オレとStefan Golazewski君(さん)といえば、もともとCowardsでさんざん騒いだのち、フリンジの注目ショーの演出やってて騒ぎ、期待に胸膨らませて視聴したHim & Herですっかりハマり、舞台劇「Sex with a Stranger」を観れず地団駄踏みつつスクリプトだけ購入し、その後Him & Herだけを心のたよりに生きて来た、そんな感じです。
そんななかでの、待望すぎるMumです。
http://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/b07dx786/mum-4-august
(そういえば、Stefan君もアウトプット率少ないんだな。でもバンドやってるからな)
(こういう才能のある人々は、事務所が投資的に才能を”買う”らしいので、きっとStefan君も事務所にいい値で買われて、実プロダクティブ性が低くても、毎日300ポンドくらいもらってるんだろうな、と想像している)
お話は、ダンナさんが先に逝ってしまったキャシー(59歳)を中心に、大切な人を失った人が自分を再編成していく様を月めくりカレンダー的に綴る(一応)シットコムです。1人息子と息子のガールフレンド、一応健在な両親、弟とその彼女、そしてダンナさんとも共通の旧友マイケル、がいつも入れ替わり立ち替わりで登場し、極めてsubtleな物語が展開していきます。
というわけで、(ファンは好きよ、な)Stefan君の色がでまくった作品です。とくにHim & Herを超えた”居心地の悪さ””ぎくしゃく感”を極めてsubtleな笑いとして生産するスクリプト自体は、ステファン君毒が強いかもしれない。HIm and Herでダメだった人は、ここが結構視聴有無の肝になってくるんじゃないかと思います。
ただ、コレがステファン君の色よ、というファンは、かなり少なくとも2つの視点でかなり冒険してした上での成功と見なせる出来映えなので、ああすげえな、やっぱり才能ってこういうこというんだな、ってグイグイ引き込まれていっています。
その2つの視点のうちの1つは、前述の”居心地の悪さ””ぎくしゃく感”を極めてsubtleな笑いとして生産していること。そしてもう一つは、同時にアラウンドシックスティをめぐるピュアでキラキラしたラブストーリー的なソウルロマンスを見事に描いてしまっていることです。すげえですわよ。
強い毒とピュアな宝石が共存し融合しあうんです。ステファン君の才能もあるけど、キャシー役のレスリー・マンヴィルさんとマイケル役のピーター・ミュランの力がすごく大きい。Him & HerのときのKerry Howard姉さんとラッセル・トーヴィ君の力がでかかったのに輪をかけて、感じました。ベテラン役者さんが、スクリプトを好きになり、ワビサビまですべてを画面に出してくれるからこその、傑作。制作と役者が共存し融合して生み出す感動です。
そして稲村個人的には、コレみて、「ああ、リッキー・ジャーヴェイスがコレみたら、相当悔しい思いをするんだろうな。”オレはThe Office, The Extrasの延長線上に、コレをやったつもりなのに。オレがやりたかったのはコレだのに。”と思ってるんじゃないだろうか」と思いました*。しょうがないですね。残念。しょうがない。
*elaborate せずにこのまま終ります。お休みなさい〜。
0 件のコメント:
コメントを投稿