イギリスを主とする海外コメディをガツガツご紹介するブログです。産地直送のイキのよいコメディ情報を独断と偏見でピックアップして(だいたい)絶賛します。***トホホな事情が発生して今まで書いていたGo Johnny Go Go Go を更新できなくなってしまいました(涙)今までの膨大な海外コメディ記事はhttp://komeddy.blog130.fc2.com/でございます。。。

2014年11月3日月曜日

2014年秋のUKコメディ中間報告(2)【緊急追記あり】

2014年秋のUKコメディ中間報告(1)はこちら

(2)のコンテンツ

⑥ Andrew Lawrence騒動は何だったのか

⑦ リッチーことRichard HerringのRHLSTPに続き、やたらにクオリティの高いPodcastが増える一方な件について

⑧ Channel 4のウエブシリーズ Comedy Blaps には、今注目しなければいけない芸人さんがドンツカでているので絶対に注目です。

⑨ Citizen Khan のシリーズ3が絶賛放送開始!

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⑥ Andrew Lawrence騒動は何だったのか

https://www.facebook.com/andrewlawrencecomedy/posts/10154774535765253
コレですね。


ここで現在のマンネリ化し、システム化してしまった政治風刺のパネルショーに対する痛烈な批判を展開したんです。その表現の中には、

"Particularly too much moronic, liberal back-slapping on panel shows like Mock The Week where aging, balding, fat men, ethnic comedians and women-posing-as-comedians, sit congratulating themselves on how enlightened they are about the fact that UKIP are ridiculous and pathetic."

と、あまり適切ではない表現を使っていたんですね。(正直上記引用箇所が一例なのが、すごいですけど 汗)。また「UKIPのサポーターではないが、UKIPのやってることは理解できる」といった、反感を買うにはもってこいの文章が散在していました。
その結果、このポスティングは批判とともに瞬く間にSNSをかけめぐり、メディア界がすぐにキャッチし大々的に報じられる騒ぎになりました。アンドリュー自身が芸人さんへの痛烈な批判を入れているせいも手伝い、コメディ関係者の間でも醜いコメントが吹き荒れました。

何はともあれ、Andrew Lawrenceとはどんな芸人さんなのか?】 
を知る必要があると思います。というのも、この騒動からUKコメディ界に寄生する問題が読み取れること、そして読み取るにはAndrew Lawrenceがどんな芸人さんか、を正しく知らないと読み取れないからです。

Andrew Lawrenceは、ここ10年くらい、スタンダップ界で評価の高い、相当な実力のある芸人さんです。So You Think You are FunnyやAmused Moose、BBC のNew Act of the Year、それからエディンバラのコメディ・アワードでも新人賞ノミネート、と相当たる注目度を浴びています。その後2010年だったかな?のエディンバラでやったショーがかなりなヒットとなり、BBC Radio 4で冠番組シリーズをゲットするんですよね。しかしながら、その後これ以上にキャリア的に飛躍することはなく、現在に至ります。

オレはアンドリューの評判がピークにきた、まさに2009年だか10年のショーのときに観ました。
そのときに思ったことは以下です。

「この人、非常にレベルが高いし、ピカリと光って面白い。しかし、このやり方では売れたら、彼ならではのジョークの生産ができないんじゃないだろうか…」
「ちょっと尋常でないタイプの自虐コメディで、この人心の病気のほうは大丈夫なんだろうか…?」

じつはこれだけ注目を浴びている時点ですら、アンドリューにとってコメディアンは副業だったんです。本業はロンドン・バス(赤い二階建てバスっす)の運転手。ネタは、自分がいかにブサイクか。いかに底辺ライフを送っているか。底辺ライフから脱出するためにはちょっとでもよい職業なんだろうけど、芸人との二足のわらじだから、休みがとりやすい仕事しかできない。たしか、ロンドンバスの運転手もエディンバラのせいで1ヶ月休まないといけないから、ってんで辞めたんじゃなかったかな…?(→間違ってたらごめんなさい)
でも見事に「オレを笑ってください」以上のクオリティを出していたんですよね。そしてそれが評価される理由およびアンドリューの魅力なのです。というわけで、「売れる道/メジャーの道を歩み始めると、彼の魅力がなくなってしまうのではないか…」という不安が拭えないんです。UKメジャービジネス界で、コメディをよくわかっている人たちが彼にお手つきをすることに二の足を踏んでいるのはここにあるのではないかと思います。

