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2017年4月2日日曜日

2017年2月末から見始めたBBC(オンライン)コメディThis CountryがThe Office以来のThe Officeレベルの傑作モキュメンタリーである件について

はい。
本当です。あんまり面白くて2回回ししちゃいました。



This Country 

まだ全話観れます。

英国視聴者が「誰コレ作ったの?!」と騒然となっており、BBCが元祖のBBC Comedyらしさ(=より多くの大衆を相手に視聴率をあげるというのではなく、視聴者を啓蒙していきながら新しいコメディクリエイターを見出し輩出していく、という意味で)を出していると大変な評価を受けているのが、このモキュメンタリーThis Countryです。これは地方の小さい、平凡、地味な町でとくに何もする気もなくすることもなく暮らす若者たちの姿を6ヶ月間追いました、という設定です。ケリーとカーテンという従姉弟の日常をカメラにおさめています。

小さい町というのはコッツウォルズ。日本ではライムストーンのカワイイ石造りのお家が立ち並ぶ、英国一のかわいい田舎エリア、というイメージがあるかもしれませんが、そこは一回ファンタジーとして引き出しの奥底へしまってください。

第1話のScarecrow(かかし祭りでかかしコンテストで優勝するために真剣勝負のカーテンは何ヶ月も前から注目を浴びやすいスポットを予約していたのに何かの手違いで辺鄙なスポットとなってしまい…)から、すでに憶えたくなるセリフがポンポンでてくる驚愕のシリーズなのですが、本格的にギアチェンジして視聴者を虜にさせるのが第2話(入れ墨アーティストのライセンスをとった近所のマンディが自分のプロファイルを増やすためケリーに入れ墨をただで入れてあげるよとオファー。入れ墨に憧れつつもそんなお金のなかったケリーは喜んでマンディのオファーを受け入れるが…)以降です。

何の変哲もない、何一つ変わったことのない、どこにでもある町のどこにでもある日常。どーでもよすぎていちいち気にもとめない町の、空気みたいな日常。だから、些細で、どーでもよくて、ちっぽけなことがものっっすごい事件となりジレンマとなりトラウマとなりドラマとなるのです。見事なまでに引用しがいのあるセリフの数々と、演技とは思えない臨場感でもって映し出していくのです。

この醍醐味は、まさにThe Officeで味わったあの醍醐味です。(個人的にはギャレスを彷彿とさせるカーテンにロックオン状態です→はっきりそしてThe Office後、「モキュメンタリー」というフォーマットによるコメディが飽和状態になり、モキュメンタリーによるコメディ自体が萎えくらいになって随分経った今、This Countryはモキュメンタリーというジャンルにも新たな息吹を吹き込んだと言わざるを得ません。

もう一つ、このThis Countryの魅力を何に例えたらいいのだろうかと考えたときに、のりつけ雅春先生著の「アフロ田中」シリーズ(ビックコミックスピリッツに連載していたシリーズです)のノリが思い浮かびました。とくに高校と中退が近いかも。

も一つ特記すべきは、ケリーは女性なのだけどカーテンとの兄弟感がハンパないです。そしてシリーズ最終話の性別を超えたブロマンス感がじんわり涙が滲むようなラストへ誘います。まさにThe Officeの最終話レベルのクオリティ。とにかくすごいんです。

【では一体誰が作ったのよ。という話ですが】

ケリーとカーテン従姉弟扮するクーパー姉弟です。そう、この二人リアルでは姉弟。姉ちゃんがじつはRADA出身。(弟はスポーツ科学部中退してTop Shopの店員。なぜかあの体格と運動神経でスポーツ科学)

This Countryにゴーサインを出したBBCのコミッションの人ですら「今までコメディ・サーキットに出ていなかったのが信じられない」と言っているくらい、誰も知らない無名のクリエイターです。(というところも少々The Officeと似ているかもしれないですね)

姉ちゃんは名うてのRADAを卒業後そこそこ未来があるかと思いきや、まったく芽が出なくて、地元に戻ってカレッジ中退した弟とともに実体験(=姉弟ゲンカなど)をもとに書いたのがこのThis Countryだそうです。RADA出身なので武器もスキルも持ってるんで、このシリーズの原型となるClipをYOUTUBEにあげていたところ話題になり、まずはアメリカの放送局がピックアップ。パイロットを作るという展開まで行くのですが、The OCみたいにさせられそうになり、姉弟は一目散に逃げだします。

【かぎりなく絶望に近い状態のなか、
信じてくれたとある人物をきっかけに…】

このスクリプトで成功しなかったらホントに夢も未来もない。そんな姉ちゃん(多分弟はそれでもよいんだと思いますが 笑)は最後の望みとばかりにBBCの人に連絡を取ります。門前払いになることなく、すぐに興味を示し会ってくれることに。しかし、ここにはある人物が事前にあることをしていたから、というのも手伝っていました。そのあるじんぶつとは…。

その、とある人物とは、いいですか、みなさん。大きく深呼吸を。(大丈夫、バスデンさんじゃないから)これだけひっぱるだけの人物なんで、大きく深呼吸を。

その人物とは…











クーパー姉弟のまたいとこ、姉ちゃんと同じRADA出身(主席卒業)Horrible Historiesでお馴染みの、The Wrong Mansでお馴染みの、マシュー・ベイントンなんです!

マシュー・ベイントンがBBCの人にThis CountryのYou TubeClipを「おもしろいから」と回していたのです。だからBBCの人はすぐに会うことを快諾、スクリプトを読むなりすぐに「キタ」感を、コレは本物だ感を得たのです。
 クーパー姉の最後の望みは、砕かれることなく見事、見事最高の形で形となり、BBCオンラインにて配信開始、コメディ業界および劇作家業界が次々に絶賛しはじめ、一週遅れてBBC2にて放送時には多くの人が注目し、「誰だ誰だ?作ってるのは誰だ?」状態に。4話目くらいからようやくクーパー姉弟があちこちでインタビューに登場するようになり、今やシリーズ2も決まりそうな勢いです。(この経緯についてのソースはこちら )

というわけで、長々話し手しまいましたが、そんなわけです。絶対に注目です。絶対に観てください。絶対に。

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