(これ、3月21日に観たグラスゴーTramway でのLimmy Vine Tourです)
Limmy については、BBCでS3まで放送していたLimmy's Show以外、全く触れてなかったと思うのですが、実はものすごい好きである種の天才だと思っています。バリッバリなローカルグラスゴーのコメディなのですが、このローカル色を確実に国境を超えて受け入れるマーケット層が存在し、オタク層*では大変なカルト人気ステイタスを確立しています。
そんなLimmy ではあるのですが、今回のVinesは, タイトル通り、今までのLimmyのvineをほぼ全部つなぎ合わせて、2部構成にして発表しているだけのものです。1本あたり20分くらい?2本見終わった後でQ&A。このQ&Aの方向性は客層と土地柄次第でしょうか。(グラスゴーの場合は、情報としては全くもって使い物になりませんでした。)
Limmy のユーモアとLimmyのグラスゴー英語がわかるかどうか、という語学的(?)懸念から敬遠するべきではないと思います。機会があったらぜひみて欲しいです。
Limmyのツイッターでvineで何やってるのか見ていたので、正直、あのvineを繋げただけのものに期待のかけらもしていなかったんです。(なぜじゃあ見に行ったんだよといえば、LimmyなのとQ&A が面白いに違いない、と思ったからです)ところがですね。実際に見たものは、vineを古いものから順番に単純に繋いでいっただけで、ここまで映像とテーマ性において、統一感と一貫性をキープし、短編と胸を張って言えるんじゃねーかレベルの完成度の高いものだったんですよ、奥さん。あのLimmyのvineですよ! しかも、初期はなんとなく手探り・実験的な試みでオナニーネタを繰り返し、その後、息子くん入ってくるわ、公園散歩入ってくるわ、テレビニュースのリアクションネタ入ってくるわと、気まま勝手にやってるっぽく見せておいて、繋ぐとですね。。。ショットの撮り方と使用する部屋、着る服、色使い、ネタのテーマ、これがきちんとパターン化されてるんですよ。だから一つ一つ見てると全くランダムに見えていたものが、単純に繋いだだけでも一貫性を生み出してしまうんです。
Limmy はもともとグラフィックデザイナーで、アプリやサイトのプログラミングもすることをもともとは本業にしていたので、パターン作りの仕組みが無意識に計算できるんじゃないかと思いました。最初の実験的なオナニーネタで使っていた色や顔作りと撮影方法を他のネタの撮影時にサイクルの一つとして入れ込んでいく。でオナニーネタを後期にもやっているんですが、この時に他のネタでシリーズにしていたオカルト・恐怖テーマも取り入れている。こうしたクロスオーバーがvineを繋ぐ時に一貫性を持った短編としても成り立つ効果を発していると思いました。びっくりするくらい見入っちゃってバカ笑いもします。
vineがvine として完成形として存在する一方、短編の素材としても使え、立派な短編の一部になっちゃえる。こんなやり方で、偶然の産物のようで実はそうではない短編は注目され評価されなければいけない、と思いました。(実際、これ昨年のロンドン国際映画祭に出品されたらしいです)
Limmy はスコットランド中心にガンガン回り続けたのちに、ロンドン、バーミングガム、ブリストルなどを回る予定です。以下のページをご参考に。ぜひ見てください。
https://www.facebook.com/LimmyDotCom/posts/10150991850094957
*でもですね、正直なところ、イングランドのLiberal arty whitey male のギーク友達と話をすると、温度差というか、イングランドではギークだったら全員、ってのは厳しいのかも、ってのもちょっと感じてます。イングランドの男の子のリベラルアーティだからかなーグラスゴーの理解が冷たいっちゅーか、グラスゴーに抵抗を感じている、というか。
あ、そういえば、毎年グラスゴーのコメディ・フェスティバルで頑張るこのカテゴリーの芸人君って…あんまり多くない…よね(汗)アレ?!
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