こんにちは。ボー・ウォッチャーの稲村です。
しつこいですが、気がつけばボー・ウォッチャーになって10年すぎてますよ・・・ボー君30歳だって(震)ボー君30歳だって!!!
エイス・グレードの映画はありますが、ライブ含めてコメディは随分おやすみしててですね。最後のMake Happy ツアーからなんと5年経ってたみたい。もともとボー君って生産率はそれほど高いほうじゃないんで、そんなに気にしてなかったのだけど。
そんな5年ぶりの「コメディ」。はっきり言って、観ないとダメなやつです。特に「元祖YOUTUBER」、「ライブコメディアンとしての通るべき道通ってないで、もてはやされまくってる(所詮大したことない)アイドル芸人」「ライブコメディやめちゃったよわい白人芸人」的なフィルターかかってるそこのおじさんプロ関係者方、(→すいません、これは英語で書くべきなのでしょうが 滝汗)本当にそのフィルターとらないと、結果的に自分のロスです。
ホントに!
これはこの時代に生まれた究極にダークかつ重いかつ美しい最高傑作なのですよ!
(オレ泣いたから)
オレね、ボー・ウォッチャーx2と豪語しながら、実は何でもかんでも絶賛してないんですよ。その証拠にね、Make Happyとか色々スルーしてるし。
だからこそ、オレのInsideの感想を信じて欲しいです!
この作品がいかに最高傑作かを説明するには、ネタバレないわけにはいかないので、以下はネタバレです。ご了承よろしくお願いします。
ソーシャルメディアに翻弄される世代が抱える底なし沼の心の闇を至極のアイロニーで描く
この作品、このパンデミック化に期間を限定しているものの、ボー君の、というかボー君世代が抱えるメンタルヘルスの闇を描いています。
最初はね、「このご時世で、何かできないか。久しぶりにコメディやろうか。白人の男がコメディやるよ、みんなを明るい気分になってもらうために。白人の男が」
っていう、(ボー君昔からシンセポップなので)ナンパな調べに乗せてベタで軽い自虐ジョークで誰でも入りやすい導入口を用意する。主にSNSをネタにした歌をねミュージックビデオみたいに作って流していきながら、次第に闇へと誘っていきます。
全方位で完璧でなければならないという心理的プレッシャー、認められない可能性の恐怖から、Inside制作が全然おわらず、30歳の誕生日を引きこもったまま迎える羽目に。(→1年以上引きこもってたらしい)そしてボー君自身、ちっとも心がヘルシーでないことを明かすのです。
これはソーシャルメディア世代が抱える闇です。前半のソーシャルミディアをネタにしたおちょくりは、自虐でありボー君自身が犠牲者でもある。さらには、この闇から決して抜けられられることはなく、むしろ闇とともに生涯をともにせねばならないという絶望つき。一番の皮肉は、闇にがんじがらめの自分がエンタテイメントになっている、ということ。
ボー君がMake Happy以降にライブコメディをお休みしてたのは、闇に完全にコントロールされる日々に耐えきれなかったから。しばらく映画作って、心の健康を取り戻し、ようやく「またライブコメディやってみようかな」という元気が出てきたときに、パンデミックがやってきた、そうです。最後のシーンは、トゥルーマンショーを彷彿とさせるけども、メッセージは絶望的です。でも我々は笑うんですよ。そしてボー君(およびソーシャルメディア世代)にとって終わらない絶望の中の救いは、我々が「楽しむ」ことなんです。
オレがまさに、ボー君が見せてくれた無限大の闇と痛みを「絶賛」しているんです。
書いてて、さらに鬱になってきたかも・・・(汗)泣ける意味がわかっていただけたでしょうか・・・
メンタル・ヘルスを取り扱った「コメディ」は、結構今までもたくさん紹介してきたし、絶賛してきたけど、ボー君の作品がネトフリに配信されているということで、さらに広く取り上げられ、より多くの人たちにヘルプがある体制になってくれたらいいなと思います。
室内DIY撮影スキルセットがネクストレベル越え&驚愕の映像美
冒頭から一瞬にして吸い込まれるように魅了されてしまいました。ネタソングの合間に試行錯誤やテスト映像も入れ込み、恐ろしい狭い空間でこれほど違いや変化を見せられるのか、と。音楽もですが、「コメディ」「一人」「DIY」「限定された空間」で1時間30分も尺があるのに、まるで無駄がないのは、この映像以外の何物でもないです。
既存のインディーズ映画、DIY映像が生み出す美のレベルを数段超えて、現時点で最高トップじゃないかと思います。だって、DIYですよ。人物はボー君しかでないの!1時間半も!1Kから一歩も出ないの! 神業だと思います。
というわけで、ぜひ!みなさん、ネットフリックスですよ!みてください。
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