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2026年10月26日月曜日

You Can See Everythingを観る前に知っておきたいNathan Fielderネイサン・フィールダーのこと。まとめました。

アメリカに住んでないので、まだ見れてないです!(フラストレーション溜まりすぎて、歯軋りしすぎて、歯が割れそう・・・)なので、以下は、映画の話ではなく、ネタバレなんてとんでもない、この映画の監督(のひとり)で中にも出てきてる、ネイサン・フィールダーが今まで何してきたか、の話です。

「ドキュメンタリー」と言われているのに、オスカー有力候補と言われるほどの驚異的な話題となっているYou Can See Everything。

   

 おつとめちゅうのエリザベス・ホームズがおつとめ開始する前の30+日間、一緒に住んで密着取材、っていうキャッチなんですが、

最初の驚愕の反響だったのは、エリザベス・ホームズのせいというよりも、トレーラーにネイサン・フィールダーが出てたこと、彼が(共同)監督している「ドキュメンタリー」だったせい、つまり、いわゆるネイサン・フィールダー・エフェクトのせいだったと、断言しても問題ないと思ってます。

メガホンをとってるネイサン・フィールダーには、かなりしっかりしたファンダムが築かれてます。さらにいうと、フィールダー王国の住民はもれなく、この映画のトレーラーで「ドキュメンタリー」ってキャッチが出た時、ぶっ、と苦笑したはずなんです。

これ、ネイサン・フィールダーの世界をよく知らん多くの人々(になると思うわけ、オスカー有力とかになっちゃって)が、いわゆる「ドキュメンタリー」だと思って見に行って、大丈夫なもんなの? 

ネイサン王国住民だって、Nathan For YouのS3、4シーズンあたり以降から、ほぼほぼ何見ても(注:ちろっと出演していた映画作品は除く)

すげえええええええええ!!!!!!!

って顎外れるほどびっくりしたりしてるんで。

ある程度のネイサン・フィールダーの想定外を期待してものすごい楽しみにして、その上で、

すげええええええええええええええ

なんですよね。

だから、普通になんだかすごいすごいと話題のドキュメンタリー見に行くぞ、って見に行く人って、どのように受け止めるられるコンテンツになってるんだろー。って思いまして。

じゃあ、ネイサン・フィールダーが作ってるコンテンツってなんなのよ、なのかと思うので、

簡単に(?)紹介しようと思います。


【もともとは】

コメディライターをちょこちょこやったり、政治ニュースネタの風刺コメディ番組で特派員やってたり。あ!カナダです。カナダ(→これ大事)

オレが知ったのは、Comedy Central のImportant Things with Demetri Martinからで、

Demetri Martinは元々フリンジ通してライブを見たんですね(確か受賞したんだったと思う、確か。昔すぎて覚えが・・・)


【冠番組持ち始める】

Comedy Central:Nathan For Youで、冠番組持ちます。これは、「カナダのトップビジネススクールを優秀な成績(注:Cあり)で卒業したネイサンが、みなさんのビジネスのお悩みを解決!」と、本当に経営苦戦してて、助けてもらいたいリアル人々のもとへ行き、様々なビジネスアイディアでお助けに入るのですが、解決になるわけがないwっていう「ドキュ・コメディ」です。

パラマウント+で見れるっぽいですが?(Comedy Centralなので)一応、YOUTUBEリンクを貼っときます


【Nathan For You 後半で1回目の確変期入る】

彼の「リアル」の基盤概念って、リアルって解釈次第=ニーチェ的な、リアルってコンテクスト次第=フーコー的な、リアルって主観=キェルケゴール的な軸でグイグイ展開してく、というのがオレの印象です。というのも、シリーズ後半で、するっと(手の込んだやり方だけど)リアルをキャラの世界に滑り込ませ成立させちゃった、っていうか。

「カナダのビジネススクールをグレードCで卒業したネイサンが、みなさんのビジネスのお悩みを解決!」ってすでにキャラ入っちゃってるんですけど、そして、ビジネスのお悩み解決するって範囲内だったら、リアルとキャラの世界との境界線や、リアルとキャラの世界が交錯する場面ってのが比較的クリアに見えるので、そんなに珍しいわけでもないと思うんですね。

この境界線が見えなくなったのが、ネイサンがS3以降で、それまでとは大きく飛躍し、偽の恋愛リアリティ番組The Hunkを番組内で作るんです。目的は、テレビ番組の制作スタッフとカメラを自由に使えるから、パーソナルに使っちゃって、恋愛下手で奥手な自分を克服し自信を得よう。なんですよ。で、コントロールされた環境の中で、アプローチの練習をするんです。

 

一方、参加者の女性群は、Nathan For You ではなくて本当の恋愛リアリティ番組という認識で参加してます。参加者はリアルでリアルの恋愛リアリティ番組と思ってる。

さらに複雑なのが、1)参加者もリアルとはいえ、番組ってのを意識して言動する。「リアリティ番組」って言っても、どこまでリアルなの?ってのがある。

2)一方、ネイサンもキャラを確立している。カメラの前のネイサンは素のネイサンじゃない。

多分なんですけど、一似たようなことをしてたのが、水ダウのクロちゃんの「モンスターラヴ」や名探偵津田かと思うんで、ちょっと、比較して見ました。(クロちゃんとネイサン同等の位置に持ってくのが、ものすごいイヤでしょうがないんですが・・・)

