イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/です。
2017年1月17日火曜日
いきなり2017年号泣映画No.1* マンチェスター・バイ・ザ・シー / Manchester By The Sea 観ました。
*アメリカでは2016年11月公開とのことですが、スコットランドで観ているので、2017年1月公開でした。。。
Manchester By The Sea.トレイラーです
日本では2017年5月公開とのことなので、日本のウィキさんにあらすじの情報等が掲載されていました。ま、こんな感じかな、と思える、スポイラーなし、いい塩梅のあらすじだと思います。
【もちろん、100%勘違い満々で観に行こうとしていました】
イギリスの地名からとった町の名前がアメリカにいくつもあることは知っていたし、主演のケイシー・アフレックがアメリカ人だってのも知ってたんですが、
1)にゅー・Jerseyとか、にゅー・Yorkとかさ、New ってだいたい前につくじゃん?
2)マンチェスター、ニューついてないじゃん?
という浅はかな理由と、まったく事前に映画の情報を入れないクセのせいで、勝手に
ケイシー・アフレックがなんかの理由で元マッドチェスターのマンチェスターに来ちゃってEnglishman in New Yorkの逆みたいな話でしょ?
ってかなり直前まで思っていました。”By the Sea”とかポスターに写ってる船っぽい画像とか完全無視。リバプールまで1時間だし、くらいに軽く頭を回らせていました。コレこそ噂のエコ・チャンバーです(違
そうこうするうちに公開。大絶賛のレビューリンクがガンガン回ってくる様になり、いいかげん目が「Lee (Casey Affleck) went back to his hometown...」とキャッチ。先述のとおりケイシー・アフレックのことは詳しく知らないけどアメリカ人だっていうのは知ってるので、どう考えてもアメリカ人のホームタウンってアメリカだよね、と脳が認知しました。。。
正直、アメリカのマンチェスターにニューがついていないことに、かなり驚きました。
【長過ぎる前書きはどうでもいいから、中身がどうよかったのよ】
お話自体は、今まで何度となく繰り返されてきたタイプのものです。現実によくあってはいけないし、自分の身の回りでもこんなことがあった日には死ぬしかないのですが、映画などのドラマでいうところの「よくある話」である上、それをドラマチックとは正反対の地味に地味に、Lo-Fiで繰り広げていきます。リー(ケイシー・アフレック)の地味な感情表現ったら。。。です。またリーの甥っ子パトリック。父親をなくしたというのに至って通常通りな行動ったら。。。です。
なのですが、この地味な表現こそが、この物語のキモなのです。
地味であればあるほど、登場人物の(本人すらも認識していない)抱えているものが強烈に重く強くリアルに伝わってくる。地味だからこそのリアル。
なぜそうなるのかは、ぜひ映画をご覧になってください。最後の最後まで地味ですが、地味であれば地味であるほど、セリフすらもまともにないほどのシーンでも涙が止まりません。
途中から泣きっぱなしです!!!
フラッシュバックがよく登場するのですが、このフラッシュバックの切り替わりも困惑するくらい地味ったらない。(というか何の変哲もなさすぎる切り替わり)結果、こんなフラッシュバック観たことないよ、っていうくらい斬新だったと思います。そしてスクリプトが秀逸だったとしかいいようがありません。ヘヴィーな題材だったんですが、ヘヴィーのまっただなかにやりとりするセリフに皮肉の笑いが溢れ出ている。そしてそのセリフは地味な演出だから活きて効力を発揮する。誰ですかこの作家さんは、と思ったら、Gangs of New York書いてた作家さんだった。スキルですな。この地味をここまでの最強の武器に変換させる武器を持つ熟練職人。そういう傑作でした。
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