また、アンドリューがキャリアを積み上げてきた2000年後半時期は、90年代のように賞を取った&ノミネートされた芸人さんが誰しもホイホイ次のステップへ進めない時代になってきている倦怠期であることも補足しておきます。 (=90年代に起きたUKコメディ変革期&芸人ブームにより、システム化してきたUKコメディビジネス界における供給が需要よりも増えて来ちゃった。ちなみに2014年はさらなる変換が見えた年でした…)

【この騒動の問題点】

①アンドリュー・ローレンスは、上記の自分の状況をよくわかっているんじゃないかと思います。自分が世間に騒がれるほどの知名度や話題性のある芸人でない、と信じて疑わなかったゆえの、自分のサポーターへ向けた(それ以外の人が読むとは考えていなかった)ポスティングだった。
だからこそ「誰もが読めるpublic sphere」に相応しくない表現を使用しまくっていた…という事実は否めないと思います。一本筋は通っている。彼が表現の自由を自粛する必要はなにもない。けれど、一つの社会をみんなで共有している以上、表現の自由には必ず表現のverificationという義務がついてまわる。そこは、残念ながらおざなりだったと思います。

② 政治風刺パネルショー番組って、つまりはMock the WeekやHave I Got a news for You? なわけです。ここにはちゃんとコメディ戦国時代をくぐり抜ける武将が大勢でています。その武将たちを根こそぎ敵に回すポスティングでした。アンドリューはFrankie Boyleではない、そしておそらく生涯Frankie Boyleになることはないので、Frankieと似たような芸人さんへの攻撃的な言動を起こした場合、援軍や理解者が非常に少ないわけです。(注:Frankie Boyleを理解する人々は圧倒的多数います。聞く耳を持つ人が多ければ多い程それはpublic sphereとかぶっていき、それゆえに、表現を選ぶということが必要なくなっていくと思います)

Graham Linehanが
とRichard Herringにツイートしていたのが、ズシーーーンときました。

③ というわけで、アンドリューは、ライブUKコメディを知る人の間では「才能があるのになかなか上手に活躍できないアンラッキーな芸人さん」というイメージがファジーについている。一方それほどライブスタンダップには興味のない人たちの間ではほとんど知られていない芸人さんではないかと思います。さらにいえば後者の人々のほうが圧倒的多数。そのため「売れないもののやっかみ」「メジャー売れするための作戦」などさんざんな醜聞がはびこりました。さらには「UKIPに肩入れしている芸人がメジャー売れするために喧嘩をふっかけている」的な見方も。
それが違うとわかっていても、①の問題点があるため、なかなかアンドリューをバックする人がいなかったです。私が知る限りでは唯一Richard Herringが冷静に物事をみており、アンドリューにも理解を占めしていました。

④ SNSが登場するまでは楽屋でしか見れなかった(=つまりオレたちが拝むことなんてできなかった)スタンダップ芸人たちのnasty businessがあけっぴろげに展開された良い例となってしまいました。

昔からコメディクラブの楽屋では、結構陰湿な政治があるという話は、Frank Skinner他メジャーな芸人さんたちの自伝で結構頻繁に書いてあります。今にはじまったことではないのだろうと思いますが、SNS時代の今、哀しいことに「楽屋の陰湿ジョーク」が公に活発に行われる世の中に。さらには、この騒動を「時事ネタ」と同じ扱いに考え、中傷ジョーク発するという醜く不健康な状況になっています。実力派の武将レベルの芸人さんがコメントするのは問題ないのですが、正直、若手の芸人さんたちの関連ツイートはどうかと思いました。実力のある先輩芸人さんへのリスペクトをしてほしいですよね…(じつは楽屋でアンドリューからイヤな目にあったのかもしれませんが 汗)

この騒動を予期せずして引き起こし、コントロール不可能で巻き込まれる結果となったアンドリュー・ローレンスのその後のポスティングを貼付けます。
https://www.facebook.com/andrewlawrencecomedy/posts/10154774535765253



【緊急追記】
上記の件から派生して、UKIPリーダー、ナイジェル・ファラージが「芸人さんたち全体が一丸となってUKIPをいじりまくる」「メディア全体が左寄りになっている」と文句を言っていたのですが、それ対するフランキー・ボイルせんせいお得意の「むちゃくちゃな修羅場を爆弾一発で全部こっぱみじんにしちゃうよ」的な最高に美しい記事を以下にはりつけます。
http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/nov/03/ukip-comedians-nigel-farage-leftie-comedians


⑦ リッチーことRichard HerringのRHLSTPに続き、やたらにクオリティの高いPodcastが増える一方で困っている件について

す、すみません(汗)またしても力尽きました…(汗)
⑦−⑨は次に書きます…(汗)ホントすみません。

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