1と2逆にしてたらごめんなさい

Nathan For You2の世界
The Hunk!1の世界
ネイサン自分の意志で、1の世界と2の世界を行ったり来たりする
参加者2の世界なのだが、実は1の世界にいることを知らない。2の世界にいると思っている
素のネイサン
3の世界 (同じ次元だが共有スペースなし)
素の参加者
水ダウ2の世界
モンスターラヴ2の世界
クロちゃん2の世界
参加者(リチ含)
2の世界
素のクロちゃん
3の世界(共有スペース)
素のリチ
素の参加者3の世界
水ダウ2の世界
名探偵津田1の世界
津田2の世界の津田のまま、1の世界に無理やり連れ込まれる。選ぶ権利はない。1の世界にいることを認識している。
登場人物みなさん認識のズレはない。(1の人は1、2の人は2、2だったけど1に入る人も1に入ってることを認識している。みなみかわは?)

これで、リアルとフィクションの関係とフュージョンする様が、いかに素晴らしく、ネイサンが1の世界と2の世界を操って2の世界を1の世界にするっと飲み込んじゃう、っていう感覚がわかってもらえたらいいな、と思うんですが・・・


【The Rehearsalで2回目の確変期入る】

上記Nathan For You S3とS4でやったことを(もはやパイロット版のような言い方してますが)、さらに突き詰めて実験・探求していったのが、HBOのThe Rehearsalになります。

「もし人生の難しい会話や衝突、重大な局面を事前にすべて『リハーサル(予行演習)』できるとしたらどうなるか?」と、実在する場所(ブルックリンにあるバーとか)原寸大で完全に再現したセットを建設し、参加者の周囲にいる実在の人物を再現するため、プロ役者を雇う。役者はターゲットの特徴、仕事、話し方の癖などを完璧に模倣するため、こっそり尾行したりしながら、徹底的な役作りを行う。そして、参加者は起こりうるすべての分岐点、予期せぬ展開、相手の感情的な反応を網羅したフローチャートをもとに、何度も練習。これにより、本番を完全にコントロールした状態で迎えられるようにする、というものなんですね。

確変が起きるのが、S1の途中。参加者のひとりが「将来子供を産み育てるリハーサル」をするため、家を借り、子役を雇い進行するうち、ネイサン自身が「これって自分が父親役としてこの実験に加われば、より完璧なリハーサルになるのでは?」と、夫役になる。すごいのが、この参加者を演じる女優を別途雇って、事前に彼女との会話の予行演習を行うリハーサルのリハーサルを始めるんです・・・

また、子どもの成長を再現するために数日ごとに子役を入れ替えて撮影していた際、まだリアルとフィクションの区別のつきにくい6歳の子供俳優が、(たまたまシングルマザー家庭だったせいもあって)、ネイサンに本物の感情を抱いてしまい、本当のお父さんだと言い張って泣いちゃうんですね。これに対して、ネイサンは、どこがどうなってこうなってしまったのかを理解し、どう対応するべきだったのかを知るため、その子役の子の母親として、別の年上の子役を雇ってその子役を演じてもらい、ネイサンに懐いて、父親だと信じてしまった子役の少年の状況を再現し、リハーサルをするんです・・・

リアルとフィクションの境界線が破壊され、幾重にもなっている心の内面や感情の限界をいく、サイコスリラーのような、驚愕の傑作、前代未聞のシリーズになったんですよ。

S2でも、とんでもない驚愕の展開で、2026年9月には米上院で「ジョン・A・ハウザー航空メンタルヘルス法(John A. Hauser Mental Health in Aviation Act)」および「航空医薬品透明性法(Aviation Medication Transparency Act)」が可決される一因となったんで、よろしくです。


【ギアを一回完全フィクションへ:The Curse】


モキュメンタリーを入れ込んで展開する壮絶ブラック・コメディで、エマ・ストーンとダブル主演って言っていいんでしょうか。ニューメキシコ州のエスパニョーラという労働者階級の街で、外壁が全面鏡張りのエコ住宅を建設し、地域を活性化しようと頑張り、エコ系のリアリティ番組として記録。この番組を制作するのは幼馴染(ベニー・サフディ。サフディ兄弟のサフディですわ)なんですけど。
White Saviour とか、hypocrisyとか、リアリティ番組のダークサイドとか、この居心地の悪い薄気味の悪いダークなやつは、White LotusのS1に共通するかも。傑作です。マジで傑作。特に最後のエピソードがすごかったです(二言目にはすごい、ですみません)


というわけで、まとめると、途中から、ネイサン、リアルを理解するために、フィクションを作り始めちゃうじゃないだろうか・・・

と思うと、
ドキドキが!!! 
止まりません!!! 
早く!!!
見たい!!!
11月20日まで見れないのつらすぎる!!!


ちなみに、映画You Can See Everythingは、ファンダム内でも、寝耳に水の、爆弾ニュースで。というのも、ーTikTokで人気になったTikTok BoyバンドのBoy ThrobはThe Rehearsal S3でネイサンが仕掛けてる、という憶測で大盛り上がりしてる真っ最中でした(汗)