持ち時間終わったらルーさんを呼んで、ルーさんがオンになったらお客はルーさんの画面をピンするように設定し、ルーさんを観る。ルーさんが終わったら、そのままお客さんに「これでいいの?これで終わり?え、切るよ切るよ、みんなばいばーい!」お客さんも「ばいばーい!」で各自切っちゃって終わりー(笑)
Show and Tellさんはこの2つのセットをコンパイルしてYou Tubeに22時にアップ→無料で一般公開。その後、華麗に削除。


個人的な感想としては、このやり方が、コロナの現状下で体験できるベストのライブコメディだな、と思いました。前回までで紹介したタイプでは、1)MCだけがYOUTUBEで生ライブ配信→その時にブッキングした芸人さんに送ってもらった数分のクリップを流す。2)スカイプなどで芸人さん・ホストがチャットショー形式に行う 
両方ともオーディエンスとの絡みは全てチャット機能のみ、またはナシ、なので、客の笑い声やコメントなどは全て絵文字や文字だけに。チャットではみんな言いたい放題言うし、客同士がチャットしあったり。距離感があります。芸人さんはチャットのコメントを拾ってコミュニケーションを取り合ったりしますが、かなりの時間差が否めません。テレビの生放送でツイッターなどを利用し、ハッシュタグでコメント寄せるみたいな距離感と時間差です。

一方、Zoomの場合は、芸人さんと客とのダイレクトなコミュニケーションがライブ会場レベルでできる。一体感があります。お客さんの声が音で通常のライブ会場と同じように演者に伝わる。もちろん、客1人1人が演者と同じレベルの音と映像発信力を持ってしまうので、演者はなれるのが大変っぽいです。客も素人なのでついつい忘れがちになる。(オレも実は、リースくんのセットの時に娘に話しかけられ返事をしてしまった 汗 スルーしてもらったけど、マジすいません!! 汗)
リースくん、敏感に反応してましたが、すぐに上手にそれをお客さんをいぢる(ライブコメディでよくあるような)素材にしてました。彼はこのフォーマットをかなり真面目に今後のビジネス形態と見据えているんじゃないかと思います。15分のセットをちゃんと用意してました。
ルーさんは、もっとフレンドリーにみんなとお話しましょっ!って感じのノリで15分強。初めての試みなので、まずは模索、リースくんほどセットの用意はしてなかったように見受けられましたが、オレは新しい希望を見出すほどルーさんのセットを気に入りました。ルーさんがお客さんの一人一人をちゃんと認知し、カメラの向こうの見えない客にしゃべりかけるのではなく、不特定多数ではない、我々に向けてお話をする、というスタイルが、オレがよく行くコメディクラブでの臨場感を再現してくれてたのです。

成功のカギとしては、有料制にすることだと思います。人数とお客のクオリティを保てる。有料でも観たい、参加したい、と思うのは、リベラルアーティの、いわゆる「いいお客さん」なんです。ショーの最中に邪魔になることをしないように心がけるのです。

今後の可能性:
現在実験段階で1ポンドですが、今後3人芸人さん持ち時間20分づつで1回5ポンドに値段をあげてもいいんじゃないのかな。リベラルアーティは貧乏が多いのと、フリンジや普段のインディーズのコメディ・クラブでのお値段を考慮すると、3−5ポンドがoptimum pointかな、と思います。
無料だと40分しかできないので、まあ当座は今回見たような2人ブッキング、1人15分づつって設定でもいいのかなぁ。今後人数が増えてきた時にどれくらいアットホームに感じられるか、どれだけ芸人さんが「不特定の誰かに向かって喋る数分のビデオレター」以上のものを出してくれるか、値段の釣り上げ方も変わってくるのかな・・・40分以上やるならホストがビジネスアカウントを取らないといけない。よって値段が上がることは不可避です。Show and Tellさんは、固定客をしっかりもつ評価の高い芸人さんを多く抱えているので、しばらく1ポンド40分で試運転をしていただき、その後、本格始動を期待します!

・・・というわけで、オレは 来週の火曜日と木曜日のチケットも購入しました(笑 この記事を読んでくれた方で、チケットを購入予定の方、現地(?)でお会いしましょう!

https://www.showandtelluk.com/event/show-and-tell-at-home/

来週はね、画像もオンになることがわかったので、風呂上がりのパジャマ姿のおっちゃんじゃない格好で挑みたいと思います。

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